この映画を見て!番外編「「ロード・オブ・ザ・リングスペシャル・エクステンデッド・エディション・シリーズ」
21世紀に入って私が一番はまった映画といえば「ロード・オブ・ザ・リング」でした。この映画の紹介はすでにしましたが、今回はDVDの紹介をしたいと思います。
現在DVDでは二種類のシリーズが発売されており、劇場版本編と2時間のメイキングがついたコレクターズ・エディションと劇場では未公開のシーンを追加して再編集した本編と6時間以上あるメイキングが付いているスペシャル・エクステンデッド・エディションがあります。値段は倍くらい違いますが、 スペシャル・エクステンデッド・エディションの方が絶対にお買い得な商品です。
スペシャル・エクステンデッド・エディションの追加シーンが多数ある本編は、新しいエピソードの挿入や登場人物の心情や物語の背景などが細かく描かれたシーンが多々あり、ファンの人も、そうでない人も見所満載です。特に原作を知らない人は特別版の本編を見たほうが分かりやすいと思います。 またなぜこのシーンを劇場版で公開しなかったのかと思う所も多々あります。(逆に確かに劇場版ではここはいらないなというシーンもありますが。)例えばボロミアとファラミアとデネソールの3人が出会い、微妙な親子関係が浮き彫りになるところ(「二つの塔 特別版」に収録)や劇場版では無視されたサルマンと蛇の舌の最期(「王の帰還 特別版」に収録)などのシーンがあり、物語を進める上で大切だと思ったのですが劇場版では見られません。まあ劇場版にしろ特別版にしろ時間的制約のある中で、ファンの期待にも応えながら、あの長編をここまで上手く整理して、なおかつ感情を揺さぶる映画にしてくれたので十分満足かなと思います。しかし「王の帰還」のゴンドールのデネソールの描き方、療病院のシーンなどはもう少しなんとかしてほしかったですね。映画版ではローハンに比べるとゴンドールの描写が浅かったのがとても残念です。
☆スペシャル・エクステンデッド・エディション版本編の私なりの見所・不満点
「旅の仲間」20分追加されてます。
*見所
・ホビット庄の生活風景。このシーンが増えたことでホビットがどういう種族なのか分かりやすくなっています。
・第二部のヘルム峡谷に応援に来るハルディアのシーンの追加
・フロドとサムが森の中で、灰色港に向かうエルフと出会うシーン。このシーンは中つ国の時代の移り変わりを象徴している大切なシーン。第三部のラストにつながります
・ガラドリエル様が旅の仲間に贈り物をあげるシーン。ここは二部、三部の重要な伏線となるシーンです。なぜかボロミアだけ何ももらえません。
・ボロミアの葛藤と苦悩のシーンの追加。
*不満
・特になし
「二つの塔」40分追加されてます。
*見所
・ゴンドール執政一家が勢揃いするシーン。デネソールとボロミア、ファラミアの微妙な関係が描かれていて、第三部のファラミアの行動を理解する上で大切なシーン
・エントのシーンの追加。エントのゆったり生きているところが出ていて好きなシーンです。
・ファラミアの心情や人柄を伝えるシーン。原作と比べて、ミステリアスな雰囲気漂う映画版ファラミアですが、そんなファラミアの本当の人柄(高貴で優しい)を伝えるシーンが増えています。このシーンが増えたことで第二部のラストでファラミアが改心するシーンにぐっと説得力が増してます。
*不満点
・エオウィンのシチューのシーンはいらない。
「王の帰還」50分追加されてます
*見所
・サルマンと蛇の舌の最期。このシーンは劇場版でもカットすべきでなかったと思います。
・ファラミアとデネソールのシーンの追加。なぜファラミアが無謀な作戦に出たかのがより理解できます
・ファラミアとピピンの交流シーン。ここはよいシーンでした。炎からファラミアを救うピピンの心情がよく分かるシーン
*不満点
・メリーとセオデンとの交流をもう少し描いてほしかった。
・療病院のシーンは説明不足です。原作を読んだ人以外は、アラゴルンの癒しの手の持つ重大な意味が分からないと思います。
・ファラミアとエオウィンのシーンも中途半端です。描くならもう少し丁寧に描いてほしかった。
・デネソールもパランティアを持っていたことを示唆するシーンがほしかった。
・ホビット庄の帰還から灰色港までのシーンをもっと追加してほしかった。
・ファラミアとエオウィンの結婚シーンも見たかった。(撮影はされたようです。)
またスペシャル・エクステンデッド・エディションのメイキングは見応え十分です。原作をどう脚色して、撮影準備をして、撮影して、編集して、CGを加え、音響と音楽を付けていったかの過程が全て記録されています。ここまで細かいメイキングはなかなか見られないです。またメイキングを見ると制作関係者一同がいかに、この映画を愛しているのかよく分かります。超大作にもかかわらず、制作現場は誇りを持って、和気藹々と楽しそうに仕事しているんですよね。チームワークの良さと一人一人の情熱とこだわりがこの映画を成功に結びつけたんだと思います。自分のビジョンを持って、7年間という長い期間、大人数のスタッフを統率して一つの方向にまとめていった監督のピーター・ジャクソンは天才だと思います。三部作全てのメイキングを見ると、ある意味本編と同じくらい感動できます。「王の帰還」のメイキングでの撮影終了間際のシーンなど本当にこの映画の現場から離れることが寂しかったんだろうなって伝わってきます。是非、スペシャル・エクステンデッド・エディションを買って見てもらいたいです。
☆スペシャル・エクステンデッド・エディション版メイキングの私なりの見所
「旅の仲間」
*見所
・ホビットサイズの撮影方法。古典的な方法からCGまで様々な手法を使っていてびっくり。
・撮影風景。みんなのチームワークの良さが分かり、微笑ましいです。
「二つの塔」
*見所
・ゴラムの撮影方法。まるで現実にいるかのようなゴラム。その制作過程は見物です。
・ヘルム峡谷の撮影風景。あの戦闘シーンの撮影は4ヶ月かかり、どんなに大変だったかよく分かりました。アラゴルン役のヴィゴ・モーテセンは歯が折れても撮影を続行したそうで、役者魂を感じさせます。
「王の帰還」50分追加されてます
*見所
・撮影風景。映画の撮影が終わり、離ればなれになる役者たちの別れのシーン。映画本編なみに感動します。
・ポストプロダクション。映画を完成させるために、ぎりぎりまで編集、CG、音響、音楽が制作されていたことが分かり、制作者たちの妥協しない良いものを創ろうとする制作姿勢に頭が下がります。
公式サイト:http://www.lotr.jp/