『柳生一族の陰謀』この映画を見て!
第289回『柳生一族の陰謀』
今回紹介する作品は徳川二代将軍・秀忠の亡き後の次期将軍の座をめぐる熾烈な抗争をオールスターキャストで描いた娯楽時代劇『柳生一族の陰謀』です。
ヤクザ映画の人気が下火になった東映が12年ぶりに製作した時代劇である本作品。『仁義なき戦い』で当時人気だった深作欣二監督が起用され、ヤクザ映画テイストの時代劇に仕上げています。
ストーリー:「徳川二代将軍秀忠が急死によって、長兄・家光と次男・忠長どちらを三代将軍に擁立するかを巡り、幕府内で意見が対立。家光派と忠長派との間で熾烈な抗争が勃発する。将軍家の剣術指南役である柳生宗矩は家光派に付き忠長の失脚をはかるために権謀術数を巡す。一方、忠長派もこれに対抗して諸大名や宮廷を通じて家光の将軍職就任を阻止しようとする。」
本作品の一番の見所は何と言っても萬屋錦之介の濃厚な演技です。大げさな身振りと台詞回しは強烈なオーラを放っており、オールスターキャストの中でも圧倒的な存在感を放っています。特にラストの演技は神懸り的で一度見たら脳裏から離れることが出来ません。あのラストを見たいがために私は本作品は何度も見返してしまいます。
もちろん他のキャストも萬屋錦之介ほどでないにしろ素晴らしい演技を見せています。特に公家役の成田三樹夫の怪演と柳生十兵衛役の千葉真一の格好良さは何度見ても飽きることがありません。
また、若かりし頃の真田広之の初々しい演技も見ていて微笑ましいです。
これだけの豪華な役者を起用して、一人一人に印象的な見せ場を与えた深作監督の手腕は凄いな思います。
ストーリーに関しては史実を全く無視した展開となっていますが、家光を何としても三大将軍にしようとする柳生但馬守の権謀術策をスリリングに描いており最後まで目を離すことができません。
アクションシーンもJACが関わってるだけあって迫力満点です。特に千葉真一の切れのある動きと萬屋錦之介の堂々とした殺陣は見ていて惚れ惚れします。
本作品は時代劇が好きな人もそうでない人も一度は見て損のない作品だと思います。
上映時間 130分
製作国 日本
製作年度 1978年
監督: 深作欣二
脚本: 深作欣二
野上龍雄
松田寛夫
撮影: 中島徹
美術: 井川徳道
編集: 市田勇
音楽: 津島利章
出演:
千葉真一
萬屋錦之介
丹波哲郎
芦田伸介
成田三樹夫
西郷輝彦
大原麗子
志穂美悦子
原田芳雄
高橋悦史
松方弘樹
山田五十鈴
夏八木勲
室田日出男
矢吹二郎
工藤堅太郎
真田広之
中谷一郎
中原早苗
金子信雄
浅野真弓
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