スターウォーズ

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』映画鑑賞日記

Photo  ディズニーがルーカスフィルムを買収して製作したスターウォーズシリーズ7作目。監督に」「SUPER 8/スーパーエイト」のJ・J・エイブラムスを迎え、新たなる3部作を2年おきに公開するとのことで、「スター・ウォーズ エピソードVI/ジェダイの帰還」から約30年後を舞台にしています。
 個人的にスターウォーズシリーズはオリジナル・トリロジー旧三部作) は大好きですが、プリクエル・トリロジー新三部作) はいまいちだったので、今回のジョージルーカスが製作にかかわっていないシークエル・トリロジーは公開されるまで期待と不安が入り混じっていました。ただ、ハリソン・フォード、マーク・ハミル、キャリー・フィッシャーはじめ旧シリーズのキャストが再登場するということで、どのような続編になるのか、とても興味がありました。
 公開初日に映画館で鑑賞したのですが、結果としては微妙でした。確かに旧シリーズのキャラクターやメカが登場すると懐かしく、画面にくぎ付けになりました。
 しかし、今シリーズから登場するキャラクターに魅力が薄く、特に悪役のカイロ・レンがヘタレで、自暴自棄になるわ、主人公にライトセーバーで負けそうになるわで、ある意味びっくり増しました。続編以降でカイロ・レンは成長してダースベーダーのような悪役になるのかもしれませんが、悪役に魅力が薄いとどうしても盛り上がらないんですよね。
 ストーリーも『エピソード4/新たなる希望』と『エピソード5/帝国の逆襲』に似ていて、後半のクライマックスシーンも、これからこういう展開になるのかなというのが分かってしまい、今一つでした。あと、旧シリーズ最大の魅力あるキャラクターが退場してしまう展開は違う意味で驚きました。ストーリーが平板で、人物描写が弱いので、一番盛り上がる場面として用意していたんでしょうが、個人的にあっけない印象を受けてしまいました。あと、一番許せなかったのはライトセーバーの扱いが軽くなっているところ。ジェダイしか使えないセーバーをあんなに誰も簡単に使えたらいけないと思います。
 いろいろケチをつけてしまいましたが、冒頭のジョンウィリアムズの音楽に合わせて、説明の字が流れていくシーンや砂漠に墜落して朽ち果てたスターデストロイヤーの映像等は鳥肌が立ちました。
 ラストも次回どういう展開になるのかは気にはなってはいるので、エピソード8も公開されたら、きっと劇場に足を運んで見に行くんだろうなと思います。

監督:    J・J・エイブラムス   
製作:    キャスリーン・ケネディ   
    J・J・エイブラムス   
    ブライアン・バーク   
キャラクター創造:    ジョージ・ルーカス   
脚本:    ローレンス・カスダン   
    J・J・エイブラムス   
    マイケル・アーント   
撮影:    ダニエル・ミンデル   
プロダクションデザイン:    リック・カーター   
音楽:    ジョン・ウィリアムズ   
出演:    ハリソン・フォード    ハン・ソロ
    キャリー・フィッシャー    レイア・オーガナ
    アダム・ドライヴァー    カイロ・レン
    デイジー・リドリー    レイ
    ジョン・ボイエガ    フィン
    オスカー・アイザック    ポー・ダメロン
    ルピタ・ニョンゴ    マズ・カナタ
    アンディ・サーキス    最高指導者スノーク

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劇場初公開版スターウォーズを見る!

Star_wars_trilogy  アマゾンで限定発売されていた「スター・ウォーズ トリロジー リミテッド・エディション 30周年記念特製缶BOX」が自宅に届き、特典映像として収録された劇場初公開版『スターウォーズ』3部作を久しぶりに見返す機会を得ました。
 DVDや最近テレビで放映されている『スターウォーズ旧3部作』は97年に製作された特別編に基づいたものであり、劇場初公開のバージョンに大幅に手直しが加えられたものです。また映像の差し替えや追加シーンもいくつかあります。特に「新たなる希望」と「ジェダイの帰還」は変更している場面が多く、昔からのスターウォーズファンからは雰囲気を壊すと賛否両論がありました。私も「ジェダイの帰還」のラストの変更は微妙だなと思いました。
 私も以前は劇場初公開版のビデオを持っていたのですが、手放して以来、特別編しか見る機会がなく残念に思っていました。
 そんな中、昨年に劇場初公開版が期間限定でDVDとして発売されました。久しぶりに手が加えられていないスターウォーズを見たのですが、今見ても全然違和感がありませんでした。特別編で追加された映像も別になくても困りません。また、久しぶりに昔見た「ジェダイの帰還」のラストシーンを見ることができて感無量でした。やはり旧スターウォーズ3部作のラストはイウォーク族の祭りで終わらないとしっくりきませんね。
 ただ残念なのが、画質が悪い点です。オリジナルのネガでなく、以前発売されていたビデオからの流用なの大画面で見ると荒いです。できれば高画質りマスターで発売してほしかったです。

あと、日本版のみの特典である劇場公開時の吹き替えと字幕の収録は良かったです。さらに欲を言うとテレビ初公開時の吹き替えのバージョンも入れてほしかったです。私の中でルーク:水島裕、ハンソロ:村井国夫、レイア姫:島本須美が一番しっくりきます。

 特別編のスターウォーズしか知らない人は劇場初公開版も見てほしいです!

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『スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』

Star_wars_2  今回紹介する映画はスターウォーズの歴史において最も重要な出来事であるクローン戦争を勃発を描いた『スターウォーズ エピソード2 クローンの攻撃』です。1作目から10年後の世界を描いた2作目では青年となったアナキンとアミダラの禁断の恋とパルパティーン(ダーク・シディアス)の陰謀により共和国とジェダイを崩壊に導くクローン戦争が始ままるまでが描かれます。
 私は1作目を劇場で見たときはあまりのつまらなさにがっかりさせられたので、2作目が劇場で公開される時は期待半分不安半分で見に行ったものでした。しかし、見終わったかとの印象はイマイチでした。クローン戦争というスターウォーズサガの中でも非常に大きな出来事が描かれるので、1作目よりは面白かったのですが、完成度でいうと旧3部作には遠く及ばないものでした。出来事を描くのに追われて登場人物の内面を全く描けていないストーリーや演出の稚拙さ、CGを乱用した映像のリアリティのなさ、主人公のアナキンを演じた役者の魅力のなさが非常に目立った作品でした。

 この作品はアナキンとパドメの禁断の恋が映画の前半の見せ場となるのですが、この2人の恋愛シーンがあまりにもベタすぎて失笑してしまいました。草原でいちゃつく姿や暖炉の前で葛藤する姿などはあまりにもお寒い演出でした。その割に2人が惹かれていく過程や葛藤は見ている側に何も伝わってこないし、アナキンは単なるスケベ男にしか見えないし、今回の恋愛シーンはすべてカットしてもよかったのではと思いました。
 またアナキンがダークサイドに落ちる重要な出来事として、母がタスキンレイダーに殺され、その復讐としてアナキンがタスキンレイダーを虐殺する場面もいまいちアナキンの内面の葛藤が伝わってきませんでした。
 それにしてもパドメの警護の任務に当たっていたのに、任務を放棄し、パドメを危機に晒すアナキンはジェダイとして如何なものかと思ってしました。
 
 今回の最大の見せ場であるクローン戦争はさすがの迫力でしたが、CGを多用した映像がなんかゲームの映像を見ているようでリアリティに欠けていました。特に工場でのスーパーマリオのステージみたいなシーンは見ていて退屈でした。またジェダイも意外に弱く、主要人物以外あっさり死んでいくのはショットでしたし、オビ・ワンも意外にヘタレなキャラクターだったのも残念でした。
 
 この作品は1作目ではまだあどけなくかわいい姿だったアナキンが、傲慢でスケベで思慮の足りない嫌な青年となっており、これなら将来、ダース・ベイダーになっても仕方がないかなと思うような人間として描かれているのが残念でした。

 この作品の最大の見所はヨーダの活躍です。なぜヨーダがジェダイの騎士のトップなのか、この映画を見るとよく分かります。クローン軍を陣頭に立って指揮し、いざとなればライトセーバーを機敏に振り回す姿は格好良かったです。ただあのヨーダがなぜ旧3部作であんなに老いぼれてしまったのかが不思議です。
 
 また旧3部作で人気のあるボバ・フェットの過去が描かれ、彼の父であるジャンゴ・フェットも登場したのは昔からのファンには嬉しい限りです。ただジャンゴ・フェットの最期はあっけなかったです。

 この映画の感想を一言で言うと他の人がしているゲームを見ているような感じの映画です。ルーカスが監督と脚本を降りて、他の監督や脚本家に任せたら、もっと面白い作品になったと思います。

製作年度 2002年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 142分
監督 ジョージ・ルーカス 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 ジョナサン・ヘイルズ 、ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 ユアン・マクレガー 、ナタリー・ポートマン 、ヘイデン・クリステンセン 、イアン・マクディアミッド 、ペルニラ・アウグスト 


 

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『スターウォーズ解体新書』街を捨て書を読もう!

『スターウォーズ解体新書』 著:マサチューセッツ“スター・ウォーズ”ラボラトリー 扶桑社
Star_wars_book  今回紹介する本はスターウォーズ好きの人にお奨めのスターウォーズ研究レポート『スターウォーズ解体新書』です。この本は古本屋でたまたま見つけて買ったのですが、内容のマニアックさや著者たちの考察の細かさと大胆さがとても面白く、一気に読んでしまいました。
 1998年に出版された本なので、基本的に旧3部作に関して細かく研究されています。新3部作が公開された今となっては内容が古いところもあったり、新3部作と食い違うところもあるのですが、旧3部作の細かいところまで見事に研究されています。私もスターウォーズは大好きで何回も見ているのですが、私も知らなかったり、気づかなかった部分についても細かく考察されているので、この本を読むともう一度スターウォーズを見返したくなってしまいます。
 特に私がこの本で面白かった部分は『ジェダイの帰還』のイウォーク族はなぜ強かったのかの大胆な考察とオビ・ワンはなぜ『新たなる希望』でR2D2を知らないと答えたかに対する爆笑の考察です。また映画のほんの一瞬しか出ないキャラクターに対しても、詳しいイ解説がされており、著者たちのスターウォーズへのマニアックな愛情を感じます。
 私としてはぜひ新3部作も併せた6部作に関する研究本も出版して欲しいと思います。
 この本はスターウォーズ旧3部作が好きな人にはお奨めの解説本です。ぜひ読んでみてください。きっとスターウォーズを見返したくなりますよ!
 

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『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』映画鑑賞日記

Starwars  今回紹介する映画はスターウォーズサガの序章にあたる.『スターウォーズ エピソード1 ファントム・メナス』です。ジョージ・ルーカスはスターウォーズを制作するに当たって、元々9部作にするつもりで構想を練っており、旧3部作のエピソード4から6まではちょうどシリーズの中間の作品になる予定でした。しかし、旧3部作以降、なかなか次のスターウォーズは制作されず、97年にやっとエピソード1から3までの制作を決定、それと同時に当初あった9部作の構想は撤回され、旧3部作と新3部作あわせて6部作でシリーズを完結させることをルーカスは公表しました。この6部作完結の発表はスターウォーズファンにはとても残念なものでした。
 さて6部作の序章として制作された『ファントム・メナス』ですが、16年ぶりのシリーズ復活に多くの人が期待を寄せたものでした。ストーリーは将来ダースベイダーとなるアナキン・スカイウォーカーの幼少期を描くというものであり、旧3部作に登場していたオビ・ワンやCー3PO、R2D2、そしてヨーダまでも登場するということで、どんなストーリー展開になっていくのか、多くのファンが公開まであれこれ想像したものでした。私もスターウォーズの新作公開に胸躍らせ楽しみにしていたものでした。
 そして99年夏についに公開され、初日に映画館に並び見たのですが、CGを多用した映像のスケールの大きさと緻密さには圧倒されたものの、キャラクターやストーリーにあまり魅力がなく、正直旧3部作に比べてあまり面白くありませんでした。
 映像は旧3部作に比べて格段に進歩して迫力があるものの、ストーリーは旧3部作にあった夢やロマンといったものを感じられず、複雑な政治の話しがメインになっており、いまいち入り込めませんでした。この映画を見て、改めてルーカスはシナリオの才能がないことを確信してしまいました。
 キャラクターの造形も今ひとつで、とくに旧3部作の登場したハン・ソロのようなタイプの人物がいないのが残念でした。悪役のダースモールはインパクト大なのですが、ラストがあっけなく、もう一つでした。また世界中のファンから大ブーイングを受けたジャージャービンクスもうるさいだけで、見ていていらいらするものがありました。
 CGを多用した映像も迫力と緻密さはあるものの、リアリティを感じさせず、CGアニメを見ているような感じでした。旧3部作は宇宙船のリアルな汚れなどが現実感を与えていたのですが、この映画はピカピカしすぎで、嘘っぽく見えてしまいました。
 ここまで散々酷評してきましたが、個人的にこの映画は嫌いでもないですし、実は何回も見直したりしています。特に私はラストのクワイ・ガン、オビ・ワンとダースモールの戦いのシーンは大好きで、このシーン見たさに何回も見直しているほどです。また旧3部作のキャラクターの過去が見られるという点でもとても興味深いです。
 この映画は他のスターウォーズ作品に比べるともうひとつですが、スターウォーズファンなら外せない作品ですし、2作目が気になるという点では序章としての役割をみごとに果たしていると思います。

製作年度 1999年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 133分
監督 ジョージ・ルーカス 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 リーアム・ニーソン 、ユアン・マクレガー 、ナタリー・ポートマン 、ジェイク・ロイド 、イ

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『スターウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還』この映画を見て!

第92回『スターウォーズ エピソード6 ジェダイの帰還』
Star_wars_6  前回前々回と紹介してきたスターウォーズクラシックシリーズの最後を飾る『ジェダイの帰還』を紹介したいと思います。
 この映画はスターウォーズサガの完結編ということもあり、ルークとベイダーの関係に重点が置かれ、スカイウォーカー親子2代にわたる壮大なドラマはベイダーの改心と親子の和解という形でで完結します。エピソード1から順を追ってこの映画まで見ると、この映画がアナキンの物語であったことに改めて気づきます。一度は悪に落ちた彼が、息子との出会いにより、また善を取り戻すという結末は何とも感動的です。
 この映画は前半は5作目のラストでカーボン冷凍されたハン・ソロの救出が大きな見所です。5作目のラスト、ハン・ソロがどうなるのかとても気になっていたので、彼が助け出された時にはホッとしました。ただ個人的にこの救出シーンは少し長すぎるような気がします。そしてジャバ・ザ・ハットの最後があのような形なのはとてもあっけなかったです。そういう意味ではボバもあっけなく死んでしまいましたが。スターウォーズシリーズはベイダーを除き、悪役が思ったよりもあっけなく死んでしまうような気がします。皇帝の最期など投げ落とされるというもので、銀河の皇帝の割りに何か情けなかったです。
 映画の後半はデス・スターをめぐる攻防とベイダーとルークの対決という二つのストーリーが同時進行で進むのですが、デス・スターをめぐる攻防戦は私はもう一つでした。その理由は後にも述べますが、イウォーク族の登場にあると思います。彼らの登場が緊迫したストーリーを弛緩させてしまったような気がします。 
 この映画は公開当時はヒットしたもののスターウォーズファンの間では評価は微妙でした。その大きな理由が惑星エンドアでのイウォーク族の登場にあります。スターウォーズシリーズのフィナーレを飾る作品が熊たちの戦いによって勝利に導かれるという展開にかなりブーイングが出たそうです。確かに私もエンドアでの戦いは微妙な気がします。ただし、ルーカスは5作目の『帝国の逆襲』が大人向きの作品にしあがったことが不満らしく、6作目はシナリオにも結構口を出し、イウォーク族を登場させたそうです。ルーカスはスターウォーズはファンタジーであり、子どもが見ても楽しめるものにしたかったそうです。噂によると最初のシナリオではハン・ソロも戦死する予定だったのをルーカスが嫌い、生き残るシナリオに変えたそうです。
 私もこの映画は5作目に比べると、シナリオの完成度という点では確かにイマイチだと思います。ただスターウォーズサガの完結ということで何度見ても感動してしまうのですが・・・。
 この映画は83年に公開されたものと現在DVDで見られるものでは幾つかのシーンで修正や追加がされているのですが、映画のラストの幽体となったアナキンの姿が若いアナキンの姿に改変されたシーンは見たときとても違和感を感じました。この修正は不必要だったと思います。
 この作品を見るときは是非1作目から順を追って見て行ってください。ラストはきっと感慨深いものがあると思います。

製作年度 1983年・特別編:1997年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 132分・特別編:137分
監督 リチャード・マーカンド 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 ローレンス・カスダン 、ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 マーク・ハミル 、ハリソン・フォード 、キャリー・フィッシャー 、アンソニー・ダニエルズ 、ビリー・ディー・ウィリアムズ 

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『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』この映画を見て!

第91回『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』
Star_wars_5  前回の『新たなる希望』に引き続き、スターウォーズサガの第5章目にあたる『スターウォーズ エピソード5 帝国の逆襲』を紹介します。この作品はスターウォーズファンの間で一番人気が高く、シリーズ6作の中で一番大人向けの作品に仕上がっています。
 私がこの映画を一番最初に見たときは、話しが途中で終わるという展開に大変驚いたものでした。最近は『マトリックス』や『ロード・オブ・ザ・リング』・『パイレーツ・オブ・カリビアン』と話しが途中で終わるという作品も多いですが、当時はとても珍しく、この後どういう展開になるのかとても気になったものでした。
 私はスターウォーズサガの中でこの作品が一番お気に入りで、戦闘シーンの迫力と人間ドラマとしての面白さ・キャラクターの魅力という点でシリーズでも突出したものがあります。この作品の登場でスターウォーズの世界観に広がりと奥行きが出て、単なる娯楽作品以上の人気を得ることができたのだと思います。
 戦闘シーンは大規模な地上戦から宇宙空間での帝国軍からの逃走、そしてライトセーバー対決とバリエーションに富んでおり、見る者を飽きさせません。
 またストーリーも主人公の人間ドラマに重点を置き、時にコミカルに、時にシリアスに描き、ラストはとてもドラマチックな展開となり、スターウォーズシリーズの中でも最高に盛り上がります。この映画の脚本はルーカスではなく、リー・ブラケット 、ローレンス・カスダン 
というプロの脚本家が書いており、シナリオが素晴らしいです。ただルーカス自体は大人向きのシナリオが気に入らなかったらしく、6作目の『ジェダイの帰還』や新シリーズでは、かなりシナリオにも手を出していますが、はっきり言ってルーカスってシナリオの才能はないと思います。
 この映画は新しいキャラクターも数多く登場しますが、ヨーダはその中でも特にインパクトがありました。仙人を思わせるような雰囲気と東洋思想の影響を受けた発言の数々はとても魅力的でした。ただ新シリーズでのヨーダを見てしまうと5作目のヨーダはあまりにも別人で、違和感を感じてしまいました。これは新シリーズでのヨーダの描き方に問題があると思います。またスターウォーズシリーズでもベイダーに次いで人気の高いボバ・フェットが登場したのもこの作品からでしたね。
 この映画の大きな見所は3つあり、前半の惑星ホスでの反乱軍対帝国軍の雪原での戦闘シーンとハンソロとレイアのラブロマンス、そしてルークとダース・ベイダーの関係性が明らかになるラストです。
 前半のホスでの戦いは数あるスターウォーズ戦闘シーンの中でも非常に印象に残るものがあります。特に4足歩行の戦闘マシーンAT-ATは造形のユニークさでとてもインパクトがありました。ただAT-ATは造形は面白いものの、足元の弱さから実戦には不向きだと思いますが・・。
 ハン・ソロとレイアのミレニアム・ファルコン号や雲の惑星へスピンでの恋の駆け引きも見ていて面白く、映画のラストでソロが冷凍カーボンにされる時のレイアとの会話は胸にグッとくるものがありました。
 そして何といってもこの作品で一番の見所といえるラストのルークとベイダーの一騎打ちとベイダーがルークに「自分が父親」だと告白するシーン。このシーンはとても衝撃的でした。『新たなる希望』を見たときは思いもしなかった、ベイダーとルークの関係。このラストの一言でスターウォーズは単なる善と悪の戦いという物語から、父と子の複雑な関係を描く人間ドラマとしての魅力が加わったと思います。
 
製作年度 1980年・特別編:1997年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 125分・特別編:131分
監督 アーヴィン・カーシュナー 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 リー・ブラケット 、ローレンス・カスダン 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 マーク・ハミル 、ハリソン・フォード 、キャリー・フィッシャー 、アンソニー・ダニエルズ 、ビリー・ディー・ウィリアムズ 

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『スターウォーズ エピソード4 新たなる希望』この映画を見て!

第90回『スターウォーズ エピソード4 新たなる希望』
Star_wars_4  昨日WOWOWでスターウォーズ全6作を一挙放映していてたので、私も全作品を一挙に見てしまいました。さすがに全6作を一度に見ると、この作品がスカイウォーカー親子の壮大な物語であったということが改めて分かり、ダースベイダーがルークを守ろうと皇帝を倒す場面は何ともいえない感動がありました。
 今回はそんなスターウォーズ壮大な物語のスタートとなった記念すべき第1作目(6部作の中では4作目に当たる)『新たなる希望』を紹介したいと思います。
 この映画を私が最初に見たのは小学1年生のときで、テレビで見たのですが、あまりの面白さに画面に釘付けになったのを思います。その後もテレビで放映されるたびに欠かさず見て、自分でビデオやDVDを買って、何十回と見たものでした。
 昨日WOWOWで全6作を通して見ると、1作目は意外にシンプルでこじんまりとした話しだったんだなと思いました。舞台となる星も主にタトゥーインとデス・スターだけですし、話しも敵に捕らわれた姫を助け、悪の本拠地を破壊するというとても単純なものです。新3部作は政治的な話しが絡み、舞台となる惑星も多かったのですが、旧3部作は今見るととてもシンプルな話しが多いです。しかし、シンプルな話しであるが故に、主人公たちの成長や友情・恋愛に見ている側が感情移入しやすく、感動的で手に汗握る作品に仕上がっていると思います。
 『新たなる希望』はスターウォーズ第1作ということもあり、前半は登場人物の紹介やスターウォーズの世界の説明に多くの時間が割かれいます。その紹介や説明の仕方が巧みで、見ている側のイメージを膨らませるんですよね・・・。スターウォーズの魅力の一つに映画では語られない部分にもあおれこれ観客が思いをめぐらせることが出来るだけの世界観の奥深さがあると私は思っています。そしてデス・スターに舞台が移ってからは、息つく暇もない冒険活劇が繰りひろげられ、見ている側は画面から目が離せなくなります。特にライトセーバーによる戦いとラストの宇宙船同士の戦闘は男の子にはたまらないシーンです。
 あと旧スターウォーズの魅力はストーリーもさることながら、キャラクターの造形の上手さがあると思います。パイロットを憧れる純粋だけど未熟な主人公のルーク、ニヒルだけど頼りになる男・ハンソロ、美しく熱い闘士をもった王女・レイア、この3人の関係がとても魅力的です。また悪役のダースベイダーもルックスといい、その冷酷非道な性格といい、最初見たときは強烈なインパクトと恐怖を覚えたものでした。あの悪役を生み出せたこともこの映画の成功の大きな要因でしょう。また脇役のオビワンは映画に奥行きを与え、Cー3PO、R2D2・チューバッカーもいい味を出していますよね。
 またこの映画の大きな魅力として、宇宙船の造形のかっこよさとリアルさもあります。とくにメカのさび付いた汚れは、何ともいえない現実感を与えてくれました。
 そしてこの映画の魅力を語る上で外せないのが音楽。ジョン・ウィリアムスのあの有名なテーマ曲は映画のスケールの大きさを見事に表現しています。
 この映画は新3部作の制作にあわせて、97年に特別編として「新たなる希望」というサブタイトルをつけて、4作目として位置づけられました。特別編はジャバ・ザ・ハットのシーンが追加され、他にも細かく追加シーンが挿入されました。個人的にはジャバのシーンはいらないかなと思いましたが、ルークがパイロットに憧れていることが説明されるシーンや友達との再開シーンは追加されてよかったかなと思います。
 『新たなる希望』はスターウォーズサガの出発点であり、旧3部作と新3部作をつなぐ重要な作品です。この作品はSFファンタジー映画を語る上で外せない作品であり、これからも多くの若い人に見て語り継いでもらいたい映画です。 

製作年度 1977年・特別編:97年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 オリジナル:121分・特別編:129分
監督 ジョージ・ルーカス 
脚本 ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 マーク・ハミル 、ハリソン・フォード 、キャリー・フィッシャー 、アレック・ギネス 、ピーター・カッシング 

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『スターウォーズ エピソード3 シスの復讐』この映画を見て!

第75回『スターウォーズ エピソード3 シスの逆襲』
Starwars3_1   今回紹介する映画はスターウォーズシリーズの完結編『シスの逆襲』です。この作品は6部作からなるスターウォーズシリーズの3部作目に当たる作品であり、4部作目から悪役として登場するダースベイダーの過去を描いた作品です。
 私は昔からスターウォーズの大ファンで、旧3部作(4部作目『新たなる希望』から6部作目『ジェダイの復讐』まで)は何回も見たものでした。だから、ルーカスが新3部作を発表すると聞いたときは、とても嬉しく、公開をワクワクしたものでした。旧3部作で悪役だったダースベイダーの過去を描いてきた新3部作ですが、正直1作目『ファントム・オブ・メナス』と2作目『クローンの攻撃』は個人的にとてもがっかりした作品でした。CGを多用した映像はそれなりに迫力がありますし、旧3部作よりストーリーのスケールも大きくはなっています。しかし、旧3部作にあった冒険活劇としての面白さや登場人物たちが織り成すドラマの感動やキャラクターの魅力といったものが新シリーズには感じられませんでした。スターウォーズシリーズの完結編として昨年公開された『シスの逆襲』も旧3部作に比べると質は落ちますが、新シリーズの中では一番面白く、旧3部作のファンにとっては興味のある作品でした。
 『シスの復讐』はエピソード4でオビ・ワンが語っていたクローン戦争が終結に向かい、皇帝が共和国を手中に収めて、アナキンがダークサイドに落ち、ダースベーダーとなるまでを描きます。映画の結末は多くの観客がすでに知っているので、いかにその結末に向かっていくかが注目された作品でした。
 私もどういう理由でアナキンがダースベーダーになったのかとても気になっていたので、3作目には期待していたのですが、いまいち説得力という点では欠けていたかなと思います。パドメを救おうとして皇帝の側に付きますが、いまいちアナキンの心情や葛藤が伝わってこず、あっさりダークサイドに落ちたような印象を受けて拍子抜けしました。これではアナキンが単なる力を過信した自己中心的な男にしか見えません。またパドメも1,2作目とキャラクターが変わっており、弱弱しくて違和感を感じてしまいました。ラストのパドメの死も取ってつけたような話にしか見えませんでした。
 この作品は本来なら正義を信じる者が道を踏み外してしまうという悲劇を描いたドラマチックなストーリーにも関わらず、いまいち設定を活かしきれていないような気がしました。ストーリーはいかに4作目と話しをつなげるかという事といかにファンを満足させる話しにさせるかに終始し、ドラマとしては平板なものになってしまっているのが残念です。あっさりと話しが進みすぎ、観客はキャラクターたちに感情移入が出来ず、見せ場を楽しむだけになってしまっているような気がします。ルーカスは脚本を自分で書かず、誰か他の人に任せたほうがよかったと思います。現に『帝国の逆襲』『ジェダイの復讐』では脚本家を雇って質の高いシナリオを書かせていますしね。
 映像はオープニングからCGを多用した見せ場の連続で、観客は息つく暇がなく、アクションシーンは新3部作の中では一番見ごたえがありました。前半の宇宙での戦いのスケールの大きさはさすがスターウォーズといった感じですし、ラスト30分のオビワン対アナキンとヨーダ対皇帝の対決はすごい迫力と緊張感がありました。特にアナキンとアナキンの対決の最後オビワンがアナキンに「選ばれし者だったのに」と言う悲痛なセリフはとても印象に残りました。オビワンにとって自分の弟子に裏切られたということは、さぞショックだったでしょうね。このシーンを見ると、4作目のデススターでのオビワンとダースベイダーの2度目の師弟対決の意味がまた違って見えてきますね。
 またこの映画は随所に旧3部作へと繋がるシーンが見られ、昔からのファンには嬉しかったです。宇宙船のデザインも旧3部作のデザインに近づいていますし、チューバッカーが出てきたところは嬉しかったです。またラストにエピソード4のオープニングで出てきた宇宙船やタトゥイーンのルークの家が出てきた所は感動しました。これから20年後アナキンの息子ルークが銀河共和国とアナキンを救うべく立ち上がるんだと思うと、心にぐっとくるものがありました。
 しかし、C3POやR2D2をオビワンやダースベイダーはなぜ覚えていないのかなど、旧3部作のストーリーとつながらない部分がいくらかあり、とても気になりました。またあれほど強いヨーダがなぜ急速に老けて、あんなお茶目なヨーダになってしまったのかも不思議でした。
 エピソード3は暗い話しですが、あくまで6部からなる壮大な物語の中盤ですからね、この映画を見た後は旧3部作を見返して、銀河の平和とアナキンの解放を見届けないといけませんよね。
 
制作年度 2005年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 141分
監督 ジョージ・ルーカス 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス 
脚本 ジョージ・ルーカス 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 ユアン・マクレガー 、ナタリー・ポートマン 、ヘイデン・クリステンセン 、イアン・マクディアミッド 、サミュエル・L・ジャクソン 

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私の映画遍歴7「スターウォーズ」

私の映画遍歴7「スターウォーズ」スターウォーズ・トリロジー

 私が小学校のときに夢中になった映画というと『スターウォーズ旧3部作』(『新たなる希望』~『ジェダイの復讐』)があります。始めて見たのは小学校低学年の時でした。その時は、あまりの面白さとかっこよさにすぐにスターウォーズの虜になってしまいました。
 当時はルークがジェダイになる姿に大変感動するとメカのかっこよさとリアルな質感に感動し、プラモを買って作ったりしたものでした。また友達と木の棒でライトセーバー戦ごっこをしたりしたものでした。
 スターウォーズの魅力は語ると尽きることがありません。ルークの成長物語を中心としたストーリーの面白さ、キャラクターの魅力、アナログな特撮技術の素晴らしさ、ジョン・ウィリアムスのかっこいい音楽。ここまで何度見ても面白く、深くはまれる映画はなかなかありません。
 まずストーリー面では、「帝国の逆襲」と「ジェダイの復讐」(現在は「ジェダイの帰還」と改題されています。)で繰りひろげられるルークとダースベーダー(アナキン・スカイウォーカー)の父と子のドラマが印象的でした。「帝国の逆襲」のラストに明かされるダースベーダーがルークの父親だという事実は始めてみたときは衝撃を受けたものでした。そして「ジェダイの帰還」のラストで繰りひろげられる父と子の戦いと和解のシーンは子どもながらに興奮し、感動したものでした。またサイドストーリーのレイアとハン・ソロの恋物語も子どもながらにどきどきしたものでした。
 キャラの魅力に関しては、スターウォーズを語る上で外すことは出来ません。ここまでキャラに人気がある映画は他にないと思います。アウトローの魅力に溢れたハン・ソロ、Cー3POとR2-D2のロボットコンビ、毛むくじゃらのチューバッカー、そしてルークの師匠であり、宇宙一のジェダイであったヨーダ。また帝国軍側の冷酷無比な指揮官であり、ルークの父であるダースベイダーの強烈なインパクト、傍役でありながら強い印象を残すボバ・フェット。どのキャラクターもその過去や未来が気になるだけのインパクトと魅力を持っています。
 スターウォーズの魅力を語る上で特撮技術の素晴らしさを外すわけにはいけません。まだCG技術もなかった時代に、ミニチュアとマットペインティングを多用して作り上げた特撮シーンは、CGにはないリアルな質感がありました。もちろん合成技術などは確かに今見ると粗が目立ちますが、新3部作より旧3部作のほうが特撮技術の見せ方やセンスが上手いような気がします。これは当時のルーカスやクリエイターのセンスがよかったのかもしれません。特に旧3部作はメカの造形が素晴らしく、ミレニアムファルコン号やスパーデストロイヤー、XウィングのかっこよさはSF映画史に残るものです。
 あと忘れてはいけないのがジョン・ウィリアムスの音楽。20世紀FOXのロゴが出た後に鳴り響くスターウォーズのテーマ曲はスターウォーズの世界に観客を一気に誘い込みます。ブラスの勇壮な音はスターウォーズのスケールの大きさを音楽で見事に表現しています。また帝国軍のテーマ曲もとてもインパクトがあり、あの曲が流れるとダースベーダーの顔が条件反射のように頭に浮かんできます。彼の音楽なしではスターウォーズの魅力は半減していたと思います。
 スターウォーズ旧3部作は私にとっては思い入れの深い作品ですし、今見てもとても魅力のある作品です。昨年新3部作も『エピソード3』を持って完結し6部作のサーガとして完結しましたが、新3部作(『ファントム・オブ・メナス』から『シスの逆襲』)は旧3部作に比べると質がだいぶ落ちており、あまり面白くありませんでした。特撮技術はCG技術の向上と共に完成度が高くなっていますが、旧3部作にあったストーリーの面白さやキャラの魅力という点に関しては全くだめな作品でした。新3部作はあくまで旧3部作に向けての長い前置きにしか過ぎないという印象しか持ちえませんでした。新3部作はダースベイダー(アナキン・スカイウォーカー)を中心にした作品でしたが、彼に全く共感ができませんでした。これはルーカスの脚本のまずさだと思います。
 最近DVDで旧3部作のボックスセットが発売されましたが、オリジナルにCGでだいぶ手を加えており微妙でした。特に『ジェダイの帰還』のラストの大幅な変更はショックでした。ルーカスとしては今発売されている作品が完全版と位置づけているようですが、昔スターウォーズを見た世代にとって、改変されたDVD版のスターウォーズはもう一つ微妙な感じがします。今年中に映画公開当時のオリジナル版スターウォーズのDVDが発売されるようで今から楽しみです。
 スターウォーズ旧3部作は小学生の頃の私にとっては思い入れの深い作品であり、映画史に残る傑作です。

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