『カサンドラ・クロス』この映画を見て!
第280回『カサンドラ・クロス』
今回紹介する作品は列車を舞台にした細菌アクション・パニック映画の傑作『カサンドラ・クロス』です。本作品はヨーロッパで制作されており、ハリウッドのパニック映画とは一味違う仕上がりとなっています。
出演者はハリウッド映画に比べて地味ながらも有名な俳優が多数顔をそろえています。主役にリチャード・ハリス、バート・ランカスター、ソフィア・ローレンが起用され、エヴァ・ガードナー、アリダ・ヴァリ、リー・ストラスバーグと名立たる俳優が脇を固めています。
ストーリー:「ヨーロッパの大陸横断鉄道にありか軍が極秘に開発していた細菌に感染したテロリストが乗り込み、乗客が次々に感染。アメリカ軍は感染防止と秘密を守るために列車ごと老朽化した橋から転落させ葬り去ろうと計画する。アメリカ軍の計画を知った乗客たちは何とか阻止しようと奮闘するが・・・。」
私が本作品を見たのは小さいときにテレビ放映された時でしたが、列車の中で乗客が徐々に感染していく展開が子どもながらにリアルで怖かったのを今でも覚えています。また、感染防護服を着用した兵士たちが列車に乗り込むシーンやカサンドラ・クロスでの衝撃的なラストシーンも強烈で大変印象に残ったものでした。
最近久しぶりにDVDで本作品を見直してみると、映像のチープさストーリーの粗が多少気にはなりましたが、最後まで飽きることなく手に汗握ってみることが出来ました。
前半は乗客の人間ドラマがまったりと描かれていくので、最近のハリウッド製作のアクション映画を見慣れた人には物足りないかもしれません。しかし、後半の軍が出動して列車を封鎖してポーランドの収容所に送り込もうとするシーンから本作品の緊迫感は一気に上がります。
特に駅で白い防護服に身を包みマシンガンを持った兵士たちが列車を取り囲み、列車の窓や扉を塞ぎ、逃げようとする乗客を撃つシーンは背筋がゾッとするほど異様で怖いです。
ドラマとして印象的だったのは若い頃にポーランドの収容所に送り込まれ妻子を失った老ユダヤ人のエピソード。列車がポーランドの収容所に向かうことを知り、戻りたくないと苦悶する場面は胸迫るものがありました。
あと、本作品を語る上で忘れてはいけないのがジェリー・ゴールドスミスの音楽。一度聞いたら忘れられないほど印象に残る壮大で美しいメロディーで、テレビでもよく使われています。
本作品は映像的には一昔前で古くさいですが、緊迫感あるストーリー展開と衝撃的なラストシーンは大変見応えがあります。アクション映画好きな方はぜひご覧ください。
上映時間 128分
製作国 イタリア/イギリス/西ドイツ
制作年度 1976年
監督: ジョルジ・パン・コスマトス
製作: カルロ・ポンティ
ルー・グレイド
脚本: ジョルジ・パン・コスマトス
ロバート・カッツ
トム・マンキウィッツ
撮影: エンニオ・グァルニエリ
編集: ロベルト・シルヴィ
音楽: ジェリー・ゴールドスミス
出演: リチャード・ハリス
バート・ランカスター
ソフィア・ローレン
エヴァ・ガードナー
マーティン・シーン
イングリッド・チューリン
ジョン・フィリップ・ロー
アン・ターケル
レイモンド・ラヴロック
アリダ・ヴァリ
O・J・シンプソン
ライオネル・スタンダー
リー・ストラスバーグ
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