『PERFECT BLUE』この映画を見て!
第266回『PERFECT BLUE』
今回紹介する作品は今や日本を代表するアニメ監督となった今敏が本格的なサイコサスペンスをアニメで描いた意欲作『PERFECT BLUE』です。
本作品は実写作品として当初企画されていたそうですが、途中からアニメ作品に変更して製作されました。キャラクター原案に江口寿史、企画に大友克洋が参加。今敏監督のデビュー作品でもあります。
ストーリー:「アイドルグループ『チャム』のメンバーである未麻はグループ脱退を宣言し、女優への転身を計る。アイドルから女優を目指すためにドラマ出演でレイプシーンを演じたり、ヘアヌードの撮影に応じたりする。次第に注目されていく未麻だが、人気とは裏腹に現状への不満を募らせる。そんな中、ネットで自分の行動が詳細に書かれたホームページを知る。未麻はストーカーに監視されていることに気づき恐怖に怯える中、周辺で関係者が次々と殺される事件が発生する。」
今見るとネットやストーカーを扱った点など少し古臭いところはありますが、日本のサイコサスペンス映画の中では5本の指に入るほど面白い作品です。アニメでないと出来ない表現を駆使して、現実と妄想が錯綜する世界を見事に表現しています。アイドルから女優に転身した主人公がストレスから自分を見失い、現実と非現実の境界が曖昧になる展開は見ている側もどこまでが現実なのか分からず最後まで画面に釘付けになります。また、主人公が芸能界という厳しい世界で追い込まれていく心情が見ている側にも良く伝わってきます。
サスペンスとしてもシナリオが練りこまれており、ラストのオチを初めてみた時は「そういうことだったのか」と感心しました。(多少突っ込みどころはありますが)
過激な暴力及び性的描写があるので、万人受けする作品ではないですが、サスペンス映画好きなら一度は見て損のない作品だと思います。
上映時間 81分
製作国 日本
製作年度 1998年
監督: 今敏
演出: 松尾衝
原作: 竹内義和
脚色: 村井さだゆき
作画監督: 浜州英喜
特殊効果: 真田祥子
ビュジュアル・ワークショプ
美術監督: 池信孝
撮影監督: 白井久男
編集: 尾形治敏
音楽: 磯見雅博
声の出演:岩男潤子
松本梨香
辻親八
大倉正章
秋元洋介
塩屋翼
堀秀行
篠原恵美
古川恵実子
新山志保
江原正士
梁田清之
津久井教生
古澤徹
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