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2009年5月10日 - 2009年5月16日

『GONIN』この映画を見て!

第250回『GONIN』
Gonin  今回紹介する作品は日本を代表する男優が勢揃いしたバイオレンス・アクションの傑作『GONIN』です。本作品は本木雅弘・北野武・佐藤浩市・竹中直人・根津甚八・椎名桔平と出演者が大変豪華であり、かつそれぞれの役者が映画の中で強烈な存在感を放っています。

ストーリー:「借金まみれのディスコ・バーズのオーナー・万代はゲイ相手のコールボーイの三屋、元刑事の氷頭、リストラされたサラリーマンの荻原、パンチドランカーの元ボクサー・ジミーと手を組んで暴力団事務所の大金を強奪する計画を企てる。計画は無事成功して、大金を手に入れる5人。しかし、万代達が犯人であることを突き止めた暴力団は、二人組のヒットマン・京谷と柴田を雇って報復に出る。」

 本作品はストーリー自体はこの手のジャンルの映画としては目新しいものはありませんが、ハードボイルドな雰囲気と役者たちの濃い演技合戦が素晴らしいです。バブル崩壊後の東京を舞台に追い、詰められた男たちが一発逆転を夢見て儚く散ってゆく姿は切なくも美しく、滅びの美学に満ちています。

 また、佐藤浩市と本木雅弘のキスシーンや北野武が木村一八を犯すシーンなど随所に同性愛的な描写があるのも印象的です。

 石井監督の演出は男たちの情念が前面に出ており、クールとは言いがたいですが、湿っぽいドラマが日本的で私は好きです。彼の得意とする長回しも効果的に使われていますし、静と動のメリハリのある編集も良かったです。

 役者で言うと、北野武と竹中直人の演技がとても怖かったですね。特に武はバイク事故後間もないという事もあり、まだ完治していない目を眼帯で保護して出演したそうですが、彼が冷酷な殺し屋を演じると本当にはまりますね。
 あと、今年のアカデミー賞を受賞した『おくりびと』で主演を務めたもっくんもゲイ相手のコールボーイという妖しい役を色気たっぷりに好演しています。

 本作品はバイオレンス描写も過激で一般受けはしないと思いますが、男くさい邦画を見たいなら本作品をお勧めします!

上映時間 109分
製作国    日本
製作年度 1995年
監督:    石井隆   
脚本:    石井隆   
撮影:    佐々木原保志   
美術:    山崎輝   
衣装:    松本美奈子   
編集:    川島章正   
音楽:    安川午朗   
出演:    本木雅弘   
    ビートたけし   
    佐藤浩市   
    竹中直人   
    根津甚八   
    椎名桔平   
    永島敏行   
    鶴見辰吾   
    木村一八   
    室田日出男   
    横山めぐみ

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『バートン・フィンク』この映画を見て!

第249回『バートン・フィンク』
Photo  今回紹介する作品は昨年アカデミー最優秀監督賞をコーエン兄弟がハリウッドに脚本家として招かれたの劇作家のスランプを独自のタッチで描いた『バートン・フィンク』です。
 本作品は脚本は兄弟で執筆して、監督をジョエル・コーエン、製作をイーサン・コーエンが担当しています。なお91年のカンヌ国際映画祭では史上初の3冠(パルム・ドール、監督賞、男優賞)を制して大変話題を呼びました。

ストーリー:「1941年のニューヨークで社会派劇作家として成功したバートン・フィンクは、ハリウッドに招かれてレスリング映画のシナリオを依頼される。バートンは古びたホテルに泊まりこみ、脚本の執筆を開始しようとするが、全くアイデアが思い浮かばず書けないでいた。そんな中、隣りの部屋に泊まっていた保険セールスマンのチャーリーと仲良くなる。
 書けないスランプに陥ったバートンはかつてあこがれの大作家であった脚本家メイヒューに出会い教えを請う。そしてバートンはそこで出会った彼の秘書兼愛人オードリーをホテルに呼び出し一夜を共にする。
 しかし、翌日バートンが起きてみるとオードリーは血だらけでホテルのベッドに横たわっていたのだった・・・。」

 私は始めて本作品を見た時はまるで悪夢を見ているかのような後半の不条理な展開と予想外のラストシーンに大変はまってしまい、その後何度も見返したものでした。
全体の感想としては、主人公のバートン・フィンクを通して、コーエン兄弟のハリウッドに対する皮肉と脚本家としての苦悩を見事に表現していたと思います。

 ストーリーはどこまでが現実で、どこからが非現実なのか分からない作りとなっているので、見た人が自分なりの解釈をすることができます。(その為、スッキリとした答えを求める人には不向きな映画とも言えますが・・。)私としては主人公がホテルに着いたところからすでに現実でないと思っているのですが、皆様はいかがでしょうか?

 映像もコーエン兄弟だけあって大変凝っており、見応えがあります。特にジメジメと暑苦しく不気味な雰囲気漂うホテルのシーンは主人公の苛立ちやストレスを映像で見事に表現していたと思います。それにしても壁紙が剥がれ、糊がどろどろと溶けて落ちるシーンは何度見ても生理的嫌悪感を与えてくれます。

 あと俳優の演技も個性派ぞろいで素晴らしく、特にジョン・グッドマンの後半の燃え盛るホテルでの演技は何度見ても鳥肌が立つほど迫力があります。あと、コーエン映画によく出ているスティーヴ・ブシェミも一瞬の登場ですが強烈な印象を残します。

 本作品は一般受けはしにくいと思いますが、はまれば何度見ても楽しめる作品だと思います。

上映時間 116分
製作国    アメリカ
製作年度 1991年
監督:    ジョエル・コーエン   
製作:    イーサン・コーエン   
脚本:    ジョエル・コーエン   
    イーサン・コーエン   
撮影:    ロジャー・ディーキンス   
美術:    デニス・ガスナー   
音楽:    カーター・バーウェル   
出演:    ジョン・タートゥーロ   
    ジョン・グッドマン   
    ジュディ・デイヴィス   
    マイケル・ラーナー   
    ジョン・マホーニー   
    トニー・シャルーブ   
    ジョン・ポリト   
    スティーヴ・ブシェミ   
    ミーガン・フェイ

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