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2009年3月8日 - 2009年3月14日

『フレンチ・コネクション』この映画を見て!

第243回『フレンチ・コネクション』
Photo  今回紹介する作品はアカデミー賞5部門(作品・監督・脚色・編集・主演男優)受賞した刑事ドラマの傑作『フレンチ・コネクション』です。
 監督はこの後ホラー映画史に残るオカルト映画『エクソシスト』を作り上げたウィリアム・フリードキンが担当。主役の「ポパイ」ことドイル刑事には当時アカデミー賞に2度ノミネートされて勢いのあったジーン・ハックマン、相棒の刑事役「クラウディ」ことラソーには『ジョーズ』で主役を務めた ロイ・シャイダー、そして悪役にはフランスの名優フェルナンド・レイが起用されています。

ストーリー:「ニューヨーク市警で“ポパイ”と呼ばれていたドイル刑事は相棒のラソーと共に麻薬の売人を逮捕する。その捜査の過程で麻薬ルートの黒幕であるフランスの実業家シャルニエの存在が浮かび上がる。ドイルとラソーはシャルニエがニューヨークで取引きをする現場を押さえようと尾行を開始する。」

 本作品の特徴は主人公である刑事たちの内面描写がほとんどなく、麻薬捜査の過程がドキュメンタリータッチで淡々と描かれるところです。ドラマチックな展開もなければ、派手なアクションシーンも中盤の伝説的なカーチェイスシーンを除いてほとんどありません。映画の半分以上が張り込みや尾行という地味なシーンで占めています。
 では、退屈かと言うと決してそんなことはなく、リアルかつ緊迫感のあるカメラワークと演出で最後まで一気に見ることができます。
 張り込みのシーンのニューヨークの寒さが見ていて側にも伝わってくる映像、悪役が高級レストランでフレンチのコースを食べている中で主人公が屋外で凍えながら不味いコーヒーとピザを食べるシーンの正義と悪の鮮烈な対比。尾行のシーンでの犯人を追って地下鉄を乗ったり降りたりするシーンの静かな緊張感。細部にまでこだわった演出が本作品の素晴らしさです。
 
 中盤の高架下でのカーチェイスは編集の巧みさもあって、今見ても迫力満点のシーンとなっています。前半が静かで地味なシーンが多かっただけに、突然始まるカーアクションは見る者に鮮烈な印象を与えます。ニューヨーク市警の全面的な協力もあり、実際の道路でのオールロケでゲリラ的に撮影されただけあって、何ともいえない臨場感と生々しさがあります。

 演技に関して言えば、ジーン・ハックマンが白熱の演技を見せてくれます。さすがに本作品でアカデミー賞で主演男優賞を取っただけあって、悪を執念深く追う無軌道な刑事を迫力満点に演じています。相棒であるラソーを演じた ロイ・シャイダーもハックマンとは好対照の演技でいい味を出しています。ちなみに本作品の主役であるドイル刑事とラソー刑事は実在のニューヨークの刑事エディ・イーガンとソニー・グロッソがモデルとなっており、ジーン・ハックマンと ロイ・シャイダーは撮影前に数週間彼らの仕事に同行していたそうです。
 あとフェルナンド・レイも 魅力的な悪役を余裕たっぷりに演じています。

 映画のラストは唐突かつ後味が悪いですが、本作品のスタイルに見事にあっていると思います。ちなみに本作品のラストに不満を持たれたなら続編がありますのでそちらをご覧ください。スカッと締めくくってくれます。但し、本作品に比べると完成度やインパクトは落ちますが・・・。

 本作品は最近の刑事映画と同じ感覚で見ると違和感があるかもしれませんが、ここまでリアルで面白い刑事ドラマはなかなかありません。刑事ドラマが好きな方はぜひご覧ください!
 

上映時間 105分
製作国 アメリカ
製作年度 1971年
監督: ウィリアム・フリードキン 
製作: フィリップ・ダントニ 
原作: ロビン・ムーア 
脚本: アーネスト・タイディマン 
撮影: オーウェン・ロイズマン 
編集: ジェリー・グリーンバーグ 
音楽: ドン・エリス 
出演: ジーン・ハックマン
ロイ・シャイダー 
フェルナンド・レイ
トニー・ロー・ビアンコ
マルセル・ボズフィ 
フレデリック・ド・パスカル
エディ・イーガン 
ソニー・グロッソ 

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