音楽

2009年11月18日 (水)

『DRAMA!』中島みゆきのアルバム紹介

中島みゆきのアルバム紹介No.9『DRAMA!』

Drama  今回紹介するアルバムは中島みゆき通算36枚目のアルバム『DRAMA!』です。本アルバムは吉川晃司主演で昨年公演されたミュージカル『SEMPO』と『夜会VOL.15~夜物語~元祖・今晩屋』の楽曲が収録されています。

 『SEMPO』は第2次世界大戦中にナチスに追われていたユダヤ人に対してビザを発行して救った外交官・杉原千畝の姿をミュージカルにしたものです。吉川晃司が主演することやみゆきさんがミュージカルに始めて楽曲を提供することで話題になりました。
 杉原千畝は第二次世界大戦勃発時、リトアニアの日本領事代理を務めていた時に、ソ連より領事館閉鎖命令が出たにもかかわらず、ユダヤ人のビザを発給を不眠不休で行い、6000人近いユダヤ人の命を救ったそうです。当時、人々が千畝をチウネと発音できないため、杉原は“SEMPO”と呼ばせており、海外では東洋のシンドラーと高く評価されています。
 みゆきさんはユダヤ人迫害という重いテーマの劇中歌を制作するにあたって、制作発表の際に以下のようなコメントをしています。
 「現代の民族紛争にも通ずるデリケートな作品ですが、私はただ1点、『人間として』という立場を貫いたSEMPO氏への敬意に基づいてのみ詞曲を書かせていただきました。この素晴らしい機会を与えていただいたことに感謝しています。」
 本アルバムでは前半に公演で歌われた6曲が収録されていますが、どの歌もみゆきさんらしい繊細で力強い言葉遣いとメロディーの美しさがとても印象に残ります。
 1曲目の「翼をあげて」は少し「銀の龍の背に乗って」に似た部分がありますが、サビの部分でグッと盛り上がるところが大好きです。
 2曲目の「こどもの宝」は子ども時代を振り返り今を見つめる内容の歌詞ですが、みゆきさんの優しい歌声とバイオリンソロの部分の美しい音色が印象に残ります。
 3曲目の「夜の色」は故郷に対する思いを歌っています。中村哲さんのアルト・サックスの音色が良いですね。
 4曲目の「掌」も2曲目同様に子ども時代を振り返り、今の自分の非力さに苦悩する心情を歌っています。
 5曲目の「愛が私に命ずること」は他者を労わり守ろうとする愛の大切さをみゆきさんらしい力強い言葉で表現した歌です。
 6曲目の「NOW」は前半のクライマックスとも言えるスケールの大きな歌です。男性コーラスから始まるので最初聞いた時はびっくりしましたが、みゆきさんの全身全霊を込めた歌い方は鳥肌が立ちます。

15  本アルバムの後半は昨年から今年の冬にかけて公演された『夜会VOL.15~夜物語~元祖・今晩屋』と今年の11月から東京で公演される『夜会VOL.16~夜物語~本家・今晩屋』で歌われる7曲が収録されています。

 夜会『今晩屋』は森鴎外の小説でも有名な「山椒大夫」をモチーフにしており、主人公である安寿と厨子王と母の来生での苦悩と魂の救済を描いていきます。今までの夜会の中では一番難解であり、ファンの間でも賛否両論ある作品です。

 私は今年2月の大阪公演を鑑賞したのですが、みゆきさんの力強い歌声とオーラに圧倒され、そして未練を残したまま輪廻転生する主人公たちの苦悩に胸が締め付けられ、クライマックスの魂の救済に鳥肌が立つほど感動しました。歌詞が難解な部分があり、一度聴いただけでは分からないところも多かったので今回のCD化はうれしい限りです。ただ、個人的に好きだった「有機体は過去を喰らう」、「十文字」、「紅蓮は目を醒ます」、「赦され河、渡れ」が収録されなかったのが残念です。前回か今回の公演がDVD化され、全曲聴けるようになると言いのですが・・。

 7曲目の「十二天」は仏教の護法神である「天」の諸尊12種を組み合わせたものを言います。東西南北と東北・東南・西北・西南の八方を護る諸天に、天・地・日・月にかかわる神を加えて十二天としています。東北は伊舎那天、東は 帝釈天、東南は 火天、南は 閻魔天、西南は 羅刹天、西は水天、西北は風天、北は毘沙門天、天は梵天、地は地天、 日は日天、月は月天となっています。
 夜会の中でも印象的だった十二天。本アルバムでもは2番でみゆきさんが十二天の名を讃えるかのごとく力強く歌い上げ、聴いていて魂が揺さぶられます。
 8曲目の「らいしょらいしょ」は前世・現世・来世の関係について日本の伝統的な手まり歌にあわせて歌った曲です。「前生から今生見れば来生」というフレーズがとても印象に残ります。
 9曲目の「暦売りの歌」は時間の流れの中で生きる人間の姿を暦に喩えて歌っています。軽快なメロディーで聴きやすい歌ですが、歌詞をじっくり読むと「今」とは何かについて考えさせられます。
 10曲目の「百九番目の除夜の鐘」は『今晩屋』のテーマ曲ともいえる歌です。百八の煩悩を大晦日の除夜の鐘で払い落として新しい年を迎えたいのに百九番目の除夜の鐘が鳴る。百九番目の煩悩とは何か?前世の未練を残し引きずった魂が、来世に行けず今生を彷徨う哀しみ、苦しみ。非情にインパクトの強い歌です。
 11曲目の「幽霊交差点」は簡単に過去から逃れることはできず、浮かばれない魂が今の自分を呼んでいることを歌っています。
 12曲目の「海に絵を描く」は前回の夜会ではコーラスの宮下文一さんが歌っていたのですがメロディーと歌詞が痺れるほど格好良かったので、本アルバムでみゆきさん本人が歌ってくれたのはうれしい限りです。サビの「海に絵を描く 絵の具は涙」の部分が何度聴いても良いですね。
 13曲目の「天鏡」は前回の夜会でもラストに本物の水の流れる舞台の上でみゆきさんが熱唱して鳥肌が立ったのを今でも覚えています。本アルバムでも最後を締めくくっていますが、人の愚かさや悲しみを壮大なスケールで歌っており、聴いていて心が浄化される名曲です。

 本アルバムはみゆきさんの力強く繊細な歌詞と歌声が十二分に堪能でき、舞台を見ていない人でも十分に聴き応えがあります。

1,翼をあげて
2,こどもの宝
3,夜の色
4,掌
5,愛が私に命ずること
6,NOW
7,十二天
8,らいしょらいしょ
9,暦売りの歌
10,百九番目の除夜の鐘
11,幽霊交差点
12,海に絵を描く
13,天鏡

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2009年10月29日 (木)

『愛だけを残せ』

Photo  中島みゆき2年ぶりのニューシングルが11月4日に発売されます。シングルのタイトルである「愛だけを残せ」は2009年11月14日に公開される松本清張原作『ゼロの焦点』の主題歌として書き下ろされた久しぶりの新曲です。またカップリングには2008年に久我陽子(YOKO)に提供した楽曲「闘りゃんせ」のセルフカバーが収録されています。

 発売発表以来、どんな感じの曲に仕上がっているのか、あれこれイメージしていました。そんな中、何と「iTunes Store」で1曲200円で先行発売されていることが発覚。CDも予約していたのですが、ファンとしては一刻も早く聴きたいもので、思わず購入してしまいました。

 歌を聴いた感想ですが、みゆきさんらしい力強いと歌詞と歌声に思わず鳥肌が立ちました。これは名曲です。系統的には『たかが愛』や『瞬きもせず』などの部類に入るかなと個人的に思いました。
 サビの部分の「やむにやまれぬ人生は綱渡りだ 選ぶつもりで、選ばされる手品だ」という歌詞はみゆきさんらしい巧みな表現だなあと思いました。

 ただ、この曲を聴いて一つだけ心配だったのは、映画の本編がみゆきさんのパワフルな主題歌に負けはしないかということ。これだけインパクトの強い主題歌に負けない本編であって欲しいです。

 カップリングの「闘りゃんせ」もみゆきさんの迫力のあるボーカルが強烈なインパクトを残します。YOKOの歌い方もかなり上手でしたが、みゆきさんのバージョンを聞いた後では物足りなさを感じてしまいます。
 それにしても童謡の「通りゃんせ」を「闘りゃんせ」と言い換えるなんて、みゆきさんらしいです。

 シングルCDの発売も間もなくですが、ぜひヒットして欲しいです。

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2009年9月10日 (木)

中島みゆきの新アルバム『DRAMA!』11月発売!

Drama   中島みゆき2年ぶりのオリジナルアルバムとなる『DRAMA!』が2009年11月18日に発売されることが発表されました。今回は吉川晃司主演で昨年公演されたミュージカル『SEMPO』の楽曲と『夜会VOL.15~夜物語~元祖・今晩屋』の楽曲が収録されています。
 まさか『SEMPO』の楽曲が収録されるとは思っていなかったので正直嬉しいです。
また、『夜会VOL.15~夜物語~元祖・今晩屋』は夜会の中でも難解なステージだったので、歌がじっくり聞けるのはありがたいです。   
  夜会15のクライマックスに歌われた「天鏡」はとても素晴らしい歌なので、手に入れたら何回も聞くと思います。
 今から11月の発売がとても楽しみです。
  なお、シングルアルバム『愛だけを残せ』も11月4日発売されることが発表されています。この歌は11月14日公開「ゼロの焦点」の主題歌となっているようで、一体どのような曲なのかこちらも楽しみです。

【収録曲】
1,翼をあげて
2,こどもの宝
3,夜の色
4,掌
5,愛が私に命ずること
6,NOW
7,十二天
8,らいしょらいしょ
9,暦売りの歌
10,百九番目の除夜の鐘
11,幽霊交差点
12,海に絵を描く
13,天鏡

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2009年8月24日 (月)

『短篇集』中島みゆきのアルバム紹介

中島みゆきのアルバム紹介No.8『短篇集』
Photo  今回紹介するアルバムは中島みゆき通算28作目のアルバム『短篇集』です。本アルバムはタイトルの通り、それぞれの歌が独立した世界観を描いており、どの歌から聴いても良い作りになっています。また、全曲通して聞くと、良質の短編小説集を読んだかのような充実感を得ることができます。

 1曲目の『地上の星』と11曲目の『ヘッドライト・テールライト』はNHKで放映されて大反響を呼んだドキュメンタリー番組『プロジェクトX』のオープニングテーマとエンディグテーマとして使用され、知っている方も多いかと思います。
 シングルカットもされ、中高年世代を中心にじわじわと人気を広げ、オリコンシングルチャートで初登場から130週をかけて1位を獲得。さらに139週目にはミリオンセラーを達成するという偉業を成し遂げました。
 「地上の星」はまるで不動明王のごとく力強く、「ヘッドライト・テールライト」は観音菩薩のように優しく、どんな困難があっても乗り越え生きていく者たちにエールを送ってくれます。

 2曲目の『帰省』は由紀さおり&安田祥子に提供した楽曲のセルフカヴァーです。日本人の盆と正月の帰省をテーマにしており、8月と1月になると聴きたくなる名曲です。私も故郷から離れて生活しているので、この曲を聴くといつも胸がジーンとします。

 3曲目の『夢の通り道を僕は歩いている』は夢に向かって歩んできた人に向けた応援ソングです。軽快な曲とみゆきさんの柔らかな歌声が聞いていて心地よいです。

 4曲目の『後悔』は叶わなかった恋に対する女性の後悔を綴った歌で、これぞみゆきさんという歌詞と後半のみゆきさんの絶唱が印象に残ります。
 続く5曲目の『MERRY-GO-ROUND』も叶わぬ恋をメリーゴラーンドに喩えて歌っています。

 6曲目の『天使の階段』と9曲目の『粉雪は忘れ薬 』は夜会11&12『ウィンターガーデン』のために作られた歌です。『天使の階段』は天空から地上に光が降り注ぐ荘厳な情景が聴いていて思い浮かんできます。『粉雪は忘れ薬』は忘れたくても忘れられない記憶を抱えた人たちの心情と願いを情感たっぷりに歌っています。

 7曲目の『過ぎゆく夏』は吉田拓郎風のフォークロックで、ひと夏の恋を軽快に歌っています。

 8曲目の『結婚』は本アルバム一番の異色作であり、子どもたちのやり取りから結婚についてコミカルに語る歌です。2分弱の短い歌ですが、聴いたあとクスッと笑って結婚とは何かについて考えさせられます。

 10曲目の『Tell Me,Sister 』は個人的に一番本アルバムで好きな歌です。劣等感を持つ主人公の女性の前に現われる完璧な女性。その女性は全てを兼ね備えているにもかかわらず、いやそれ故にこの世の中に達観していて、主人公に「そのままでいいのに」と伝える。そして時が経ち、完璧な女性が亡くなったことを知る主人公。「人生に必要なものは何か?」、そして、「何が幸せなのか」を聴く者に問いかけてくる歌です。
 あと、私はこの歌を聞くときに「Sister」とは一体誰を指しているのかいつも考えてしまいます。妹なのか、それとも教会のシスターなのか、はたまた友人なのか。聴いたことある皆さんはどう思われますか?

 本アルバムはみゆきさんのアルバムでも大変聞きやすく、初心者の人にもお奨めのアルバムです。みゆきさんが綴った11の短篇集はさらりとしていながら大変味わい深いですよ。

1. 地上の星    
2. 帰省    
3. 夢の通り道を僕は歩いている    
4. 後悔    
5. MERRY-GO-ROUND    
6. 天使の階段    
7. 過ぎゆく夏    
8. 結婚    
9. 粉雪は忘れ薬    
10. Tell Me,Sister    
11. ヘッドライト・テールライト

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2009年8月14日 (金)

『心守歌』中島みゆきのアルバム紹介 

中島みゆきのアルバム紹介No.7『心守歌』 
Photo   今回紹介するアルバムは中島みゆき通算29作目のアルバム『心守歌』です。本アルバムはシングル曲が全く収録されておらず、夜会『ウィンターガーデン』で発表された2曲を除いて、全てオリジナルです。

 1曲目の「囁く雨 」は雨の音のSEが最初30秒以上続きます。そして、いきなり飛び込んでくるみゆきさんの迫力のある歌声に心が鷲づかみにされます。激しい雨の振る中で、彼氏が別れ話しの途中で泣き出し困惑する彼女。以前のみゆきさんなら女性が泣く歌詞になるところを、今回は敢えて男性が泣く設定にしたところが印象的でした。

 2曲目の「相席」は酸いも甘いも知った大人の恋愛をジャジーな感じに歌っており、心地よい歌声とメロディーに酔いしれます。

 3曲目の「樹高千丈 落葉帰根 」は恋愛の歌から一転、人の故郷や母への憧れについて歌っています。歌のタイトルの「樹高千丈 落葉帰根 」は中国の諺から引用されており、「たとえ樹木がどんなに高くなっても、落ちた葉はいずれ根元に帰る」という意味があります。親元を離れ遠い地で過ごす心細さや孤独、そして懐かしく思う生まれ故郷と母の懐。みゆきさんは優しい歌声で故郷を離れた者たちの心情を歌い上げます。
 歌の後半の「木の根はゆりかごになって抱きとめる」というフレーズはみゆきさんの母性愛に自然と涙が溢れてきます。

 4曲目の「あのバスに」はロック調の曲で、せきたてられるように未来に向かって飛び出した過去を振り返る歌になっています。

 5曲目の「心守歌 」は今回のアルバムのタイトルにもなっています。みゆきさんらしい独特の言い回しが印象に残る歌です。自分が歩んできた過去を振り返り、愛してきた人々たちの平安を祈る歌詞に心が癒され励まされます。

 6曲目の「六花」は夜会『ウィンターガーデン』のために作られた曲です。果てしない空と大地の間で生きるものたちの罪やけがれの浄化を祈る歌詞は聴く者の心をも浄化します。

 7曲目の「カーニヴァルだったね 」は吉田拓郎調の曲です。今までの愚かで無様な生き方に後悔しながらも、しぶとく生きる人を力強く歌っています。

 8曲目の「ツンドラ・バード」は夜会『ウィンターガーデン』のために作られた曲です。この曲の歌詞は難解で、みゆきさんが大地の全てを見抜くオジロワシに何の意味をこめたのか考えてしまいます。

 9曲目の「夜行」は個人的に本アルバムで一番好きな曲です。夜の世界で傷つきながらも心優しく生きる人々にスポットライトを当てた曲であり、みゆきさんの力強い歌声が聞く者の心にある偏見を打ち砕き、不器用な人間たちの背中を力強く押してくれます。

 10曲目の「月迎え」は何とも幻想的で不思議な曲です。しかし、聞いているとなぜか心がときほぐれて落ち着きます。

 11曲目の『LOVERS ONLY 』はみゆきさんとしては珍しいクリスマスソングです。しかし、そこはみゆきさん。甘いクリスマスソングではなく、失恋した女性のほろ苦いクリスマスソングです。

 今回のアルバムはみゆきさんの様々な歌声が聞けますし、歌詞も聴く人や聴く時によって、様々なイメージができる奥行きがあり、何回聞いても飽きることがありません。言葉の使い方もみゆきさんらしく洗練されており、聴いていて自然と言葉が胸に染み渡っていきます。
 派手な曲はありませんが、みゆきさんの近年のアルバムでは完成度の高いアルバムです。

1. 囁く雨    
2. 相席    
3. 樹高千丈 落葉帰根    
4. あのバスに    
5. 心守歌    
6. 六花    
7. カーニヴァルだったね    
8. ツンドラ・バード    
9. 夜行    
10. 月迎え    
11. LOVERS ONLY

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2009年8月 1日 (土)

『久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~』

Photo  昨年に『崖の上のポニョ』の公開を記念して、8月に2日間で合計3回にわたって日本武道館にて公演された『久石譲 in 武道館 ~宮崎アニメと共に歩んだ25年間~』。
 『風の谷のナウシカ』から『崖の上のポニョ』まで久石譲が手がけてきた宮崎駿作品の音楽を武道館で演奏するという宮崎&久石ファンには夢のような企画で、チケットもすぐに完売したほどです。
 私も武道館のコンサートに喉から手が出るほど行きたかったにも関わらず都合上断念。以前NHKでやっていた番組を録画して何度も見たものでした。
 そして今回『崖の上のポニョ』のDVD発売に合わせて、コンサートの様子が完全収録されたDVD(NHKの放送では『MADNESS』が未収録でした。)が発売されるということで私も『ポニョ』とあわせて手に入れ、自宅で鑑賞しました。

  200名の大オーケストラに800人の大合唱団、そして160人のマーチングバンドと総勢1160人もの超大規模編成による演奏は圧巻で見ていて鳥肌が立ったものでした。また、同時に何度見ても武道館に行けなかったことが悔やまれます。
 今回のコンサートでは作品ごとに様々な趣向を凝らしており、見ていて楽しく感動的で、2時間飽きることがありません。
 オープニングは2人が始めてコンビを組んだ『風の谷のナウシカ』が演奏されるのですが、壮大なオケの響きと美しいメロディーにいきなり心が鷲づかみにされます。
 続いて演奏される『もののけ姫』ではコーラスも加わった「アシタカせっき」の壮大な音楽に鳥肌が立ちまくり完全ノックアウトです。
 重量級の作品に続いて演奏されたのが『魔女の宅急便』。本作品の曲は明るく軽快で聴いていて心地よいです。特に印象的だったのがバイオリンソロの美しさが際立った「傷心のキキ」と「かあさんのホウキ」です。
 『崖の上のポニョ』では大橋のぞみちゃんが歌う「崖の上のポニョ」を始め、ボーカル曲が4曲披露されます。林正子さんが歌う「海のおかあさん」は最後の「覚えていますか、兄弟たちを~」の高い歌声に圧倒されました。また、久石さんの娘さんである麻衣さんが歌う「ひまわりの家の輪舞曲」は個人的にイメージアルバムが発売された時から大好きな歌だったので聴けてうれしかったです。
 『天空の城ラピュタ』は地元の中高生160人のマーチングバンドによって演奏されるのですが、凄い迫力です。個人的に『ラピュタ』の曲が一番好きなので、聞いていて胸が熱くなりました。
 『紅の豚』は久石さんのピアノとホーンとのアンサンブルでの演奏。ジャズ調にアレンジされており、『ラピュタ』から一転して大人のムードが漂います。
 『ハウルの動く城』は組曲で演奏されます。映画でもクライマックスに流れて印象的だったトランペットを中心にすえた名曲「Cave of Mind」。本コンサートではトランペットとトロンボーンを中心にすえ演奏しており、美しい音色が耳に残ります。
 『千と千尋の神隠し』は平原綾香をゲストに迎えてボーカル曲が2曲披露されます。「いのちの名前」は映画ではピアノソロで何度も演奏されるメインテーマに歌詞を付けたものですが、平原さんの情感溢れる歌声が素敵でした。「ふたたび」は映画のクライマックスで流れる曲で今回のコンサートのために新たに歌詞を付けています。
 そしてコンサートの最後を飾るのは誰もが知っている『となりのトトロ』。個人的に「風の通り道」が大好きだったので、本コンサートでは少ししか演奏されなかったのが残念でした。もっと聞かせて欲しかったです。「さんぽ」、「となりのトトロ」はもはや誰もが知っている歌であり、会場が大いに盛り上がっているのが見ていても伝わってきます。
 アンコールは久石さんのコンサートでは毎回欠かせない「MADNESS」と『もののけ姫』のラストに流れる美しいピアノ音色が印象的な「アシタカとサン」が演奏されます。「アシタカとサン」は久石さんの数ある曲の中でも1、2位を争う美しいメロディーだと思うので、今回の最後がこの曲で締められるのはうれしい限りです。

 私はDVDを見るたびに、生で見られなかったことを後悔しつつ、宮崎さんと久石さんが生み出した名作と名曲の数々に感動させられます。
 本DVDは宮崎ファン及び久石ファンにはたまりません。

収録曲
    *  【風の谷のナウシカ】
          1.オープニング「風の伝説」
          2.レクイエム~メーヴェとコルベットの戦い
          3. 遠い日々
          4. 鳥の人
    * 【もののけ姫】
          5. アシタカせっき
          6. タタリ神
          7. もののけ姫
    * 【魔女の宅急便】
          8. 海の見える街
          9. 傷心のキキ
          10. かあさんのホウキ
    * 【崖の上のポニョ】
          11.深海牧場~海のおかあさん
          12. 波の魚のポニョ~フジモトのテーマ
          13. ひまわりの家の輪舞曲
          14. 母の愛~いもうと達の活躍~母と海の讃歌
          15. 崖の上のポニョ
    * 【天空の城ラピュタ】
          16. ハトと少年
          17. 君をのせて
          18. 大樹
    * 【紅の豚】
          19. 帰らざる日々
    * 【ハウルの動く城】
          20. Symphonic Variation“Merry-go-round”~Cave of Mind
    * 【千と千尋の神隠し】
          21. あの夏へvocal version「いのちの名前」
          22. ふたたび
    * 【となりのトトロ】
          23.風のとおり道
          24. さんぽ
          25. となりのトトロ
    * 【アンコール】
          26.MADNESS
          27.アシタカとサン

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2009年5月25日 (月)

『恐山/銅之剣舞』

お気に入りのCD NO.26『恐山/銅之剣舞』 芸能山城組
Photo_2  今回紹介するCDはアニメ映画『AKIRA』の音楽を担当した芸能山城組が初めて発表したアルバム『恐山/銅之剣舞』です。日本の伝統音楽、アジアの民族音楽、そしてロック音楽を融合したジャンルを超越した作品であり、その強烈なインパクトは一度聞いたら忘れられません。
 芸能山城組は1974年に 山城祥二氏が主宰したアマチュアの音楽集団で、民族音楽からクラシックまで幅広い音楽を独自の解釈でパフォーマンスすることで有名です。
 本作品は2曲収録されています。
 1曲目の「恐山」は青森県の恐山で活躍するイタコの口寄せを題材に、合唱パフォーマンスとロック音楽を融合した作品です。いきなり女性の叫び声から始まるので驚くかもしれませんが、生々しく迫力のある声は不気味でありながら、惹きつけられるところがあり、聞いていて心が激しく揺さぶられます。
 2曲目の「銅之剣舞」は山城氏が創作した神話をバリ島のケチャと日本の古典芸能で表現した作品です。こちらも男性の迫力ある声が印象的で、聞いていて独特な高揚感があります。

 万人受けする作品ではありませんが、人間の声の持つ力を体感することが出来るアルバムです。

 

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2009年3月23日 (月)

『おとぎばなし』中島みゆきのアルバム紹介 

中島みゆきのアルバム紹介No.6『おとぎばなし』 
Photo  今回紹介するアルバムは中島みゆきが2002年に発表した通算30作目のオリジナル・アルバム『おとぎばなし』です。今回は「夜会」で発表された曲や、他のアーティストに提供した曲を集めた、セルフカヴァー・アルバムです。
 
 1曲目「陽紡ぎ唄」は夜会VOL.11&12「ウィンター・ガーデン」のために書き下ろされた歌です。時計の振り子の音から始まる歌ですが、おとぎばなしのような不思議な歌詞が印象に残ります。
 
 2曲目「シャングリラ」は夜会VOL.6「シャングリラ」のために書き下ろされた歌です。二胡の懐かしい音色とみゆきさんの歌声がとてもマッチしています。
 
 3曲目「おとぎばなし」は1988年に薬師丸ひろ子に提供した歌です。叶わぬ恋に対する女性の心情をみゆきさんらしい歌詞で見事に綴っています。
 
 4曲目「雪・月・花 」は1998年に工藤静香に提供した歌です。工藤静香の甘い歌い方と違って、みゆきさんの歌い方は切なさが前面に出ています。
 
 5曲目「匂いガラス~安寿子の靴」は1984年にNHKドラマとして制作された「匂いガラス」、「安寿子の靴」の主題歌です。歌詞は唐十郎さんが手がけていると言うこともあり、独特な言い回しが味わい深いです。。
 
 6曲目「あの人に似ている」は高倉健&裕木奈江のためにみゆきさんとさだまさしが共同で作詞・作曲を手がけた異色のデュエットソングです。本アルバムでは何とさだまさしを共演に迎えてデュエットしています。このコンビがデュエットするなんて二度とないと思います。そういう意味で本アルバム一番の目玉です。二人の声が交錯する形で歌われていくのですが、何を歌っているか少し聞き取りにくかったのが残念です。
 
 7曲目「みにくいあひるの子」は1978年に研ナオコに提供した歌です。好きな男に相手にされない女のつらい思いをラテン調にアレンジされた曲で一気に歌い上げています。
 
 8曲目「愛される花 愛されぬ花」は1986年に三田寛子に提供した歌です。これも好きな男に相手にされない女の心情をしっとりと歌い上げています。
 
 9曲目「裸爪(はだし)のライオン」は再び工藤静香に提供した歌です。作曲は後藤次利が手がけており、力強い歌声とポップなメロディーが印象的です。
 
 10曲目「紫の桜」は夜会VOL.10「海嘯」のために書き下ろされた歌です。夜会では迫力満点のうなり声で観る者を圧倒しましたが、本アルバムでは歌い方を180度変えています。優しく包容力のある歌い方は聞いていて心洗われます。
 
 11曲目「海よ」はデビューアルバム『私の声が聞こえますか』に収録されていた歌です。私は発売当時にこの歌を聞いて、2001年にハワイ沖で愛媛県立宇和島水産高等学校の練習船「えひめ丸」が浮上してきたアメリカ海軍の原子力潜水艦「グリーンビル」に衝突され沈没した事件が頭をよぎりました。みゆきさんがそれを意図して、本作品に収録したのか分かりませんが、私はこの歌をきくとえひめ丸の事件が思い出されてしまいます。

 今回のアルバムはタイトルの通り、静かで優しい感じの歌が多いです。 みゆきさんの力強い歌声が好きな人には物足りないかもしれませんが、聞けば聞くほど心に染み入る味わい深いアルバムです。    

1. 陽紡ぎ唄 
2. シャングリラ   
3. おとぎばなし   
4. 雪・月・花    
5. 匂いガラス 安寿子の靴   
6. あの人に似ている    
7. みにくいあひるの子   
8. 愛される花 愛されぬ花   
9. 裸爪(はだし)のライオン   
10. 紫の桜 
11. 海よ 

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2009年2月24日 (火)

『Another Piano Stories ~The End of the World~』

 お気に入りのCD NO.25 『Another Piano Stories ~The End of the World~』
Another_piano_stories  約3年ぶりとなる久石譲のソロアルバム「Another Piano Stories ~The End of the World~」。今回のアルバムはボーナストラックを含めると14曲収録されており、久石さんが最近手がけた映画やCMの曲、そして本アルバムのために書き下ろされた新曲を聴くことができます。演奏は久石さんのピアノ、12名のチェリスト、ハープ、コントラバス、マリンバ、パーカッションのアンサンブルとなっています。

 1曲目の『Woman』は「レリアン」のCMテーマ曲で、聞いていて街を颯爽と歩く女性が思い浮かんできます。
 2曲目の『Love Theme of Taewangsashingi』はぺ・ヨンジュンが主演して話題となった韓国大河ドラマ「太王四神記」でスジニのテーマとして書き下ろされた曲です。主人公を愛するスジニの思いを切ない音楽で見事に表現しています。
 3曲目『Les Aventuriers』はアラン・ドロン主演の映画「冒険者たち」にインスパイアされた曲です。5拍子のメロディーが何とも言えないスリリングな印象を与えています。
 4曲目~6曲目は今年アカデミー賞で外国映画賞を受賞した『おくりびと』のサントラを14分の組曲にしたものです。サントラ同様にチェロの力強く優しい音色で奏でられる美しい久石メロディーが印象に残る名曲です。
 7曲目『Ponyo on the Cliff by the Sea』は昨年大ヒットした宮崎アニメ『崖の上のポニョ』の主題歌を軽快かつ可愛くアレンジした曲です。
 8曲目『Destiny of Us 』は昨年に赤坂ACTシアターの杮落とし公演として宮本亜門演出でプッチーニの遺作を現代の視点で甦らせたオリジナル・ミュージカル「祝祭音楽劇トゥーランドット」のために書き下ろされた曲です。
 9曲目~12曲目は本アルバムのための新曲で、9.11テロ以降の不安と混沌に満ちた世界を描いています。9曲目~11曲目はミニマル色の強い曲となっています。12曲目はジュリー・ロンドンの歌った「The End of the World」に感銘を受けた久石さん自らカバーして歌っています。
 13曲目には昨年にSMAPの中居君主演で公開され話題となった『私は貝になりたい』のメインテーマをピアノソロにアレンジして、久石さん自ら演奏しています。
 14曲目『I will be』は日産スカイラインのテーマ曲で、娘である麻衣さんが作詞とボーカルを担当しています。収録されている他の曲とは系統が違いますが、麻衣さんの透き通る歌声と心地よいリズムと美しいメロディーが大変印象的です。

 本作品は久石さんが生み出す美しいメロディーと心地よいアレンジがじっくりと堪能できます。久石ファンはもちろんのこと、そうでない方も何回聞いても飽きることない仕上がりとなっています。
 また初回限定版にはレコーディング風景が収録されたDVDも特典で付いており、久石さんや演奏家たちがいかに演奏しているのかを見ることができますよ。

1. Woman
2. Love Theme of Taewangsashingi
3. Les Aventuriers

Departures
4. Prologue~Theme
5. Prayer
6. Theme of Departures

7. Ponyo on the Cliff by the Sea
8. Destiny of Us (from Musical Turandot)

The End of the World
9. I. Collapse
10. II. Grace of the St. Paul
11. III. Beyond the World
12. IV. The End of the World

bonus track
13. I'd rather be a Shellfish
14. I will be

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2009年2月 4日 (水)

夜会VOL.15『~夜物語~「元祖・今晩屋」』に行ってきました!

Photo_2   中島みゆきのライフワークともいえるステージ「夜会」。その15回目の公演となる~夜物語~「元祖・今晩屋」の大阪公演に昨日行ってきました!
 今回の夜会に関してみゆきさんは「和の要素を盛り込みながらの不思議ワールド」と製作発表の際にコメントしており、どんな舞台になるのか非常に楽しみでした。
 また公演前に「今回は森鴎外の『山椒大夫』をモチーフにしている」とみゆきさんが言っていたので、事前に『山椒大夫』を読んで、今回の公演に向かいました。

 今回の夜会にあわせて、シアターBRAVA!の隣のホテルニューオータニ大阪でも期間限定オリジナルカクテルの販売やロビーにてパネル展示およびピアノ演奏をしていたので、公演前にちょっと寄りました。19階のスカイラウンジで夜会オリジナルカクテル「夜海」と「誓夜」を頂きました。

 シアターBRAVA!に行くのは初めてでしたが、思った以上にこじんまりとした会場でした。前回の夜会のときは青山劇場に見に行きましたが、シアターBRAVA!の方が劇場としては良い雰囲気でした。
 ホールには今までの夜会のポスターが貼ってあったり、前回の夜会のセットの模型等が置いてありました。
 グッズはパンフレット以外に、カステラ、ちりめん風呂敷、ステッカー、クリアファイル等売っていました。個人的にパンフレット以外に今回特に欲しいと思うグッズはなかったので購入は見送りましたが・・・。

 また、前回の青山劇場の時には販売されていなかった夜会カクテルも置いてあり、私も「海」というカクテルをいただきました。

 今回、私の座席は左側前から3列目でした。前回も最前列の真ん中と良い席だったのですが、今回も手を延ばせばみゆきさんに届きそうな良い席でした。(ただ、舞台の全体像は見えにくい席ではありしたが・・・。)

 さて、開演時間の20時。除夜の鐘がなり、ついに~夜物語~「元祖・今晩屋」の物語が始まりました。
 1幕目は縁切り寺を舞台に話が進むのですが、大掛かりな舞台装置にまず圧倒されました。特に舞台の両端に本当に水が流れている滝があったのにはびっくりしました。
 物語は歌で進行していく形式となっており、台詞はあまりありません。また和を意識しているだけあって、台詞・歌詞ともに七・五調となっています。
 1幕目に出てくる登場人物は、中島みゆき演じる「暦売り」、香坂千晶演じる「縁切り寺の庵主」、コビヤマ洋一演じる「元・画家のホームレス」、土居美佐子演じる「脱走した禿」と4人だけです。話しは時にコミカルに、時に幻想的に進んでいきます。
 途中に紙風船が転がってくるシーンがあるのですが、まるで意志をもっているかのように次々と転がってくるところが印象的でした。
 また1幕目のクライマックスとなる縁切り寺の炎上は、スモークと照明を駆使して、本当に燃えているかのような迫力満点のシーンとなっていました。

 2幕目の前半は水族館の水槽の底にあるポンプ室かと思われる場所で話が進みます。舞台上にピンク色のデフォルメされた魚たちが吊るされているのが幻想的で印象的でした。1幕目以上に台詞は少なく歌で物語がテンポよく進んでいきます。
 2幕目前半に出てくる登場人物は、中島みゆき演じる「暦売り」、香坂千晶演じる「水族館の飼育員」、コビヤマ洋一演じる「左官」、土居美佐子演じる「脱走した花嫁」の4人です。前半に続いてコミカルかつ摩訶不思議な展開が続きます。
 
 2幕目の後半は船を舞台に話しが進むのですが、中島みゆき演じる「母」の熱唱に鳥肌が立ちました。
 また、クライマックスでは舞台の床一面に大量の水が流れるのですが、その大掛かりな仕掛けにびっくりしました。かなり大胆な演出です。

 私は今回で4回目の夜会観劇になりますが、個人的には今までの夜会の中で一番胸打たれる作品でした。
 ストーリーに関しては難解というか、森鴎外の『山椒大夫』を読んでいないとチンプンカンプン分からないと思います。(そういう面では少し不親切な作りと言えるかもしれません。)しかし、『山椒大夫』を読んで鑑賞すると、ラストは涙なしでは見られないほど感動的なステージです。

 歌は全て新曲で構成されていますが、難解な言葉が数多く使われているので正直1回聞いただけでは、どんな歌詞でどのようなことを歌っているのか全て把握するのは困難です。ただ、みゆきさんの圧倒的な歌唱力で何となく言わんとしていることは伝わってきます。今回の夜会のDVDやCDが発売されるのかどうか現時点で発表されていませんが、もし発売されたら今回発表された歌の数々をじっくりと味わいたいものです。
 
 今回の夜会のテーマは魂の輪廻転生と過去の罪(カルマ)や未練からの解放だと思いました。クライマックスで登場人物が白装束で船に乗り込み川を渡るシーンでの主人公たちが許し許され成仏していく姿には、見ていて自然と涙があふれてきました。
 そういう意味では前回の夜会に続いて、今回も仏教的なテーマを全面に押し出した作品となっています。歌詞の節々にも仏教や神道で使われる言葉が数多く散りばめれれていますし、みゆきさん自身もパンフレットのあとがきに「今生で成した事は全部、次の生へとつらなってゆくのかもしれない」と書いていますし・・・。

 また、今回の夜会ではみゆきさんがカーテンコールで挨拶をしてくれるというサービスがあり、「これからもできる限り夜会を続け、大阪でも公演したい。良き夜をお持ち帰りください。」というような挨拶をされました。

 夜会のチケットはS席2万円と高いですが、見終わったらそれでも安いと思えるくらい満足できる内容でしたし、チャンスがあれば再度見たいと思ったほどでした。夜会は回を重ねるごとにパワーアップしているような気がします。今回の作品は万人受けという意味では微妙かもしれませんが、みゆきさんの更なる言葉での表現追求の意欲を感じられました。次回の夜会がいつ公演されるのか分かりませんが次回もぜひ足を運んで生で見たいと思いました!

・シアターBRAVA!
・2月3日公演
・開演時間20:00
・終演時間22:20
 *途中休憩20分含む

・曲目リスト
<第一幕>      
第1場 縁切り寺
  1 十二天
    2 暦売りの歌
    3 百九番目の除夜の鐘
    4 夜をくだされ
    5 海に絵を描く
    6 旅支度なされませ
    7 私の罪は水の底
    8 逃げよ、少年
    9 百九番目の除夜の鐘
    10 愚かな禿
    11 らいしょらいしょ
    12 ちゃらちゃら
    13 憂き世ばなれ
    14 夜いらんかいね
    15 百九番目の除夜の鐘
    16 旅支度なされませ
    17 らいしょらいしょ
    18 都の灯り
<第二幕>      
第1場 水族館
  19 暦売りの歌
    20 幽霊交差点
    21 旅支度なされませ
    22 百九番目の除夜の鐘
    23 安らけき寿を捨て
    24 夜をくだされ
    25 有機体は過去を喰らう
    26 私の罪は水の底
    27 有機体は過去を喰らう
    28 らいしょらいしょ
    29 百九番目の除夜の鐘
    30 十文字
    31 ほうやれほ
    32 十二天
    33 紅蓮は目を醒ます
第2場 船
  34 赦され河、渡れ
第3場 今晩屋
   35 夜いらんかいね
    36 天鏡
 

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