映画鑑賞日記

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』映画鑑賞日記

Photo  ディズニーがルーカスフィルムを買収して製作したスターウォーズシリーズ7作目。監督に」「SUPER 8/スーパーエイト」のJ・J・エイブラムスを迎え、新たなる3部作を2年おきに公開するとのことで、「スター・ウォーズ エピソードVI/ジェダイの帰還」から約30年後を舞台にしています。
 個人的にスターウォーズシリーズはオリジナル・トリロジー旧三部作) は大好きですが、プリクエル・トリロジー新三部作) はいまいちだったので、今回のジョージルーカスが製作にかかわっていないシークエル・トリロジーは公開されるまで期待と不安が入り混じっていました。ただ、ハリソン・フォード、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャーはじめ旧シリーズのキャストが再登場するということで、どのような続編になるのか、とても興味がありました。
 公開初日に映画館で鑑賞したのですが、結果としては微妙でした。確かに旧シリーズのキャラクターやメカが登場すると懐かしく、画面にくぎ付けになりました。
 しかし、今シリーズから登場するキャラクターに魅力が薄く、特に悪役のカイロ・レンがヘタレで、自暴自棄になるわ、主人公にライトセーバーで負けそうになるわで、ある意味びっくり増しました。続編以降でカイロ・レンは成長してダースベーダーのような悪役になるのかもしれませんが、悪役に魅力が薄いとどうしても盛り上がらないんですよね。
 ストーリーも『エピソード4/新たなる希望』と『エピソード5/帝国の逆襲』に似ていて、後半のクライマックスシーンも、これからこういう展開になるのかなというのが分かってしまい、今一つでした。あと、旧シリーズ最大の魅力あるキャラクターが退場してしまう展開は違う意味で驚きました。ストーリーが平板で、人物描写が弱いので、一番盛り上がる場面として用意していたんでしょうが、個人的にあっけない印象を受けてしまいました。あと、一番許せなかったのはライトセーバーの扱いが軽くなっているところ。ジェダイしか使えないセーバーをあんなに誰も簡単に使えたらいけないと思います。
 いろいろケチをつけてしまいましたが、冒頭のジョンウィリアムズの音楽に合わせて、説明の字が流れていくシーンや砂漠に墜落して朽ち果てたスターデストロイヤーの映像等は鳥肌が立ちました。
 ラストも次回どういう展開になるのかは気にはなってはいるので、エピソード8も公開されたら、きっと劇場に足を運んで見に行くんだろうなと思います。

監督:    J・J・エイブラムス   
製作:    キャスリーン・ケネディ   
    J・J・エイブラムス   
    ブライアン・バーク   
キャラクター創造:    ジョージ・ルーカス   
脚本:    ローレンス・カスダン   
    J・J・エイブラムス   
    マイケル・アーント   
撮影:    ダニエル・ミンデル   
プロダクションデザイン:    リック・カーター   
音楽:    ジョン・ウィリアムズ   
出演:    ハリソン・フォード    ハン・ソロ
    キャリー・フィッシャー    レイア・オーガナ
    アダム・ドライヴァー    カイロ・レン
    デイジー・リドリー    レイ
    ジョン・ボイエガ    フィン
    オスカー・アイザック    ポー・ダメロン
    ルピタ・ニョンゴ    マズ・カナタ
    アンディ・サーキス    最高指導者スノーク

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『大地震』映画鑑賞日記

Photo 1970年代にハリウッドでブームになったパニック映画の代表的作品の一つである『大地震』。公開当時は地震を疑似体験するために開発された音響効果「センサラウンド」が大変話題になりました。また、出演者もチャールトン・ヘストン、エヴァ・ガードナー、ジョージ・ケネディと豪華な顔ぶれです。
 私はパニック映画が昔から好きでよく見ていて、本作品も小学校の頃に見たのですが、『ポセイドン・アドベンチャー』や『タワーリング・インフェルノ』と比べると印象が薄いです。

 最近久しぶりにDVDを借りて見返したのですが、今見ても地震のシーンはそれなりに迫力がありました。まだ、CGもない時代にミニチュアやセットや合成技術を駆使して、地震やダムの決壊による洪水で市街地が崩壊する様を克明に描こうとしています。

 ただ、肝心のストーリーがイマイチでした。脚本は『ゴッドファーザー』の原作者のマリオ・プーゾが手がけているのですが、主人公と妻と愛人との間で繰り広げられるメロドラマのパートがチープな上に退屈です。
 個人的にはメインのストーリーよりも州兵が混乱のの中で嫌いな人間を射殺したり、好きな女性を襲おうとするシーンの方がインパクトがありました。
 本作品は高層ビルや船という限定された空間でなく、街全体と舞台が大きくなったために、ストーリーも拡散してしまい登場人物たちへの感情移入しにくかったです。

上映時間 122分
製作国    アメリカ
製作年度 1974年
監督:マーク・ロブソン   
脚本:マリオ・プーゾ   
    ジョージ・フォックス   
撮影:フィリップ・H・ラスロップ   
特殊効果:アルバート・ホイットロック   
音楽:ジョン・ウィリアムズ   
出演:チャールトン・ヘストン   
      エヴァ・ガードナー   
      ジュヌヴィエーヴ・ビジョルド   
      ジョージ・ケネディ   
      リチャード・ラウンドトゥリー   
      ローン・グリーン   
      バリー・サリヴァン   
      マージョー・ゴートナー   
      ロイド・ノーラン   
      ヴィクトリア・プリンシパル   
      モニカ・ルイス   
      ペドロ・アルメンダリス・Jr   
      タイガー・ウィリアムズ

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『サバイバル・オブ・ザ・デッド』映画鑑賞日記

Photo  ゾンビ映画の巨匠ジョージ・A・ロメロ監督が前作『ダイアリー・オブ・ザ・デッド』に登場した脇役を主役に据えて製作した続編とも言える作品『サバイバル・オブ・ザ・デッド』。本作品はグレゴリー・ペック主演の傑作西部劇『大いなる西部』をモチーフにして、西部劇タッチのゾンビ映画に仕上がっています。

 本作品は前作で主人公たちの物資を略奪した州兵たちが主人公です。ゾンビを倒しながら生き延びていた主人公たちがゾンビのいない安全な島があると聞き、島を目指します。しかし、たどり着いた島は2つの一家がゾンビをめぐって抗争を繰り広げており、主人公たちも人間たちの不毛な抗争に巻き込まれていきます。 

 本作品は人間とゾンビとの激しい攻防戦を期待して見ると肩透かしを喰らいます。本作品はゾンビのいる世界を舞台にしていますが人間同士の愚かな争いに対して警鐘を鳴らす社会派作品です。人間世界が崩壊に近づいていても、主義思想の違いや欲望のために争い続け自滅していく人間たちの姿をシニカルに描いています。そういう意味ではロメロ監督らしいゾンビ映画です。
 また、西部劇をモチーフにしていることもあり、馬に乗っているゾンビが登場したり、銃による決闘シーンなども盛り込まれています。そういう意味ではクラシカルな仕上がりになっています。

 もちろんゾンビ映画に欠かせない残酷描写も満載ですし、『死霊のえじき』でも描かれていたゾンビを飼いならす描写もあります。個人的にはロメロ監督らしいゾンビ映画だったので最後まで飽きることなく見ることが出来ました。

 ただ、残念な点もいくつかあり、低予算のためかスケールが小さく、ゾンビの数も少なすぎます。セットや演出も所々チープな印象を受けました。また世界の崩壊を描いているにもかかわらず、終末感や緊張感といったものがあまり伝わってきません。また、ラストの馬をゾンビが食べるシーンは正直どうかと思いました。

 本作品は誰にでもお薦めできる作品とは言いがたいですが、ロメロ監督のゾンビシリーズが好きなら見て損はないと思います。

上映時間 90分
製作国    アメリカ/カナダ
製作年度 2010年
監督:ジョージ・A・ロメロ   
脚本:ジョージ・A・ロメロ   
撮影:アダム・スウィカ   
特殊効果メイクアップ:グレッグ・ニコテロ   
プロダクションデザイン:アーヴ・グレイウォル   
衣装デザイン:    アレックス・カヴァナー   
編集:マイケル・ドハティ   
音楽:ロバート・カーリ   
出演:    アラン・ヴァン・スプラング   
    ケネス・ウェルシュ   
    キャスリーン・マンロー   
    デヴォン・ボスティック   
    リチャード・フィッツパトリック   
    アシーナ・カーカニス   
    ステファーノ・ディマッテオ   
    ジョリス・ジャースキー   
    エリック・ウールフ   
    ジュリアン・リッチングス   
    ウェイン・ロブソン

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『トロン:レガシー』映画鑑賞日記

Photo  1982年にジェフ・ブリッジス主演でディズニーが製作した『トロン』の続編となるSF映画『トロン:レガシー』。私は予告編を見たときから、そのスタイリッシュな映像と音楽に公開をとても楽しみにしていました。

 公開翌日に映画館に足を運んで鑑賞したのですが、率直な感想としては微妙でした。前半の主人公がサイバーワールドに取り込まれて突然闘う破目に陥るまでは映像の圧倒的な迫力に見ていてかなり面白かったのですが、中盤以降は会話シーンが多くなりストーリーのテンポも単調かつスローペースで正直ウトウト寝かけてしまいました。ラストの敵とのバトルも華麗な映像の割りにアクションの盛り上がりに欠けていて、見ていて不完全燃焼でした。

 本作品のストーリーはとてもシンプルです。主人公がサイバーワールドに入り込み、行方不明になった父と出会い、プログラムたちの人間世界への反乱を防ぐという展開です。悪い敵を親子で力をあわせて退治するというディズニーらしい王道の話しであり誰が見ても一定楽しめますが、特にひねりやどんでん返しもなくSF映画として見るとありきたりで退屈です。
 また、サイバーワールドと現実世界との関係性がいまいち分からず、人間がどうやってプログラム内に入っていくのか、またプログラムがどうやって現実世界に実体を持って出てこようとしているのか疑問に思ってしまいました。それは突っ込んではダメなところかもしれませんが、そこをもう少しきちんと説明しないと映画の世界観に説得力がないような気がしました。

 本作品で話題になっている3D映像も2D映画より映像全体に多少奥行き感はあるものの、正直そこまで3Dの効果を感じるシーンはありませんでした。別にこの程度なら3Dでなくても良かったのではと思いました。もともと暗い映像が3Dメガネのため、さらに暗く見えにくかったです。
 サイバーワールドの描写はスタイリッシュではありますが、目新しさはなく、ずっと同じような光景ばかりで中盤からは飽きてしまいました。
 映像としてはサイバーワールドの3D映像よりもオスカー俳優の60代のジェフ・ブリッジスがCGを駆使して30代の姿で違和感なく登場させ悪役も演じているところの方が凄いと思いました。(若い人がメイク等で老けた役を演じることは今までもありましたが、逆はなかったので・・・)

 結構批判的に書いてしまいましたが、ダフト・パンクのエレクトロニック・ミュージックは映画の世界観にとてもマッチしていました。私は見終わってサントラが思わず欲しくなりました。
 また、オリヴィア・ワイルド演じるヒロインのクオラが非常に美しく魅力的なキャラクターで、見ていて主人公よりも存在感がありました。

 本作品は期待を煽る予告編と比べると本編は残念な出来でした。ただ、見るならDVDよりは大画面で見た方が迫力はあるかと思います。 

上映時間  125分
製作国    アメリカ
製作年度 2010年
監督:    ジョセフ・コシンスキー   
製作:    ショーン・ベイリー   
    ジェフリー・シルヴァー   
    スティーヴン・リズバーガー   
脚本:    エディ・キッツィス   
    アダム・ホロウィッツ   
撮影:    クラウディオ・ミランダ   
プロダクションデザイン:    ダーレン・ギルフォード   
衣装デザイン:    マイケル・ウィルキンソン   
音楽:    ダフト・パンク   
出演:    ギャレット・ヘドランド   
    ジェフ・ブリッジス   
    オリヴィア・ワイルド   
    マイケル・シーン   
    ボー・ガレット   
    ブルース・ボックスライトナー   
    ヤヤ・ダコスタ   
    セリンダ・スワン   
    ジェームズ・フレイン   
    エリザベス・マシス   

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『SPACE BATTLESHIP ヤマト』映画鑑賞日記

Space_battleship  日本アニメの名作「宇宙戦艦ヤマト」を実写映画化した『SPACE BATTLESHIP ヤマト』。監督にVFXでは定評のある「ALWAYS 三丁目の夕日」の山崎貴、主題歌にスティーヴン・タイラー、そして主演にSMAPの木村拓哉という豪華スタッフ・キャストで製作された本作品。私は公開前から壮大かつ長大な物語をどう実写化して映画としてまとめるのか非常に興味がありました。今まで日本のアニメを実写化して成功した作品はほとんどないと言っても過言ではない中、今回の『ヤマト』も失敗に終わるのではと見るまで思っていました。実際、私の周りでも別に劇場で見なくても良いかなと言う意見が大半でした。
 ただ、邦画が本格的なSF映画を手がけたということもあり出来が気になって、先週の土曜日に劇場まで足を運んで見てきました。
 感想としては脚本とキムタクの演技はイマイチでしたが、映像に関しては予算の少ない邦画にしてはなかなかの完成度だったと思います。(ただ、映像もハリウッド映画に比べるとリアリティ度はどうしても下がりますが。)

 ストーリーは基本は「宇宙戦艦ヤマト劇場版」で、クライマックスは「さらば宇宙戦艦ヤマト」のエピソードを強引に足した感じです。長大な物語を2時間ちょっとにいろいろなエピソードを詰め込み強引にまとめていることもあり、登場人物たちのドラマが表面的なものになってしまっています。その為、後半の登場人物たちが次々死んでいくシーンもいまいち胸に迫ってくるものがありません。
反面、古代と森雪のベタな恋愛模様がダラダラと描かれ、地球の存亡という緊張感溢れるはずのストーリーが弛緩しています。
 また、船内での主人公たちが交わす会話は見ている側が恥ずかしくなるほどチープで古臭いです。

 古代を演ずるキムタクの演技は普段テレビドラマで見せるいつもの演技と変わらず、本作品にはあっていないような気がしました。

 演出に関してはハリウッドのSF映画を彷彿させるシーンが数多く、もう少しオリジナリティを出した方が良かったのではと思いました。ラストにスティーヴン・タイラーの主題歌がかかるのも『アルマゲドン』のパクリっぽくて嫌でした。
 また、ヤマト艦内や荒廃した地球のセットもこじんまりとしてとしてリアリティにかけていたような気がします。もう少しお金をかけてセットを作りこんで欲しかったです。
 あと、地球を離れて、14万8千光年という長い旅をしているにも関わらず、その時間経過や苦労があまり描かれていないため、感動が薄れてしまっているような気がしました。

 いろいろ不満ばかり書きましたが、日本のSF映画としてはかなり頑張っていると思います。個人的に良いと思った点は宮川奏さんの有名なBGMがかかるカットとアナライザーの予想外の活躍。この2つに関しては燃えました。

上映時間 138分
製作国    日本
製作年度 2010年
監督:山崎貴   
原作:西崎義展   
脚本:佐藤嗣麻子   
撮影:柴崎幸三   
美術:上條安里   
編集:宮島竜治   
音楽:佐藤直紀   
音響効果:柴崎憲治   
主題歌:スティーヴン・タイラー『LOVE LIVES』
VFX:山崎貴   
照明:吉角荘介   
出演:    木村拓哉
    黒木メイサ   
    柳葉敏郎   
    緒形直人   
    西田敏行   
    高島礼子   
    堤真一   
    橋爪功   
    池内博之   
    マイコ   
    矢柴俊博   
    波岡一喜   
    三浦貴大   
    斎藤工   
    山崎努

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『ホーホケキョ となりの山田くん』映画鑑賞日記

Photo_2  いしいひさいちの四コマ漫画作品を20億円の制作費をかけて高畑勲監督が映画化した本作品。スタジオジブリとしては初のセル画制作アニメを用いないフルデジタル処理で制作されています。高畑監督は水彩画のような手描き調の画面にこだわり、通常のアニメ映画の約3倍17万枚もの作画を行っています。(ジブリ作品の中で一番の作画枚数だそうです。)

 私は公開と同時に劇場に足を運んで鑑賞したのですが、水彩画のような映像のクオリティは流石ジブリと思いましたが、ストーリーが起伏がなく淡々としており映画として1時間40分見るには辛かったです。
 一般庶民の何気ない日常生活を哀愁と笑いを交えて描いている点は悪くはないのですが、わざわざ映画館で見る必要が感じられず、『サザエさん』のようにテレビで毎週放映した方が楽しく見れるのではと思いました。

 ただ、矢野顕子の音楽はとても素晴らしく、聞いていて心が落ち着きます。

製作国    日本
上映時間 104分
製作年度 1999年
監督:高畑勲   
絵コンテ:田辺修、百瀬義行   
原作:いしいひさいち   
脚本:高畑勲   
作画監督:小西賢一   
音楽:矢野顕子   
声の出演:
    朝丘雪路   
    益岡徹   
    荒木雅子   
    五十畑迅人   
    宇野なおみ   
    矢野顕子

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『おもひでぽろぽろ』映画鑑賞日記

Photo  岡本螢と刀根夕子による同名原作コミックを高畑勲監督がアニメ化した本作品。原作は小学生時代のエピソードのみですが、高畑監督はそこに27歳の主人公が田舎の農村を訪ねるエピソードを独自に追加。現代から過去を回想する形で物語が展開します。

 私は本作品を中学校時代に初めて見たのですが、淡々とした展開が退屈で途中睡魔に襲われたほどでした。
 映像はジブリだけあって現代のパートは実写かと思えるほど緻密で素晴らしいのですが、主人公たちの顔の皺はやり過ぎで違和感がありました。
 また、高畑監督の田舎や有機農業を礼賛するメッセージも田舎育ちの私には都会から見た理想にしか見えず共感できませんでした。
 ただ、ベット・ミドラーの名曲「The Rose」を都はるみが歌った主題歌「愛は花、君はその種子」はとても素晴らしく、それを聞きたいがためにサントラを買ったほどでした。

 最近久しぶりに本作品をふと見返したのですが、中学校の時の比べると興味深く見ることができました。

 私は本作品を昔を懐かしむことが主題の映画だとずっと思っていました。しかし、改めて見ると、自分の過去と今の自分の繋がりを自覚することで主人公が成長する姿を描いた映画であることに気づきました。
 ラストシーンで主人公が結婚を決めて引き返すシーンは本作品のいわばクライマックスでありますが、小さい頃の自分や友だちが未来に向かう主人公を見送る姿は過去との繋がりや和解を見事に表現しています。
 過去のエピソードは時代は違うとは言え、どれも自分も経験したことがあるようなエピソードが多く共感できます。個人的には分数の割り算のエピソードが一番共感できました。
 本作品は子どもの時の見るより、社会人になってから見た方がいろいろ感じることが多い作品です。

 ただ、何度見ても登場人物の顔の皺と高畑監督の田舎賛美には共感できませんでした。

上映時間 118分
製作国    日本
製作年度 1991年
監督:    高畑勲   
原作:    岡本螢   
    刀根夕子   
脚本:    高畑勲   
作画監督:近藤喜文   
    近藤勝也   
    佐藤好春   
特殊効果:谷藤薫児   
美術監督:男鹿和雄   
撮影監督:白石久男   
編集:    瀬山武司   
    金子尚樹   
    木田伴子   
    毛利安孝   
音楽:    星勝   
場面設計・絵コンテ:百瀬義行   
声の出演:今井美樹   
    柳葉敏郎   
    本名陽子   
    寺田路恵   
    伊藤正博   
    北川智絵   
    山下容里枝   
    三野輪有紀   
    飯塚雅弓   
    押谷芽衣   
    小峰めぐみ   
    滝沢幸代   
    石川匡
    増田裕生   
    佐藤広純

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『踊る大捜査線 THE MOVIE3 ヤツらを解放せよ!』映画鑑賞日記

Photo  前作『レインボーブリッジを封鎖せよ!』から7年ぶりに製作された『踊る大捜査線』の続編『ヤツらを解放せよ!』。前作は日本国内で173.5億円という大ヒットを収め邦画歴代興行収入1位の記録を保持。今回も初日2日間で興収約9.7億円、動員は約70万人で週末興行ランキングで第1位を記録しています。

 本作品は前作までのレギュラー陣に加え、小栗旬、伊藤淳史、内田有紀が参加。(但しドラマシリーズから参加していた柏木雪乃役の水野美紀は事務所とのトラブルで残念ながら出演していません。)新湾岸警察署開所式までの3日間に署内で起こる8つの事件に係長に昇進した青島刑事を始めとする仲間たちの活躍を描いていきます。今回の作品は今までの集大成であると同時に、これまでのテーマを再設定し直した「新・踊る大捜査線 第1話」のような位置づけとして製作されています。

 私は踊る大捜査戦のファンである友人と劇場に足を運んだのですが、2時間半という長丁場飽きることなく見ることはできましたが、シナリオや演出の切れが悪く映画としての完成度は低いといわざる得ません。踊るファンの友人も本作品はイマイチとの評価でした。
 7年というブランクは少し間が空きすぎたと思いますし、いかりや長介が本シリーズにとって如何に大きな存在だったかを改めて痛感させられました。ストーリーは和久さんの甥が登場したり、青島が過去に捕らえた犯人たちが再登場したりとファンサービス満載でありますが、肝心のストーリーの骨格が脆すぎです。新湾岸警察署のセキュリティがリアリティなさすぎますし、青島刑事に難病の疑いがあるという設定も活かしきれていませんし、あの犯人が仕掛けた事件自体がいくらなんでも無理がありすぎます。前作までにあったスタイリッシュなオープニング映像もなく、定番の音楽もなかなかかからず、青島と室井の共演シーンもほとんどなく、終始ドタバタした展開の消化不良な作品でした。毎回ある名セリフも今回に関しては上滑りだったような気がします。部活でなく、公権力の組織ですからね、仲間でなく部下としてきちんと見て育てていかないといけないのではと思いました。

 小栗旬が演じていた所轄と本庁の間を調整する鳥飼管理補佐官はとても興味深い役柄で、もっと話しに絡んできたら面白くなったような気がします。

 本作品は劇場でわざわざ見なくても、テレビやDVDで十分な気がしました。  

上映時間 141分
製作国    日本
製作年度 2010年
監督:本広克行   
脚本:君塚良一   
撮影:川越一成   
美術監督:梅田正則   
編集:田口拓也   
音楽:菅野祐悟   
音響効果:大河原将   
美術デザイン:あべ木陽次   
出演:    織田裕二
    深津絵里   
    ユースケ・サンタマリア   
    伊藤淳史   
    内田有紀   
    小泉孝太郎   
    北村総一朗   
    小野武彦   
    斉藤暁   
    佐戸井けん太   
    小林すすむ   
    甲本雅裕   
    遠山俊也   
    川野直輝   
    滝藤賢一   
    寺島進   
    松重豊
    稲垣吾郎   
    岡村隆史   
    小栗旬   
    小泉今日子   
    柳葉敏郎

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『アウトレイジ』映画鑑賞日記

Photo  北野監督15作品目にして、久しぶりにバイオレンスを主題にした『アウトレイジ』。ここ最近の北野映画は実験的な作風で少しアート寄りになっていたので、久しぶりのヤクザ世界の抗争という北野監督得意のジャンルを扱った本作品の公開をとても楽しみにしていました。

 

公開初日の今日、北野武の大ファンの友人と映画館に見に行ったのですが、映画のタイトルどおり「極悪非道」なストーリーと目を背けたな くなるほど痛い暴力シーンの連続に最後まで飽きることなく見ることができました。

 

 本作品は北野映画初出演の豪華なキャストも大きな話題になっていますが、出演者全員とても迫力満点に悪い奴を演じていました。特に加瀬亮・三浦友和・小日向文世はいつもの役柄と180度違う計算高い悪人を見事に好演して印象に残りました。

 

 ストーリーに関しては義理人情など関係ない現代ヤクザ社会の激しい権力抗争を描いているのですが、今までの北野映画とは違い終始セリフが非常に多いです。その為か北野映画の特長であった静と動のコントラストが生み出す緊張感といったものは余り感じられませんでした。

また、いつもの北野映画なら追い詰められた主人公が男の美学を持って滅んでいくところを、本作品は敢えてそうさせない終わり方をしています。まさか武演じる主人公がラストあのような格好悪い行動を取るとは思いも寄りませんでした。

 

スプラッター映画一歩手前の過激な暴力描写は苦手な人は全く受け付けない作りだと思います。カンヌ映 画で賛否両論分かれ、評価が思った以上に低かったのもある意味分かるような気がしました。


 本作品はバイオレンスアクション映画としては非常に良く出来ていますが、過去の北野作品のように何度も見たいかと言われると1回見れば十分かなと思いました。

 

上映時間 109分

製作国 日本

製作年度 2010年

監督: 北野武

脚本: 北野武

撮影: 柳島克己

美術: 磯田典宏

衣装: 山本耀司(大友組組長衣装)

衣装デザイン: 黒澤和子

編集: 北野武、太田義則

音楽: 鈴木慶一

音響効果: 柴崎憲治

メイク: 細川昌子

出演: ビートたけし

椎名桔平

加瀬亮

三浦友和

 國村隼

杉本哲太

塚本高史

中野英雄

石橋蓮司

小日向文世

 北村総一朗

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』DVD発売!

Photo  劇場公開から約1年、ついに待ちに待った『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』のDVDが発売されました!

 私も早速DVDを手に入れて、劇場で見て以来、久しぶりの『破』を堪能しました。冒頭のマリ&仮設5号機の登場から画面に釘付けで、怒涛のアクションの連続にテンションが上がりまくり、ラストの初号機の覚醒ではシンジのカッコよさに目頭と胸が熱くなりました。

 旧作に比べると登場人物たちも他者と積極的に関わっていこうとする姿が見られ、共感しやすいキャラクターになっています。特にレイはシンジに思いを寄せてご飯を作ろうとするなど旧作より人間味溢れる描写がかなり増えています。、

 アクションシーンは旧作をはるかに超えたスケールと迫力があります。特に落下してくる第8使徒をエヴァ3体が食い止めるシーンとラストの第10使徒と2号機の戦闘シーンは何度見ても鳥肌が立ちます。

 「今日の日はさようなら」と「翼をください」の選曲は賛否両論あるかと思いますが、個人的にはありだと思いました劇場で見た際に歌が流れてきた時はベタな選曲だなと思いつつも、内容にマッチしすぎて正直涙ぐんでしまいました

 今回のDVDは劇場よりも本編が4分長くなっており、シンジと加持が駅で出会うシーン等が追加されていました。また他にも細かな映像の修正や追加がいくつかありました。劇場で見たときよりも細部までじっくり見ることができ、映像のクオリティの高さは現在の日本アニメの最高峰といって過言ではありません。
 なお、音響も手直しをしているようですが、劇場で見た際よりも迫力が幾分後退しているような印象を受け、少し残念でした。

 今回『破』を見返して、次回作『Q』の劇場公開がとても待ち遠しくなりました。シンジとレイがどうなるのか、アスカはどう復活するのか、そして意味深な台詞ばかり呟くカヲル君や戦闘好きの謎の少女マリがどういう活躍するのか気になることがいっぱいです。
 

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