『オーメン』この映画を見て!
第256回『オ-メン』
今回紹介する作品は6月6日6時に産まれた悪魔の子ダミアンがもたらす恐怖を描いた作品『オーメン』です。
ストーリー:「アメリカ人外交官であるロバート・ソーンは、妻には内緒で死産してしまった子どもの代わりに、ローマの産院で孤児を養子として引き取る。ダミアンと名づけた子は大きな病気一つすることなく育っていく。しかし、乳母の自殺をきっかけに息子の周囲で奇妙な出来事が起こり始める。そして妻は次第に精神的に不安定になっていく。
その頃、ソーンの前に『あの子どもは悪魔だと』言う神父が現れる。最初は神父の言うことを信じなかったソーンだが、奇怪な出来事の連続に次第にダミアンに疑問を持ち始める。」
本作品を私が始めてみたのがテレビで小学生の時でした。その時はジェリー・ゴールドスミスの不気味なスコアも相まって大変怖い印象があったのですが、最近見返してみるとそれほど怖くはなく、むしろオカルト映画としての完成度の高さに感心しました。
本作品の見せ場は何と言っても登場人物たちの派手な死に方です。不謹慎ですが、次は誰がどういった死に方をするのかが本作品で見ている側が一番気になるところであり、期待しているところでもあります。そういった意味では期待を裏切らない出来となっています。特にガラスで首が吹っ飛ぶシーンは強烈なインパクトを見ている側に与えてくれます。
ストーリーはこじんまりとしていますが、次々と謎が明かされていく展開は最後まで飽きることなく見ることが出来ます。特にダミアンの母の正体が実は○○だったと分かるシーンは結構ショッキングです。
キャストもこの手の作品としては珍しく、名優グレゴリー・ペックが主演を務めています。彼の重厚な演技が本作品の質を格段に高めています。また、ダミアンを演じた子どももかわいらしく無垢な表情をしている分、逆に恐ろしさを感じさせます。
あと、アカデミー最優秀音楽賞も受賞したジェリー・ゴールドスミスのスコアが最高に素晴らしいです。特にテーマ曲である「アヴェ・サターニ」の迫力と恐ろしさは鳥肌が立つほどです。彼のスコアが本作品の完成度を一気に上げたと思います。
本作品は怖すぎることもなく、グロすぎることもなく、比較的誰でも見ることが出来る格調高いオカルトホラー映画だと思います。暑い夏にぜひご覧ください。
なお、本作品は大ヒットしてシリーズ化されました。『オーメン2』では13歳になったダミアンが自分の正体に気づき、『オーメン3最後の闘争』では32歳になったダミアンが英国で誕生する救世主の抹殺をもくろみます。また、『オーメン4』ではダミアンの娘ディーリアが主役となります。しかし、残念なことにシリーズを重ねるごとに、内容は面白くなく、映画としての質も低下しています。ただ、2作目は死に方の派手さにおいては1作目を上回っていますが。
また、2006年にはリメイクもされましたが、オリジナルに比べると出来はイマイチです。
上映時間 111分
製作国 アメリカ
製作年度 1976年
監督: リチャード・ドナー
脚本: デヴィッド・セルツァー
撮影: ギルバート・テイラー
音楽: ジェリー・ゴールドスミス
出演: グレゴリー・ペック
リー・レミック
デヴィッド・ワーナー
ハーヴェイ・スティーヴンス
ビリー・ホワイトロー
ホリー・パランス
レオ・マッカーン
アンソニー・ニコルズ
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