『しんぼる』映画鑑賞日記
『大日本人』から2年ぶりとなる松本人志監督作品『しんぼる』を鑑賞してきました。前作同様に松本人志が企画・脚本・主演・監督と四役をこなした本作品。
前作の『大日本人』はドキュメンタリー形式でヒーローの日常生活を描くアイデアは面白かったものの、テンポが悪くラストのオチもいまいちで個人的には残念な出来でした。その分、今回の新作に関してはもしかして今度こそという期待もあり、もしかしたら今回もという不安もありました。
なるべく前情報を入れず見に行ったのですが、公開2週目にして上映回数は1日3回と減っており、劇場内もがらがらで、これは大丈夫かなとかなり不安が強くなりました。
そして、映画を鑑賞しての感想はと言うと、前作に引き続き今回も残念な出来でした。笑えるシーンはいくつかありましたが、映画としての見所があまりなく、正直退屈でした。これならテレビかDVDで十分です。
ストーリーはメキシコの田舎町のプロレスラーの1日と、目を覚ますと何もない白い部屋に閉じ込められてた主人公が途方に暮れ出口を必死に探す姿が交互に描かれていきます。
主人公が部屋から脱出するパートに関してはベタな笑いの連続に最初は笑えたものの、同じことの繰り返しに見ていて退屈になってきました。海外配給を意識過ぎたのか、松本のテレビ等で見せる笑いの魅力があまり活かされていない感じを受けました。
また、松本自体に役者としての演技力や魅力がなく、過剰な演技が少しくどく感じました。上映時間のほとんどが松本の1人舞台ですが、正直大画面でひたすら松本を見るのは厳しいです。
メキシコのパートは話しは単調ですが絵としては上手に撮れており、主人公の話とどう絡むのかなあと思って見ていたのですが、まさかあんなオチだとは・・・。長い前フリの後のあのシーンには思わず笑ってしまいました。個人的にあのオチで終わっても良かったと思います。
映画のラストに関しては松本が○○になるという宗教がかったオチには正直引きました。『2001年宇宙の旅』を意識したのかなとも思いましたが、その描き方は安直で深みが欠けます。
「修行」に始まり「実践」して「未来」で終わる本作品が表現しようとしたことは分からないでもないです。ただ伝え方が下手くそです。本作品は発想自体は前作同様にユニークだと思うのですが、シナリオや描き方にもう一工夫必要だと思いました。また、主演も松本でないほうが良かったような気がします。
上映時間 93分
製作国 日本
製作年度 2009年
監督: 松本人志
企画: 松本人志
脚本: 松本人志
高須光聖
撮影: 遠山康之
美術: 愛甲悦子
平井淳郎
編集: 本田吉孝
音楽: 清水靖晃
出演: 松本人志
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