『激突』この映画を見て!
第279回『激突』
今回紹介する作品はスピルバーグの名を一躍有名にした『激突』です。本作品は元々テレビムービーだったのですが、あまりの完成度の高さに海外では劇場公開されました。
平凡なサラリーマンが田舎道でタンクローリーを追い越したことから起こる恐怖を描いた本作品。乗用車が巨大なタンクローリーに襲われるだけのシンプルな話しにも関わらず、一瞬たりとも目が離せない完成度の高さ。低予算かつ2週間という短期間で撮影されたにも関わらず、これほど面白い作品を作れるとは、さすがスピルバーグ監督です。
本作品の特長は最後までタンクローリーの男の姿を映さないことです。どんな男が主人公を追いかけているのか分からないだけに不気味ですし、緊張感があります。また、観客にもどういう男が運転しているのか想像させる余地があります。
また、次第に追い詰めれらていく主人公の心理描写やタンクローリー自体がまるで巨大な猛獣であるかのように見せる迫力満点の描写に、若い頃のスピルバーグのサスペンス映画の監督としての才能の豊かさを感じることができます。
特に追いかけられた主人公がカフェに立ち寄った際に他の客の中に運転手がいるのではと疑心暗鬼になるシーンは見ていてドキドキさせられます。
ラストの主人公の決死の反撃も今までの執拗な襲撃の描写がある分カタルシスがあります。
本作品はスピルバーグの作品の中では個人的に一番才能に溢れ面白いと思います。未見の方はぜひご覧ください。
上映時間 89分
製作国 アメリカ
制作年度 1973年
監督: スティーヴン・スピルバーグ
原作: リチャード・マシスン
脚本: リチャード・マシスン
撮影: ジャック・A・マータ
美術: ロバート・S・スミス
編集: フランク・モリス
音楽: ビリー・ゴールデンバーグ
出演: デニス・ウィーヴァー
キャリー・ロフティン
エディ・ファイアストーン
ルー・フリッゼル
ジャクリーン・スコット
アレクサンダー・ロックウッド
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