『荒野の七人』この映画を見て!
第246回『荒野の七人』
今回紹介する作品は黒澤明監督の名作『七人の侍』をハリウッドでリメイクした『荒野の七人』です。 監督を『大脱走』のジョン・スタージェスが担当して、『七人の侍』を忠実かつコンパクトにまとめて、娯楽西部劇として完成度の高い作品に仕上げています。
また、出演者もスティーヴ・マックィーンを始めとしてチャールズ・ブロンソン 、 ジェームズ・コバーン、 ロバート・ヴォーン等の当時人気の出てきた役者が起用され、本作品のヒットで一気に人気スターの仲間入りを果たしました。
ストーリー:「毎年、カルベラ率いる野盗に食料を奪われるメキシコの農村イストラカン。貧困にあえぐ村人たちは野盗から村を守るために銃を買って闘うことを決意する。村の代表3人が町に行き、銃を買おうとする中で、クリスというガンマンに出会う。村人はクリスに事情を話して、村に助っ人として来てくれるように要請する。20ドルという報酬にすぎなかったが、農民達の熱意に打たれてクリスは7人のガンマンを集めて村に向かう。ガンマンたちは農民たちを指揮して襲撃への準備を行う。そして、ついに40人ばかりの野盗の一団が村を襲撃。ガンマン率いる農民たちの思わぬ反撃に野盗たちは一旦は逃げ帰るが・・・。」
本作品は黒澤監督の『七人の侍』のリメイクとして鑑賞すると完成度はどうしても落ちますが、設定だけ借りた別の映画としてみると大変面白く見応えがあります。
私は始めて本作品を見た時、七人の個性的なガンマンたちの魅力にはまりました。ユル・ブリンナー演じるクリスの圧倒的な存在感と強さ。スティーヴ・マックィーン演じる口数は少ないが身のこなしが格好いいヴィン。チャールズ・ブロンソン演じる心優しき無骨なライフル名人ベルナルド、ジェームズ・コバーン演じるニヒルなナイフの達人ブリット、ロバート・ヴォーン演じる強がっているが常に恐怖に脅えているキザばギャンブラーのリー、ブラッド・デクスター演じる報酬ばかり考えているハリー、そしてホルスト・ブッフホルツ 演じるガンマンにあこがれる農民出身の若者チコ。それぞれのガンマンに見せ場や生き様が見事に描かれています。
ストーリーは途中まではオリジナルに忠実ですが、3時間半あるオリジナルを2時間とコンパクトにまとめているので、話しが良くも悪くも非常にテンポよく進んでいきます。後半はオリジナルと違った展開になりますが、誰かのためでもなく、自分のために無謀な戦いに最後挑むガンマンの姿にしびれました。
あと、本作品を語る上で忘れていはいけないのがエルマー・バーンスタインの音楽。明るく軽快なテーマ曲は一度聴くと忘れられません。このテーマ曲のおかげで本作品がオリジナルとはまた違った雰囲気や魅力を持つことができたといっても過言でないと思います。
黒澤監督の映画は本作品以外にも数多くリメイクされていますが、個人的には本作品が一番上手にリメイクできていると思います。
上映時間 128分
製作国 アメリカ
製作年度 1961年
監督: ジョン・スタージェス
製作: ジョン・スタージェス
共同製作: ルー・モーハイム
製作総指揮: ウォルター・ミリッシュ
原作: 黒澤明、 橋本忍、 小国英雄
脚本: ウィリアム・ロバーツ
ウォルター・バーンスタイン
撮影: チャールズ・ラング・Jr
音楽: エルマー・バーンスタイン
出演: ユル・ブリンナー
スティーヴ・マックィーン
チャールズ・ブロンソン
ジェームズ・コバーン
ロバート・ヴォーン
ホルスト・ブッフホルツ
ブラッド・デクスター
イーライ・ウォラック
ウラジミール・ソコロフ
ロゼンダ・モンテロス
ビング・ラッセル
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