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2010年10月17日 - 2010年10月23日

『ホーホケキョ となりの山田くん』映画鑑賞日記

Photo_2  いしいひさいちの四コマ漫画作品を20億円の制作費をかけて高畑勲監督が映画化した本作品。スタジオジブリとしては初のセル画制作アニメを用いないフルデジタル処理で制作されています。高畑監督は水彩画のような手描き調の画面にこだわり、通常のアニメ映画の約3倍17万枚もの作画を行っています。(ジブリ作品の中で一番の作画枚数だそうです。)

 私は公開と同時に劇場に足を運んで鑑賞したのですが、水彩画のような映像のクオリティは流石ジブリと思いましたが、ストーリーが起伏がなく淡々としており映画として1時間40分見るには辛かったです。
 一般庶民の何気ない日常生活を哀愁と笑いを交えて描いている点は悪くはないのですが、わざわざ映画館で見る必要が感じられず、『サザエさん』のようにテレビで毎週放映した方が楽しく見れるのではと思いました。

 ただ、矢野顕子の音楽はとても素晴らしく、聞いていて心が落ち着きます。

製作国    日本
上映時間 104分
製作年度 1999年
監督:高畑勲   
絵コンテ:田辺修、百瀬義行   
原作:いしいひさいち   
脚本:高畑勲   
作画監督:小西賢一   
音楽:矢野顕子   
声の出演:
    朝丘雪路   
    益岡徹   
    荒木雅子   
    五十畑迅人   
    宇野なおみ   
    矢野顕子

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『おもひでぽろぽろ』映画鑑賞日記

Photo  岡本螢と刀根夕子による同名原作コミックを高畑勲監督がアニメ化した本作品。原作は小学生時代のエピソードのみですが、高畑監督はそこに27歳の主人公が田舎の農村を訪ねるエピソードを独自に追加。現代から過去を回想する形で物語が展開します。

 私は本作品を中学校時代に初めて見たのですが、淡々とした展開が退屈で途中睡魔に襲われたほどでした。
 映像はジブリだけあって現代のパートは実写かと思えるほど緻密で素晴らしいのですが、主人公たちの顔の皺はやり過ぎで違和感がありました。
 また、高畑監督の田舎や有機農業を礼賛するメッセージも田舎育ちの私には都会から見た理想にしか見えず共感できませんでした。
 ただ、ベット・ミドラーの名曲「The Rose」を都はるみが歌った主題歌「愛は花、君はその種子」はとても素晴らしく、それを聞きたいがためにサントラを買ったほどでした。

 最近久しぶりに本作品をふと見返したのですが、中学校の時の比べると興味深く見ることができました。

 私は本作品を昔を懐かしむことが主題の映画だとずっと思っていました。しかし、改めて見ると、自分の過去と今の自分の繋がりを自覚することで主人公が成長する姿を描いた映画であることに気づきました。
 ラストシーンで主人公が結婚を決めて引き返すシーンは本作品のいわばクライマックスでありますが、小さい頃の自分や友だちが未来に向かう主人公を見送る姿は過去との繋がりや和解を見事に表現しています。
 過去のエピソードは時代は違うとは言え、どれも自分も経験したことがあるようなエピソードが多く共感できます。個人的には分数の割り算のエピソードが一番共感できました。
 本作品は子どもの時の見るより、社会人になってから見た方がいろいろ感じることが多い作品です。

 ただ、何度見ても登場人物の顔の皺と高畑監督の田舎賛美には共感できませんでした。

上映時間 118分
製作国    日本
製作年度 1991年
監督:    高畑勲   
原作:    岡本螢   
    刀根夕子   
脚本:    高畑勲   
作画監督:近藤喜文   
    近藤勝也   
    佐藤好春   
特殊効果:谷藤薫児   
美術監督:男鹿和雄   
撮影監督:白石久男   
編集:    瀬山武司   
    金子尚樹   
    木田伴子   
    毛利安孝   
音楽:    星勝   
場面設計・絵コンテ:百瀬義行   
声の出演:今井美樹   
    柳葉敏郎   
    本名陽子   
    寺田路恵   
    伊藤正博   
    北川智絵   
    山下容里枝   
    三野輪有紀   
    飯塚雅弓   
    押谷芽衣   
    小峰めぐみ   
    滝沢幸代   
    石川匡
    増田裕生   
    佐藤広純

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『十三人の刺客』(1963年版)この映画を見て!

第306回『十三人の刺客』(1963年版)
1963  今回紹介する作品は三池崇史監督によってリメイクされ現在公開中の『十三人の刺客』のオリジナル版です。
 東映の時代劇に集団抗争時代劇というジャンルを確立させた作品であり、それまでの勧善懲悪の時代劇から脱却してリアリズムを重視した作風となっています。

 私は三池監督のリメイク版を見た後にオリジナル版をDVDで見たのですが、役者の演技という点ではオリジナル版の方が圧倒的な勝ちでした。特に片岡千恵蔵の凛とした佇まいは見ていて惚れ惚れします。また、脇を固める嵐寛寿郎や月形龍之介もさすが当時の時代劇の大スターだけあって演技に貫禄があります。
 ただ、アクションシーンの派手さと悪役のインパクトという点ではリメイク版の方が個人的には勝っていたと思います。

 ストーリーは将軍の弟で明石藩主である暴君を抹殺するべく、十三人の刺客の宿場町で明石藩の侍たちと死闘を繰り広げるという単純明快なものです。
 映画の前半はアクションシーンはほとんどないにも関わらず、暴君の極悪非道さや敵味方の駆け引きが緊張感たっぷりに描かれており、見る者を画面に釘付けにします。
 そして、後半の30分以上続く、混沌とした戦闘シーン。敵味方それぞれ己の役目を果たそうとぶつかり合う姿は大変迫力があります。また、敵味方いつ斬られるか分からない恐怖の中で必死に戦いながらも倒れていく姿は見ていて爽快さよりも悲壮感が強いです。特に剣豪役の西村晃の無様な死に方は強烈なインパクトがありました。

 本作品は『七人の侍』と比較されがちですが、個人的にはサム・ペキンパー監督の『ワイルドバンチ』に近い印象を持ちました。己を信じて捨て身で戦う男たちのカッコ良さと空しさが非常に印象に残る作品です。 

上映時間 125分
製作国    日本
製作年度 1963年
監督:工藤栄一   
脚本:池上金男   
撮影:鈴木重平   
美術:井川徳道   
編集:宮本信太郎   
音楽:伊福部昭   
出演:片岡千恵蔵   
   里見浩太郎   
   内田良平
   西村晃   
   丹波哲郎   
   嵐寛寿郎   
   月形龍之介   
   丘さとみ   
   三島ゆり子   
   藤純子   
   河原崎長一郎   
   水島道太郎   
   加賀邦男   
   沢村精四郎   
   阿部九州男   
   山城新伍   
   原田甲子郎   
   春日俊二   
   明石潮   
   片岡栄二郎   
   北龍二   
   香川良介   
   菅貫太郎   
   和崎俊哉   
   水野浩   
   小田部通麿   
   堀正夫   
   高松錦之助   
   汐路章   

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