2008年6月15日 (日)

『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』この映画を見て!

第209回『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』
Photo  今回紹介する作品は19年ぶりに復活した人気シリーズの第4作目『インディ・ジョーンズ/クリスタル・スカルの王国』です。
 
 私は小学生の時からこのシリーズが大好きだったので、2002年にネット上で第4作目の脚本が執筆されていると知って大変喜んだものでした。2004年には『グリーンマイル』の監督フランク・ダラボンが手がけたシナリオが完成したとの発表があり、公開を今か今かと楽しみにしていました。しかし、ジョージ・ルーカスがシナリオの出来に不満がありリライトが決定。スピルバーグが監督した『ターミナル』の脚本家ジェフ・ナサンソンが起用されるが、そのシナリオにもルーカスは不満を持ち、続いて『ジュラシックパーク』・『宇宙戦争』等の脚本を手がけたデヴィッド・コープ を起用。そして2006年にルーカスがついにシナリオにOKを出し、2007年6月からスピルバーグ監督の下で撮影が開始。そして2008年待ちに待ってやっと楽しみにしていた第4作目が公開されました。早速、私も昨日劇場にて鑑賞してきました。ジョン・ウィリアムスによるお馴染みのテーマ曲が映画館で流れてくるや否やインディ・ジョーンズワールドに一気にトリップすることができました。

 鑑賞しての感想ですが、19年ぶりにスクリーン上でジョーンズ博士の変わらぬ活躍を見れて大満足でした。ジョーンズ博士演じるハリソン・フォードも60代後半であり、さすがに老いた感は否めませんが、アクションのキレは昔と変わらずで安心しました。

 ストーリー自体は荒唐無稽で先が読める展開でありますが、この手の作品でストーリーにリアリティを求めること自体がお門違いというもの。テーマパークのアトラクションに乗った気分で鑑賞すれば、2時間近く手に汗握る冒険を楽しむことができます。

 今回のストーリーはシリーズ初となる第2次大戦後を舞台にしており、ナチではなく今はなきソ連が敵として現れ、クリスタル・スカルをめぐる謎をめぐって激しい攻防を繰り広げます。今回は南米を舞台に失われた王国を求めて冒険が繰り広げられますが、単なる宝探しの冒険にSFの設定が加味されています。UFOに興味のある方なら誰も知っているエリア61やロズウェル事件などが映画のストーリーに絡んでおり、ラストはあっと驚く(または呆気に取られる)ような展開があります。冒険活劇にここまでSFの要素が絡む事に関して賛否両論はあると思いますが、個人的にはこういうB級SF映画的展開は嫌いではありません。
 
 『インディ・ジョーンズ』というと毎回お約束のネタや展開がいくつかあります。パラマウントのロゴマークと実景とのオーバーラップのシーン、冒頭の派手なアクション、乗り物を使った過激なチェイスシーン、気味悪い生物の群れ(今回は殺人○○です。)、そして宝物を守る大掛かりな仕掛け。今回もそれらのお約束がきちんと踏襲されおり、インディファンは楽しめること間違いないです。

 また本作品はインディシリーズ第1作目にあたる『レイダース 失われたアーク』と第3作目にあたる『最後の聖戦』とリンクしたネタがあります。冒頭のアクションシーンは『失われたアーク』のラストでアークを収めた広大な倉庫で繰り広げられますし、ちらっと聖櫃自体が画面に映ります。さらに『失われたアーク』のヒロインであるマリオンも再登場し、1作目同様に重要な役回りをしています。また、息子とのやり取りは『最後の聖戦』を見ていたらにやりとすること間違いなしです。

 あとインディの父と学長のブロディもちらっと画面に登場しますのでお見逃しなく。

 アクションシーンはさすがスピルバーグ監督だけあって、見せ方が上手く飽きることがありません。特にアマゾンでのチェイスシーンの良い意味でのしつこさは見ていて手に汗握りますし、激しい攻防の合間に見られるユーモアはスピルバーグならではです。
 ただ原爆のシーンはやりすぎだったと思います。いくらジョーンズ博士とは言え、あの状況でほぼ無傷で生還するのは明らかに不可能でしょう。 


 突込みどころはたくさんありますし、前作までと比較するとパワーダウンした感は否めませんが 19年ぶりにスクリーンに戻ってきたジョーンズ博士の勇姿をぜひ皆さまスクリーンでご覧ください。
 
上映時間122分
製作国 アメリカ
製作年月 2008年
監督: スティーヴン・スピルバーグ 
製作: フランク・マーシャル 
原案: ジョージ・ルーカス、ジェフ・ナサンソン 
脚本: デヴィッド・コープ 
撮影: ヤヌス・カミンスキー 
プロダクションデザイン: ガイ・ヘンドリックス・ディアス 
衣装デザイン: メアリー・ゾフレス 
編集: マイケル・カーン 
音楽: ジョン・ウィリアムズ 
出演: ハリソン・フォード、シャイア・ラブーフ 、レイ・ウィンストン、カレン・アレン
ケイト・ブランシェット、 ジョン・ハート 、ジム・ブロードベント 、イゴール・ジジキン 

| | コメント (1) | トラックバック (8)

2008年5月25日 (日)

『レッド・オクトーバーを追え!』この映画を見て!

第208回『レッド・オクトーバーを追え!』
Photo  今回紹介する作品はトム・クランシーの人気小説ジャック・ライアンシリーズを初映画化した『レッドオクトーバーを追え!』 です。
 監督を務めたのは『ダイハード』の1作目で一躍ハリウッドを代表するアクション監督となったジョン・マクティアン。本作品では潜水艦という密室空間での手に汗握るやりとりや米ソの政治的な駆け引きを終始緊張感と臨場感あふれる演出で描いています。

ストーリー:「磁気推進装置を備えソナーで捉えることのできない原子力潜水艦レッド・オクトーバーをソ連が開発。その処女航海の艦長を務めることになったマルコ・ラミウスは士官たちと共に潜水艦ごと亡命を図る計画を密かに立てていた。
 そんな艦長たちの動きを知ったソ連軍は出航したレッド・オクトーバーの亡命を阻止するために追跡して撃沈しようとする。
 アメリカも大西洋上でのソ連軍の大西洋上での不穏な動きを察知。対応を協議するためにCIAアナリストであるジャック・ライアンが呼ばれる。彼はラミウスを知っていたこともあって、この動きを亡命が目的だと見抜き、何とかアメリカに亡命させようと動き始める。
 こうしてレッド・オクトーバーを巡って米ソの水面下での駆け引きが始まった…。」

 私は公開当時に本作品を見たのですが、ショーン・コネリーの圧倒的な存在感と一隻の潜水艦をめぐる男たちの息詰まる駆け引きが大変印象的でした。
 潜水艦を舞台にした映画の魅力は何といっても密室空間での男同士のドラマと見えない敵に対する頭脳を駆使した駆け引きだと思います。本作品はそんな魅力を役者たちの渋くクールな演技と監督のテンポの良く重厚感溢れる演出で余すことなく描いています。
 
 出演者は男ばかりで華はありませんが、ショーン・コネリーを筆頭に、『羊たちの沈黙』のスコット・グレン、『ジュラシック・パーク』のサム・ニール、『スターウォーズ』でダース・ベイダーの声を演じたジェームズ・アール・ジョーンズ 、『ロッキー・ホラー・ショー』のティム・カリー、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジェフリー・ジョーンズと豪華メンバーが結集して、重厚な演技合戦を繰り広げています。
そんな中で、アレック・ボールドウィン演じるジャック・ライアンの存在感は少し薄い感じがしますが、若くて知的なCIAのアナリストを熱演していたと思います。
 
 派手なアクションシーンは余りありませんが、ラストの魚雷を回避するための潜水艦同士のチキンレースの緊張感は大変手に汗握ります。特に潜水艦ダラスが水面に浮上するシーンは鳥肌が立つほど迫力がありました。
 
  あと、本作品の魅力として音響の素晴らしさがあります。公開当時のアカデミー賞音響効果賞を受賞しただけあって、敵の接近を知らせるアクティブソナー音や水圧にきしむ船体の効果音の迫力は凄いです。ご覧になるときは出来れば5.1チャンネルのホームシアターで見てください。音の迫力に圧倒されると思います。
 
またベイジル・ポールドゥリス が作曲した音楽も大変印象的で、オープニングで流れるロシア正教の賛美歌のような歌を男性コーラスが重厚に歌い上げるテーマ曲は映画に重厚かつ荘厳な雰囲気を与えています。

上映時間 135分
製作国 アメリカ
製作年度1990年
監督: ジョン・マクティアナン 
製作: メイス・ニューフェルド 
原作: トム・クランシー 
脚本: ラリー・ファーガソン 、 ドナルド・スチュワート 
撮影: ヤン・デ・ボン 
特撮: ILM 
美術: テレンス・マーシュ 
音楽: ベイジル・ポールドゥリス 
出演: ショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、サム・ニール,ジェームズ・アール・ジョーンズ 、ピーター・ファース、ティム・カリー、コートニー・B・ヴァンス、 ステラン・スカルスガルド 、ジェフリー・ジョーンズ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2008年4月 7日 (月)

『機動警察パトレイバー劇場版』この映画を見て!

第207回『機動警察パトレイバー劇場版』
Photo_2 今回紹介する作品は押井守監督が手がけるパトレイバーシリーズの劇場版第1作『機動警察パトレイバー劇場版』です。
 パトレイバーはヘッドギアというグループによって漫画とアニメが制作されています。グループには5人のクリエイターがおり、ゆうきまさみが原案、出渕裕がメカニックデザイン、高田明美がキャラクタデザイン、平成ガメラシリーズも手かげた伊藤和典が脚本、そして押井守が監督を担当しています。
 パトレイバーは汎用多足歩行型作業機械「レイバー」が普及した近未来の東京を舞台にレイバーによる犯罪を防ぐために警視庁内に発足された「特殊車両二課中隊」、通称「特車二課」の第二小隊の隊員たちの活躍と成長を描いていきます。
 1988年に押井守監督によるOVAが6巻発表され、ゆうきまさみによる漫画版も少年サンデーに連載開始、その1年後に今回紹介する劇場版が発表されました。

 劇場版パトレイバーは現在3作目まで制作されています。完成度の高さや押井監督作品としての評価は2作目の方が高いですが、1作目にあたる本作品が娯楽作品としては一番面白いです。
 
 ストーリー「東京でレイバーが突如暴走する事件が多発。その原因を探っていた第2小隊の篠原遊馬巡査は暴走した機体すべてに搭載されていた最新型のオペレーティングシステム「HOS」ではないかと推測する。同様の疑念を抱いていた第2小隊長・後藤は「HOS」の主任開発者だった帆場英一の捜査を本庁の松井刑事に依頼していた。」

 本作品の凄いところはOSやコンピューターウィルスなどの知名度がまだ低い時代にストーリーの核にそれらをもってきているところです。その為、今見ても古臭さがなく、むしろ今だからこそリアリティをもって見ることができます。
 またレイバーの暴走に始まり最終的に大規模なサイバーテロへと発展するスケールの大きな展開や、前半に張りめぐらされた伏線の数々が後半に次々と明かされるシナリオの緻密さなども本作品のストーリーの素晴らしいところです。

 映像面のクオリティも高く、今見ても遜色はありません。特に都市化によって消え行く東京の懐かしい下町の情景を哀惜をこめて描いた美術や蒸し暑い日本の夏の風景を丁寧に表現した演出は非常に印象的でした。

 押守監督は事件の首謀者である帆場を映画の冒頭で死んだ設定にして、彼の残された意思のみが存在しつづけて事件を引き起こすという展開にしていますが、そこに監督の映画で常にテーマとなる都市化による存在の虚構化が押し付けがましくなく見事に描かれていると思います。
 また個人と組織の対立、現場と上層部の対立のドラマも非常に見ごたえがありました。(ちなみに『踊る大捜査線』は本作品の影響を強く受けています。)

 もう20年近い前の作品でありますが、今見ても色あせることのない傑作です。ぜひ一度ご覧になってください! 

上映時間 98分
製作国 日本
制作年 1989年
監督: 押井守 
演出: 澤井幸次 
企画: ヘッドギア 
原作: ヘッドギア 
原案: ゆうきまさみ 
脚本: 伊藤和典 
撮影監督: 吉田光伸 
美術監督: 小倉宏昌 
編集: 森田編集室 
音楽: 川井憲次 
音響監督: 斯波重治 
作画監督: 黄瀬和哉 
出演:古川登志夫。冨永みーな、 大林隆介、榊原良子、井上瑶、池水通洋
二又一成 、郷里大輔、千葉繁、阪脩、辻村真人、西村知道、小島敏彦

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『クローバーフィールド/HAKAISHA』この映画を見て!

第206回『クローバーフィールド/HAKAISHA』
Photo  今回紹介する作品はニューヨークの自由の女神が破壊される衝撃的な予告編以外公開されるまで徹底した秘密主義が貫かれて話題となった怪獣映画『クローバーフィールド/HAKAISHA』です。

 ストーリー:「日本への転勤が決まったロブを祝うため、パーティが開かれていた最中に突如として爆音がニューヨーク中に鳴り響く。外の様子を見に屋上へ向かうとダウンタウンが炎に包まれていた。急いで外に非難と今度は破壊された自由の女神の頭部が落ちてくる。」
 
 本作品は怪獣によるニューヨーク攻撃に遭遇した一市民のビデオ撮影を通して全編描いています。その為、ニューヨークが今どういう惨状で、軍や政府がどう動いているのか、そして怪獣の正体は何だったのかも最後まで全く分りません。(そのもどかしさが人によってはイライラするかもしれませんが・・・)
 大抵の怪獣映画では科学者や軍人が出てきて説明をしたり、怪獣の姿を俯瞰で捉えた映像が出てきたりして、全体状況の説明を観客に向かってするものです。しかし、本作品それを全く省き、突然の惨事に巻き込まれた市民たちの恐怖や絶望、そして何とか生き延びようとする姿に焦点を当てて、今までの怪獣映画にはない臨場感を出しています。
 良く似た作りの作品にスピルバーグ監督の『宇宙戦争』がありましたが、あの作品は最後の展開がご都合主義だったのに対して、本作品は最後まで絶望感に満ちており楽しめました。 

 映像も素人が逃げながら撮影したという設定のために非常に見にくいのですが、その迫力と特撮の細やかな作りはなかなかのものです。炎に包まれ倒壊するビルと迫り来る砂塵、ビルの谷間を走り抜ける怪獣と攻撃する軍隊とスケールの大きな映像が断片的に映し出され、観客の想像力を刺激します。
怪獣もチラチラと映し出されるのですが、見た目は今ひとつインパクトがなかったような気がします。ただ、あれだけの攻撃を受けても暴れまわるとは不死身な奴ですねえ。

本作品は『M:I:Ⅲ』の監督であるJ・エイブラムスが日本に立ち寄った際に見たゴジラのフィギュアからヒントを得て企画したそうです。その為、映画の随所に日本を意識したシーンが盛り込まれまれていますし、ラストに流れるテーマ曲もゴジラの曲に大変似ています。
 また作品の内容としても『ゴジラ』が戦後間もない東京を舞台に製作されたのと同じように、本作品も911のテロ後間もないニューヨークを舞台に製作されているところも大変似ています。『ゴジラ』が当時見た人に東京大空襲を思い起こさせたのと同じように本作品を見たアメリカ人は911のテロが頭の中を過ったと思います。そう意味では本作品は以前リメイクされたローランド・エメリッヒ版『GODZILLA』以上に正当な『ゴジラ』のリメイクだと思いました。
 
 本作品は考える映画ではなく、テーマパークのアトラクションのようにひたすら体感する映画です。怪獣に攻撃された街の中で逃げ惑う主人公たちの姿に感情移入して約80分間の恐怖と絶望を味わってみてください!
  ただ人によっては画面に酔うかもしれないのでご注意を!

公式サイト:http://www.04-05.jp/

上映時間 85分
製作国 アメリカ
製作年 2008年
監督: マット・リーヴス 
脚本: ドリュー・ゴダード 
撮影: マイケル・ボンヴィレイン 
プロダクションデザイン: マーティン・ホイスト 
衣装デザイン: エレン・マイロニック 
編集: ケヴィン・スティット 
出演: マイケル・スタール=デヴィッド、マイク・ヴォーゲル、 オデット・ユーストマン、リジー・キャプラン、ジェシカ・ルーカス

| | コメント (0) | トラックバック (29)

2008年2月 8日 (金)

『トータル・リコール』この映画を見て!

第199回『トータル・リコール』
Photo_2  今回紹介する作品はフィリップ・K・ディックの短編SF小説『追憶売ります』を派手なハリウッド娯楽大作に仕上げた『トータル・リコール』です。
 本作品は『ロボコップ』で成功を収めたポール・ヴァーホーヴェン監督と当時アクション俳優として大人気だったアーノルド・シュワルツェネッガーがタッグを組み、巨額の費用をかけて製作されました。

 ストーリー:「西暦2084年。毎晩火星の夢を見る建築労働者ダグ・クエイドはある日火星移住の疑似体験を受けようとリコール社を訪れる。記憶操作装置座ったクエイドは記憶を植えつけようとした途端暴れだす。その後、クエイドは何者かに命を狙われ始める。そして今の記憶が実は偽りである事を知ったクエイドは本当の自分を探すため火星へ飛び立つ。」

 私が本作品を始めてみたのは中学生の時でしたが、当時は派手なSFXのオンパレードと夢と現実が交錯したストーリーに釘付けになったものでした。
 改めて今見返すと、セットやSFXなどチープな部分や手抜きな未来の描写が目に付いてしまうのですが、ストーリーや過激なアクションシーンに関しては相変わらず面白く楽しめました。

 本作品のストーリーの面白さは何といっても最後までどこまでが現実でどこまでが主人公の夢なのかはっきりしないところです。個人的には火星に行ってからは全て夢だったのだと思いますが。
(日本語吹き替え版のVHSビデオには全てが夢だったというオチがラストについています。)

 アクションに関しては過激な暴力&エログロ描写が売りのヴァーホーヴェン監督だけに見所満載です。民間人を多数巻き込んでの地下鉄での銃撃戦に始まり、火星での女同士の肉弾戦、火星にいるミュータントたちと出会い、そしてリアクターをめぐる敵との派手な銃撃戦、そしてラストの飛び出す目玉。2時間見る者を全く飽きさせないインパクトのある映像の連続です。

 あと本作品は音楽も大変素晴らしいです。今は亡きジェリー・ゴールドスミスの重厚かつアグレッシブなサウンドは見る者のテンションを上げてくれます。

本作品は深みはありませんが、見ていてとても痛快なSF映画です。

上映時間 113分
製作年度 1990年
製作国 アメリカ
監督: ポール・ヴァーホーヴェン 
原作: フィリップ・K・ディック 
脚本: ロナルド・シャセット、ダン・オバノン、ゲイリー・ゴールドマン 
撮影: ヨスト・ヴァカーノ 
特殊メイク: ロブ・ボッティン 
音楽: ジェリー・ゴールドスミス 
出演: アーノルド・シュワルツェネッガー、レイチェル・ティコティン、シャロン・ストーン、マイケル・アイアンサイド 、 ロニー・コックス

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2007年12月 9日 (日)

『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』この映画を見て!

第191回『インディ・ジョーンズ 最後の聖戦』
Photo  今回紹介する作品はインディ・ジョーンズシリーズ3作目となる『最後の聖戦』です。
 インディ・ジョーンズシリーズはもともと「007シリーズ」のような冒険活劇を作りたいというスピルバーグとルーカスの意向で制作が開始されましたが、3作目においてついに「007シリーズ」で初代ジェームス・ボンドを務めたショーン・コネリーがインディの父親役として出演しました。
 また本作品は冒頭にインディの若い頃の活躍を描いており、インディの顎の傷や蛇嫌いになった理由、いつも被っている帽子の秘密などが明かされます。(ちなみに映画のラストにはインディという名の由来も明らかになります!)
 
 ストーリー:「インディはキリストの聖杯を探して行方不明になった父・ヘンリーを追ってベニスに飛ぶ。父の行方と聖杯の謎を追うインディは次々と危機に見舞われる。インディは父がオーストリアの古城に捕らわれていることを知り、救出に行くがナチスと出くわす。ジョーンズ親子はナチスの手を逃れながら聖杯を探してトルコに向かう。」

 個人的に前作はあまり好きでなかったのですが、本作品は1作目に次いでお気に入りです。2作目に比べるとアクションのスリリングさやコミカルさには欠けますが、ショーン・コネリー演じるインディの父の存在が本作品の魅力を高めています。父と子の軽妙な掛け合いは見ていて微笑ましいですし、父と子の和解と絆のドラマも映画に奥行きを与えています。
 アクションシーンも1作目や2作目に比べると派手さはないものの、緻密に計算されており、見ていて手に汗握ります。特に後半の戦車でのアクションシーンは本作品最大の見せ場です。

 あと本作品を語る上で外せないのが冒頭で描かれる若い頃のインディの活躍です。サーカス列車で展開されるアクションシーンの面白さ、次々と明かされるインディの謎、そして若い頃のインディを演じるリバー・フェニックスの瑞々しい演技。冒頭のシーンを見るだけで本作品を見る価値はあります。

 来年の夏に20年ぶりにシリーズ4作目が公開される予定ですが、インディを演じたハリソン・フォードも年ですし、期待半分・不安半分です。

上映時間 127分
制作年 1989年
製作国 アメリカ
監督 スティーヴン・スピルバーグ 
製作 ロバート・ワッツ 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス,フランク・マーシャル 
原案 ジョージ・ルーカス 
脚本 ジェフリー・ボーム 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 ハリソン・フォード,ショーン・コネリー, デンホルム・エリオット, アリソン・ドゥーディ ー
ジョン・リス=デイヴィス, ジュリアン・グローヴァー,リヴァー・フェニックス, マイケル・バーン

| | コメント (2) | トラックバック (0)

『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』映画鑑賞日記

Photo_2  今回紹介する作品はインディ・ジョーンズシリーズ2作目となる『魔宮の伝説』です。
 
 本作品は2作目ですが、時代設定は1作目の『レイダース 失われたアーク』より1年前となっています。
 ストーリー:「1935年の上海。クラブ「オビワン」で暗黒街の組織と取引をしていたインディは敵の罠にはめられる。何とか危機を脱して、相棒のショート・ラウンドとナイトクラブで知り合った歌手のウィリー共に飛行機で脱出する。しかし、乗っていた飛行機がインドの山に激突。何とか激突前に逃げ出したインディたちは山奥の貧しい村へとたどり着く。そこで、村の長から伝説の秘宝サンカラ・ストーンと村の子どもたちが邪教集団によって奪われてたので取り戻して欲しいと依頼を受ける。依頼を引き受けたインディは敵の城パンコット宮殿へと向かうが・・・。」

 私は小さい頃はインディシリーズの中で一番本作品が好きだったのですが、大人になって見返してみるとイマイチでした。確かにシリーズの中で一番スリリングかつユーモアに溢れておりアクションシーンも満載で、見ていて飽きることはありません。特にラストのトロッコでのチェイスシーンは本作品の最大の見せ場であり、見る者をまるでジェットコースターに乗っているような気分にさせてくれます。

 しかし、前作に比べるドタバタしすぎており、落ち着きがありません。また前作に見られたハードボイルドな雰囲気が本作品にはなく、全体的に子供向けの仕上がりとなっています。
 あと見ていて気になったのは、アジアに対する偏った描写です。宮廷でのグロテスクな食事シーンや邪教集団の描写、ラストのイギリスの騎兵隊が主人公を助けるところなど、アジアに対する欧米の偏見や差別が随所に感じられ見ていてどうかなと思いました。(まあハリウッド映画ではよくあることですが・・・)

 スピルバーグ監督も本作品はあまり気に入っていないようで、自分のフィルモグラフィーの中で一番の駄作と語っているようです。

上映時間 118分
製作国 アメリカ
監督 スティーヴン・スピルバーグ 
製作 ロバート・ワッツ 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス,フランク・マーシャル 
原案 ジョージ・ルーカス 
脚本 ウィラード・ハイク,グロリア・カッツ 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 ハリソン・フォード  ケイト・キャプショー  キー・ホイ・クァン ロイ・チャオ 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年12月 5日 (水)

『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク』この映画を見て!

第190回『インディ・ジョーンズ レイダース 失われたアーク』
Photo 今回紹介する作品は考古学者インディ・ジョーンズ博士の冒険を描いたシリーズの第1作目にあたる『レイダース 失われたアーク』です。
 本作品は当時『スターウォーズ』で成功を収めたジョージ・ルーカスと『未知との遭遇』で成功を収めたスティーヴン・スピルバーグが手を組み、『007シリーズ』のような息つく暇もない連続活劇を目指して制作されました。
 映画は公開されるや否や大ヒットとなり、アカデミー作品賞にもノミネートされました。その後、シリーズ化され4作目まで制作(来年夏に4作目公開予定)、90年代にはテレビドラマシリーズにもなりました。
 主役のインディ博士には当初トム・セレックが予定されていましたが断られ、『スターウォーズ』のハン・ソロ役で人気が出てきたハリソン・フォードが抜擢されてました。本作品の大ヒットにより、ハリソン・フォードはハリウッドを代表するスターになりました。

ストーリー:「世界中の古代遺跡を巡る考古学者のインディ・ジョーンズ博士はアメリカ政府の依頼により、神秘的な力を宿している十戒の破片を納めた聖櫃(アーク)をめぐってナチスと対決することになる。」

 私が本作品を始めて見たのは小学生の時でしたが、オープニングの洞窟のシーンから息つく暇もないアクションの連続で最後まで画面に釘付けになったものでした。映画のラストのホラー映画のような展開も強烈で、しばらく脳裏から離れませんでした。
 また十戒の破片を納めた聖櫃(アーク)を探すという設定も歴史に対するロマンに溢れていて、映画を見た後に自分でいろいろ調べたものでした。
 当時はインディ博士の活躍に憧れて、大人になったら考古学者になって自分も冒険をしたいと本気で思ったものでした。

 最近久しぶりに見返したのですが、今見ても十分楽しめました。特に工夫を凝らしたアクションシーンの見せ方や話しの緩急の付け方が大変上手く、最近のCGによる見せ場ばかりが目立つアクション映画にはない、手に汗握る興奮がありました。スピルバーグ監督の演出力の高さを改めて痛感しました。

 本作品には連続活劇の面白さが詰まっています。もし未見の方がまだいらっしゃったら是非ご覧ください。 

製作国 アメリカ
制作年度 1981年
上映時間 115分
監督 スティーヴン・スピルバーグ 
製作 フランク・マーシャル 
製作総指揮 ジョージ・ルーカス、ハワード・カザンジャン 
脚本 ローレンス・カスダン 
音楽 ジョン・ウィリアムズ 
出演 ハリソン・フォード、カレン・アレン、ウォルフ・カーラー 、ポール・フリーマン 、ロナルド・レイシー、ジョン・リス=デイヴィス サラー
デンホルム・エリオット

| | コメント (3) | トラックバック (3)

2007年11月 4日 (日)

『アンタッチャブル』この映画を見て!

第185回『アンタッチャブル』
Photo  今回紹介する作品は30年代のシカゴを舞台に暗黒街の帝王アル・カポネと若き財務官の戦いを描く『アンッタチャブル』です。
 本作品はパラマウント映画が創立75周年記念として製作されたそうで、スタッフ・キャスト共に大変豪華です。まず監督には独特の映像スタイルで人気のあったブライアン・デ・パルマ、音楽にイタリアを代表する映画作曲家・エンニオ・モリコーネ、衣装に有名なファッションデザイナー・アルマーニと第一線で活躍するスタッフを迎えて、重厚かつスタイリッシュな雰囲気を作り出しています。また、ケヴィン・コスナーやアンディ・ガルシアなどの注目の若手俳優からショーン・コネリーやロバート・デ・ニーロといった演技派俳優を揃えて、映画の中のキャラクターを活き活きと演じています。
 
 ストーリー:「禁酒法が施行されていた1930年代のシカゴ。財務局捜査官エリオット・ネスは酒の密売で多額の利益を上げていたアル・カポネの捜査に乗り出す。しかし、警察の中にもカポネに買収されている警官がいて、捜査状況は全てカポネに筒抜けであった。
 ネスはベテラン警官マローン、新人警察官・ストーン、財務局の経理係・ウォレスと4人の少数精鋭のチームを結成して、摘発を始める。
 彼らは次々と酒の密売現場を取り押さえるが、カポネも黙っているはずもなく、ネスたちは彼らから脅迫されてしまう。
 彼らはカポネの帳簿から脱税の糸口をつかみ、カポネを告訴しようとする。しかし、カポネからの反撃により、彼らは窮地に立たされる。」

 マフィアが出てくる映画というと『ゴッドファーザー』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』等の作品が有名で、血なまぐさい暴力と男たちの重厚なドラマを時間をかけて描くことが多いです。
 しかし、本作品はそれらの作品と比べると勧善懲悪の単純明快なストーリーで上映時間も2時間以内と短く、誰もが手軽に楽しめます。(ただ、その分重厚なドラマを期待している人には物足りないかもしれませんが・・・)
 
 本作品を私が始めて見たのは中学生のときだったと思うのですが、その時はショーン・コネリーとロバート・デ・ニーロの演技に圧倒されてたのを今でも覚えています。
 007シリーズのジェームス・ボンド役以外知らなかったショーン・コネリーの年を積み重ねた役者だからこそ出来るいぶし銀の演技。彼の姿を見て、私は年を取ることは悪いことではないと思うようになりました。
 ロバート・デ・ニーロも私がずっと好きな俳優だったので、本作品でも憎憎しい悪役を存在感たっぷりに活き活きと演技をしていたのが印象的でした。髪の毛を抜き、体重を増やしてアル・カポネ役に挑んだというだけあって、オープニングの登場シーンから何といえない威圧感と緊張感を醸し出していたと思います。特に私が印象的だったのはバットで頭を殴るシーンとオペラで涙を流すシーン。アル・カポネの暴力性と人間性を見事に表現していたと思います。
 もちろん主演のケヴィン・コスナーの清純な演技やアンディ・ガルシアの目で訴える演技も素敵でしたし、チャールズ・マーティン・スミス演じる経理係もお気に入りのキャラクターでした。あと殺し屋を演じたビリー・ドラゴの鋭い目線と嫌みったらしい演技も大好きでした。

 本作品を語るときにブライアン・デ・パルマの華麗な映像テクニックも外すことができません。長回しやスローモーションを多用することで有名なデ・パルマですが、本作品ではそれらの映像テクニックが嫌味なく上手に使われています。
 特に私が印象的だったのがマローンが射殺されるシーン。暗殺者の視点での長回しが何ともいえない緊張感を出していました。
 またセントラル駅での階段から乳母車が落ちるシーンは「戦艦ポチョムキン」から引用ので有名ですが、スローモーションを巧みに使った緊迫感のある映像は見事で、上手い引用の仕方だと思います。(ちなみに監督の話では本来はもっと派手なシーンにする予定だそうでしたが、予算不足でああいう形になったそうです。)
 
 あとエンニオ・モリコーネの音楽が大変素晴らしいです。オープニングの不協和音で表現される何ともいえない緊張感、壮大なオーケストラで奏でられる爽やかなメインテーマ。本作品は音楽の付け方や盛り上げ方が大変上手です。

 本作品はスカッとしたいときに打ってつけの映画です。正義を信じる男たちの友情のドラマは見る者の心を熱くします。 

製作年度: 1987年 
上映時間: 120分
監督 ブライアン・デ・パルマ 
原作 オスカー・フレイリー 
脚本 デヴィッド・マメット 
音楽 エンニオ・モリコーネ 
出演 ケヴィン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、ジョージ・ストーン、チャールズ・マーティン・スミス、ロバート・デ・ニーロ 、ビリー・ドラゴ

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年10月31日 (水)

『戦国自衛隊』映画鑑賞日記

Photo_2  角川映画が79年に製作した『戦国自衛隊』がテレビで放映されていたので久しぶりに見直しました。
 私がこの映画を始めてみたのは小学生の時でしたが、突然戦国時代にタイムスリップして侍と闘う自衛隊員の姿に夢中になったものでした。特に61式戦車、M3A1装甲車、ヘリコプターなどの兵器で、騎馬や弓矢で突如襲いかかってくる武田信玄の兵士に立ち向かう戦闘シーンの迫力は子どもながらに鳥肌が立ったものでした。

 改めて見直してみるとストーリーの強引さや詰めの甘さはさておいて、生身の人間によるアクションシーンのダイナミックさと戦車と騎馬が同一画面に出てくる構図の強烈なインパクトに最後まで釘付けとなりました。
 また、この映画の面白いところは武力では圧倒的優位なはずの自衛隊員が戦国時代の戦で苦戦して、最後は全滅してしまうところです。武力の差が勝利に繋がるわけでないところが見ていて非常に印象的でした。(まあ、映画の中の自衛隊の戦術自体が隙だらけで負けても仕方ないところがありますが・・・。)

 また人間ドラマとしても千葉真一演じると夏八木勲演じる長尾影虎役の時代を超えた男同士の熱い友情や現代と戦国時代に引き裂かれた恋人たちなど胸が熱くなるシーン満載です。またラストシーンも切なくて結構うるっとさせられます。

 役者陣も今考えると信じられないほど豪華です。千葉真一筆頭に夏八木勲、にしきのあきら 、ムッシュかまやつ 、渡瀬恒彦 、角野卓造 、竜雷太 、小野みゆき 、岡田奈々、薬師丸ひろこ、真田広之・・・・とこれだけの人材を1つの映画に今集めるのはもはや不可能に近いです。

 この映画は自衛隊員が日本人を殺すシーンなどがあり、自衛隊が協力をしてくれず、戦車などの兵器も全て手作りだそうです。当時の映画人たちの情熱に頭が下がります。

 最近『戦国自体隊1549』というタイトルでリメイクもされましたが、はっきり言って旧作には完成度も面白さも足元も及ばないほど酷い出来でした。新作を見るくらいなら、こちらを見た方が絶対良いです。 

製作年度 1979年
製作国・地域 日本
上映時間 138分
監督 斉藤光正 
原作 半村良 
脚本 鎌田敏夫 
音楽 羽田健太郎 
出演 千葉真一 、中康治 、江藤潤 、速水亮 、にしきのあきら 、三浦洋一 、かまやつひろし 、倉石功 、高橋研 、渡瀬恒彦 、河原崎建三 、角野卓造 、鈴木ヒロミツ 、竜雷太 、三上真一郎 、小野みゆき 、岡田奈々

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年9月18日 (火)

『ワイルドバンチ』(特別版)この映画を見て!

第177回『ワイルドバンチ』(特別版)
Wikd_bunch  今回紹介する作品は映画史においてバイオレンス・アクションの頂点として評価されている西部劇『ワイルド・バンチ』です。
 公開当時はオープニングとラストの過激な銃撃戦が大変話題を呼びました。一般市民も巻き込んだオープニングの生々しい銃撃戦、「死の舞踏」と呼ばれるほど残酷で美しいラストの銃撃戦。本作品の銃撃戦は芸術の域まで達しています。監督のスローモーションを多用した撮影方法と膨大なカットを巧みに使用した編集方法は、後のアクション映画にも多大な影響を与えました。

 ストーリー:「西部開拓史がとうに終わりを告げた20世紀初頭のアメリカ。パイクを中心とする中年強盗団ワイルドバンチは銀を奪うために鉄道事務所を襲撃する。しかし、それは一味を捕らえるための鉄道会社の罠だった。市街地での壮絶な銃撃戦の末、何とか逃げ切るワイルドバンチの生き残った5人の男たち。仮釈放されたかつての仲間ソーントンの追撃する中、メキシコにたどり着く。
 そこで野盗の大将マパッチ将軍に米軍の武器弾薬強奪の話しを持ちかけられる。米政府の輸送列車の襲撃に成功するワイルドバンチ。しかし、武器引渡しに至り、仲間の一人がリンチを受ける。復讐に燃える4人の男たちはマパッチ将軍に闘いを挑む。」

 始めて本作品を見た時は主人公たちの生き様のカッコ良さにしびれたものでした。時代の変化に取り残され男たちが最後まで自分たちの生き方にこだわりつづける姿に私は切なさと潔さを強く感じたものでした。
 
 子どもたちが蟻に襲われているサソリをいじめる強烈なシーンから本作品は始まりますが、そのシーンに本作品のテーマが見事に凝縮されていると思います。かつて力を誇った男たち(サソリ)が新たな時代(子ども)についていけず滅んでいく・・・。
 映画のラスト、捕らえられた仲間を救出するために勝ち目のない闘いを挑む男たちの姿には哀愁と意地と美学が感じられます。

 また、本作品は子どもたちが非常に存在感を持って描かれています。映画のオープニングはもちろんのこと、後半のマパッチのアグアベルデにおいても頻繁に無垢で残酷な子どもたちの姿が描かれます。本作品において子どもたちは善と悪、正義と不正義、美と醜が混沌としている世界でしぶとく生きる人間たちの象徴です。

 本作品はアクションシーンの迫力ばかりが注目されますが、静かな場面もとても印象的です。映画の中盤の村での何気ない会話、ラストのソーントンが一人佇む場面。静と動のコントラストが本作品に躍動感と叙情性を与えています。

 最近の派手なだけで中身のないアクション映画とは一味違う大人の男のための映画です。好き嫌いは分かれると思いますが、男なら一度は見て損はないと思います。 

製作年度 1969年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 145分
監督 サム・ペキンパー 
原作 ウォロン・グリーン 、ロイ・N・シックナー 
脚本 サム・ペキンパー 、ウォロン・グリーン 
音楽 ソニー・バーク 、ジェリー・フィールディング 
出演 ウィリアム・ホールデン 、アーネスト・ボーグナイン 、ロバート・ライアン 、ウォーレン・オーツ 、ベン・ジョンソン 、エドモンド・オブライエン

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年8月 4日 (土)

『トランスフォーマー』この映画を見て!

第170回『トランスフォーマー』
Transformers_2  今年の夏は『スパイダーマン3』に始まり『パイレーツ・オブ・カリビアン3』、『ダイハード4.0』など人気シリーズ作品の最新作が数多く公開されていますが、個人的に今年の夏一番お薦めの作品は今回紹介する作品『トランスフォーマー』です。製作総指揮・スティーヴン・スピルバーグ、監督マイケル・ベイという現在のハリウッドを代表するヒットメーカーがタッグを組んだ本作品。80年代日本でタカラより発売され大ブームとなった変形ロボット玩具トランスフォーマーシリーズ。玩具だけでなく、マンガ化やアニメ化もされ、多くの男の子の心を虜にしました。
昨年に『トランスフォーマー』がハリウッドで映画化されると知ったときは、玩具を主人公に映画を撮ることに大変驚きました。CGが発達した現在なら、リアルな映像に仕上がるのだろうとは予想していましたが、ハリウッドで巨大ロボットを扱った作品が意外にも今までほとんどなかったので一体どんな映像に仕上がるのか大変興味がありました。
今年に入ってから予告編が公開され、徐々にトランスフォーマーの姿が明らかになるつれて、その迫力のある戦闘シーンに圧倒され、公開を待ち遠しく思ったものでした。

そして、公開日である今日朝一番に映画館に行き鑑賞してきたのですが、ド迫力の映像にひたすら圧倒された2時間20分でした。個人的には『ターミネーター2』や『ジュラシックパーク』、『マトリックス』に匹敵するほどのインパクトのある映像でした。
特にトランスフォーマーたちがトランスフォームするシーンはワンカットで描かれるのですが、その映像のリアルさとカッコよさには感激しました。
また後半の白昼の市街地でのロボット同士の戦闘シーンも今まで見たことないほど物凄い迫力あるシーンの連続で、一瞬たりとも目を離す隙がありませんでした。車が宙を舞い、ビルが吹っ飛び、ロボット同士が取っ組み合う姿は見ていて壮観です。ここまでリアルにロボット同士の闘いを描いた作品は見たことがありません!
ハリウッドきってのVFX工房のILMが350人もの人員を投入して制作しただけのことはあります。きっと今年のアカデミー視覚効果賞は本作品が受賞するでしょう。

もちろんこの映像の迫力はCGだけでなくマイケル・ベイ監督こだわりのライブアクションが効果を挙げているのだと思います。アメリカ国防総省に協力してもらい、実際の戦闘機や基地を借りて撮影をした映像の数々はCGや模型では出せない迫力があります。(ただ、裏を返せばアメリカ軍のプロパガンダ映画的な要素も強く、どうかなとも思いますが・・。特に映画の前半で米兵がイラクの子どもを守ろうとするシーンは米兵のうそ臭いヒューマニズムを感じてしました。) 

本作品のストーリーで特に私が良かったのは少し内気な普通の男の子を主人公に持ってきたことです。どこにでもいるカッコ良くもなければ、特に才能があるわけでない男の子。その子がある日突然世界を揺るがす闘いに巻き込まれるという展開は男の子心をくすぐる展開です。(逆に女性にはイマイチかもしれませんが・・・。)
マイケル・ベイ監督の作品はストーリーが間延びしているものが多いのですが、本作品は無駄なシーンがなく、メリハリのある展開で最後まで飽きることなく見れました。そこはスピルバーグ監督が製作総指揮で関わっていることが強く影響していると思います。内向的な少年が未知の生命体と友情をはぐくむという展開は『ET』を彷彿させますし、突然未知の生命体が侵略するという展開は『ジョーズ』や『宇宙戦争』を彷彿させます。スピルバーグの嗜好が反映されたストーリーをダイナミックなアクションで定評のあるマイケル・ベイ監督が映像化したことが本作品を成功に導いたのだと思います。

本作品はすでに続編の製作が決定されたようですが、次回作もどのような展開になるのか今から楽しみです。

暑い夏、スカッとした映画を見たいなら、『トランスフォーマー』お薦めです!

製作年度 2007年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 144分
監督 マイケル・ベイ 
製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ 、マイケル・ベイ 、ブライアン・ゴールドナー 、マーク・ヴァーラディアン 
脚本 アレックス・カーツマン 、ロベルト・オーチー 
音楽 スティーヴ・ジャブロンスキー 
出演 シャイア・ラブーフ 、タイリース・ギブソン 、ジョシュ・デュアメル 、アンソニー・アンダーソン 、ミーガン・フォックス 、レイチェル・テイラー 、ジョン・タートゥーロ 、ジョン・ヴォイト 、ケヴィン・ダン 、マイケル・オニール 、ジュリー・ホワイト 

| | コメント (0) | トラックバック (15)

2007年7月 1日 (日)

『300 <スリーハンドレッド>』この映画を見て!

第165回『300 <スリーハンドレッド>』
300  今回紹介する作品はスパルタの兵士300人がペルシアの巨大軍と戦う姿を描いたアクション映画『300 <スリーハンドレッド>』です。この作品はペルシア戦争のテルモピュライの戦いをアメリカで人気のフランク・ミラーがコミックノベルとして描いた原作を基に制作されています。その為に歴史的事実とは違う部分も多く、ペルシアの血を引くイランの人々からは数多くの批判が挙がっています。確かに中近東やアジアの人を暴力的な野蛮人として誇張して描いている箇所が多く、批判が出るのも仕方ないかと思います。この作品を見るときは歴史映画として見るのでなく、歴史にインスパイアされた架空の世界のファンタジー映画として見る必要があるかと思います。
 
 ストーリー:「紀元前480年。スパルタ王レオニダスのもとに、圧倒的な軍力を誇るペルシア帝国・クセルクセス王の遣いがやって来た。ペルシアの支配国にならないと国を滅ぼすという申し出に対して、レオニダスは遣いを殺して、ペルシア軍と戦う道を選ぶ。テルモピュライでの決戦に挑むスパルタの300人の兵士たち。ペルシアの100万の大軍を相手に想像を絶する闘いを繰り広げる。」

 この作品はストーリーを楽しむというより、グラフィックノベルをそのまま実写にしたかのような独特な映像美を楽しむ作品です。ストーリー自体は人間ドラマとしては物足りないところも多く、闘う兵士たちの複雑な感情といったものはあまり感じられません。普通こういう作品だと悲壮感が漂っていることが多いのですが、この作品はそういった所はなく終始兵士たちが闘いを楽しんでいる雰囲気があり、ポジティブな勢いが感じられました。
 ストーリーに関して私が残念だったのは主人公たちの政治的な発言の数々です。自由や正義をあまりにも声高々に叫ぶ場面はアメリカの独善性みたいなものが感じられ興ざめでした。
 
 この作品の最大の魅力は先ほども言ったように映像の美しさです。私が今年見た映画の中では映像的には一番インパクトのある作品でした。「映画でグラフィック・ノベルを作る」という決意を持って監督は制作したそうで、全編にわたって視覚効果を施した映像はまるで絵画を見ているかのようです。
 戦闘シーンは血しぶきが飛び散り、兵士たちの手足や首が飛ぶなど結構残酷な描写が多いのですが彩度を落としたセピア調の画質が生々しさを緩和しています。
 またスローモーションを多用した戦闘シーンは臨場感を削ぐものの、躍動感に溢れており、闘う男たちの美しさやカッコよさを見事に表現していたかと思います。
 
 敵のスパルタ軍の描写は巨人に、巨大なサイやゾウ、忍者っぽい敵と現実離れしており、まるでファンタジー映画に登場する敵のような印象を受けました。ただ残念なのが敵の大将であるクセルクセス王の描写です。威厳と言うものが感じられず、変態っぽくて迫力に欠けていたかと思います。
 
 出演している俳優たちは有名でない人ばかりですが、鍛え上げられた肉体と低く渋い声は魅力的でした。個人的にはロード・オブ・ザ・リングでファラミア役を演じたデヴィッド・ウェンハムが美味しい役どころになっており嬉しかったです。
 
 この作品はマッチョな男たちの肉体美やケレン味あふれる戦闘シーンを楽しみたい人にはお薦めです。しかし残酷な描写も多いので、その手の描写が苦手な人はご注意してください! 

製作年度 2007年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 117分
監督 ザック・スナイダー 
製作総指揮 フランク・ミラー 、デボラ・スナイダー 、クレイグ・J・フローレス 、トーマス・タル 、ウィリアム・フェイ 、スコット・メドニック 、ベンジャミン・ウェイスブレン 
原作 フランク・ミラー 、リン・ヴァーリー 
脚本 ザック・スナイダー 、マイケル・B・ゴードン 、カート・ジョンスタッド 
音楽 タイラー・ベイツ 
出演 ジェラルド・バトラー 、レナ・ヘディ 、デヴィッド・ウェンハム 、ドミニク・ウェスト 、ミヒャエル・ファスベンダー 、ヴィンセント・リーガン 、トム・ウィズダム 、アンドリュー・プレヴィン 、アンドリュー・ティアナン 、ロドリゴ・サントロ 、

| | コメント (2) | トラックバック (8)

2007年5月14日 (月)

『殺しの烙印』この映画を見て!

第157回『殺しの烙印』
Style_to_kill  今回紹介する作品は独特な映像美学をもつ鈴木清順監督の代表作にして、世界中に熱狂的なファンをもつカルト映画『殺しの烙印』です。
 ストーリー:「ご飯の炊ける匂いに興奮する日本でナンバー3の殺し屋・五郎。他の殺し屋に命を狙われながらも、仕事を確実にこなしていく。そんな五郎の前に謎めいた女・美沙子が現われ、4人の男の殺しを依頼する。3人は上手く殺せたが、最後の1人だけ運悪く失敗してしまう。そのために組織から抹殺されそうになる五郎。生き残るために単身組織に立ち向かうのだが、そこに伝説の殺し屋ナンバー1が立ちはだかる。」
 
 ストーリーだけ読むとハードボイルドタッチの硬派な作品のような印象を受けますが、実際に見てみるとシュールなコメディタッチの作品です。
 冒頭の主題歌からして摩訶不思議な歌詞で、聴く者に強烈なインパクトを与えます。そして映画のオープニング。主人公・五郎が女とバーに来て、バーテンダーにご飯を炊けと指示します。そしてパロマの炊飯器から立ち上がる湯気を嗅いで恍惚の表情を浮かべる五郎。主人公の理解不能な立ち振る舞いにいきなり面食らってしまいます。カッコいいけど、変態な主人公。冒頭から見る者を鈴木清順ワールドに一気に引きこみます。
 その後も意味不明なカットが突然挿入されたり、途中でいきなり話しが飛んだりと見る者を戸惑わす演出が次から次へと出てきます。この意味不明さを面白いと思うか、面白くないと思うかで、この映画の評価は真っ二つに分かれると思います。
 
 映画の前半は主人公の殺しの腕前がハードボイドタッチで描かれるのですが、その殺しのテクニックが非現実的でマンガチックであるので、見ていてカッコいいのにどこか笑いがこみあげてきます。
 また主人公の主人公が自宅で妻とセックスをするシーンが合間合間に挿入されるのですが、この描き方が過激というかコミカルというか・・・。当時にしてはかなり大胆な濡れ場だと思います。
 また謎の女・美沙子を演じる真理アンヌの無表情な演技はとても不気味であり、毎回雨に打たれて登場するシーンは強烈です。
 
 後半はナンバーワンの殺し屋との対決が描かれるのですが、この描き方がとてもシュールかつナンセンスです。
 主人公の前にいきなり現れ、お前を殺すと宣言して、主人公を追い詰めていくのですが、なぜか自ら主人公の家に乗り込んで、一緒に寝泊りをします。その上、ションベンは垂れ流すわ、主人公と腕を組んで食事に行くわ、やることなすこと変の一言です。
 
 この作品は余りにもシュールで理解不能な作品であった為に、鈴木監督が所属していた映画制作会社「日活」を解雇されたという逸話が残っているほどです。しかし、この映画は好きになれば何回も見返したくなる魅力があります。

 カルト映画好きな人は必見です!

製作年度 1967年
製作国・地域 日本
上映時間 91分
監督 鈴木清順 
脚本 具流八郎 
音楽 山本直純 
出演 宍戸錠 、小川万里子 、真理アンヌ 、南原宏治 、玉川伊佐男 、南廣 、久松洪介 、緑川宏 、荒井岩衛 、長弘 、伊豆見雄 、宮原徳平 、萩道子 、野村隆[俳優] 

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2007年2月23日 (金)

『男たちの挽歌2』この映画を見て!

第145回『男たちの挽歌2』
A_better_tomorrow2  今回紹介する映画は私をジョン・ウーの虜にさせた香港ノワールの傑作『男たちの挽歌2』です。この映画は1作目からの正統な続編です。多くのファンは完成度の高さから1作目を推しますが、私は中学校の時に2作目を先に見てしまい、その強烈な印象から、2作目の方が1作目より愛着があります。

 私が初めてこの映画を見たのはテレビの深夜放送だったと思うのですが、その時は主人公たちのカッコよさにしびれたものでした。
 チュン・ユンファ演じるマークの双子の弟ケン(その設定の強引さはさて置き)のカッコよさは半端ではなく、ニューヨークのレストランでの米を粗末にするイタリアマフィアとの対決シーンや中盤の階段を滑りながら2丁拳銃をぶっ放すシーンなどは思わず拍手したくなるほどでした。
 また娘や友人が殺され気が狂う元極道の親分のルン。この人の演技自体は下手と言うか過剰と言うか時々笑ってしまいそうになりますが、次から次からへと名セリフを放ち、見る者の心を鷲づかみにします。
 もちろん前作から出ているホー兄貴も大活躍で、ラストの刀を使って拳銃を持った敵を倒していくシーンは何とも爽快でした。
 今は亡きレスリー・チャン演じるキッド。この映画では彼がおいしいシーンを全て持っていきます。特に中盤のホー兄貴に打たれるシーンと後半の電話ボックスでのシーンは涙なしでは見られませんよ。

 またガンアクションも前作を遥かに超える迫力があります。特にラストの敵の本拠地での銃撃戦は爽快の一言です。このシーンだけでも一見の価値がありますよ。

 この映画のストーリー自体はとても強引で無理がありますが、ジョン・ウーの男の美学が詰まっています。男同士の友情や兄弟愛に酔いしれたいときはこの作品をお薦めします!

製作年度 1987年 
製作国・地域 香港
上映時間 104分
監督 ジョン・ウー 
脚本 ツイ・ハーク 、ジョン・ウー 
音楽 ジョセフ・クー 
出演 ディーン・セキ 、ティ・ロン 、チョウ・ユンファ 、レスリー・チャン 、クァン・サン 、エミリー・チュウ 

| | コメント (3) | トラックバック (3)

2007年1月24日 (水)

『007 カジノ・ロワイヤル』この映画を見て!

第138回『007 カジノ・ロワイヤル』
007_casinoroyale  今回紹介する映画は4年ぶり21作目となる大ヒットスパイ映画『007カジノ・ロワイヤル』です。今回の作品は原点回帰を目指して制作されており、主役のジェームス・ボンドを演じる役者も交代し、ストーリーもボンドが最初の任務をこなしスパイとして成長していくまでの姿をドラマティックに描いていきます。
 6代目ジェームス・ボンドを演じるダニエル・クレイグは主にアート系映画に数多く出演しており、昨年スピルバーグが監督した『ミュンヘン』で一躍注目されました。6代目ボンドに彼が決定した当時は金髪で青い目をしたボンドに大ブーイングが巻き起こりましたが、映画が公開されるや否や今までになく人間味溢れるボンドが大絶賛されました。
 
 私は昔から007シリーズが大好きで今まで公開されたほとんどの作品を見ているのですが、今回の作品はここ最近の作品の中では断トツに完成度の高い作品だったと思います。
 ピアース・ブロスナン演じる5代目ジェームス・ボンドの作品も好きなのですが、ストーリーがだんだん荒唐無稽になって非現実的になっていました。しかし、今回は原点回帰と言うこともあり、ストーリーも現実的で人間味溢れる内容になっていました。ボンドが最初の任務を果たすまでを描く本作は近年の作品には見られなかったボンドの人間性が深く描かれています。駆け出しのスパイとして、必死になって任務をこなそうとするボンドの姿はスマートさは欠けますが、繊細で荒削りな男の魅力が感じられました。
 また『女王陛下の007』以来のボンドが真剣に女性に恋をするというストーリー展開もボンドの初々しさやスパイの孤独さや葛藤といったものが感じられ良かったです。
 この作品は脚本に『父親たちの星条旗』や『クラッシュ』などで有名な脚本家ポール・ハギスを参加させたことで、近年の007シリーズには感じられなかった奥行きのある作品に仕上がっています。
 
 アクションシーンも派手なセットや荒唐無稽な武器に頼ることなく、生身のアクション中心に描かれおり、最後まで緊張感をもって見ることができました。
 特にオープニングの追いかけごっこのアクションシーンは今作最大の見せ場と言っても良いほど画面に釘付けになってしまいました。敵役の男の人間離れした身のこなしは凄いの一言です。またそんな男を追うボンドも大胆というか無謀なアクションを数多く見せてくれて、見る者のボルテージを上げてくれます。

 ポーカーのシーンはルールがいまいち分からず、私としては盛り上がりに欠けましたけど、心理的な駆け引きの緊張感は伝わってきました。
 映画の後半の拷問シーンは痛いの一言です。男としてよく耐えられましたね。普通だったら一撃で失神しますね。あの後、普通にボンドがエッチしたり海に入ったりしていたのがびっくり