『修羅雪姫 怨み恋歌』この映画を見て!
第283回『修羅雪姫 怨み恋歌』
今回紹介する作品は梶芽衣子主演のバイオレンスアクションの続編『修羅雪姫 怨み恋歌』です。前作で復讐を果たした梶芽衣子演ずる雪が国家権力と反政府主義者の闘争に巻き込まれる本作品。前作よりも反体制・反権力色が強く打ち出された作品となっています。前作では復讐の鬼だった修羅雪姫が本作品では正義の味方として巨大な悪と闘っていきます。その姿は前作同様に美しく、カッコ良いです。
ストーリー:「明治39年の日本。警察に追われ逃亡していた雪は疲れ果て、ついに逮捕され死刑宣告を受ける。しかし、死刑直前に秘密警察の長官である菊井に呼ばれて、無政府主義者・徳井が持っている極秘書類を奪い暗殺することを命じられる。雪は徳井の家に女中として潜入する。だが、徳井は雪の正体を見抜き、国家権力の横暴を伝える。雪は徳井の側に付きボディガードとなるが・・・。」
本作品は雪を取り囲む脇のキャラクターが敵味方全て濃いです。ある意味、脇役が濃すぎて主人公である雪の存在感が途中薄く感じるほどです。
味方側で言えば凄惨なリンチを受ける無政府主義者の徳井を伊丹十三、貧民窟で医者を営む徳井の弟を原田芳雄が熱演しています。
敵側で言えば秘密警察の長官を演じた岸田森の不気味な存在感が強烈です。また、長官に仕える部下を演じた南原宏治の怪演も見逃せません。
ストーリーは前作同様に暗く、そして前作以上に国家に対する反骨精神が前面に出ています。劇画タッチの演出の中、貧民窟のシーンは大変リアルで見応えがありました。
殺陣シーンは血飛沫は相変わらず派手ですが、正直言って前作より迫力や美しさに欠けています。ただ、ラストの神社での敵との格闘は見応えがありました。
前作に比べると完成度は落ちますが、脇役の濃さもあって最後まで飽きることなく見ることができます。前作が気に入られた方は本作品もお薦めです。
上映時間 89分
製作国 日本
制作年度 1974年
監督: 藤田敏八
原作: 小池一雄
上村一夫
脚本: 長田紀生
大原清秀
撮影: 鈴木達夫
美術: 樋口幸男
編集: 井上治
音楽: 広瀬健次郎
助監督: 松沢一男
出演: 梶芽衣子
伊丹十三
吉行和子
原田芳雄
岸田森
安部徹
山本麟一
南原宏治
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