『GONIN』この映画を見て!
第250回『GONIN』
今回紹介する作品は日本を代表する男優が勢揃いしたバイオレンス・アクションの傑作『GONIN』です。本作品は本木雅弘・北野武・佐藤浩市・竹中直人・根津甚八・椎名桔平と出演者が大変豪華であり、かつそれぞれの役者が映画の中で強烈な存在感を放っています。
ストーリー:「借金まみれのディスコ・バーズのオーナー・万代はゲイ相手のコールボーイの三屋、元刑事の氷頭、リストラされたサラリーマンの荻原、パンチドランカーの元ボクサー・ジミーと手を組んで暴力団事務所の大金を強奪する計画を企てる。計画は無事成功して、大金を手に入れる5人。しかし、万代達が犯人であることを突き止めた暴力団は、二人組のヒットマン・京谷と柴田を雇って報復に出る。」
本作品はストーリー自体はこの手のジャンルの映画としては目新しいものはありませんが、ハードボイルドな雰囲気と役者たちの濃い演技合戦が素晴らしいです。バブル崩壊後の東京を舞台に追い、詰められた男たちが一発逆転を夢見て儚く散ってゆく姿は切なくも美しく、滅びの美学に満ちています。
また、佐藤浩市と本木雅弘のキスシーンや北野武が木村一八を犯すシーンなど随所に同性愛的な描写があるのも印象的です。
石井監督の演出は男たちの情念が前面に出ており、クールとは言いがたいですが、湿っぽいドラマが日本的で私は好きです。彼の得意とする長回しも効果的に使われていますし、静と動のメリハリのある編集も良かったです。
役者で言うと、北野武と竹中直人の演技がとても怖かったですね。特に武はバイク事故後間もないという事もあり、まだ完治していない目を眼帯で保護して出演したそうですが、彼が冷酷な殺し屋を演じると本当にはまりますね。
あと、今年のアカデミー賞を受賞した『おくりびと』で主演を務めたもっくんもゲイ相手のコールボーイという妖しい役を色気たっぷりに好演しています。
本作品はバイオレンス描写も過激で一般受けはしないと思いますが、男くさい邦画を見たいなら本作品をお勧めします!
上映時間 109分
製作国 日本
製作年度 1995年
監督: 石井隆
脚本: 石井隆
撮影: 佐々木原保志
美術: 山崎輝
衣装: 松本美奈子
編集: 川島章正
音楽: 安川午朗
出演: 本木雅弘
ビートたけし
佐藤浩市
竹中直人
根津甚八
椎名桔平
永島敏行
鶴見辰吾
木村一八
室田日出男
横山めぐみ
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