『変態家族 兄貴の嫁さん』この映画を見て!
第287回『変態家族 兄貴の嫁さん』
今回紹介する作品は『Shall we ダンス?』の周防正行監督のデビュー作にして小津安二郎監督作品にオマージュを捧げたピンク映画『変態家族 兄貴の嫁さん』です。
タイトルが過激なだけに人によってはギョッとするかもしれませんが、周防監督の小津作品への熱い思いが伝わってくる見応えのある作品です。
ストーリー:「間宮家の長男・幸一が結婚して嫁・百合子が家にやってくる。長男夫婦に父・周吉と長女・秋子そして次男・和夫が同居する生活が始まる。しかし、幸一は他の女のもとに走り、秋子は事務職を辞めて風俗に勤め、次男・和夫は万引きして警察に捕まる。そんな間宮家を百合子は嫁として受け止め、支えていこうと励むのだった。」
私が本作品を見て一番印象に残ったのは笠智衆の役に扮した大杉漣の演技です。大杉さんは当時まだ30代にあったにも関わらず、笠智衆に負けず劣らない味のある演技を見せてくれます。
周防監督は本作品を『晩春』の続編として描いたそうですが、最後に『晩春』の嫁入り前の名セリフを引用するシーンは思わずジーンときました。
本作品は小津作品の特徴であるカメラアングルや役者の淡々とした芝居を踏襲しており、小津作品が好きな人なら非常に楽しんで見ることができます。
逆にピンク映画として見ると絡みのシーンがあっさりとしていて物足りないかもしれません。
上映時間 62分
製作国 日本
製作年度 1984年
監督: 周防正行
企画: 朝倉大介
脚本: 周防正行
撮影: 長田勇市、 滝影志
美術: 種田陽平、 矢島周平
編集: 菊池純一
音楽: 周防義和
出演: 風かおる
山地美貴
大杉漣
下元史朗
首藤啓
深野晴彦
麻生うさぎ
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