久石譲

『Minima_Rhythm』

お気に入りのCD NO.27『Minima_Rhythm』

Photo  久石譲が2009年に発売したミニマルミュージックをテーマにしたアルバム『Minima_Rhythm』。
久石譲のデビュー作ともいえる『MKWAJU』から新作『Sinfonia』までミニマルの手法を取り入れた楽曲が、ロンドン交響楽団の演奏とロンドン・ヴォイシズのコーラスで収録されいます。

 一般的に久石さんというと親しみやすく心を和ませるメロディーを生み出す作曲家という印象が強いですが、若い頃はミニマルミュージックの作曲家として活躍されていました。本アルバムは久石さんが原点に返ってミニマルミュージックを追求した仕上がりになっています。どの曲もメロディーを抑えてリズムやハーモニーを重視しています。 
 宮崎駿映画の久石ミュージックが好きな人が聞くと最初違和感があるかもしれませんが、何度も聞いていると何とも癖になる心地良さがあります。

【収録曲】
1. Links
2. Sinfonia for Chamber Orchestra I.Pulsation
3. Sinfonia for Chamber Orchestra II.Fugue
4. Sinfonia for Chamber Orchestra III.Divertimento
5. MKWAJU 1981-2009
6. The End of the World I.Collapse
7. The End of the World II.Grace of the St.Paul
8. The End of the World III.Beyond the World
9. DA・MA・SHI・絵

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『Melodyphony』

お気に入りのCD NO.26『Melodyphony』
Melodyphony  ロンドン交響楽団の演奏による久石譲のベストアルバム『Melodyphony』が発売されました。今回はインターネットの人気投票を参考に収録曲が選ばれたそうで『となりのトトロ』から『坂の上の雲』まで久石さんの代表作が幅広くセレクトされています。

 今回のアルバムは久石ファンには馴染みの曲が多く、新鮮味には欠けるので正直期待はしていませんでした。しかし、聞いてみるとアレンジがかなり凝っており、ロンドン交響楽団の演奏も大変重厚かつ繊細で、どの曲も外れがなく非常に聞き応えありました。
 特に私のお薦めは7曲目の『Orbis』です。この曲は12月に毎年開催される「サントリー1万人の第九」の25周年を記念して久石さんが作曲したのですが、他の収録曲と違ってミニマルかつクラシカルな雰囲気が漂っています。この曲を聴くだけでも本アルバムは価値があります。

【収録曲】
1. Water Traveller (映画「水の旅人」メインテーマ)
2. Oriental Wind (サントリー「伊右衛門」CM)
3. Kiki’s Delivery Service (映画「魔女の宅急便」より『海の見える街』)
4. Saka No Ue No Kumo (NHKスペシャルドラマ「坂の上の雲」より)
5. Departures (映画「おくりびと」より)
6. Summer (映画「菊次郎の夏」メインテーマ/トヨタ「カローラ」CM)
7. Orbis (サントリー「1万人の第九」委嘱作品)
8. One Summer’s Day (映画「千と千尋の神隠し」より『あの夏へ』)
9. My Neighbor TOTORO (映画「となりのトトロ」より『となりのトトロ』)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~』

Photo  昨年に『崖の上のポニョ』の公開を記念して、8月に2日間で合計3回にわたって日本武道館にて公演された『久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~』。
 『風の谷のナウシカ』から『崖の上のポニョ』まで久石譲が手がけてきた宮崎駿作品の音楽を武道館で演奏するという宮崎&久石ファンには夢のような企画で、チケットもすぐに完売したほどです。
 私も武道館のコンサートに喉から手が出るほど行きたかったにも関わらず都合上断念。以前NHKでやっていた番組を録画して何度も見たものでした。
 そして今回『崖の上のポニョ』のDVD発売に合わせて、コンサートの様子が完全収録されたDVD(NHKの放送では『MADNESS』が未収録でした。)が発売されるということで私も『ポニョ』とあわせて手に入れ、自宅で鑑賞しました。

  200名の大オーケストラに800人の大合唱団、そして160人のマーチングバンドと総勢1160人もの超大規模編成による演奏は圧巻で見ていて鳥肌が立ったものでした。また、同時に何度見ても武道館に行けなかったことが悔やまれます。
 今回のコンサートでは作品ごとに様々な趣向を凝らしており、見ていて楽しく感動的で、2時間飽きることがありません。
 オープニングは2人が始めてコンビを組んだ『風の谷のナウシカ』が演奏されるのですが、壮大なオケの響きと美しいメロディーにいきなり心が鷲づかみにされます。
 続いて演奏される『もののけ姫』ではコーラスも加わった「アシタカせっき」の壮大な音楽に鳥肌が立ちまくり完全ノックアウトです。
 重量級の作品に続いて演奏されたのが『魔女の宅急便』。本作品の曲は明るく軽快で聴いていて心地よいです。特に印象的だったのがバイオリンソロの美しさが際立った「傷心のキキ」と「かあさんのホウキ」です。
 『崖の上のポニョ』では大橋のぞみちゃんが歌う「崖の上のポニョ」を始め、ボーカル曲が4曲披露されます。林正子さんが歌う「海のおかあさん」は最後の「覚えていますか、兄弟たちを~」の高い歌声に圧倒されました。また、久石さんの娘さんである麻衣さんが歌う「ひまわりの家の輪舞曲」は個人的にイメージアルバムが発売された時から大好きな歌だったので聴けてうれしかったです。
 『天空の城ラピュタ』は地元の中高生160人のマーチングバンドによって演奏されるのですが、凄い迫力です。個人的に『ラピュタ』の曲が一番好きなので、聞いていて胸が熱くなりました。
 『紅の豚』は久石さんのピアノとホーンとのアンサンブルでの演奏。ジャズ調にアレンジされており、『ラピュタ』から一転して大人のムードが漂います。
 『ハウルの動く城』は組曲で演奏されます。映画でもクライマックスに流れて印象的だったトランペットを中心にすえた名曲「Cave of Mind」。本コンサートではトランペットとトロンボーンを中心にすえ演奏しており、美しい音色が耳に残ります。
 『千と千尋の神隠し』は平原綾香をゲストに迎えてボーカル曲が2曲披露されます。「いのちの名前」は映画ではピアノソロで何度も演奏されるメインテーマに歌詞を付けたものですが、平原さんの情感溢れる歌声が素敵でした。「ふたたび」は映画のクライマックスで流れる曲で今回のコンサートのために新たに歌詞を付けています。
 そしてコンサートの最後を飾るのは誰もが知っている『となりのトトロ』。個人的に「風の通り道」が大好きだったので、本コンサートでは少ししか演奏されなかったのが残念でした。もっと聞かせて欲しかったです。「さんぽ」、「となりのトトロ」はもはや誰もが知っている歌であり、会場が大いに盛り上がっているのが見ていても伝わってきます。
 アンコールは久石さんのコンサートでは毎回欠かせない「MADNESS」と『もののけ姫』のラストに流れる美しいピアノ音色が印象的な「アシタカとサン」が演奏されます。「アシタカとサン」は久石さんの数ある曲の中でも1、2位を争う美しいメロディーだと思うので、今回の最後がこの曲で締められるのはうれしい限りです。

 私はDVDを見るたびに、生で見られなかったことを後悔しつつ、宮崎さんと久石さんが生み出した名作と名曲の数々に感動させられます。
 本DVDは宮崎ファン及び久石ファンにはたまりません。

収録曲
    *  【風の谷のナウシカ】
          1.オープニング「風の伝説」
          2.レクイエム~メーヴェとコルベットの戦い
          3. 遠い日々
          4. 鳥の人
    * 【もののけ姫】
          5. アシタカせっき
          6. タタリ神
          7. もののけ姫
    * 【魔女の宅急便】
          8. 海の見える街
          9. 傷心のキキ
          10. かあさんのホウキ
    * 【崖の上のポニョ】
          11.深海牧場~海のおかあさん
          12. 波の魚のポニョ~フジモトのテーマ
          13. ひまわりの家の輪舞曲
          14. 母の愛~いもうと達の活躍~母と海の讃歌
          15. 崖の上のポニョ
    * 【天空の城ラピュタ】
          16. ハトと少年
          17. 君をのせて
          18. 大樹
    * 【紅の豚】
          19. 帰らざる日々
    * 【ハウルの動く城】
          20. Symphonic Variation“Merry-go-round”~Cave of Mind
    * 【千と千尋の神隠し】
          21. あの夏へvocal version「いのちの名前」
          22. ふたたび
    * 【となりのトトロ】
          23.風のとおり道
          24. さんぽ
          25. となりのトトロ
    * 【アンコール】
          26.MADNESS
          27.アシタカとサン

| | コメント (0) | トラックバック (1)

『Another Piano Stories ~The End of the World~』

 お気に入りのCD NO.25 『Another Piano Stories ~The End of the World~』
Another_piano_stories  約3年ぶりとなる久石譲のソロアルバム「Another Piano Stories ~The End of the World~」。今回のアルバムはボーナストラックを含めると14曲収録されており、久石さんが最近手がけた映画やCMの曲、そして本アルバムのために書き下ろされた新曲を聴くことができます。演奏は久石さんのピアノ、12名のチェリスト、ハープ、コントラバス、マリンバ、パーカッションのアンサンブルとなっています。

 1曲目の『Woman』は「レリアン」のCMテーマ曲で、聞いていて街を颯爽と歩く女性が思い浮かんできます。
 2曲目の『Love Theme of Taewangsashingi』はぺ・ヨンジュンが主演して話題となった韓国大河ドラマ「太王四神記」でスジニのテーマとして書き下ろされた曲です。主人公を愛するスジニの思いを切ない音楽で見事に表現しています。
 3曲目『Les Aventuriers』はアラン・ドロン主演の映画「冒険者たち」にインスパイアされた曲です。5拍子のメロディーが何とも言えないスリリングな印象を与えています。
 4曲目~6曲目は今年アカデミー賞で外国映画賞を受賞した『おくりびと』のサントラを14分の組曲にしたものです。サントラ同様にチェロの力強く優しい音色で奏でられる美しい久石メロディーが印象に残る名曲です。
 7曲目『Ponyo on the Cliff by the Sea』は昨年大ヒットした宮崎アニメ『崖の上のポニョ』の主題歌を軽快かつ可愛くアレンジした曲です。
 8曲目『Destiny of Us 』は昨年に赤坂ACTシアターの杮落とし公演として宮本亜門演出でプッチーニの遺作を現代の視点で甦らせたオリジナル・ミュージカル「祝祭音楽劇トゥーランドット」のために書き下ろされた曲です。
 9曲目~12曲目は本アルバムのための新曲で、9.11テロ以降の不安と混沌に満ちた世界を描いています。9曲目~11曲目はミニマル色の強い曲となっています。12曲目はジュリー・ロンドンの歌った「The End of the World」に感銘を受けた久石さん自らカバーして歌っています。
 13曲目には昨年にSMAPの中居君主演で公開され話題となった『私は貝になりたい』のメインテーマをピアノソロにアレンジして、久石さん自ら演奏しています。
 14曲目『I will be』は日産スカイラインのテーマ曲で、娘である麻衣さんが作詞とボーカルを担当しています。収録されている他の曲とは系統が違いますが、麻衣さんの透き通る歌声と心地よいリズムと美しいメロディーが大変印象的です。

 本作品は久石さんが生み出す美しいメロディーと心地よいアレンジがじっくりと堪能できます。久石ファンはもちろんのこと、そうでない方も何回聞いても飽きることない仕上がりとなっています。
 また初回限定版にはレコーディング風景が収録されたDVDも特典で付いており、久石さんや演奏家たちがいかに演奏しているのかを見ることができますよ。

1. Woman
2. Love Theme of Taewangsashingi
3. Les Aventuriers

Departures
4. Prologue~Theme
5. Prayer
6. Theme of Departures

7. Ponyo on the Cliff by the Sea
8. Destiny of Us (from Musical Turandot)

The End of the World
9. I. Collapse
10. II. Grace of the St. Paul
11. III. Beyond the World
12. IV. The End of the World

bonus track
13. I'd rather be a Shellfish
14. I will be

| | コメント (0) | トラックバック (0)

久石譲とミニマル・ミュージック

   久石譲の音楽というと、多くの人は宮崎アニメで流れてくるような美しく心温めるメロディーが頭に浮かぶと思います。
 しかし、久石さんは元々ミニマル・ミュージックの音楽家として活動していました。ミニマル・ミュージックとは、音の動きを最小限に抑えてパターン化された音型を反復させる音楽で、音の微妙な変化を楽しみます。

 久石さんは宮崎駿監督や北野武監督の映画音楽でもミニマル・ミュージックの手法を良く使っており、美しい久石メロディーとは別に独特な印象を映画に与えています。映画の中で使用されたミニマル・ミュージックで代表的なものは、『となりのトトロ』でバス停でメイとサツキがトトロに出るときに流れる曲や『ソナチネ』のテーマ曲などがあります。

 また、初期のソロアルバムはミニマル・ミュージック路線であり、最近のオーケストラやピアノを中心とした最近のアルバムが好きな人が聞くと違和感があるかもしれません。

 そこで、今回は久石さんのミニマル・ミュージック関係のソロアルバムでお薦めのアルバムを5枚紹介します。

・『ムクワジュ』
Photo  本作品は高田みどりを中心とするパーカッション・トリオ“ムクワジュ・アンサンブル”に、YMOの松武秀樹、ラテンパーカッションの名手ペッカー、そして久石譲が参加して制作されたミニマルミュージックのアルバムです。作曲は久石さんが全て手がけており、久石さんのソロアルバムと言っても差し支えありません。アフリカの民族音楽にインスパイアされた繰り返される短いフレーズは聴いているといつの間にか何ともいえない高揚感に包まれます。

・『INFORMATION』
Information  久石さん初のソロアルバムであり、全8曲シンセによるミニマル・ミュージックです。ちななみに久石さんがボーカルを担当した曲も5つあります。
 感想としては軽快でポップな音とリズムがとても心地よく、何度聞いても飽きることがありません。
 ちなみに本作品を聞いて高畑勲と宮崎駿は『風の谷のナウシカ』の音楽に起用することを決めたそうです。

・『α・BET・CITY』
Alpha_bet_city  久石さん2枚目のソロアルバムであり、全曲シンセによるミニマル・ミュージックですが『INFORMATION』よりさらに刺激的で前衛的な曲が多いです。特にお薦めは6曲目と10曲目に就労されている「DA・MA・SHI・絵」です。
  好き嫌いは分かれると思いますが、テクノサウンドが好きな人にはお薦めです!

・『ヴィオリストを撃て』
Photo_3 久石さんが2000年に発売したソロアルバムですが、イギリスの弦楽四重奏団“バラネスク・カルテット”をゲストに迎え、一時期遠ざかっていたミニマル・ミュージックを中心とした作品が数多く収録されています。初期のアルバムに収録されていたミニマル・ミュージックの作品の他に、「DEAD Suite」というミニマル色の強い新作が収録されているのですが、この組曲は久石さんの曲の中でも大変聴き応えのある名曲です。


・『Asian X.T.C.』
Asian_xtc  アジアをテーマにした久石さんの一番新しいソロアルバムですが、ミニマル・ミュージックテイストの新曲がいくつか収録されています。ピアノと弦楽にサックスやマリンバ、さらにアジアの民族楽器によって奏でられるミニマルな旋律はアジアの悠久の時と大地を彷彿させます。
 ミニマルな曲としてお薦めは「Asian Crisis」です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

久石譲と映画音楽

 昨年の紅白歌合戦では久石譲が登場し、宮崎アニメの曲や『私は貝になりたい』等を演奏し大活躍していましたね。小学校の時から約20年以上ずっと久石さんが好きだった私としては嬉しい限りです。
 
 さて、久石さんというと宮崎駿や北野武の映画音楽での活躍が有名ですが、他にも数多くの映画に素晴らしい楽曲を提供しています。(下記のリストを参考にしてください。)

 そこで、宮崎作品北野作品以外の映画音楽でお勧めのサウンドトラックを5つ紹介します。

・『トンマッコルへようこそ』
Photo  久石さんがアジアの映画音楽に進出するきっかけとなった韓国映画『トンマッコルへようこそ』。日本人として初となる第四回大韓民国映画大賞最優秀音楽賞を受賞したことでも話題になりました。朝鮮半島の南北分断の悲劇を幻想的に描いた作品ですが、久石メロディーの美しさが映画の質をさらに上げる役割を果たしています。

Photo_2 ・『おくりびと』
 昨年大ヒットした本木雅弘主演の映画『おくりびと』。主人公が元チェロ奏者ということもあって、チェロの音色と魅力を見事に引き出された音楽です。メロディーも優しく温かく聴いていて心が落ち着きます。

Photo_3 ・『ふたり』
 80年代後半~90年代前半にかけて久石さんは大林宣彦監督の映画音楽を数多く手がけていました。『ふたり』もその中の一つで、美しいメロディーがとても印象に残ります。また、本作品の貴重なところは久石さんと大林監督がデュエットした主題歌『草の想い』が収録されていることです。二人のおじ様の甘く渋い声が聞く者を虜にします!

Photo_4 ・『Quartet』
 久石譲が初監督を手がけた映画『Quartet』。弦楽四重奏団のメンバーを主人公にしているだけあって、弦楽四重奏による演奏曲が多く含まれています。クラシカルなナンバーが多いのが特長です。
 また、「となりのトトロ」や「HANA-BI」と彼の代表曲がメドレーで収録されているのもファンとしては嬉しい限りです。

Photo_5 ・『アリオン』
 ギリシャ神話をモチーフにした安彦良和原作・監督のアニメ映画『アリオン』。シンセを使ったエスニックな感じの曲が多いのが特長です。本作品の一番の聞き所は「レスフィーナ」という曲で、数ある久石メロディーの中でも屈指の完成度で一度聞いたら忘れることができないほど美しい曲です。



*久石譲が手がけた主な映画音楽一覧
・風の谷のナウシカ(1984年)
・Wの悲劇(1984年)
・早春物語(1985年)
・春の鐘(1985年)
・グリーン・レクイエム(1985年)
・天空の城ラピュタ(1986年)
・アリオン(1986年)
・熱海殺人事件(1986年)
・めぞん一刻(1986年、実写版)
・恋人たちの時刻(1986年)
・漂流教室(1987年)
・この愛の物語(1987年)
・ドン松五郎の大冒険(1987年)
・となりのトトロ(1988年)
・極道渡世の素敵な面々(1988年)
・魔女の宅急便(1989年)
・ヴイナス戦記(1989年)
・釣りバカ日誌2(1989年)
・カンバック(1990年)
・ペエスケ/ガタピシ物語(1990年)
・タスマニア物語(1990年)
・あの夏、いちばん静かな海。(1991年)
・仔鹿物語(1991年)
・ふたり(1991年)
・福沢諭吉(1991年)
・青春デンデケデケデケ(1992年)
・紅の豚(1992年)
・はるか、ノスタルジィ(1992年)
・ソナチネ(1993年)
・水の旅人 侍KIDS(1993年)
・女ざかり(1994年)
・みんな〜やってるか!(1995年)
・キッズ・リターン(1996年)
・もののけ姫(1997年)
・パラサイト・イヴ(1997年)
・HANA-BI(1998年)
・時雨の記(1998年)
・菊次郎の夏(1999年)
・川の流れのように(2000年)
・はつ恋(2000年)
・千と千尋の神隠し(2001年)
・BROTHER(2001年)
・Quartet(2001年)
・リトル・トム(2001年、仏)
・Dolls(2002年)
・壬生義士伝(2003年)
・ハウルの動く城(2004年)
・キートンの大列車追跡(The General)(2004年)
・男たちの大和/YAMATO(2005年)
・トンマッコルへようこそ(2005年、韓国)
・西遊記リローデッド(2005年、香港)
・おばさんのポストモダン生活(2006年、中国)
・マリと子犬の物語(2007年)
・日はまた昇る(2007年、中国)
・崖の上のポニョ(2008年)
・おくりびと(2008年)
・私は貝になりたい(2008年)

| | コメント (1) | トラックバック (0)

『崖の上のポニョ サウンドトラック』

お気に入りのCD NO.24 『崖の上のポニョ サウンドトラック』久石譲
Photo_2  今週土曜日から公開される『崖の上のポニョ』。そのサウンドトラックが公開に先駆けて今日発売されました。

 音楽を手がけるのはナウシカ以降の全ての宮崎さんの長編アニメを担当している久石譲さん。今回の作品ではフルオーケストラとコーラスをフューチャーして、宮崎さんが作り出した不思議な海の世界を音楽で壮大かつカラフルに表現しています。

 私は公開に先駆け一足先に試写会で鑑賞してきたのですが、冒頭は映像とオーケストラによる音楽のみで話しが進んでいきます。その際の映像と音楽がぴったり合っていて、さすが長年コラボレーションを続けてきた宮崎さんと久石さんだなと改めて思いました。
 
 本作品は宮崎作品としては『魔女の宅急便』以来久しぶりにオープニングタイトルの後にスタッフとキャストのクレジットがあり、『海のおかあさん』という歌がバックに流れます。
 この歌は宮崎さんは本作品のために「海そのもの」を歌った唄を作りたいという思いから制作されたものです。『千と千尋の神隠し』の主題歌「いつでも何度でも」の作詞を手がけた覚和歌子さんの詩「さかな」を元に宮崎さんが歌詞を書き上げ、久石さんが曲をつけ、ソプラノ歌手の林正子さんが歌っています。
 歌詞・メロディー・声ともに透明感に溢れた美しさに満ちており、全ての命の源である母なる海への賛歌となっています。

 映画の中で奏でられる曲の多くは『崖の上のポニョ・イメージアルバム』の音楽から発展したもので、優しく温かなメロディーとオーケストラとコーラスが奏でる重厚かつ繊細な音が、海の雄大さと繊細さ、主人公たちのストレートな思いと行動を見事に表現しています。
 特に印象的だったのが大津波のシーンで流れる金管をメインにした「ワルキューレの騎行」に似た音楽!映像の迫力を倍増させる勇ましい音楽はとても印象に残ります。

 エンディングにはテレビでもよく流れているので知っている人も多いであろう主題歌『崖の上のポニョ』が流れますが、映画の明るく楽しい雰囲気にピッタリ合う主題歌です。ちなみに映画の中でもこのメロディーがアレンジされて随所に登場します。

 サントラは映画で使用された音楽の内、36曲が収録されています。映画を見た後にサントラを聴くと名シーンが次から次へと頭の中に思い浮かんできますよ! 

  1 深海牧場 
  2 海のおかあさん 
  3 出会い 
  4 浦の町 
  5 クミコちゃん 
  6 ポニョと宗介 
  7 からっぽのバケツ 
  8 発光信号 
  9 人間になる! 
  10 フジモト 
  11 いもうと達 
  12 ポニョの飛行 
  13 嵐のひまわりの家 
  14 波の魚のポニョ 
  15 ポニョと宗介Ⅱ 
  16 リサの家 
  17 新しい家族 
  18 ポニョの子守唄 
  19 リサの決意 
  20 グランマンマーレ 
  21 流れ星の夜 
  22 ポンポン船 
  23 ディプノリンクスの海へ 
  24 船団マーチ 
  25 赤ちゃんとポニョ 
  26 船団マーチⅡ 
  27 宗介の航海 
  28 宗介のなみだ 
  29 水中の町 
  30 母の愛 
  31 トンネル 
  32 トキさん 
  33 いもうと達 
  34 母と海の讃歌 
  35 フィナーレ 
  36 崖の上のポニョ(映画バージョン) 

| | コメント (1) | トラックバック (1)

『カルテット』映画鑑賞日記

Photo  今回紹介する作品は宮崎駿や北野武の映画音楽で有名な久石譲が初監督した映画『カルテット』です。
  私は昔から久石さんの音楽が大好きだったので、本作品が劇場公開された時は真っ先に劇場に駆けつけ鑑賞したものでした。
 
 ストーリーは弦楽四重奏団を組んだ4人の若者が挫折を乗り越えて再起していくまでを描くという青春映画にありがちな展開で特に目新しいものはありませんでしたが、劇中の音楽が素晴らしく最後まで飽きることなく見ることができました。
 久石さんは本作品を撮るにあたって劇中に流れる40曲もの音楽を作曲し、映画の撮影時も譜面を絵コンテ代わりに利用して俳優の演技やカメラの構図を考えたそうです。
 それだけの甲斐あって、映像と音楽が大変マッチしており、見ていて大変心地よいです。特にコンサートのシーンは演奏の臨場感が見ている側にも伝わってきます。
 また『となりのトトロ』や『天空の城ラピュタ』・『HANABI』など久石さんが今まで手がけてきた映画音楽も随所に使用されており、久石ファンにはたまりません。
 
 映像自体も予想以上に美しく、主人公たちがドサ回りのツアーに日本の田舎を回るシーンや浜辺で主人公たちが演奏するシーンは大変印象的でした。(ただ浜辺のシーンは映像自体は美しいのですが、弦楽器みたいな繊細なものを湿度が高く潮風が吹くような場所に持っていって大丈夫なのか気になりました。)

 ただ音楽の素晴らしさは別として映画の完成度で言うと今ひとつです。その理由は演出がベタというか下手だからです。主人公が葛藤するシーンで雷が鳴って雨が降りだす演出やクライマックスの主人公がカルテットの演奏会に間に合うかどうかの演出も安っぽくて白けてしまいました。
 また本格的な音楽映画を目指しなが、音楽家がバイオリンケースで人を殴ったり、雨の中でケースを濡らす場面など如何なものかと思いました。
 あと役者の演奏シーンも本物のチェリストである久木田薫以外は頑張ってはいるけど指の動きを見ると素人であるということが丸分かりでした。これはある意味、主役に1人本物の音楽家を入れたことが失敗だったと思います。久木田さんの演奏が上手すぎる分、他の人の演奏がどうしても見劣ってしまし気になってしまいました。

 本作品は演出がもっと上手ければ、日本映画を代表する青春音楽映画となっていただけに少し残念でした。 

上映時間 113分
製作国 日本
製作年 2001年
監督: 久石譲 
脚本: 長谷川康夫,久石譲 
撮影: 阪本善尚 
美術: 及川一 
編集: 奥原好行 
音楽: 久石譲 
出演: 袴田吉彦  桜井幸子 大森南朋  久木田薫   藤村俊二 三浦友和

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『オーケストラストーリーズ となりのトトロ 』

お気に入りのCD NO.23 『オーケストラストーリーズ となりのトトロ 』久石譲
Photo_2  今回紹介する作品は『となりのトトロ』の音楽を交響組曲にした『オーケストラストーリーズ となりのトトロ 』です。
 本作品は映画本編の音楽も担当している久石譲さんがオーケストラに初めて接する子どもや大人のために編曲されたもので、ブリテンの「青少年のための管弦楽入門」という曲を参考にしているそうです。

 私は2003年の久石譲さんのコンサートツアーで本作品を始めて聞いたのですが、その時はオーケストラの繊細かつ迫力のある音が奏でるおなじみの美しいメロディーに鳥肌が立つほど大変感動しました。
 
 本作品は映画でお父さん役を務めたコピーライター・糸井重里によるナレーションが付いたヴァージョンと交響組曲ヴァージョンと2バージョン収録されています。
私のお勧めはナレーション付きのバージョンです。糸井重里さんの優しく温かみのある声による情景の説明と音楽を聴くと映画の一場面が自然と脳裏に浮かんできます。

 新日本フィルハーモニーによる演奏も大変素晴らしく完成度も高いので、自宅で聞く時も許す限り大音量で聞いてほしいです。

 トトロが好きな人、オーケストラに興味のある人には絶対お勧めのアルバムです!

1. さんぽ 
2. 五月の村 
3. ススワタリ~お母さん 
4. トトロがいた! 
5. 風のとおり道 
6. まいご 
7. ネコバス 
8. となりのトトロ
〈となりのトトロ組曲〉 
9. さんぽ 
10. 五月の村 
11. ススワタリ~お母さん 
12. トトロがいた! 
13. 風のとおり道 
14. まいご 
15. ネコバス 
16. となりのトトロ 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『崖の上のポニョ イメージアルバム』

お気に入りのCD NO.22 『崖の上のポニョ イメージアルバム』久石譲
Photo  2008年夏公開される宮崎駿監督最新作『崖の上のポニョ』。そのイメージアルバムが先日発売されました。音楽を担当しているのは『風の谷のナウシカ』以降の全ての宮崎作品の音楽を手がけている久石譲。今回のイメージアルバムを聞く限り、映画本編の音楽も素晴らしい仕上がりになりそうです。

 ちなみにイメージアルバムとは映画本編の音楽制作の半年から1年前に制作されます。宮崎監督から送られてくる作品に関する詩やメモをもとに久石さんが映画のイメージにあった音楽を作ります。
 映画本編の音楽を制作するときもイメージアルバムを基に監督と検討していきます。宮崎監督と久石さんは「ナウシカ」以降、すべてこの方法で映画音楽を制作しています。

 今回のイメージアルバムの特長は10曲中6曲が歌であるところです。『となりのトトロ』や『千と千尋の神隠し』でもイメージアルバムで歌が取り入れられていましたが、今回も素敵な歌が数多く収録されています。

 1曲目の『崖の上のポニョ』は12月に先にシングルとして発売されており聞いたことある人も多いと思いますが、明るいメロディと女の子のかわいい歌声そして中年男性の渋く優しい歌声が非常に印象的です。  
 2曲目の『サンゴ塔』は豊嶋泰嗣さんの奏でるストリングの音色が美しく、海の中をゆらゆら漂っているような感じの曲です。
 3曲目の『ポニョ来る』は何かがこちらに向かってやってくる感じが、ピアノの軽快なフレーズで表現されています。
 4曲目の『海のおかあさん』はバイオリンの優しい音色が聴いていてとても心地よいです。
 5曲目の『いもうと達』はNHK東京児童合唱団の卒団生で結成されたグループ「リトル・キャロル」が歌っているのですが、2部合唱の曲なのですが、響きあい重なり合う美しい歌声がとても印象的です。それにしても、この曲で歌われる「おねえちゃん」とは一体何を指すのでしょう?非常に気になります。
 6曲目の『フジモトのテーマ』と9曲目の『本当の気持ち』は藤岡藤巻が作詞とボーカルを担当しているのですが、中年男性の切なさや悲哀といったものがしみじみと伝わってきます。ちなみに『フジモト』とはポニョの人間の父親だそうです。
 7曲目の『発行信号』も優しい音色とメロディが印象的です。海の上で主人公の宗介とポニョが交流しているシーンに流れそうな曲です。
 8曲目の『ポニョの子守唄』は短い曲なのですが、聞いているとウトウトと眠りに誘われます。
 10曲目の『ひまわりの家の輪舞曲』。この曲は久石譲さんの娘である麻衣さんが担当しています。麻衣さんは『風の谷のナウシカ』でも歌声を披露しているのですが、透明感溢れる歌声が印象的です。

 映画の公開まではまだ半年くらいありますが、映画本編の音楽がどんな感じになるのか今から楽しみです。

1.崖の上のポニョ
 歌:藤岡藤巻と大橋のぞみ/作詞:近藤勝也/
 補作詞:宮崎駿/作・編曲:久石譲

2.サンゴ塔
 作・編曲:久石譲

3.ポニョ来る
 作・編曲:久石譲

4.海のおかあさん
 ヴァイオリンソロ:豊嶋泰嗣/作・編曲:久石譲

5.いもうと達
 歌:Little Carol/作詞:宮崎駿/作・編曲:久石譲

6.フジモトのテーマ
 歌:藤岡藤巻/作詞:藤岡藤巻/作・編曲:久石譲

7.発光信号
 作・編曲:久石譲

8.ポニョの子守唄
 歌:大橋のぞみ/作詞:宮崎駿/作・編曲:久石譲

9.本当の気持ち
 歌:藤岡藤巻/作詞:藤岡藤巻/作・編曲:久石譲

10.ひまわりの家の輪舞曲
 歌:麻衣/作詞:宮崎駿/作・編曲:久石譲

| | コメント (0) | トラックバック (2)