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『ターミネーター4』映画鑑賞日記

Photo  賛否両論のあった前作から6年ぶりに製作されたターミネーターシリーズの最新作『ターミネーター4』。前作までは現代を舞台に未来から送られてきたターミネーターと人間との戦いを描いていましたが、本作品は“審判の日”以後の荒廃した世界を舞台に人類vsスカイネットとの戦争を描いています。

 私はジェームス・キャメロンが監督した1作目&2作目の大ファンだったので、3作目の出来の悪さにはかなり失望していました。さすがに続編はもうできないだろうと思っていたのですが、何年か前に“審判の日”以後を描く続編が製作されていると知り、どんな作品に仕上がるのかファンとしては興味はありました。ただ、監督を『チャーリーズ・エンジェル』のマックGが務めるという点がかなり不安ではありましたが・・・。

 また、映画の公開前には最初は出演しないと思われていたアーノルド・シュワルツェネッガーがデジタル合成で若い頃の顔を使用してT800として登場することも発表され、どんなシーンで登場するのかも興味がありました。

 アメリカで一足先に公開されましたが、制作費約2億ドル(約280億円!)をかけたにも関わらず、全米初登場は第2位で興行収入もかろうじて1億ドルを突破した程度ということで、出来が悪いのかと危惧しました。
 そして日本でも6月中旬に公開されたので、私も劇場に駆けつけ本作品を鑑賞しました。見終わっての感想は近未来の戦争映画として見ると退屈はしませんが、ターミネーターシリーズとしてみるとイマイチでした。
 映像と音響はお金をかけただけあって迫力満点です。また、今までのシリーズに対するオマージュが随所にあり、ファンとしてはニヤリと笑えるシーンがいくつもあります。

 しかし、本作品は今までのシリーズにあった緊張感や緊迫感がありません。本シリーズの魅力は主人公たちが圧倒的に不利で絶望的な状況の中で必死に闘う姿にあるのですが、本作品に限って言えば数多くのターミネーターが登場するにもかかわらず、主人公たちが追い詰められたような感じを受けません。それゆえにドラマとしても盛り上がりに欠けます。

 本作品はジョン・コナーとマーカス・ライトという2人の主人公の視点から描かれているのですが、マーカス・ライトの印象が圧倒的に強くて、本来の主人公であるジョン・コナーにあまり魅力を感じません。
 また、せっかく半分人間・半分ロボットというキャラを登場させながら、その設定をストーリーに活かしきれていないような気がします。彼の感情やバックグラウンドに関する描写が少ないために、彼の苦悩や葛藤をあまり感じることが出来ませんでした。
 そしてラストの心臓移植のシーンに関しては個人的に自己犠牲の感動よりも嫌悪感を抱いてしまいました。ロボット同様に人間もパーツを交換して生き延びるという展開は本シリーズの趣旨からして反しているような気がします。

 様々な種類のターミネーターの造形に関してもバイク型や蛇型水中ロボットはいまいち世界観とあっていないような気がします。巨大ロボにいたってはトランスフォーマーとイメージがダブってしまいました。T600は不気味で一番ターミネーターらしかったような気がします。

 ちなみに公開前から話題になったシュワちゃんの顔によるT800の登場シーンはお馴染みのテーマ曲が流れたこともあってか一瞬鳥肌が立ちましたが、思ったより活躍の場が少なく残念でした。

 本作品は新3部作の1作目と位置づけられていますが、この分だと新シリーズにはあまり期待はできませんね。改めてジェームス・キャメロンが監督した1作目&2作目の完成度の高さを思い知りました。

上映時間 114分
製作国    アメリカ
製作年度 2009年
監督:    マックG   
脚本:    ジョン・ブランカトー   
    マイケル・フェリス   
撮影:    シェーン・ハールバット   
視覚効果スーパーバイザー: チャールズ・ギブソン   
プロダクションデザイン: マーティン・ラング   
衣装デザイン: マイケル・ウィルキンソン   
編集:    コンラッド・バフ   
音楽:    ダニー・エルフマン   
出演:    クリスチャン・ベイル   
    サム・ワーシントン   
    アントン・イェルチン   
    ムーン・ブラッドグッド   
    コモン    バーンズ
    ブライス・ダラス・ハワード   
    ジェーン・アレクサンダー   
    ジェイダグレイス    スター
    ヘレナ・ボナム=カーター   
    マイケル・アイアンサイド   

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SFもの。超とまではいかないもののなかなかの大作。スターウォーズのような派手さはないが、あえて武骨に仕上げてあるような感じ。一見、金がかかっているようには見えないが、ディテールにこだわって真面目に作成されているため、そのことが返ってリアリティーを醸し出している。設定はありがちだが、ストーリー展開は早いし、映像に力があり引き付けられるので、退屈しないで見れる。なかなかの掘り出しもの。その他の情報はこちら... [続きを読む]

受信: 2009年6月25日 (木) 22時57分

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「ターミネーター4」★★★★ クリスチャン・ベイル 、サム・ワーシントン 、アントン・イェルチャン 主演 マックG 監督、2009年、133分   ★映画のブログ★                               どんなブログが人気なのか知りたい 「シュワちゃんの出ないターミネーターを 見ることになるとはね、 そこは2018年、『審判の日』は過ぎ、 人類とコンピュータの戦いが繰り広げられていた」 「新3部作」の幕開けは 人工知能搭載のスーパ... [続きを読む]

受信: 2009年7月 8日 (水) 09時21分

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