『東京ゴッドファーザーズ』この映画を見て!
第305回『東京ゴッドファーザーズ』
今回紹介する作品は先月惜しくも亡くなった今敏監督が現代の東京を舞台に描く奇跡の物語『東京ゴッドファーザーズ』です。声の出演に江守徹、梅垣義明、岡本綾が参加しています。
ストーリー:「元競輪選手のギンちゃん、元ドラッグ・クイーンのハナちゃん、家出少女のミユキの3人は、ホームレスとして新宿の公園でダンボールハウスにて共同生活をしていた。そんな彼らはクリスマスの夜にゴミ置き場の中からひとりの赤ん坊を見つける。ギンちゃんは警察に届けるべきだと主張するが、赤ん坊を欲しがっていたハナちゃんは、“清子”と勝手に命名して手放そうとしない。。ハナちゃんに押し切られる形で3人は自分たちで清子の親探しをすることにしたのだが・・・。」
本作品を始めてみた時、まるで実写かと思うほど描きこまれた東京の街並みにまず驚きました。そんなリアルな風景の中で繰り広げられる赤ん坊をめぐる物語はあまりにも出来すぎた偶然の連続です。普通ここまでご都合主義な展開が続くとうそ臭くて白けてしまいますが、本作品はキャラクターの魅力とテンポの良いシナリオと演出で最後まで飽きることなく楽しむことができます。
主人公の3人はそれぞれ辛い事情があって家族と別れてホームレスになっているのですが、そんな彼らが赤ん坊のために奔走する中で自分たちの人生を見つめなおしていきます。その展開はベタなのですが、なぜか感動してしまいます。
赤ん坊の両親を探す話しも終盤に思わぬ展開となり、主人公たちがアクション映画並みの活躍をするのですが、ラストに起こる本作品最大の奇跡はアニメだから表現ができる素晴らしい締めくくり方だったと思います。
あとオープニングのスタッフロールも東京の街並みに溶け込むよう工夫が凝らしてあって面白い試みだと思いました。
本作品はアニメ好きでない方でも十分楽しめる作品に仕上がっています。心温まる奇跡のストーリーを是非一度ご覧になってください。
上映時間 90分
製作国 日本
製作年度 2003年
監督:今敏
企画:丸山正雄
脚本:今敏、信本敬子
キャラクターデザイン:今敏、小西賢一
作画監督:小西賢一
美術監督:池信孝
色彩設計:橋本賢
撮影監督:須貝克俊
音楽:鈴木慶一
音響監督:三間雅文
声の出演:江守徹
梅垣義明
岡本綾
飯塚昭三
加藤精三
石丸博也
槐柳二
屋良有作
寺瀬今日子
大塚明夫
小山力也
こおろぎさとみ
柴田理恵
矢原加奈子
犬山犬子
山寺宏一
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