2008年4月 7日 (月)

『機動警察パトレイバー劇場版』この映画を見て!

第207回『機動警察パトレイバー劇場版』
Photo_2 今回紹介する作品は押井守監督が手がけるパトレイバーシリーズの劇場版第1作『機動警察パトレイバー劇場版』です。
 パトレイバーはヘッドギアというグループによって漫画とアニメが制作されています。グループには5人のクリエイターがおり、ゆうきまさみが原案、出渕裕がメカニックデザイン、高田明美がキャラクタデザイン、平成ガメラシリーズも手かげた伊藤和典が脚本、そして押井守が監督を担当しています。
 パトレイバーは汎用多足歩行型作業機械「レイバー」が普及した近未来の東京を舞台にレイバーによる犯罪を防ぐために警視庁内に発足された「特殊車両二課中隊」、通称「特車二課」の第二小隊の隊員たちの活躍と成長を描いていきます。
 1988年に押井守監督によるOVAが6巻発表され、ゆうきまさみによる漫画版も少年サンデーに連載開始、その1年後に今回紹介する劇場版が発表されました。

 劇場版パトレイバーは現在3作目まで制作されています。完成度の高さや押井監督作品としての評価は2作目の方が高いですが、1作目にあたる本作品が娯楽作品としては一番面白いです。
 
 ストーリー「東京でレイバーが突如暴走する事件が多発。その原因を探っていた第2小隊の篠原遊馬巡査は暴走した機体すべてに搭載されていた最新型のオペレーティングシステム「HOS」ではないかと推測する。同様の疑念を抱いていた第2小隊長・後藤は「HOS」の主任開発者だった帆場英一の捜査を本庁の松井刑事に依頼していた。」

 本作品の凄いところはOSやコンピューターウィルスなどの知名度がまだ低い時代にストーリーの核にそれらをもってきているところです。その為、今見ても古臭さがなく、むしろ今だからこそリアリティをもって見ることができます。
 またレイバーの暴走に始まり最終的に大規模なサイバーテロへと発展するスケールの大きな展開や、前半に張りめぐらされた伏線の数々が後半に次々と明かされるシナリオの緻密さなども本作品のストーリーの素晴らしいところです。

 映像面のクオリティも高く、今見ても遜色はありません。特に都市化によって消え行く東京の懐かしい下町の情景を哀惜をこめて描いた美術や蒸し暑い日本の夏の風景を丁寧に表現した演出は非常に印象的でした。

 押守監督は事件の首謀者である帆場を映画の冒頭で死んだ設定にして、彼の残された意思のみが存在しつづけて事件を引き起こすという展開にしていますが、そこに監督の映画で常にテーマとなる都市化による存在の虚構化が押し付けがましくなく見事に描かれていると思います。
 また個人と組織の対立、現場と上層部の対立のドラマも非常に見ごたえがありました。(ちなみに『踊る大捜査線』は本作品の影響を強く受けています。)

 もう20年近い前の作品でありますが、今見ても色あせることのない傑作です。ぜひ一度ご覧になってください! 

上映時間 98分
製作国 日本
制作年 1989年
監督: 押井守 
演出: 澤井幸次 
企画: ヘッドギア 
原作: ヘッドギア 
原案: ゆうきまさみ 
脚本: 伊藤和典 
撮影監督: 吉田光伸 
美術監督: 小倉宏昌 
編集: 森田編集室 
音楽: 川井憲次 
音響監督: 斯波重治 
作画監督: 黄瀬和哉 
出演:古川登志夫。冨永みーな、 大林隆介、榊原良子、井上瑶、池水通洋
二又一成 、郷里大輔、千葉繁、阪脩、辻村真人、西村知道、小島敏彦

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2008年3月30日 (日)

『幻魔大戦』映画鑑賞日記

Photo  宇宙全域の消滅を企てる幻魔と超能力をもつ人たちとの戦いを壮大なスケールで描いた『幻魔大戦』。元々は平井和正と石森章太郎が共作で「週刊少年マガジン」に掲載されていました。掲載中から読者からの人気が高く、連載終了後も漫画や小説の形で続編が数々製作されました。
そんな『幻魔大戦』を当時勢いに乗っていた角川映画が自社初のアニメ作品として製作。日本アニメを代表するクリエイターを集め、音楽にキース・エマーソンを起用、声優に美輪明宏や江守徹など声優でない人を据えるなど大作感溢れる作りが大変話題になりました。

本作品は長い原作をかなり端折って作っているので、ストーリーに関しては大河ドラマのダイジェスト版を見ているかのようでした。それでも前半は主人公が超能力に目覚めて自らの運命を受け入れるまでを丁寧に描いており人間ドラマとして見ごたえがありました。しかし、後半は多くの仲間が次々登場するにも関わらず、その個性やドラマが余り描かれていないために集団での戦闘シーンの派手さの割りに今ひとつ話しに面白みがありませんでした。ラストも無理やりハッピーエンドにしたかのような展開で「えっ、これで終わり」といった印象を受けました。

 ストーリーに関しては個人的に残念な出来でしたが、映像に関しては今見ても大変見ごたえがありました。
 『AKIRA』の大友克洋がキャラクターデザインとして関わっているので、登場人物たちの独特な表情や姿だけを見ているとまるで大友作品を見ているかのような錯覚を受けました。(ストーリーも『AKIRA』に似てますしね。)
 またアニメファンの間では有名な金田伊功がスペシャルアニメーターとして参加しており、ラストの主人公たちと火炎竜と対決シーンで迫力のある映像を生み出していました。
 
 本作品は日本アニメを代表する傑作とまでは言い難い面がありますが、スケールの大きなアニメが好きな人や大友克洋が好きな人なら見て損はないと思います。  

上映時間 135分
製作国 日本
製作年 1983年
監督: りんたろう 
原作: 平井和正、石森章太郎 
脚本: 真崎守、桂千穂、 内藤誠 
撮影: 八巻磐 
美術: 男鹿和雄、窪田忠雄 
美術監督: 椋尾篁 
編集: 田中修 
音楽: 青木望 
音楽監督: キース・エマーソン 
キャラクターデザイン: 大友克洋 
作画監督: 野田卓雄 
声の出演: 古谷徹,小山茉美, 原田知世, 池田昌子, 林泰文, 美輪明宏, 佐藤正治 
白石加代子, 江守徹

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2008年3月20日 (木)

『ジブリ実験劇場 On Your Mark』この映画を見て!

第204回『ジブリ実験劇場 On Your Mark』
On_your_mark  今回紹介する作品は宮崎駿監督の隠れた名作『On Your Mark』です。本作品はCHAGE and ASKAのコンサートツアー『SUPER BEST3』のオープニング・フィルムとして企画、制作され、コンサート会場で初公開されました。その後、『耳をすませば』の公開時に同時上映という形で一般にも公開されました。
私が本作品を始めて見たのも『耳をすませば』を見に行った際でした。その時は約7分という短い上映時間ながら、宮崎監督のエッセンスが詰め込まれた内容の濃さに圧倒されたとものでした。

ストーリー:「放射能で汚染され、人類がシャルターに住むようになった未来。武装警官隊たちがカルト教団の施設を武力制圧する。その中にいた警官2人は教団施設で翼の生えた少女を発見する。少女はすぐに研究施設に送られるが、彼女に惹かれた2人は研究施設から救助しようと奮闘を始めるが・・・。」

 本作品が公開された1995年というとオウム真理教の地下鉄サリン事件の年でもあり、本作品を始めてみた時はカルト教団が出てくる内容に衝撃を覚えたものでした。私は宮崎監督がオウム事件にインスパイアされて本作品を製作したものだと思ったものでした。しかし、調べたところ、宮崎監督はオウム事件前に本作品のシナリオを考えていたとのことで重なったのは全くの偶然だそうです。

 宮崎監督は本作品に関して以下のようなコメントをしています。
「『位置について』という意味のタイトルだけれど、その内容をわざと曲解して作っています。いわうる世紀末の後の話。放射能があふれ、病気が蔓延した世界。実際、そういう時代がくるんじゃないかと、僕は思っていますが。そこで生きるということはどういうことかを考えながら作りました」(『出発点』,宮崎駿,1996年,徳間書店,556p)
 
 宮崎監督の作品には『未来少年コナン』や『風の谷のナウシカ』等に見られるように人間の文明が一度崩壊した後の世界を描いたものがありますが、本作品もその系統の一つです。
 閉塞され追い詰められた人間社会の中で主人公たちが生きる希望を翼の生えた少女に見出そうとするストーリー展開は非常に解放感に溢れています。
 もちろん良く考えるとラストの展開も必ずしも主人公たちの今後は決してハッピーエンドとは言えません。少女は解放できても、自らは放射能まみれの大地でお尋ね者として生き続けていくしかないという暗い未来が待っているわけで・・。
 本作品はどんな状況下においても絶望と体制に身を寄せるのでなく、希望を見出し積極的に生き死んでいくことの大切さを謳った内容となっています。

「彼女が救世主だったり、救出を通して彼女と心の交流があったというわけではないんです。ただ、状況に全面降伏しないで、自分の希望、ここだけは誰にも触らせないぞというものを持っているとしたら、それを手放さなければならいのなら、誰の手にも届かないところに放してしまおうおいう。そういうことですよ」(『出発点』,宮崎駿,1996年,徳間書店,557p)

 宮崎監督の映画が好きなら本作品は絶対見逃すことの出来ない傑作です。現在、『ジブリがいっぱいSPECIALショートショート』というDVDに収録されているので是非見てください!

上映時間 6分40秒
製作国 日本
製作年度 1995年
監督: :宮崎駿 
脚色::宮崎駿 
原作::宮崎駿 
撮影監督:奥井敦 
作画監督: 安藤雅司 
美術監督::武重洋二
音楽:「On Your Mark」  by CHAGE&ASKA

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2007年12月25日 (火)

『パプリカ』この映画を見て!

第192回『パプリカ』
Photo  今回紹介する作品は筒井康隆の同名原作を、『千年女優』や『東京ゴッドファーザーズ』の今敏監督が映像化した『パプリカ』です。

ストーリー:「他人と夢を共有できる画期的なテクノロジー“DCミニ”が開発される。しかし、ある日DCミニが盗まれ、他人に悪夢を見せ精神を崩壊させる事件が発生する。開発者の時田浩作とセラピストの千葉敦子は犯人を追うが、そこには恐ろしい罠が待ち受けていた。」

 今敏監督はアニメならではの演出や映像表現を使ってドラマを盛り上げ、見る者にカタルシスを与えてくれる作品を次々と発表していますが、今回も夢という題材をテーマにイマジネーション溢れる映像が次から次へと登場します。

 本作品の見所は何と言っても細部まで描きこまれた密度の濃い映像です。特に、『平成狸合戦ぽんぽこ』の百鬼夜行シーンをスケールアップさせたかのような人形や家電製品のパレードのシーンは色彩の鮮やかさと何ともいえないしなやかな動きは圧巻です。
 また今敏監督作品の特長である疾走感は本作品でも健在で、平沢進の軽快なテクノサウンドが流れる中で、登場人物たちがめくるめくる夢の中を駆け回るシーンは見ていてとても心地よいです。 
 
 ただストーリーに関してはテンポはよく進んでいくのですが、説明不足なところや台詞が聞き取れないところがあり、1回見ただけではなぜそういう展開になっているのか良く分からないところがいくつかありました。

 私が本作品で面白かったのは過去の名作映画(「地球最大のショー」「ターザン」「007・ロシアより愛をこめて」等)をパロディーにしたシーンでした。夢の中で映画の主人公となる登場人物の姿に映画もまた夢見る装置であるということを再認識しました。

 夢と現実の境界が分からなくなる映画は数多くありますが、ビジュアル面でのインパクトは本作品が一番かなと思います。
 夢を扱った作品なので、ストーリーの整合性を考えると突っ込みどころ満載ですが、スピーディーかつ華麗な映像に身を委ねればとても面白い作品です。

 ちなみにマニアックなネタですが、本作品の作画監督を務めているのはスタジオジブリで「もののけ姫」や「千と千尋の神隠し」の作画監督を務めていた安藤雅司さんです。
 またガンダムのアムロの声優で有名な古谷徹がアムロのイメージを覆すような登場人物の声を担当しています。あの姿でアムロ声でしゃべられると違和感があって面白いです。

製作年 2006年 
製作国 日本 
時間 90分 
監督 今敏 
原作 筒井康隆 
脚本 水上清資 、今敏 
音楽 平沢進
声の出演 林原めぐみ、江守徹、堀勝之祐、古谷徹、大塚明夫

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2007年12月18日 (火)

『トップをねらえ』このアニメを見て!

Photo  今回紹介する作品は『エヴァンゲリオン』の庵野秀明が80年代に世に送りだした青春SFアニメの傑作『トップをねらえ』です。
 本作品は当時としてはまだ珍しかったオリジナルビデオアニメーション(略してOVA)として発表されました。今ではアニメ業界の第一線で活躍するスタッフが結集して制作されているだけのことはあって、映像のクオリティは今見ても遜色ありません。
 
 ストーリー:「人類が宇宙に進出するようになった21世紀、地球は宇宙怪獣による激しい攻撃を受けていた。その脅威に打ち勝つため、地球は巨大ロボット「ガンバスター」を製造。その搭乗員に選ばれたトップ部隊隊員タカヤノリコは人類の未来を賭けて闘うことになる。」

 全6話からなるストーリーは笑いあり涙ありで見所満載です。
 前半は題名を見ても分かるとおりスポ根アニメの名作『エースをねらえ』と映画『トップガン』をパロディにしたコメディタッチの展開となっています。
 巨大ロボットのパイロットを目指す主人公ノリコと彼女が「お姉さま」と憧れる先輩パイロット・カズミ、そして2人がコーチと呼び慕うコウイチロウの3人の人間ドラマが描かれますが見ていて恥ずかしくなるほどベタベタな展開は滑稽かつナンセンスで見ていて笑ってしまいます。また過去の日本アニメや特撮モノに対するパロディやオマージュが散りばめられおり、アニメファンが見るとニヤリとしてしまう描写の連続です。
 
 しかし話しが進むにつれて、コメディタッチの作風からシリアスな作風へと変わっていきます。SFファンも唸らせる宇宙論や時間論がストーリーに盛り込まれスケールも大きくなり、そこに主人公たちの闘いに対する葛藤のドラマが加わり、見る者の心を鷲づかみにします。特にラストシーンは涙なしに見ることができません。

 私が本作品をはじめてみたのは大学生のときでしたが、前半のスポ根タッチのストーリーに笑い、後半の怒涛の展開に圧倒されたものでした。特に全編モノクロ・シネスコサイズの画面の最終話は戦闘シーンのテンションの高さと、ラストの時空を超えた予想外の展開に鳥肌がたったものでした。

 アニメファン・SFファンで本作品を見たことがない人は是非見てください!

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2007年10月14日 (日)

『リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?』映画鑑賞日記

Little_red  今日は知人の人から無料鑑賞券を頂いたので、『リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?』を劇場に見に行きました。

 映画を見るまでは子供向けのCGアニメかと高をくくっていたのですが、見てみてると意外に面白く、最後まで画面に釘付けでした。

 ストーリーは誰もが知っている童話「赤ずきんちゃん」の登場人物たちが森で起こったレシピ泥棒の容疑者として疑われるというミステリー仕立ての展開で、黒澤明の傑作『羅生門』のように1つの事件を4人の視点から描いていきます。赤ずきんちゃん、おばあちゃん、おおかみ、木こりの男、4人の人物の食い違う証言とそれぞれの人物の裏の顔。話しが進むにつれて浮かび上がる事件の意外な真相が明らかになっていきます。

 伏線が随所に張りめぐらせてあるストーリー展開は子どもだけでなく大人も楽しめると思います。ただ残念だったのは真犯人が勘の良い人なら中盤で分かってしまうこと。もうひとひねりが欲しかったですね。
 
 また随所に散りばめられた笑いも個人的にはツボにはまりました。特におばあちゃんのトリプルネタは爆笑でした。

 映像はピクサーなどの作品に比べると落ちるかもしれませんが、人形劇風のキャラクターや背景は本作品にはとても合っていたと思います。

 私は吹き替え版で見たのですが、この作品は声優とキャラクターがマッチしており違和感なく見ることができました。特に加藤浩次とケンドーコバヤシは良かったです。

 傑作と言えるほどの作品ではありませんが、81分と上映時間も短く、暇つぶしに見るのにはうってつけの作品です。

製作年度 2005年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 81分
監督 コリー・エドワーズ 
脚本 コリー・エドワーズ 、トッド・エドワーズ 、トニー・リーチ 
音楽 クリスティン・ウィルキンソン 、ジョン・マーク・ペインター 
出演 アン・ハサウェイ 、グレン・クローズ 、ジム・ベルーシ 、パトリック・ウォーバートン 、アンソニー・アンダーソン

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2007年9月 2日 (日)

『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』この映画を見て!

第173回『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』
Evangelion_new_movie  12年前に社会現象にまでなったロボットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。1995年10月から1996年3月まで全26話としてテレビ東京で放映され、若者たちの間で人気が広がり、97年には劇場用アニメも製作されました。
 私も大学生の時に先輩から全話録画されたビデオを渡され、あまりの面白さに12時間かけて一気に鑑賞。それからというものエヴァの世界にどっぷりはまったものでした。謎多きストーリー展開、今までのロボットとは全く違う有機的なエヴァのデザイン、細部までこだわりぬかれた描写、心にトラウマを持つ登場人物たち・・・、全てにおいて今までのアニメにはない魅力が詰まっていました。当時はエヴァのビデオを何十回と見返したり、CDや解説本などを買いあさったりしたものでした。私の20代前半は『エヴァ』抜きに語ることはできないといっても過言ではありません。
 そんな『エヴァ』が庵野秀明の下で12年ぶりに4部作の映画として再構築されるということで、私の中でもエヴァブームが再燃。9月1日の第一部公開に向けて、テレビシリーズと旧劇場版のDVDを何回も見直したものでした。

 そして、昨日9月1日ついに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の第一部に当たる『序・EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』が公開。私も早速劇場に駆けつけ10年ぶりのエヴァの新作を鑑賞してきました。仕事が終わってからの鑑賞だったので、夜遅かったのですが、劇場はほぼ満席。綾波レイのコスプレをしている女性もいたりして、エヴァの人気の根強さを改めて痛感しました。
 
 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は序・急・破・完結編の全4部からなり、登場人物や基本設定は同じものの、エヴァのデザインや戦闘シーンはグレードアップ、ストーリー展開も旧作と違う展開になるとのことです。エンディングも旧作と違い、多くの謎がはっきりと解明され、大団円となると発表されています。
 庵野秀明総監督を始め、スタッフは今回の映画を新作であって新作でない「REBUILD」という形で製作しているそうです。旧作のファンも満足させながら、2007年の新作アニメとしても楽しめる作品を目指して、旧作の買いたいと再構築を行っているそうです。現在公開されている『序』は基本的にはテレビシリーズとほぼ同じ展開であるのですが、原画や背景は全てリニューアルされ、テレビ版に比べて格段のクオリティアップがなされています。

 映画を鑑賞しての私の感想ですが、「面白い」の一言に尽きます。
 
 ストーリー展開は旧作の第壱話「使徒、襲来」から第六話「決戦、第3新東京市」までとほぼ同じです。映画を見るまでは単なるテレビシリーズのダイジェスト版になっていないかどうか心配でした。しかし、さすが庵野監督。旧作を知っている人も十分満足できる内容となっていました。設定やストーリー展開も微妙にテレビシリーズと違っており、「ここであの人物が出てくるの」というシーンや「もうあいつが出てくるの」というシーンがあったりして、続編の展開が非常に気になりました。(テレビシリーズと新劇場版の違いに関しては後日別の記事で詳細に考察したいと思います。)
 エヴァの世界観もテレビシリーズより丁寧に説明されており、エヴァ初心者が見ても分かりやすくなっています。

 また登場人物の性格も微妙に違っており、シンジが旧作よりも少し攻撃的かつポジティブだったり、ミサトもシンジに対して少し寛容だったりします。この性格の微妙な違いが今後の展開にどう影響するのか気になるところでもあります。
 特に今回の映画はシンジの葛藤と成長に焦点がおかれており、テレビ版よりもシンジに感情移入しやすくなっています。(その分、他の人物の心理描写はかなり省略されていますが。)

 映像に関してはCGも多用し、旧作に比べて格段に緻密で迫力があります。特に第3新東京市の兵装ビルの描写や後半のヤシマ作戦の戦闘描写は映画ならではのスケールの大きさが感じられました。
 ヤシマ作戦は今回の大きな見せ場の1つですが、正八面体の使徒ラミエルの描写が格段にグレードアップしていて驚きました。まさか、あのような変形を行うとは・・・。対する人間側の描写も作戦準備の経過が詳細になっており、クライマックスに向けての見る側のテンションも上がります。
 
 今回の作品は新劇場版の導入部として見事な出来栄えだと思います。次回作「破」の予告編が最後に流れますが、それを見る限り、次回作はテレビシリーズとかなり違う展開になるような気がします。テレビシリーズには登場していない新しいエヴァとパイロットの姿がちらっと映りますが、一体どんな展開になるのか、今から楽しみです。予定では来年春の公開となっていますが、製作が順調に進むことを祈るばかりです。
 

製作年度 2007年
製作国・地域 日本
上映時間 98分
総監督 庵野秀明 
監督 摩砂雪 、鶴巻和哉 
原作 庵野秀明 
脚本 庵野秀明 
音楽 鷺巣詩郎 
出演 緒方恵美 、林原めぐみ 、三石琴乃 、山口由里子 、立木文彦 、清川元夢 

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2007年6月19日 (火)

『平成狸合戦ぽんぽこ』この映画を見て!

第163回『平成狸合戦ぽんぽこ』
Ponpoko  今回紹介する作品は『火垂るの墓』の高畑勲監督が、人間による自然破壊から自分たちの生活を守ろうとするタヌキたちの奮闘を描いた『平成狸合戦ぽんぽこ』です。
 ストーリー:「多摩ニュータウンの宅地開発で自然が失われて故郷を追われた狸たち。彼らはタヌキ連合軍を結成して化学(化け学)を駆使して人間に闘いを挑むが・・・。」
 この作品はスタジオジブリの数ある作品の中で一般的な評価は低いですが、個人的には大好きな作品です。

 個性的な狸の面々たちが化け学を一生懸命学んで、人間に挑んでいく姿はユーモア満点で見ていて楽しいですし、日本各地の民話をさりげなく取り入れたエピソードの数々は民俗学に興味のある私にはたまらない設定でした。特に中盤の見せ場である狸たちによる百鬼夜行のシーンは日本の妖怪のオンパレードで妖怪好きには見ごたえ満点でした。(さりげなく、パレードの中でトトロや紅の豚そしてキキも登場しています。気づかなかった人はぜひビデオでも借りて、どこにいたか探してみてください!)
 また高畑監督が好きな作家・宮沢賢治の『双子の星』のエピソードの挿入や、以前から映画化を希望している平家物語の名シーンの再現も見ていて監督の熱い思いが伝わってきました。
 
 所々に挿入されるシニカルなエピソードも印象的で、狸がマクドナルドのハンバーガーを食べるシーンやテレビの料理番組で天ぷらを揚げるところをじっと見つめるシーンなどは、狸も人間の文化の中で生きているという皮肉な現実を見事に象徴していたと思います。
 
 後半は中盤までのユーモラスな展開から打って変わり、悲壮感漂う展開になっていき、見ていて胸が締め付けられます。
 人間に闘いを挑んで玉砕する狸たち、死出の旅に向かう狸たち、人間社会に迎合していく狸たち。大きな力の前に屈していく狸たちの姿は涙なしでは見れませんでした。ラストシーンで生き残った仲間たちが人間社会の中で健気に生きる姿は何とも物悲しいものがありました。
 
 この作品は環境問題や自然保護を訴えた作品という感想が多いですが、私の中ではこの作品はそれらのテーマと合わせて、60年代の全共闘による学生運動の顛末を描いた作品だと思っています。
 なぜそう思うのかというと、私の知り合いに60年代に学生運動に身を投じていた人がおり、当時の状況についていろいろ教えてもらっていたからです。
 共産主義を目指して資本主義国家を倒すために、時にデモやストライキをして自らの意志をアピールし、時に国家権力の手先である警察や機動隊に向かっていく・・・。しかし、次第に権力の弾圧も強まり、次第に運動から離れる人も増え、残った人たちもセクト同士で内ゲバを始め自壊していく・・・。
 そんな当時の学生運動の顛末を知っていたので、この作品を見たとき、単なる自然保護の映画というより、自分たちの理想を目指して運動に投じた人間たち(狸たち)が権力の前に敗北していく姿を描いた作品として見たものでした。
 映画のラストの栄養ドリンクを飲みながら社会に溶け込もうとする狸の姿は、学生運動から身を離れ資本主義の中で必死に生きていこうとする元運動家の姿にダブって見え、切ないものがありました。

 あと、この映画の大きな魅力として声優がとてもはまっているところがあります。スタジオジブリは大物タレントや俳優を声優として起用することが多いですが、話題性だけで違和感のある場合があります。
 この作品でもたくさんの俳優やタレントが起用されているのですが、違和感が全くなくキャラクターにぴったりあっています。
 また桂米朝[3代目] 、桂文枝 、柳家小さんなどの有名落語家の起用も狸を主人公にしたユーモアと悲哀に満ちた今回の作品には抜群の効果があったと思います。

 この作品はスタジオジブリ作品の中ではあまりパッとしませんが、非常に完成度の高い作品だと思います。  

製作年度 1994年
製作国・地域 日本
上映時間 119分
監督 高畑勲 
原作 高畑勲 
脚本 高畑勲 
音楽 紅龍 、渡野辺マント 、猪野陽子 、後藤まさる 、上々颱風 、吉澤良治郎 
出演もしくは声の出演 野々村真 、石田ゆり子 、三木のり平 、清川虹子 、泉谷しげる 、芦屋雁之助 、村田雄浩 、林家こぶ平 、福澤朗 、山下容莉枝 、桂米朝[3代目] 、桂文枝 、柳家小さん 、神谷明 

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2007年2月 1日 (木)

『迷宮物語』この映画を見て!

第140回『迷宮物語』
Labilince  今回紹介する作品は眉村卓の原作を日本を代表する3人のアニメ監督がそれぞれ独自の作風で作り上げたオムニバスアニメーション『迷宮物語』です。
 この作品はっきり言って話しは面白くはありません。しかし、映像が圧倒的に緻密で美しく、芸術の域まで達しています。この作品はストーリーを楽しむ人には全く持って退屈でしょうが、映像表現を楽しむ人にはたまらない作品となっています。

  まず1話目のりんたろう監督の「ラビリンス・ラビリントス」。この作品は少女が猫とともに大正から昭和初期モダニズム風な異次元世界へと入り込むというストーリーです。この作品はとにかく全編不気味さが漂っており、悪夢を見ているかのような印象を受けます。
 2話目の川尻善昭監督の「走る男」。あまりにも過酷なレースに臨み続けていたために身体だけでなく精神までも破壊されていくレーサーを描いていますが、人物の表情の描き方が強烈です。ただストーリーは何の印象も残っていません。
 3話目の大友克洋監督の「工事中止命令」。ジャングルの奥地でロボットたちにより延々続けられている工事を中止させるために赴いた男の苦悩を描いています。この作品は3作品の中でストーリーは一番面白いです。大友監督らしいブラックユーモア溢れるストーリーや演出がたまりません。また緻密な年の描写も『AKIRA』を彷彿させます。

この作品は誰もが楽しめる作品ではありませんが、映像の美しさは日本アニメの最高峰だと思います。ぜひアニメ好きな人は一度は見てください!

製作年度 1987年 
製作国・地域 日本
上映時間 50分
監督 大友克洋 、川尻善昭 、りんたろう 
原作 眉村卓 
脚本 大友克洋 、川尻善昭 、りんたろう 
音楽 ミッキー吉野 
出演もしくは声の出演 吉田日出子 、津嘉山正種 、水島裕 、家弓家正 、八奈見乗児 、大竹宏 、銀河万丈 、屋良有作 、田中和実 

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2006年10月31日 (火)

『ほしのこえ』この映画を見て!

第123回『ほしのこえ』
Hosinokoe  今回紹介する作品は携帯メールをモチーフとした、宇宙で異星人と戦う少女と地球に残った少年の超遠距離恋愛を描いたフルCGアニメ『ほしのこえ』です。この作品は新海誠監督がほぼ一人で、作画から動画、背景に至るまで全て手がけた自主制作アニメということで大変話題になりました。
 
 ストーリー:「2046年、埼玉の中学校に通う長峰美加子と寺尾昇は部活が同じで、とても仲が良かった。しかし、長峰が国連宇宙軍のロボットパイロットのメンバーに選抜され、寺尾を残して宇宙に旅立ってしまう。2人は携帯のメールを使ってやり取りをする。だが長峰が地球から離れれば離れるほどメールのやり取りに時間がかかるようになる。2人の距離が離れるにつれて、時間のズレがどんどん広がっていく。しかし、どんなに距離が離れても、お互いの思いは決して離れることはなかった・・・。」
 
 この作品は25分の短編の作品ですが、とても密度の濃い作品です。ストーリーはとても切ないものですが、人間の絆の強さを感じることができます。遠く離ればなれになった恋人同士のお互いに寄せる思い。それを携帯メールという現代的なツールを使って見事に描いています。人が人に寄せる思いというものは信頼という絆があれば、時空を超えて結びつくことができるものだということをこの映画は教えてくれます。
 映像も自主制作とは思えないほどクオリティが高いです。特に背景の美しさは特筆もので、ノスタルジックな雰囲気を醸し出しています。また戦闘シーンもエヴァンゲリオンの影響を強く感じますが、迫力満点で見応えがあります。
 ただキャラクターデザインに関してはもうひとつ魅力に欠けていたような気がしました。
 
 この作品は見ていて、『エヴァンゲリオン』や『トップをねらえ』などGAINAX作品の影響を強く感じました。止め絵の多さや戦闘シーンの描き方、主人公とヒロインの人間関係だけに焦点を当てたセカイ系のストーリーなどはエヴァを思い出させました。また少女がロボットのパイロットになって異星人と戦うところやウラシマ効果を活かしたストーリーなどは『トップをねらえ』を思い出させました。この作品は過去のGAINAX作品へのオマージュを強く感じました。

 この作品はMac一台で個人が制作したアニメとは思えないほど見応えのある作品です。粗も多く見られますが、アニメ好きなら一度は見て損はないと思いますよ。

製作年度 2002年 
製作国・地域 日本
上映時間 25分
監督 新海誠 
脚本 新海誠 
音楽 天門 
出演 篠原美香 、新海誠 、武藤寿美 、鈴木千尋

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2006年10月21日 (土)

『ルパン三世 カリオストロの城』この映画を見て!

第122回『ルパン三世 カリオストロの城』
Kariosutoro  今回紹介する映画は宮崎駿監督の初の劇場公開作品であり、今なお絶大な人気を誇る傑作アクション映画『ルパン三世 カリオストロの城』です。この作品は当時人気のあったアニメ『ルパン三世』シリーズの劇場第2作目として制作されました。1作目の『ルパンVS複製人間』は10億円を超える大ヒットをしたのですが、意外にも『カリオストロの城』は公開当時は興行的には不振に終わりました。しかし、評論家からは絶賛され、海外で公開されたときは絶大な人気を誇りました。スピルバーグ監督やキャメロン監督などハリウッドのヒットメーカーもこの作品を高く評価しています。(キャメロン監督の『トゥルーライズ』のオープニングはこの映画の影響が強いです。)
 私はこの映画をテレビで放映されたときに見たのですが、あまりの面白さに画面に釘付けになったものでした。何と言ってもアニメならではの表現を活かしたアクションシーンが素晴らしいです。前半のカーチェイスシーンのダイナミックさとスピード感、中盤の城内潜入シーンの緊張感と躍動感、そして後半の時計台での伯爵との激しい攻防戦とアクションの見せ方がとても巧みです。この映画を見て、アニメという表現の素晴らしさというものを実感したものでした。
 ストーリーもお城に囚われたお姫様を救出するという冒険活劇映画では王道な展開ですが、見せ方の上手さとテンポの良さで一瞬たりとも飽きさせません。愛とロマンとスリルに満ち溢れたストーリーを時にコミカルに、時にシリアスに描く手腕はさすが宮崎監督です。
 映画のルパンは原作のルパンの性格を改変して善人として描いています。宮崎監督はルパンを善人として描くために、原作よりも年齢を高めに設定して描いたそうです。原作ファンからは不評ですが、私はこの映画の年を取り、丸くなったルパンが大好きです。中年の男性の渋い魅力が見事に描かれています。
 またルパンを始めとして次元・五右衛門・不二子・銭形警部と各キャラクターに見せ場があり活き活きと活躍しているのも嬉しい限りです。特に銭形警部は脇役ながら、誰しもが知っている有名なラストのセリフのおかげで強烈な印象を残します。この映画のヒロインであるクラリスも宮崎アニメのヒロインらしく可憐さと気丈さを兼ね備えた印象的なキャラクターです。
 この映画は今見ても一級の娯楽作品であり、宮崎監督の映画の中でも最高に面白い作品だと思います。 
 
製作年度 1979年 
製作国・地域 日本
上映時間 100分
監督 宮崎駿 
原作 モンキー・パンチ 
脚本 宮崎駿 、山崎晴哉 
音楽 大野雄二 
出演 山田康雄 、小林清志 、増山江威子 、井上真樹夫 、納谷悟郎 、島本須美 、石田太郎 、宮内幸平 、永井一郎 、山岡葉子 、常泉忠通 、寺島幹夫 、野島昭生 、阪脩 

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2006年10月17日 (火)

『千と千尋の神隠し』この映画を見て!

第119回『千と千尋の神隠し』
「トンネルの向こうは、不思議の町でした。」
Spirited_away  今回紹介する映画は国内映画興行記録を全て塗り替える大ヒットとなった宮崎アニメ『千と千尋の神隠し』です。この映画は興行記録だけでなく、世界中で大変高い評価を受け、2002年のベルリン国際映画祭でグランプリである金熊賞をアニメ作品としてはじめて受賞しました。また日本アニメで初のアカデミー長編アニメ賞を受賞して、宮崎アニメを世界中に知らしめました。
私は『もののけ姫』という大変密度の濃い作品を創り上げた宮崎監督の次回作と言うことで公開されるまでは大変期待したものでした。予告編で木村弓が歌う『いつでも何度でも』が流れたときは歌のあまりの美しさに鳥肌が立つほど感動したものでした。また予告編で説明される異世界の温泉街に迷い込んだ10歳の少女の成長を描くという物語にも大変興味を持ち、どんな映画になるのか公開までとても楽しみにしていたものでした。
 公開当時は初日に立ち見が出るほどの満員状態の映画館で見たものでした。映画の内容はさすが宮崎監督らしく2時間という上映時間があっという間に感じられる作品でした。宮崎作品だけあって映像や音楽の美しさはさすがです。飛翔シーンや高低差や上下の動きを活かしたアクションシーンも宮崎作品ならではです。しかし、今までの宮崎作品に比べると、どこかあっさりとしているような印象も受け、インパクトが弱いような気もしました。

 この映画の一番の見所はイマジネーション溢れる映像の数々です。温泉街の奇抜でカラフルな街並み、温泉街に集まる八百万の神々たち、海の上を走る電車、空を飛ぶ白い竜・・・。この作品はストーリーがどうこうと言うより、宮崎駿のイマジネーションが創り出す摩訶不思議な世界を楽しむ作品です。
 特に湯屋の赤を基調にした派手で個性的な外観や内装は観客を圧倒します。監督は日本近代の和洋折衷された建築文化を反映させ、異世界でありながらも、どこか懐かしさが感じらるような美術を目指したそうです。その甲斐あって、観客はまるで夢の世界を彷徨っているような感覚になります。
 また湯屋を取り囲む海の描写も美しく、建物の派手で賑やかな色調と対照的に、どこまで静謐で透きとおるような青は観客の心を落ち着かせます。
 
 久石さんの音楽もカラフルで美しいメロディーが多く、映像の雰囲気とよくあっています。今回はフルオーケストラとエスニックな音を融合させることにこだわったそうです。フルオケで演奏されているのにどこかアジアンテイストな雰囲気が漂う曲の数々は千と千尋の世界観をよく表しています。それと対照的に千尋の心情を語る場面ではピアノをメインにした静かな曲が流れており、印象に残りました。特におにぎりを食べるシーンと海の上を走る電車のシーンで流れるピアノをメインとした曲は、千尋の不安や切なさが伝わってくる名スコアーだと思います。

 ストーリーに関しては宮沢賢治の作品の影響を強く感じました。ストーリーの随所に見られるブラックユーモアの数々は賢治の作品にも見られますし、後半の電車に乗るシーンは宮崎駿版銀河鉄道の夜」といった感じを受けました。また宮沢賢治の作品以外にも「ゲド戦記」や「クラバート」「不思議の国のアリス」など様々な児童文学に影響を受けている場面や設定が多く見られました。
 宮崎監督はこの作品のストーリーを考えるに当たって電車に乗るシーンをクライマックスに持ってきたかったそうです。千尋が異世界で成長することを描くより、異世界で自分の意志で電車に乗って、幻想の世界と現実の世界を全部自分の世界として引き受けていくことを描きたかったそうです。この映画は千尋が変わっていく姿を追った作品でなく、自分の力を信じて一歩踏み出すまでの姿を描いた作品です。
 監督は現代社会に対する様々な風刺やメッセージを映画の随所に込めています。お金で何でも解決しようとする滑稽さ、小さな自我と欲望にこだわり身動きの取れない現代人の悲哀、自然破壊に対する怒り・・・・。この映画はファンタジーでありならが極めてリアルな面を持ち合わせています。カオナシは現代の日本人そのものであり、見ていて胸が痛くなります。
 あと私がこの映画を見て面白いと思ったのは、映画の舞台となる湯屋がどうみてもソープランドであるところです。宮崎監督自身もこの映画の舞台は神様のソープランドであることを認めています。10歳の少女がソープランドという性風俗で働かされるファンタジー映画なんて世界広しといえどもないと思います。宮崎監督はこの映画で現代の少女を取り巻く性風俗の現状を描きたかったとインタビューで答えています。
 (千と千尋の神隠しと性風俗の関係を詳細に解説した記事が下記のサイトで読めます。)
 http://d.hatena.ne.jp/TomoMachi/20040314

 この映画のストーリーは省略されているところや説明不足な所が多く、観客の想像に任す部分が大きくなっています。監督は意図的にこのようなストーリーにしたそうです。千尋から見た世界を千尋自身が変えていくことを描くために、千尋が知らなくて良いことは全て省略したそうです。
 ストーリーの流れは起承転結の起承に当たる部分は丁寧に描かれているのに反して、転結はとても駆け足で唐突な展開になっています。(これは『ハウルの動く城』に関してもですが・・・)この映画は監督の当初の構想では3時間くらいの上映時間になるような話しを考えていたようで、それを無理に2時間で収めたそうです。そのためにストーリーの展開が後半強引なものになってしまそうです。カオナシを登場させたのも映画を2時間で収めるために急遽考えついた設定で、本来は湯婆婆と銭婆がもっと登場する作品になっていたようです。
 またそのような制作の裏事情とは別に監督はこの映画やハウルなど最近の宮崎作品はストーリーを語ることよりも自分のイマジネーションをどう表現するかに力点を置いて制作しているような気がします。その為、最近の宮崎映画はストーリーを楽しむというより、夢の世界のような映像そのものを楽しむことが正しい見方だと思います。

製作年度 2001年 
製作国・地域 日本
上映時間 125分
監督 宮崎駿 
製作総指揮 徳間康快 
原作 宮崎駿 
脚本 宮崎駿 
音楽 久石譲 
出演 柊瑠美 、入野自由 、夏木マリ 、内藤剛志 、沢口靖子 、上條恒彦 、小野武彦 、我修院達也 、はやしこば 、神木隆之介 、玉井夕海 、大泉洋 、菅原文太 

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2006年10月 8日 (日)

『時をかける少女』(2006年版)この映画を見て!

第118回『時をかける少女』(2006年版)
「待ってられない 未来がある」
Time_wait_for_no_one  今回紹介する映画は『ゲド戦記』を抜いて2006年夏一番面白いアニメ映画として評判の高い『時をかける少女』です。『時をかける少女』は最初ミニシアター系の公開でほとんど話題になっていませんでした。しかし公開されると同時に多くの観客や批評家の支持を受け、またたく間に全国拡大公開になりました。
 筒井康隆原作の『時をかける少女』は今までにも映画化やドラマ化を何度もされている有名な作品です。特に大林宣彦監督が原田知世を主演にして制作した1983年公開された『時をかける少女』は知名度・人気共に高く、主題歌も大ヒットしました。今回のアニメは何と8回目の映像化になります。
 今回この原作をアニメ映画化したのは細田守というアニメ監督であり、ポスト宮崎駿とも言われており、アニメ業界の中で現在一番注目されています。細田監督はスタジオジブリの『ハウルの動く城』の監督を当初手がける予定であったほどの実力派です。細田監督は原作のファンで自ら映画化を熱望したそうです。脚本は『学校の怪談シリーズ』の脚本家・奥寺佐渡子を招き、9ヶ月かけて練り上げたそうです。またスタッフもスタジオジブリの美術を担当してきた山本二三や『エヴァンゲリオン』のキャラクターデザインで有名な貞本義行など実力派が結集しています。
 
 私がこの映画の存在を知ったのは公開されて時間が経ってからでした。ネット上で多くの人がこの映画をこの夏一番の映画と絶賛する感想を書いているのを読み、どんな映画なのかとても気になっていました。私の住んでいる地区では公開がすでに終わっており、DVDが出るまでは無理かなと諦めていていました。しかし、たまたま実家のある愛媛に用事があって帰ってみると、何とこの映画が劇場公開中であり、早速鑑賞してきました。
 
 映画を見終わっての感想ですが、さわやかで、ほろ苦く、大人が見ると懐かしさで胸がいっぱいになる素晴らしい青春映画でした。映画のラストは切なさのあまり不覚にも泣いてしまいました。タイムトラベルものとしては少し矛盾や説明不足な点もありますが、青春恋愛ものしては共感できる点の多い作品で、もう一度見たいと思わせる魅力があります。一見地味な作品ではありますが、中身のしっかりとした作品です。多くの人がこの映画を支持する理由がよく分かりました。

 この映画のストーリーは時間を超える能力を身につけた少女・紺野真琴の一夏の恋と成長を描きます。真琴はふとしたことから時間を超える能力・タイムリープを身につけます。最初は時間を戻せる力を使って、自らの都合の良いように過去を変えようしまう。しかし過去を変えれば変えるほど、周囲に迷惑がかかることに気付く真琴。何とかしようと過去をいじくればいじくるほど事態は悪化していきます。そして、真琴はタイムリープの秘密を知り、かけがえのない今という一瞬の大切さ、そして未来向かって進むことの大切さに気付きます。
 この映画のテーマはとてもストレートなものです。二度とやり直せないからこそかけがえのない今という時間。移り変わる時の流れの中で、どんなに今のままでいたいと思っても自分も周囲も変わっていってしまうという切なさ。この映画はやり直しのきかない人生だからこそ、一つ一つの選択がかけがえのないものだということ当たり前のことに改めて気付かせてくれます。

 最初は笑わせながら、後半徐々にシリアスな展開になり、気付いたら切なさで涙が溢れてくるというストーリーの流れも素晴らしいです。また映像も素晴らしく、学校や街、空の何気ない背景描写の丁寧さには感心しました。特に夏の青空の清々しさや夕暮れの川辺のシーンの切なさは印象的でした。またピアノをメインにした音楽も映像とマッチしており美しく、映画の挿入歌や主題歌も映画の内容にあっており主人公・真琴の気持ちがよく伝わってきます。映画のクライマックスシーンに流れる挿入歌『変わらないもの』は観客の涙腺を刺激しますし、映画のラストに流れる主題歌『ガーネット』は映画の余韻を味あわせてくれます。
 
 ここまで自然に涙が出てくる作品ってあまりないと思います。笑って、どきどきハラハラして、最後は切なさとさわやかさで胸がいっぱいになる『時をかける少女』。私は今年一番の作品だと思います。ぜひ多くの人に見て欲しいです。

 公式サイト:http://www.kadokawa.co.jp/tokikake/

製作年度 2006年 
製作国・地域 日本
上映時間 98分
監督 細田守 
原作 筒井康隆 
脚本 奥寺佐渡子 
音楽 吉田潔 
出演 仲里依紗 、石田卓也 、板倉光隆 、原沙知絵 、谷村美月 、垣内彩未 、関戸優希 

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2006年9月20日 (水)

『紅の豚』この映画を見て!

第113回『紅の豚』
Porcorosso  今回紹介する映画は宮崎監督の個人的趣味が詰め込まれた『紅の豚』です。この映画は元々JALの国際線の機内上映の作品として、30分くらいの短編として制作されていたのですが、宮崎監督の構想が大幅に膨らみ、長編作品として途中から制作されることになりました。この映画は公開当時、日本アニメ映画の興行成績の記録を塗り替えると同時に、その年一番ヒットした邦画となりました。

Miyazaki_note  この映画は月刊「モデルグラフィックス」誌に宮崎監督が連載していたエッセイ漫画「宮崎駿の雑想ノート」の中の「飛行艇時代」を原作にしています。「宮崎駿の雑想ノート」は古今東西の珍しい戦車や戦艦などの兵器とそれを扱う人々の情熱を虚実まじえて描いており、宮崎監督のミリタリー趣味が全開で読む人をとても選ぶ漫画です。「飛行艇時代」は第一次大戦中の飛行艇に対する宮崎監督の思いが込められた作品です。宮崎監督は実家が飛行機関連会社だったこともあり、飛行機には特にこだわりがあり、映画化に当たっても飛行機の描写には随所にこだわったそうです。

 この映画は宮崎作品の中で好き嫌いが分かれる作品でありますが、私はこの作品の持つ清々しさが大好きです。空や海の青の清々しさ、飛行艇が飛ぶシーンの清々しさ、そして登場人物たちの生き様の清々しさ。この映画は見ていてスカッと晴れやかな気持ちにさせてくれます。
 この映画は他の宮崎作品のような深いテーマはないですが、格好良く生きるとはどういうことかを教えてくれる作品です。この映画に出てくる人物は皆すでに自己確立ができており、自分の生き方というものが分かっているので、迷いや不安といったものが見ていて感じられません。迷いや不安をくぐり抜けた大人たちが登場人物なので、見ていて格好良いと同時に、過去にいろいろあったんだろうなと想像することができる奥深いものがあります。

主人公が豚という設定もかなり大胆であり、普通なら豚が主人公なんてと思うのですが、この映画では豚である主人公が格好良く見えるのだから不思議です。戦争に嫌気がさし、あえて豚になる主人公の生き様に痛烈な批判精神を感じます。この映画は見た目の明るさとは裏腹に、世界大恐慌による経済の混乱とイタリアがムッソリーニ率いるファシズム政権の台頭という暗い時代が舞台となっています。ポルコがなぜ人間を捨て、豚になったのか、そこに狂気と不安の蔓延する時代に個人としてどう抗っていくか、監督の強いメッセージが込められていると思います。

 私がこの映画で一番好きなシーンはポルコが天国へ昇るように雲を通り抜け大空へ消えて行く無数の戦闘機を見たことを回想するシーンです。この回想シーンを見るたびに、ポルコの自分だけ生き残ってしまったことに対する自責の念や無数の命が散る戦争の哀しみといったものが伝わってきます。
 この映画のラストはポルコが人間に戻ったのか、豚にもどったのか曖昧なまま終わりますが、私はポルコは豚のままで居続けたのだと思います。それこそが亡くなった戦友に対する彼なりの弔いだと思うので・・・。

 あとこの映画の素晴らしさを語るときに忘れてはいけないのが音楽です。久石譲の音楽はいつものごとく素晴らしいですし、加藤登紀子の主題歌や挿入歌もとても映画とマッチしています。特に加藤登紀子の起用は宮崎監督がこの映画にこめた思いを見事に表していると思います。加藤登紀子が映画の中でパリコミューンの歌「さくらんぼの実る頃」を歌いますが、あの歌は共産主義を目指した革命家たちの歌であり、時代に対抗しようとした人たちのロマンが込められている曲です。その曲を革命家の夫を持ち、彼が獄中にいたときに結婚した加藤登紀子に歌わせたのは、かつて共産主義に傾倒していた宮崎監督の過去に対する複雑な思いが込められています。

 この映画は声優も違和感がなく、キャラクターにあっています。特にポルコを演じる森山周一郎の渋い声は聴いていて格好いいです。ちなみにフランスではポルコの声を『レオン』のジャン・レノが当てているのですが、渋い声がポルコの雰囲気にとてもあっています。DVDに収録されているので、ぜひ聴いてみてください。

 宮崎監督は個人的趣味で作った『紅の豚』に対して、制作後とても後悔したそうです。しかし、私は宮崎作品の中で一番肩の力を抜いて見られる作品であり、宮崎作品の中で一番繰り返し見ている作品です。宮崎監督はもう個人的な映画は作らないと宣言していますが、ぜひ「宮崎駿の雑想ノート」の違うエピソードを映画化して欲しいと願っています。  

製作年度 1992年
製作国・地域 日本
上映時間 91分
監督 宮崎駿 
原作 宮崎駿 
脚本 宮崎駿 
音楽 久石譲 
出演 森山周一郎 、加藤登紀子 、桂三枝 、上條恒彦 、岡村明美 

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『魔女の宅急便』この映画を見て!

第112回『魔女の宅急便』
Kiki_2  今回紹介する映画は宮崎駿が思春期を迎えた女性の自立を描いて大ヒットした『魔女の宅急便』です。この映画はオリジナルの作品が多い宮崎監督としては珍しく、角野栄子の同名タイトルの児童文学を基に製作しています。映画は前半の展開は原作と同じなのですが、後半の展開はかなり違っており、ラストの飛行船のシーンなどは宮崎監督の全くのオリジナルです。このラストの派手な展開は冒険活劇を得意とする宮崎監督らしい展開です。ただ作品全体が少女の日常の生活や心情を丁寧に描いている分、ラストだけ突然派手な展開になるの浮いているような感じもして、どうかなとも思ったりもしますが・・・。
 この作品は本来、宮崎監督は制作に回り、新人の監督に任せる予定だったそうです。しかし、宮崎監督がこの映画に対してあまりにも思い入れが強くなり、自分で監督をすることになったようです。宮崎監督はこの映画を作るに当たって、『宮崎アニメのヒロインはトイレにも行かないような非現実的な存在だ』と周囲に言われたことが悔しくて、地に足のついた等身大の女性を描くことにこだわったそうです。この映画の途中でキキがトイレに行くシーンがあるのですが、宮崎監督がこの映画の中でも特にこだわって描いたシーンだそうです。

 この映画は若者の自立への格闘を爽やかに描いた作品であり、仕事が上手くいかず落ち込んだとき等に見ると非常に元気の出る作品です。私も仕事で親元を離れて暮らしてだいぶ時間が経つのですが、キキが見知らぬ街で一人で生活を始めるシーンを見ると、自分が一人で生活を始めたときの不安や孤独といったものを思い出してします。キキが仕事を見つけ、時に傷ついたり挫折したりしながらも、自分の理解者を見つけて支えてもらいながら前に進んでいく姿は、若者の自立とはどういうものかを見事に描いていると思います。ニートと呼ばれる人たちにもこの映画を見て、自立について考えてほしいなと思ったりします。

 私がこの映画で前から疑問に思っていたのは、なぜキキはジジがしゃべたことを理解できなくなったのかということでした。最初はキキの魔法の力が弱ったからと思ったりしたのですが、魔法が戻ったラストシーンでもキキはジジの言葉を理解できないままでした。私はキキが新しい街で自分を支えてくれる仲間を見つけ、相談相手としてジジの支えがいらなくなり、大人としてキキが自立した象徴として、ジジの言葉をキキが理解できなくなった(理解する必要がなくなった)と解釈しています。皆さんはいかがお考えでしょうか?

 この映画ではキキと絵描きの女性ウルスラの声を名探偵コナンでおなじみの高山みなみが一人二役で当てています。宮崎監督はキキの成長した姿をイメージししてウルスラというキャラクターを設定したそうです。さらに言えばパン屋のオソノさんもウルスラのさらに成長した姿をイメージして描いたそうです。そういう意味では、ウルスラやオソノさんは自立した女性の先輩としてキキを支えていく大切な役割をもったキャラクターであり、キキの将来の姿を描いているとも言えます。

 この映画はストーリーの面白さはもちろんのこと、北欧の街をイメージした美術の美しさや宮崎映画には欠かせない久石譲の清々しくちょっぴり切ない音楽、そして主人公の心情を見事に表現したユーミンの主題歌の起用など多くの魅力がつまった作品です。キキの飛翔の描写も独特の浮遊感があり、さすが飛行シーンを撮ったら右に出るものはいない宮崎監督ならではです。

 あと、私はこの映画を見るといつも気になるのが「ニシンパイ」、一体どんな味か気になります。

 優しい気持ちになりたいとき、元気になりたいとき、この映画をぜひ見てください!

製作年度 1989年
製作国・地域 日本
上映時間 112分
監督 宮崎駿 
原作 角野栄子 
脚本 宮崎駿 
音楽 久石譲 
出演 高山みなみ 、佐久間レイ 、戸田恵子 、山口勝平 、加藤治子 

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2006年9月17日 (日)

『となりのトトロ』この映画を見て!

第111回『となりのトトロ』
Tonari_no_totoro  今回紹介する映画は国民的アニメと言っても過言ではない『となりのトトロ』です。この映画はテレビでも何度でも放映されており、誰しも一度は見たことがあると思います。私も小学生の時からテレビで放映される度に欠かさず見たものでした。個人的にはスケールの大きい『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』の方が昔はお気に入りだったのですが、大学生になったくらいから『となりのトトロ』の魅力が分かってきました。

 『となりのトトロ』の大きな魅力