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2010年1月3日 - 2010年1月9日

『カサンドラ・クロス』この映画を見て!

第280回『カサンドラ・クロス』
Photo_2  今回紹介する作品は列車を舞台にした細菌アクション・パニック映画の傑作『カサンドラ・クロス』です。本作品はヨーロッパで制作されており、ハリウッドのパニック映画とは一味違う仕上がりとなっています。
 出演者はハリウッド映画に比べて地味ながらも有名な俳優が多数顔をそろえています。主役にリチャード・ハリス、バート・ランカスター、ソフィア・ローレンが起用され、エヴァ・ガードナー、アリダ・ヴァリ、リー・ストラスバーグと名立たる俳優が脇を固めています。

ストーリー:「ヨーロッパの大陸横断鉄道にありか軍が極秘に開発していた細菌に感染したテロリストが乗り込み、乗客が次々に感染。アメリカ軍は感染防止と秘密を守るために列車ごと老朽化した橋から転落させ葬り去ろうと計画する。アメリカ軍の計画を知った乗客たちは何とか阻止しようと奮闘するが・・・。」

 私が本作品を見たのは小さいときにテレビ放映された時でしたが、列車の中で乗客が徐々に感染していく展開が子どもながらにリアルで怖かったのを今でも覚えています。また、感染防護服を着用した兵士たちが列車に乗り込むシーンやカサンドラ・クロスでの衝撃的なラストシーンも強烈で大変印象に残ったものでした。
 最近久しぶりにDVDで本作品を見直してみると、映像のチープさストーリーの粗が多少気にはなりましたが、最後まで飽きることなく手に汗握ってみることが出来ました。
 前半は乗客の人間ドラマがまったりと描かれていくので、最近のハリウッド製作のアクション映画を見慣れた人には物足りないかもしれません。しかし、後半の軍が出動して列車を封鎖してポーランドの収容所に送り込もうとするシーンから本作品の緊迫感は一気に上がります。
 特に駅で白い防護服に身を包みマシンガンを持った兵士たちが列車を取り囲み、列車の窓や扉を塞ぎ、逃げようとする乗客を撃つシーンは背筋がゾッとするほど異様で怖いです。

 ドラマとして印象的だったのは若い頃にポーランドの収容所に送り込まれ妻子を失った老ユダヤ人のエピソード。列車がポーランドの収容所に向かうことを知り、戻りたくないと苦悶する場面は胸迫るものがありました。

 あと、本作品を語る上で忘れてはいけないのがジェリー・ゴールドスミスの音楽。一度聞いたら忘れられないほど印象に残る壮大で美しいメロディーで、テレビでもよく使われています。

 本作品は映像的には一昔前で古くさいですが、緊迫感あるストーリー展開と衝撃的なラストシーンは大変見応えがあります。アクション映画好きな方はぜひご覧ください。

上映時間 128分
製作国    イタリア/イギリス/西ドイツ
制作年度 1976年
監督:    ジョルジ・パン・コスマトス   
製作:    カルロ・ポンティ   
    ルー・グレイド   
脚本:    ジョルジ・パン・コスマトス   
    ロバート・カッツ   
    トム・マンキウィッツ   
撮影:    エンニオ・グァルニエリ   
編集:    ロベルト・シルヴィ   
音楽:    ジェリー・ゴールドスミス   
出演:    リチャード・ハリス   
    バート・ランカスター   
    ソフィア・ローレン   
    エヴァ・ガードナー   
    マーティン・シーン   
    イングリッド・チューリン   
    ジョン・フィリップ・ロー   
    アン・ターケル   
    レイモンド・ラヴロック   
    アリダ・ヴァリ   
    O・J・シンプソン   
    ライオネル・スタンダー   
    リー・ストラスバーグ

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『激突』この映画を見て!

第279回『激突』
Photo  今回紹介する作品はスピルバーグの名を一躍有名にした『激突』です。本作品は元々テレビムービーだったのですが、あまりの完成度の高さに海外では劇場公開されました。

 平凡なサラリーマンが田舎道でタンクローリーを追い越したことから起こる恐怖を描いた本作品。乗用車が巨大なタンクローリーに襲われるだけのシンプルな話しにも関わらず、一瞬たりとも目が離せない完成度の高さ。低予算かつ2週間という短期間で撮影されたにも関わらず、これほど面白い作品を作れるとは、さすがスピルバーグ監督です。

 本作品の特長は最後までタンクローリーの男の姿を映さないことです。どんな男が主人公を追いかけているのか分からないだけに不気味ですし、緊張感があります。また、観客にもどういう男が運転しているのか想像させる余地があります。

 また、次第に追い詰めれらていく主人公の心理描写やタンクローリー自体がまるで巨大な猛獣であるかのように見せる迫力満点の描写に、若い頃のスピルバーグのサスペンス映画の監督としての才能の豊かさを感じることができます。
 特に追いかけられた主人公がカフェに立ち寄った際に他の客の中に運転手がいるのではと疑心暗鬼になるシーンは見ていてドキドキさせられます。

 ラストの主人公の決死の反撃も今までの執拗な襲撃の描写がある分カタルシスがあります。

 本作品はスピルバーグの作品の中では個人的に一番才能に溢れ面白いと思います。未見の方はぜひご覧ください。 

上映時間 89分
製作国    アメリカ
制作年度 1973年
監督:    スティーヴン・スピルバーグ   
原作:    リチャード・マシスン   
脚本:    リチャード・マシスン   
撮影:    ジャック・A・マータ   
美術:    ロバート・S・スミス   
編集:    フランク・モリス   
音楽:    ビリー・ゴールデンバーグ   
出演:    デニス・ウィーヴァー   
    キャリー・ロフティン   
    エディ・ファイアストーン   
    ルー・フリッゼル   
    ジャクリーン・スコット   
    アレクサンダー・ロックウッド

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