『君の名は』この映画を見て!
第312回『君の名は』
今回の作品は邦画歴代2位の興行収入となった大ヒット作品『君の名は』。私も公開されて半年経過して劇場にて鑑賞してきました。
新海誠監督は2002年に公開されたデビュー作の『ほしのこえ』の時から好きで、美しい背景美術と観る人の感情を揺さぶる音楽の挿入の仕方が印象に残る作品が多いです。
今回の作品も美しい背景と RADWIMPS の音楽が印象的でした。また、以前の作品に比較して、キャラクターデザインも背景とマッチしており、作画も躍動感があり、素晴らしかったです。スタッフに田中将賀さんと安藤雅司さんが参加されたことで、この映画の映像としてのクオリティは格段に上がったと思います。
ストーリーに関しては、見知らぬ男女の心が突然の入れ替わるという設定は面白く、主人公たちの戸惑いと何とか目の前の状況を切り抜けようとする姿は微笑ましく、次第に主人公たちが心を寄せ合って恋愛感情を抱くようになる前半の展開は見ていて瑞々しく心地よかったです。
それ故に後半の東日本大震災等を意識した内容に突然シフトチェンジに驚きました。また、タイムラグというSF的設定も盛り込み、真実を探り何とか会おうとする主人公の男の子の賢明な姿や悲劇を回避するために苦闘する少しサスペンスタッチのストーリー展開に惹きこまれました。
ただ、冷静に考えるとかなり突っ込みどころのある矛盾のあるストーリー展開ではあります。なぜ二人はタイムラグに気付かなかったのか、如何にヒロインは父親を説得出来たのか?、タイムパラドックスも気になるところではあります。
また、個人的に最後がハッピーエンドだったことも印象的でした。新海作品は切ない終わり方が印象的だったのですが、監督の心情の変化か、多くの人に観てもらいたく変えたのか?ただ、この映画はこの終わり方がとてもあっていたとは思いますし、だからこそヒットしたのだがと思います。
この映画はファンタジーという形で突然の災いで失ったものを取り戻したい人の叶わぬ思いに対して、一時の慰めを与えてくれます。
監督: 新海誠
脚本: 新海誠
キャラクターデザイン: 田中将賀 安藤雅司
作画監督:安藤雅司
美術監督:丹治匠、馬島亮子、渡邉丞
音楽: RADWIMPS
声の出演:神木隆之介
上白石萌音
長澤まさみ
市原悦子
成田凌
悠木碧
島崎信長
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