ロード・オブ・ザ・リング

『ホビットの冒険』ついに撮影開始か!

Photo_2  『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの前章に当たる『ホビットの冒険』。2007年にピーター・ジャクソンの製作総指揮のもと、2部作として映画化されることが製作会社より発表。当初の予定ではギレルモ・デル・トロ監督がメガホンを取り、2010年に撮影を開始して、2011年に第1部、2012年に第2部を公開することになっていました。
 しかし、製作会社であるMGMが倒産して、クランクインが延期。その結果、デル・トロ監督がやむなく降板。結果、公開時期も未定の状態となっていたのですが、ピーター・ジャクソン監督が自らメガホンを取り、2011年2月にクランクインすることがようやく決定しました。
 キャストも「ロード・オブ・ザ・リング」のガンダルフ役のイアン・マッケランとゴラム役のアンディ・サーキスが続投することが決定。さらに主役のビルボ役として英俳優マーティン・フリーマンが決定したたの情報も入ってきました。
 予定では来年2月から全編デジタル3Dでの撮影をスタートして、第1部は2012年12月、第2部は2013年12月に公開されとのことです。
 待ちに待った『ホビットの冒険』の映画化。来年の12月がとても楽しみです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

祝『ホビットの冒険』製作開始!

Photo_2  『ロード・オブ・ザ・リング』の前日譚にあたる『ホビットの冒険』が2部作として製作され、2011年&2012年に公開されることが決まったそうです。

 製作総指揮と脚本を務めるのは『ロード・オブ・ザ・リング』のピーター・ジャクソンとフラン・ウォルシュ。監督を務めるのは『パンズ・ラビリンス』や『ヘルボーイ』で有名な知られるメキシコ人映画監督ギレルモ・デル・トロが正式に就任したようです。
 
ストーリーは『ホビットの冒険』の原作を下敷きにした1作目と、改めて執筆される2作目の2部構成になるそうです。
『ホビットの冒険』は『ロード・オブ・ザ・リング』にも登場したフロドの叔父のビルボ・バキンズが主人公の冒険物語で、ガンダルフやゴラムも登場します。

 『ロード・オブ・ザ・リング』でガンダルフを演じたイアン・マッケランとゴラムを演じたアンディー・サーキス、そしてアラゴルンを演じたヴィゴ・モ-テンセンはと同じキャラクターで出演する方向で現在調整しているそうです。
 
 監督いわく「1作目『ホビットの冒険』は原作だけで完結する映画になるが、2作目は我々が議論を重ねて作り込むんだ。それが出来ることになって興奮しているよ。なぜって、2作目は“添え物”でも“埋め合わせ”でもないからね。物語を語る上で欠くこと出来ない50年の歴史を描く」とのことです。

現在プリプロダクション中で来年度から撮影に入るそうです。公開は3年後となりますが、『ロード・オブ・ザ・リング』ファンとしては今から非常に楽しみですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『ホビットの冒険』街を捨て書を読もう!

『ホビットの冒険』 著:J.R.R.トールキン 訳:瀬田 貞二 岩波書店
Hobitt  今回紹介する本はファンタジー小説の傑作『ホビットの冒険』です。
 この作品は『指輪物語』の前日譚にあたります。『指輪物語』は『ロード・オブ・ザ・リング』として映画化され、日本でも大ヒットをしました。この作品では映画の第一部冒頭で登場していたフロドの叔父にあたるビルボ・バギンズが主人公として活躍します。映画でもビルボが指輪を拾う経緯が少しだけ紹介されていましたが、この作品ではビルボがゴラムからどう指輪を奪ったかが詳細に描かれます。
 また『指輪物語』でおなじみの魔法使いガンダルフも登場し、ビルボの冒険の手助けをします。
 『ロード・オブ・ザ・リング』を見たことある人や『指輪物語』を読んだことある人がこの作品を読むと非常に楽しめる作品です。また児童文学として書かれているので、『指輪物語』と比べると大変読みやすいです。
 
 主人公のホビット「ビルボ・バギンズ」は魔法使いのガンダルフに誘われて、13人のドワーフ達と邪竜スマウグに奪われたドワーフの財宝を取り返すためにはなれ山を目指して冒険の旅に出ます。トロルやゴブリン、巨大な蜘蛛などに襲われながらも、何とか勇気と知恵を持って危機を乗り越えるビルボと仲間たちの姿が生き生きと描かれていきます。

 この作品は最初は奪われた宝物を取り返しに行くだけの単純なストーリーのように思うかもしれませんが、後半は予想外の展開になります。私も始めて読んだときは後半のスケールの大きな展開に釘付けになったものでした。宝を求めた結果、引き起こされる争いの悲しみがこの作品では描かれます。他の勧善懲悪のファンタジー小説にはない深みと面白さがこの作品にはあります。
 またこの作品で登場する姿を消すことができる指輪が、将来中つ国を揺るがすことになるとはビルボもガンダルフもきっと思っていなかったでしょうね。
 
 この作品も『指輪物語』と同じく映画化の話が持ち上がっています。しかし、『ロード・オブ。ザ・リング』を監督したピーター・ジャクソンは製作スタジオと対立しており、監督を降ろされました。今候補としては『スパイダーマン』のサム・ライミがあがっています。個人的にはピーター・ジャクソンに監督してほしいのですが、どうなるでしょうね。

 『ホビットの冒険』は子どもから大人まで誰が読んでも楽しく、味わい深いファンタジー小説の傑作です。ぜひ読んでみてください!

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ロード・オブ・ザ・リング 何でもランキング

 今回は私のお気に入りの映画「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズに関して、自分なりにいろいろランキングを付けてみました。
return_of_the_kingu

・旅の仲間9人お気に入りキャラクターBest5
5位 ピピン
→話しが進むにつれて、たくましくなっていったピピン。「王の帰還」でデネソールに言われて歌うシーンは彼の歌声も相まって深い悲哀が伝わってきます。
4位 ガンダルフ
→映画では武闘派になっていたガンダルフですが、彼の慈しみと優しさをもった眼差しは印象的です。
3位 フロド
→この映画の主人公。どこまでも透きとおった目がホビットの純真さと素朴さを見事表現してました。後半あまりにもやつれた姿は痛々しかったです。
2位 ボロミア
→原作より映画の方が魅力的でした。人間の弱さを抱えつつも、最後は改心して命をかけてホビットを守ろうとするシーンはかっこよかったです。
1位 サム
→この映画の影の主人公。数々の名セリフと献身的な行動で主人公をサポートしたサム。側にいてくれたてこんなに頼もしい奴はいないでしょう。彼がいなかったら、指輪は滅びの山まで辿りつかなかったでしょう。

・お気に入り脇役キャラクターBest5
5位 木の髭
→原作に比べて威厳は減ってましたが、緊迫感が続くドラマの中で、彼のゆったりマイペースに歩む姿は心を和ませてくれます。
4位 サルマン
→ラストは悲惨な死に方をしますが、彼の威厳と迫力に満ちた姿と声はとても印象的でした。
3位 ファラミア
→ボロミアの弟のファラミア。原作よりもだいぶ弱々しい人間になっていますが、彼の父に愛されたいけど愛されない苦しみや哀しみは見ていて胸がしめつけられました。出陣前の父とのやりとりしている際の彼の憂いを帯びた目は印象的でした。
2位 セオデン
→「二つの塔」ではサルマンに操られ、どこか弱々しい印象だったセオデンですが、「王の帰還」での彼は一国の王としての威厳に満ちていました。渋く、かっこいい王でした。
1位 ゴラム
→指輪の魅力にとりつかれた者の悲劇を見事に表したキャラクターでした。「二つの塔」での善と悪との狭間で揺れ動く姿や「王の帰還」でのずる賢く主人公たちの仲を裂こうとする姿はドラマを非常に盛り上げてくれました。。ゴラムが滅びの山でフロドから指輪を奪ったときのうれしそうな姿は、見ていて哀れみを感じてしまいました。彼も指輪に出会わなかったら、魚釣りを楽しむいいホビットのまま人生を送れたんでしょうね。

・感動的なシーンBest5
5位 ガンダルフがヘルム峡谷に朝日と共に現れ、山を駆け下りるシーン「二つの塔」
→このシーンは見ていて鳥肌が立ちます。絶望の中で現れる希望です。
4位 ファラミアがオスギリアスを奪還するために無謀な闘いに挑むシーン「王の帰還」
→このシーンはピピンの歌声も相まって、深い悲哀を感じさせるシーンです。勝算はないと分かっても闘わざるえないファラミアの哀しみ、ピピンのファラミアに対する思い、狂気に陥っている父の悲劇、この3者の哀しみがぐっと伝わるシーンです。
3位 ボロミアの最期「旅の仲間」
→ボロミアとアラゴルンとの最後のやり取りは、ボロミアの国への愛する思いがよく分かりますし、アラゴルンが自分の王としての役割を受け入れはじめる重要なシーンです。
2位 セオデンがペレンノールの闘いの前に兵士に演説するシーン「王の帰還」
→セオデンのかっこいい演説に対して、兵士たちが「死だー」と叫ぶシーンは、見ている側のテンションも上がってきます。
1位 滅びの山でサムがフロドを背負うシーン「王の帰還」
→このシーンは3部作の中で一番感動的です。「指輪の重荷は背負えなくても、あなたを背負うとはできる」と言ってサムがフロドを担ぐシーンは涙なしでは見られません。

・壮絶バトルシーンBest5

5位 ガンダルフ対バルログの一騎打ち「二つの塔」
→「二つの塔」のオープニング。いきなり始まる壮絶なバトルに興奮しました。
4位 エントのアイゼンガルド襲撃「二つの塔」
→エントの森を奪われた哀しみと怒りが伝わってくるシーンです。森は大切にしないといけませんね。
3位 サム対シェロブの一騎打ち「王の帰還」
→強大な大蜘蛛に剣一本で闘ったサム。あなたはいつの間にそんなに強くなったんですか?
1位 ヘルム峡谷の闘い「二つの塔」
1位 ペレンノールの闘い「王の帰還」
→ヘルム峡谷とペレンノールでの闘いは甲乙付けがたいです。絶望感漂う闘いの中、最後まで誇りと希望を持って闘う主人公たちの姿に胸が熱くなります。

・中つ国行ってみたい場所Best5
5位 灰色港「王の帰還」
→3部作のラストを締めくくる灰色港。歴史を感じさせ、穏やかで美しい港ですね。
4位 ローハンの平原「二つの塔」
→見渡す限りの起伏ある平原。あそこを馬で駆け回ったら気持ちいいでしょうね。
3位 裂け谷「旅の仲間」
→エルロンド様が住む裂け谷。休日はあそこで過ごすと、リフレッシュできそうですね。
2位 ミナス・ティリス「王の帰還」
→スケールの大きさに圧倒されますね。実在するなら一度観光していみたいですね。
1位 ホビット村「旅の仲間」
→自然と調和が取れて、素朴で美しいホビット村。こんな村に住んでみたいです。

・名セリフBest5
5位 「辛い目にあうと誰もがそう思うが、思ったところで今さら変えられん。
   それよりも今、何ができるかを考えるべきじゃ」(旅の仲間)
→ガンダルフがフロドに言う言葉。この物語のテーマである「責任」とは何かについて説く名セリフです。
4位 「今帰ってきただよ」(王の帰還)
→映画のラスト、サムがいうセリフ。なんと穏やかな終わりでしょう。
3位 「フロドのために」(王の帰還)
→アラゴルンが黒門前での闘いを前に言うセリフ。フロドに対するアラゴルンの思いが伝わってきます。
2位 「子供の頃に読んで心に残った物語は、以前はなぜ胸に響くのか分からなかった。
   今なら分かる。彼らはどんなに壁にぶつかっても、決して引き返さなかったからです」
→サムがオスギリアスでフロドに向かって言うセリフ。このセリフを聞きたくて、何回も映画館に通いました。
1位 「指輪の重荷は背負えないけど、あなたを背負う事は出来ます!」(王の帰還)  
→サムが滅びの山を前にフロドにいうセリフ。涙なしには聞けません。サムのフロドに対する一途な思いに胸が打たれます。

ぜひ、皆さまのロード・オブ・ザ・リングに関するBest5も教えてください。 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

街を捨て書を読もう!「指輪物語」

新版 指輪物語 全7巻『指輪物語』 全7巻
 「旅の仲間」 上・下
 「二つの塔」 上・下
 「王の帰還」 上・下
 「追補編」

作:J・R・R・トルーキン 訳:瀬田貞二・田中明子  評論社

 今回紹介する本は映画『ロード・オブ・ザ・リング』シリーズの原作本であり、その後出てくるファンタジー小説やドラクエなどのロールプレイングゲームにも多大な影響を与えました。世界中に熱狂的なファンのいる「指輪物語」です。「指輪物語」は『ホビットの冒険』という話しの続編として書かれた本です。「ホビットの冒険」は「指輪物語」にも出てくるビルボ・バギンズが魔法使いガンダルフとドワーフ13人を引き連れて「はなれ山」に冒険に行くという話しです。はなれ山でビルボは指輪所持者のゴラム(ゴクリ)と出会い、彼の指輪を奪います。「指輪物語」はビルボがゴラムから取った指輪を巡るお話です。「ロード・オブ・ザ・リング」の所でも書きましたが、「指輪物語」は単なる冒険物語やファンタジー小説とは一線を画します。その理由として、物語の構造と設定の細かさがあります。まず普通の冒険ものやファンタジーものと違い、この物語は後ろ向きな暗い物語です。指輪を手に入れるのではなく、捨てに行くために旅をするというところからして、暗い話しです。またこの物語は様々な種族が去り、人間中心の歴史が到来するまでの一つの時代の終焉を描いた話しでもあります。
 ストーリーは「ロード・オブ・ザ・リング」を見られた方はよく知っていると思いますが、中つ国であまり目立つことのなかった種族ホビットを中心に様々な種族が力を合わせて、悪の王サウロンの復活を阻止するために闘っていくという話しです。さまざまな登場人物たちが希望と絶望、強さと弱さ、善と悪との間で激しく葛藤します。様々な苦難に遭遇しながら、仲間を思いやり、与えられた使命を果たしていく姿は胸を打ちます。物語のクライマックス、フロドが指輪を投げ込もうとする場面はとても印象的です。映画と原作では少しクライマックスの展開が違います。原作の方が、人間たちの無力さや弱さが強調されています。
 基本的に映画と本のストーリーは最初から最後まで大体同じです。(二つの塔のアラゴルンの話しだけは映画は大幅に脚色されてますが・・。)本で大切なところはほとんど映画で映像化されています。ただ原作の方が指輪を捨てに行くまでのプロローグと指輪を捨ててからのエピローグに大変多くのページを費やしてます。サルマンのエピソードも映画と原作は全く違います。そして指輪戦争後のホビットたちがホビット庄に戻った後に原作では事件がおき、それを通してホビットたちの成長ぶりがじっくりと描かれてます。
 原作の方が、より細かく中つ国の歴史が描かれています。それはまるで歴史書を読んでいるかのような感じで、この物語の背景にある中つ国の壮大な歴史が伺え、指輪を巡って起こっていることの意味がよく分かります。
 また話しの合間に詩もたくさん挿入されおり、素敵な詩が多く、緊張感のある物語をほっと一息させてくれます。
 登場人物たちの性格も映画と原作はだいぶ違っています。特にアラゴルンやファラミア、デネソールなどゴンドールに関係する人間は印象が違います。原作はアラゴルンは最初から自分の王の役割意識してます。ファラミアは清廉潔白な人間で、最初からフロドやサムを丁寧に扱います。デネソールも映画みたいに狂った人間でなく、もっと高貴で気高く威厳に満ちています。映画は人間の弱さをかなり強調した作りになっています。
 指輪物語の話しは神話性と寓話性に富んでいて、読者がいろいろ考えたり、想像する余地があります。だから何回読んでも飽きることなく楽しめます。ただ最初はずっと指輪の歴史的背景やホビットの歴史が語られたりするので退屈かもしれません。しかし、そこを乗り切ると、もう読むのを止められなくなると思います。是非、みなさんも中つ国の世界に踏み入れてください。
 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ロード・オブ・ザ・リング スペシャル・エクステンデッド・エディション・シリーズ」

この映画を見て!番外編「「ロード・オブ・ザ・リングスペシャル・エクステンデッド・エディション・シリーズ」

21世紀に入って私が一番はまった映画といえば「ロード・オブ・ザ・リング」でした。この映画の紹介はすでにしましたが、今回はDVDの紹介をしたいと思います。 
 現在DVDでは二種類のシリーズが発売されており、劇場版本編と2時間のメイキングがついたコレクターズ・エディションと劇場では未公開のシーンを追加して再編集した本編と6時間以上あるメイキングが付いているスペシャル・エクステンデッド・エディションがあります。値段は倍くらい違いますが、 スペシャル・エクステンデッド・エディションの方が絶対にお買い得な商品です。

ペシャル・エクステンデッド・エディションの追加シーンが多数ある本編は、新しいエピソードの挿入や登場人物の心情や物語の背景などが細かく描かれたシーンが多々あり、ファンの人も、そうでない人も見所満載です。特に原作を知らない人は特別版の本編を見たほうが分かりやすいと思います。 またなぜこのシーンを劇場版で公開しなかったのかと思う所も多々あります。(逆に確かに劇場版ではここはいらないなというシーンもありますが。)例えばボロミアとファラミアとデネソールの3人が出会い、微妙な親子関係が浮き彫りになるところ(「二つの塔 特別版」に収録)や劇場版では無視されたサルマンと蛇の舌の最期(「王の帰還 特別版」に収録)などのシーンがあり、物語を進める上で大切だと思ったのですが劇場版では見られません。まあ劇場版にしろ特別版にしろ時間的制約のある中で、ファンの期待にも応えながら、あの長編をここまで上手く整理して、なおかつ感情を揺さぶる映画にしてくれたので十分満足かなと思います。しかし「王の帰還」のゴンドールのデネソールの描き方、療病院のシーンなどはもう少しなんとかしてほしかったですね。映画版ではローハンに比べるとゴンドールの描写が浅かったのがとても残念です。

 ☆スペシャル・エクステンデッド・エディション版本編の私なりの見所・不満点
「旅の仲間」20分追加されてます。
*見所
・ホビット庄の生活風景。このシーンが増えたことでホビットがどういう種族なのか分かりやすくなっています。
・第二部のヘルム峡谷に応援に来るハルディアのシーンの追加
・フロドとサムが森の中で、灰色港に向かうエルフと出会うシーン。このシーンは中つ国の時代の移り変わりを象徴している大切なシーン。第三部のラストにつながります
ガラドリエル様が旅の仲間に贈り物をあげるシーン。ここは二部、三部の重要な伏線となるシーンです。なぜかボロミアだけ何ももらえません。
・ボロミアの葛藤と苦悩のシーンの追加。
*不満
・特になし
「二つの塔」40分追加されてます。
*見所
・ゴンドール執政一家が勢揃いするシーン。デネソールとボロミア、ファラミアの微妙な関係が描かれていて、第三部のファラミアの行動を理解する上で大切なシーン
・エントのシーンの追加。エントのゆったり生きているところが出ていて好きなシーンです。
・ファラミアの心情や人柄を伝えるシーン。原作と比べて、ミステリアスな雰囲気漂う映画版ファラミアですが、そんなファラミアの本当の人柄(高貴で優しい)を伝えるシーンが増えています。このシーンが増えたことで第二部のラストでファラミアが改心するシーンにぐっと説得力が増してます。
*不満点
・エオウィンのシチューのシーンはいらない。
「王の帰還」50分追加されてます
*見所
・サルマンと蛇の舌の最期。このシーンは劇場版でもカットすべきでなかったと思います。
・ファラミアとデネソールのシーンの追加。なぜファラミアが無謀な作戦に出たかのがより理解できます
・ファラミアとピピンの交流シーン。ここはよいシーンでした。炎からファラミアを救うピピンの心情がよく分かるシーン
*不満点
・メリーとセオデンとの交流をもう少し描いてほしかった。
療病院のシーンは説明不足です。原作を読んだ人以外は、アラゴルンの癒しの手の持つ重大な意味が分からないと思います。
・ファラミアとエオウィンのシーンも中途半端です。描くならもう少し丁寧に描いてほしかった。
・デネソールもパランティアを持っていたことを示唆するシーンがほしかった。
・ホビット庄の帰還から灰色港までのシーンをもっと追加してほしかった。
・ファラミアとエオウィンの結婚シーンも見たかった。(撮影はされたようです。)

 またスペシャル・エクステンデッド・エディションのメイキングは見応え十分です。原作をどう脚色して、撮影準備をして、撮影して、編集して、CGを加え、音響と音楽を付けていったかの過程が全て記録されています。ここまで細かいメイキングはなかなか見られないです。またメイキングを見ると制作関係者一同がいかに、この映画を愛しているのかよく分かります。超大作にもかかわらず、制作現場は誇りを持って、和気藹々と楽しそうに仕事しているんですよね。チームワークの良さと一人一人の情熱とこだわりがこの映画を成功に結びつけたんだと思います。自分のビジョンを持って、7年間という長い期間、大人数のスタッフを統率して一つの方向にまとめていった監督のピーター・ジャクソンは天才だと思います。三部作全てのメイキングを見ると、ある意味本編と同じくらい感動できます。「王の帰還」のメイキングでの撮影終了間際のシーンなど本当にこの映画の現場から離れることが寂しかったんだろうなって伝わってきます。是非、スペシャル・エクステンデッド・エディションを買って見てもらいたいです。

 ☆スペシャル・エクステンデッド・エディション版メイキングの私なりの見所
「旅の仲間」
*見所
・ホビットサイズの撮影方法。古典的な方法からCGまで様々な手法を使っていてびっくり。
・撮影風景。みんなのチームワークの良さが分かり、微笑ましいです。

「二つの塔」
*見所
・ゴラムの撮影方法。まるで現実にいるかのようなゴラム。その制作過程は見物です。
・ヘルム峡谷の撮影風景。あの戦闘シーンの撮影は4ヶ月かかり、どんなに大変だったかよく分かりました。アラゴルン役のヴィゴ・モーテセンは歯が折れても撮影を続行したそうで、役者魂を感じさせます。

「王の帰還」50分追加されてます
*見所
・撮影風景。映画の撮影が終わり、離ればなれになる役者たちの別れのシーン。映画本編なみに感動します。
・ポストプロダクション。映画を完成させるために、ぎりぎりまで編集、CG、音響、音楽が制作されていたことが分かり、制作者たちの妥協しない良いものを創ろうとする制作姿勢に頭が下がります。

公式サイト:http://www.lotr.jp/

 

| | コメント (2) | トラックバック (7)

この映画を見て!「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」

第20回「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」
ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還 コレクターズ・エディション いよいよ「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズの紹介も最後になりました。第三部は全編クライマックスであり、感動の連続です。話しはいよいよクライマックスに向けて収束していきます。戦闘はより大きくなり、フロドにも最大の危機が訪れます。絶望一歩手前で登場人物たちは中つ国を守るために与えられた自分たちの使命を果たそうと、全力を尽くします。一作目から比べ成長したそれぞれのキャラクターを見るたびに、胸が熱くなります。特に最初は足手まといにしか見えなかったメリーとピピンが三部作で大きな役割を果たします。その逞しくなった姿をみると、見ている側もその成長ぶりにうれしくなってきます。アラゴルンも王らしい風格を持ってきます。フロドはほんとにぎりぎりの状態で自分の使命を果たそうとしていきます。また第二部から出てきたセオデンやエウオィン、ファラミアなどが抱えていた葛藤や思いが第三部でどうなっていくかも大きな見せ場となっています。
ストーリー:「フロドとサムとゴラムはモルドールのすぐ側までやってくる。ゴラムは指輪を狙い、フロドとサムを引き離そうと悪巧みを企んでいた。その頃、アラゴルン組とメリー・ピピンは再会を果たす。しかし、すぐに二人は離ればなれになる。ピピンはガンダルフとゴンドールに行くことになり、メリーはローハンに残ることになる。ゴンドールは要塞都市ミナス・ティリスを除き、モルドールの悪の軍団に制圧されていた。そしてついに中つ国の運命を左右する最後の戦争がミナス・ティリスで始まろうとしていた。ピピンはボロミアの父であるゴンドール最後の執政デネソールの従者となる。ローハンに残ったアラゴルンにメリー、そしてローハンの騎士たちもミナスティリスを助けるために向かい始める。だがアラゴルンは途中でより多くの兵を集めるためにおぼろ谷に向かう。中つ国の運命をかけた最後の絶望的な闘い。またフロドとサムに訪れる最大の危機。それぞれのものが仲間を守るために、使命を果たしていく姿が描かれる。」
 最初にも書いたように第三部は全編クライマックスで感動の連続です。最初から最後まで感情が揺さぶられるシーンばかりです。前半のゴンドールからローハンに烽火が上がるシーンは見ている側も気分が高揚してきますし、フロドの痛々しさやファラミアと父デネソールの親子の不和のシーンは胸が痛みます。そして中盤から後半にかけてのミナス・ティリス、黒門での闘いのシーンは戦闘シーンのスケールの大きさもさることながら、登場人物たちの仲間への思いが伝わってきて、ぐっと心が揺さぶられます。登場人物たちのそれぞれの思いを前半でしっかり描いているからこそ、激しい戦闘シーンも生えてくるんでしょうね。またこの映画最高の感動シーンといえば滅びの山近く、サムがフロドを抱えて山を登るシーンですね。「指輪の重荷は背負えなくても、あなたを背負うことはできる」とサムがいうシーンは涙なしでは見られません。
 「ロード・オブ・ザ・リング」のストーリーの素晴らしさは超人的なキャラクターが問題を解決していくのでなく、さまざまな仲間たちが思いを一つに支え合って、使命を果たしていくところにあると思います。第三部では特に仲間へのいたわりと友愛が強く伝わってきます。
 (ここからネタバレの内容です)
 第三部は指輪を葬った後のエピローグが少し長いと思われる方もいるかもしれません。しかし、このエピローグはとても大切なものです。フロドがなぜ旅立つのか、確かに映画だけ見るとはっしょっているので意味が分かりにくいかもしれません。(原作にはそこら辺が詳細に書かれているので、興味のある方は読んでみてください)フロドが旅で失ってしまったものや受けた傷の深さはとても大きいんですよね。さらに過酷な冒険ではああったからこそ、旅が終わった喪失感というものも大きいんですよね。だから彼は埋められない喪失を癒すために、この地を去ろうとしたんですね。またより大きな視点でいうと、指輪が葬られるということはハッピーエンドであると同時に、一つの時代の終焉でもあるんですよね。サウロンやオークが滅びましたが、それは同時にエルフたちも去り、人間が中心の世界になっていく変わり目でもあるんですよね。歴史が変わっていくことの哀しみを描いたシーンでもあるんですよね。灰色港の別れのシーンまで(ある程度)きちんと描いた監督はこの物語の本質を良く分かっているし、本当にこの物語を愛しているんだなと思います。そして監督自身もこの映画制作に7年近く携わり、ある意味フロドと同じように旅をして、映画が完成して、その世界から離れることの喪失感や哀しみがあったと思うんですよね。そこら辺の監督の思いを灰色港のシーンにこめたのかなと思います。
 きっとこの映画の魅力にはまった人はエンディングが近づくと、物語が終わり、中つ国との別れが近づくことに喪失感や哀しみを感じるでしょう。

製作国・地域 ニュージーランド/アメリカ
上映時間 203分
監督 ピーター・ジャクソン 
製作総指揮 マーク・オーデスキー 、ボブ・ワインスタイン 、ハーヴェイ・ワインスタイン 、マイケル・リン 、ロバート・シェイ 
原作 J・R・R・トールキン 
脚本 ピーター・ジャクソン 、フラン・ウォルシュ 、フィリッパ・ボウエン 
音楽 ハワード・ショア 
出演 イライジャ・ウッド 、イアン・マッケラン 、ヴィゴ・モーテンセン 、ショーン・アスティン 、リヴ・タイラー 

| | コメント (0) | トラックバック (6)

この映画を見て!「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」

ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔 コレクターズ・エディション

第19回「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」
 さて前回に引き続き、「ロード・オブ・ザ・リング 二つの塔」を紹介します。私は三部作の中で、第二部が一番お気に入りです。第一部はどうしても物語の背景やキャラクターたちの説明に時間が割かれいたのですが、第二部は一気に物語の中に入っていけます。第二部は新しいキャラクターも増え、話しも広がっていきます。また第一部の登場人物たちも成長し始め、見ている側も感情移入して応援して見ていけるんですよね。第三部はもう終わりだなという感じがして、この世界をもっと味わいたいと思う私はさみしくなるんですよね。
 どの映画も大体一作目は面白いですけど、二作目・三作目となるにつれて内容もレベルダウンして見てる側も盛り下がることが多いです。(マトリックスとかは作を重ねるごとに特に尻すぼみになっていました。)しかし「ロード・オブ・ザ・リングシリーズ」は二作目、三作目になるごとに内容がレベルアップして、盛り上がっていくという希有な作品です。この映画は三部作まとめて一度に撮影されているので、役者の演技にしろ、演出にしろ、映画の質がどの作品も常に一定のレベルを保っています。
 ストーリー:「前回のラスト、ばらばらになった旅の仲間たち。フロドとサムは滅びの山に向かい旅を続けていた。そしてかつて指輪を所持していたホビットのゴラムに出会う。ゴラムは指輪の影響で姿も変わり果て、指輪を取り戻すことだけに囚われていた。彼らは道案内のためにゴラムを同行させる。しかしボロミアの弟、ファラミアに捕まってしまう。その頃、フロドと間違えられウルクハイに捕まったメリーとピピンは、彼らの手から逃れ、森の中をさまよっていた。彼らは森の中でエントという木の牧者の種族に出会う。またアラゴルン・ギムリ・レゴラスの3人はメリーとピピンを救い出そうと、行方を追っていた。彼らはローハンという国に入り、死んだと思っていたガンダルフと再会する。そして彼らはローハンに迫っている危機を助けることになる。3組に分かれた旅の仲間はそれぞれ与えられた使命を果たそうと奮闘する。彼らはひとまず自分に与えられた使命を果たすが、それはより大きな使命の始まりだった」(第三部に続く)
 今回は登場人物たちが3組に分かれて、物語が進んでいきます。そして彼らはそれぞれに新しいキャラクターと出会い、与えられた使命を果たそうとしていきます。今回は3組に分かれた分、話しが中つ国全体の問題へと大きく広がっていきます。また一部にもまして旅自体も過酷なものとなり、次々と彼らの前に困難が迫ってきます。その旅の中で、一人一人のキャラクターも成長して、自分たちに与えられた使命や役割を受け入れ、果たしていこうとします。一作目では頼りなかったメリーやピピンもうんと成長していきますし、アラゴルンも王としての自分を自覚し始めてきます。見ている側はその姿を見て胸が熱くなります。また新しく登場するローハンの王・セオデンやその姪のエオウィン、ボロミアの弟ファラミアなども、単なる物語を進める駒として描かれるのでなく、自分の役割や生き方を巡って激しく葛藤している姿が描かれており、これが第三部の大きな伏線へとなっています。第二部ではフロドは指輪の影響で精神がどんどん蝕まれていき、見ていてつらくなります。これで第三部まで持つのかいなと心配になってくるくらいです。そこはサムが献身的にサポートをしていくのですが・・・。第二部の一番の英雄はおそらくサムでしょうね。サムがラスト近くで語る言葉はとても感動的です。この物語のテーマをずばり語っています。私の好きな言葉に次のような言葉があります。「思うに希望とは、もともとあるものとも言えぬし、ないものとも言えない。それは地上の道のようなものである。もともと地上には道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ。 」(魯迅『故郷』より)この映画のサムのセリフを聞くたびにこの言葉を思い出すんですよね。

 第二部はいろいろな場所でいろいろな話しが展開されていきますが、一番の目玉は何と言ってもヘルム峡谷の闘い。ここでの300人対10000人の対決はすごいです。その迫力は半端ではありません。映画史に残る戦闘シーンです。4ヶ月かけて撮影されたそうですが、それだけ時間がかかった理由もよく分かります。この戦闘シーンの素晴らしさは戦闘シーンそのものに加え、戦闘が始まるまでの緊張感や不安感をじっくりと描いたところにあると思います。戦闘前にアラゴルンが少年兵と話しを交わす場面はこれから始まる闘いの悲惨さとアラゴルンの決意が感じられて名シーンです。また闘いのラスト、ガンダルフが登場するシーンは鳥肌が立つほど神々しいシーンです。
 またエントたちが活躍するシーンもすごいですね。森を破壊された者たちの怒り、それはもののけ姫やナウシカを連想してしまいます。
 第二部でここまで、完成度の高いものを見せられると、第三部は否が応でも期待してしまいます。

製作年度 2002年
製作国・地域 アメリカ/ニュージーランド
上映時間 179分
監督 ピーター・ジャクソン 
製作総指揮 マーク・オーデスキー 、ボブ・ワインスタイン 、ハーヴェイ・ワインスタイン 、マイケル・リン 、ロバート・シェイ 
原作 J・R・R・トールキン 
脚本 ピーター・ジャクソン 、フラン・ウォルシュ 、フィリッパ・ボウエン 、スティーヴン・シンクレア 
音楽 ハワード・ショア 
出演 イライジャ・ウッド 、イアン・マッケラン 、リヴ・タイラー 、ヴィゴ・モーテンセン 、ショーン・アスティン 

| | コメント (1) | トラックバック (4)

この映画を見て!「ロード・オブ・ザ・リング」

第18回「ロード・オブ・ザ・リング」
ロード・オブ・ザ・リング ― コレクターズ・エディション あけましておめでとうございます。2006年最初のお薦め映画紹介は連続3回シリーズで「ロード・オブ・ザ・リング」3部作を紹介します!
 21世紀に入って、一番私が熱狂した映画というと「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズです。ファンタジー小説の古典とも言われる「指輪物語」を原作にしたこの映画。原作も全3巻で1000ページ以上の超大作ですが、映画も3部作で9時間以上という超大作です。知恵を持つ様々な種族(人間・ホビット・エルフ・ドワーフ)が共存する中つ国という架空の世界を舞台に、邪悪な王が作った一つの指輪をめぐる善と悪との壮大な物語が繰り広げられます。
 ここで原作の紹介を少しさてもらいます。原作はJ・R・R・トルキーンという人が今から50年以上前に書いた作品で、全世界中に熱狂的なファンがいます。原作「指輪物語」は「ホビットの冒険」という児童文学の続編として書かれたものですが、指輪をめぐる冒険や戦争の話しを縦糸に、中つ国の歴史を横糸に壮大な叙事詩が展開していきます。地形、歴史、各種族の生活様式・習慣・言語など細かい所まで丁寧に設定され、記述されており、架空の世界の話しにもかかわらず、具体的な所までイメージでき、何度読んでも発見のある話しです。ぜひ映画を見てはまった人は原作も読んでほしいと思います。映画とはまた違った魅力を味わえると思います。
 さて映画の方に話しを戻します。映画は見るまでは、ピータージャクソンという監督も、出演する俳優も、VFXを担当したWETAという会社もあまり知らなかったので、はっきり言って期待していませんでした。しかし映画館で第1部のオープニング、中つ国の歴史を語るシーンから一気に引き込まれ、見終わるとあまりの出来のすばらしさに感動して、それから何回も映画館に足を運びました。ピーター・ジャクソンは今でこそ有名な監督で新作「キング・コング」など撮っていますが、この映画に出るまではホラー映画の監督というイメージしかありませんでした。才能があったにしろ、ほぼ無名の監督がここまでの作品を作り上げるとは思いませんでした。「ロード・オブ・ザ・リング」が興行・批評とも成功した理由は、「指輪物語」という優れた小説があったということはいうまでもありませんが、中つ国という架空の世界をリアリティーを持って描くことができたこととキャスティングがキャラクターとあっていたこと、そして「友情」「責任」「正義」というシンプルなテーマをストレートに力強く表現していることの3点だと思います。
ストーリー:「中つ国の悪の象徴サウロン。彼はかつて自分の分身ともいえる指輪を作り、世界を手中に治めようとしていた。しかし人間やエルフなどの種族により、サウロンは滅びたかにみえた。だが彼が作り出した指輪に彼の力と魂は残っていた。指輪は人間の手に渡り、行方不明になる。それから何世紀もたった後、指輪はホビットという種族に渡る。サウロンは肉体こそないものの力を取り戻し、彼は完全復活のために指輪を欲していた。ホビットのフロドは叔父からサウロンの指輪を譲り受けるが、賢者ガンダルフによりその指輪の正体を知る。その指輪を葬るにはサウロンが指輪を創った場所、滅びの山の火口に投げ捨てるしかなかった。そこでフロドは庭師であり、友達のサムを引き連れて、指輪をひとまずみんなが集まる裂け谷に届けることになる。旅の途中で友達のホビットメリーとピピンも仲間に加わるが、サウロンの手下も追ってくる。危ないところを人間の王の末裔で今はレンジャーのアラゴルンに助けられるが、フロドは重傷を負ってしまう。何とか裂け谷に着くが、滅びの山に行くという希望のない任務に誰も行きたがろうとしない。そしてフロドは自ら指輪の重荷を携えて行くことを志願する。そして、彼を支えるためにエルフ・ホビット・人間・ドワーフの各種族からなる9人の旅の仲間が結成される。旅の途中、彼らに次々と危機が襲ってくる。そして次々に失われる仲間たち。フロドは仲間をこれ以上危険に晒したくないと一人で旅立つことを決める。しかし、一番の親友サムは決してフロドの側を離れようとしなっかった。(第2部に続く)」
 この映画のストーリーの特徴は、普通の冒険ものと違い、宝を探しに行くのではなく、宝を捨てに行くところにあります。それも主人公が勇者でなく、どちらかというと一番小さく弱そうに見えるホビットであるというところがポイントです。一番小さき者が誰もができないと思ったことを成し遂げなくてはいけないというところが、この物語の良いところだと思います。主人公たちは敵の圧倒的な力を前に為す術がなく、逃げるしかないというかなり絶望的な状況です。そんな状況にも関わらず、「自分が何をできるか」考えて、前に向かって進もうとする主人公たちの姿に私はいつも感動します。
 第1部は旅の仲間の結成から離散までを描いているのですが、テーマはズバリ「友情」と「責任」です。熱い友情と仲間一人一人が持っている責任を果たす姿は胸が熱くなりますね。
 ちなみに私が第1部でお気に入りのキャラクターは人間のボロミアです。人間の国ゴンドールの執政の息子として生まれたボロミア。どこまでも国と民を愛するが故に、指輪の力に惑わさ、一度仲間を裏切りますが、最終的には我を取り戻し、仲間を守る姿はかっこいいです。人間のもつ弱さと強さの両面が良く出ているキャラクターです。(原作よりもかなり魅力的です)
 原作の第一部は多くのページが各種族の歴史や生活習慣などの描写に割かれており、かなりまったりとした展開で進みます。そのため人によっては途中で挫折する人も出ると思います。あの原作の大切な要素を残したまま、ここまでコンパクトに凝縮できたのは素晴らしい脚色だと思います。
 この映画はストーリーも魅力的ですが、架空の国「中つ国」を現実に存在しそうな世界として描いた所にあると思います。まず風景がとても素晴らしいです。全編ニュージーランドで撮影されてますが、ニュージーランドの壮大な自然が、見る人を圧巻させます。またセット、ミニチュア、CGを巧みに使って、細かいディティールまできちんと再現しており、見ている側はすぐにスクリーンの中の世界に入り込めます。美術や衣装も凝りに凝っており、各種族・地域ごとに、武器や衣装が違うところも見ていて、各種族の歴史や風俗が想像できて面白いです。
 音楽もとても素晴らしいです。ただ感動的な曲という訳でなく、トルキーンの世界を音楽で巧みに表現しています。トルキーンが指輪物語で書いた詩や言葉を歌詞に取り入れて、いろいろな場面で効果的に流しています。また第1部では裂け谷の会議でほんの一瞬しか流れない曲が実は第3部のゴンドールという人間の国のメインテーマ曲として使われていたりと細かい伏線が張られています。
 あとキャラクターを演じた俳優がとても役の雰囲気にあっていたことも良かったです。特にガンダルフは原作のイメージにぴったりでした。またドワーフのギムリやエルフのレゴラスもイメージにあってましたね。あと主人公フロド、彼の透き通った目は印象的でした。
 第1部は話しは途中で終わりますが、続きが絶対に見たくなると思います。是非、中つ国の世界に入り込んでみてください。

製作年度 2001年
製作国・地域 アメリカ/ニュージーランド
上映時間 178分
監督 ピーター・ジャクソン 
製作総指揮 マーク・オーデスキー 、ボブ・ワインスタイン 、ハーヴェイ・ワインスタイン 、ソウル・ゼインツ 、マイケル・リン 
原作 J・R・R・トールキン 
脚本 ピーター・ジャクソン 、フラン・ウォルシュ 、フィリッパ・ボウエン 
音楽 ハワード・ショア 
出演 イライジャ・ウッド 、イアン・マッケラン 、リヴ・タイラー 、ヴィゴ・モーテンセン 、ショーン・アスティン 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

「ピーター・ジャクソン」私の愛する映画監督

第1回「ピーター・ジャクソン」
 ここ最近、私が特に次回作が楽しみな映画監督といえばピーター・ジャクソンです。(ここからはピーター・ジャクソンのことをPJと略して書きますね。)一昔前は「ブレインデッド」というホラー映画マニアの間で人気を博したゾンビ映画の監督して有名だったPJ。ここ最近は「ロード・オブ・ザ・リング3部作」、「キングコング」と超大作を監督して観客・批評家受けもよいメガヒットを連発しています。
 私がPJの映画と初めて出会ったのは「ロード・オブ・ザ・リング」でした。この映画はファンタジー小説のバイブルとも言われる「指輪物語」を元に作られた映画ですが、最初この映画を見たとき、指輪物語の世界観をここまで表現できるのかと舌をまいたものです。ファンタジー映画は大好きななので、今までもいろいろ見ていたのですが、この映画の出来の良さ、おもしろさは他の映画と比べものにならず、誰がこんな映画作ったのかと気になったものでした。(「ロード・オブ・ザ・リング」のすばらしさついては後日また紹介します)そしてピーター・ジャクソンという監督を知り、過去の作品を見ていきました。するとどれも傑作ばかり。特にホラー映画が昔から好きだった私には、彼の映画はどれも満足のいくものばかり。一気にお気に入りの監督になりました。
 私の中でPJの映画はどれも見終わった後の満足感がとても大きいです。彼の映画はどれも観客が期待しているもの以上のものを見せてくれるんですよね。ブレインデッドのラストやキングコングの髑髏島のシーン、ロード・オブ・ザ・リングの戦闘シーンなど演出的にここまでやるかという時があり、見ている人はその迫力に圧倒されるんですよね。VFXの使い方もこれ見よがしでなく、まずドラマがあってのVFXなので、客は映画に感情移入しやすいんでよね。時々、見ていて話しの進め方もべたなときもあるんですが、べたなことを小細工なしにストレートに見せてくれて、逆に感動したりするんですよね。また彼の映画は、見せ方に勢いがあるんですよね。だから少々の粗も見逃してしまうというか許してしまうというか・・。編集のリズムがいいというか、見せ方がうまいというか、勢いに押し切られて、観客も見入ってしまうんですよね。
 さらに彼の映画は見ていると、映画愛を感じるんですよね。「キングコング」も「ロード・オブ・ザ・リング」も「ブレインデッド」も、どの映画も彼の思いや情熱が画面からひしひしと伝わってくるんですよね。だから見ている人も、映画の世界に入り込みやすいとおもうんですよね。
 彼はニュージーランドで生まれ、小さいときから映画好きで8ミリカメラを持って、映画を撮っていた映画少年だったそうです。特にキング・コングがお気に入りで、自分でも模型を作り怪獣映画を撮っていたそうです。そして、友達と自主制作のホラー映画やF映画を作り、楽しんでいたようです。カメラの機材から小道具、特殊メイク、ミニチュア、撮影、編集と自分で何もかもこなしていたそうです。(その経験があるからこそ、大作映画を作るときでも細かいところまでスタッフに指示を出すことができ、自分のイメージする映画を作ることができたようです。)そして自主制作で撮った「バッドテイスト」というSF映画を劇場公開するとヒットして、本格的に映画監督の道に入っていったそうです。彼は小さいときから映画好きで、いま自分が撮りたいと思った映画を楽しんで作っているからこそ、見ている側も楽しいんでしょうね。

彼は今一番注目のヒットフィルムメーカーだと思います。

私のお奨めピーター・ジャクソン作品BEST5

バッド・テイスト

5位 バッドテイスト:彼の最初の作品。チープながらもキラリと光るセンスとグロさ。この映画が彼の出発点です。話しは地球人を食料として使おうとする宇宙人を秘密工作員がやっつけるというものです。何年もかけて自主制作で作った映画で、映像的には安ぽっさが漂うのですが、見せ方がとてもうまいので、最後まで楽しく見られます。カメラワークや編集、特殊効果など自主制作とは思えません。PJの演出のうまさが感じられる一品です。ただし、グロイのがダメな人は全く受け付けないと思います。全編悪趣味な映像のオンパレードです。

乙女の祈り4位 乙女の祈り:実話を元にした映画。感受性の強い思春期の女性2人が自分たちだけの想像の世界にのめり込み、自分たちの世界を壊そうとする母親を殺していまう。何とも後味の悪い映画でありますが、主人公たちが殺人を犯すまでの心理的過程をとても丁寧に捉えています。また2人が作り上げていく想像の世界をファンタジックに描く手腕はさすがPJ。

ブレインデッド

1位 ブレインデッド:これを超えるスプラッターはもうでないでしょう。マザコンの男がゾンビ化した母を守ろうとするが、どんどん裏目に出て周囲の人がゾンビ化していき、すざましいクライマックスを迎える。ラスト30分は笑うしかないくらいすごいです。とてもすごいスプラッターシーンの連続ですが、見終わった後はとても爽やかな気分になれる。そんな映画ってあまりないと思います。グロい映像も大丈夫という人は是非見てください。

king_kong位 キング・コング:彼の長年の思いが詰まった力作。この映画を見れば他の怪獣映画はもういらないでしょう。それくらいすごい怪獣映画です。監督の長年の思いと愛がつまった傑作です。3時間という超大作ですが、全編見所満載で、息つく暇がありません。とくにスカル島でのキング・コング対V-REXの死闘は凄いです。このシーンを見るだけ、1800円払う価値あります。

1位ロード・オブ・ザ・リング3部作:映画史に残るファンタジー大作。ストーリー・映像・音楽・役者、全て最高!あの長大な原作をよくここまでまとめあげたものです。あの世界観を映像で蘇らせただけで満点です。これから見る方は劇場未公開シーンを加えたぜひスペシャルエクステンデッド・エディションシリーズを見てください!

| | コメント (1) | トラックバック (16)