夜会VOL.15『~夜物語~「元祖・今晩屋」』に行ってきました!
中島みゆきのライフワークともいえるステージ「夜会」。その15回目の公演となる~夜物語~「元祖・今晩屋」の大阪公演に昨日行ってきました!
今回の夜会に関してみゆきさんは「和の要素を盛り込みながらの不思議ワールド」と製作発表の際にコメントしており、どんな舞台になるのか非常に楽しみでした。
また公演前に「今回は森鴎外の『山椒大夫』をモチーフにしている」とみゆきさんが言っていたので、事前に『山椒大夫』を読んで、今回の公演に向かいました。
今回の夜会にあわせて、シアターBRAVA!の隣のホテルニューオータニ大阪でも期間限定オリジナルカクテルの販売やロビーにてパネル展示およびピアノ演奏をしていたので、公演前にちょっと寄りました。19階のスカイラウンジで夜会オリジナルカクテル「夜海」と「誓夜」を頂きました。
シアターBRAVA!に行くのは初めてでしたが、思った以上にこじんまりとした会場でした。前回の夜会のときは青山劇場に見に行きましたが、シアターBRAVA!の方が劇場としては良い雰囲気でした。
ホールには今までの夜会のポスターが貼ってあったり、前回の夜会のセットの模型等が置いてありました。
グッズはパンフレット以外に、カステラ、ちりめん風呂敷、ステッカー、クリアファイル等売っていました。個人的にパンフレット以外に今回特に欲しいと思うグッズはなかったので購入は見送りましたが・・・。
また、前回の青山劇場の時には販売されていなかった夜会カクテルも置いてあり、私も「海」というカクテルをいただきました。
今回、私の座席は左側前から3列目でした。前回も最前列の真ん中と良い席だったのですが、今回も手を延ばせばみゆきさんに届きそうな良い席でした。(ただ、舞台の全体像は見えにくい席ではありしたが・・・。)
さて、開演時間の20時。除夜の鐘がなり、ついに~夜物語~「元祖・今晩屋」の物語が始まりました。
1幕目は縁切り寺を舞台に話が進むのですが、大掛かりな舞台装置にまず圧倒されました。特に舞台の両端に本当に水が流れている滝があったのにはびっくりしました。
物語は歌で進行していく形式となっており、台詞はあまりありません。また和を意識しているだけあって、台詞・歌詞ともに七・五調となっています。
1幕目に出てくる登場人物は、中島みゆき演じる「暦売り」、香坂千晶演じる「縁切り寺の庵主」、コビヤマ洋一演じる「元・画家のホームレス」、土居美佐子演じる「脱走した禿」と4人だけです。話しは時にコミカルに、時に幻想的に進んでいきます。
途中に紙風船が転がってくるシーンがあるのですが、まるで意志をもっているかのように次々と転がってくるところが印象的でした。
また1幕目のクライマックスとなる縁切り寺の炎上は、スモークと照明を駆使して、本当に燃えているかのような迫力満点のシーンとなっていました。
2幕目の前半は水族館の水槽の底にあるポンプ室かと思われる場所で話が進みます。舞台上にピンク色のデフォルメされた魚たちが吊るされているのが幻想的で印象的でした。1幕目以上に台詞は少なく歌で物語がテンポよく進んでいきます。
2幕目前半に出てくる登場人物は、中島みゆき演じる「暦売り」、香坂千晶演じる「水族館の飼育員」、コビヤマ洋一演じる「左官」、土居美佐子演じる「脱走した花嫁」の4人です。前半に続いてコミカルかつ摩訶不思議な展開が続きます。
2幕目の後半は船を舞台に話しが進むのですが、中島みゆき演じる「母」の熱唱に鳥肌が立ちました。
また、クライマックスでは舞台の床一面に大量の水が流れるのですが、その大掛かりな仕掛けにびっくりしました。かなり大胆な演出です。
私は今回で4回目の夜会観劇になりますが、個人的には今までの夜会の中で一番胸打たれる作品でした。
ストーリーに関しては難解というか、森鴎外の『山椒大夫』を読んでいないとチンプンカンプン分からないと思います。(そういう面では少し不親切な作りと言えるかもしれません。)しかし、『山椒大夫』を読んで鑑賞すると、ラストは涙なしでは見られないほど感動的なステージです。
歌は全て新曲で構成されていますが、難解な言葉が数多く使われているので正直1回聞いただけでは、どんな歌詞でどのようなことを歌っているのか全て把握するのは困難です。ただ、みゆきさんの圧倒的な歌唱力で何となく言わんとしていることは伝わってきます。今回の夜会のDVDやCDが発売されるのかどうか現時点で発表されていませんが、もし発売されたら今回発表された歌の数々をじっくりと味わいたいものです。
今回の夜会のテーマは魂の輪廻転生と過去の罪(カルマ)や未練からの解放だと思いました。クライマックスで登場人物が白装束で船に乗り込み川を渡るシーンでの主人公たちが許し許され成仏していく姿には、見ていて自然と涙があふれてきました。
そういう意味では前回の夜会に続いて、今回も仏教的なテーマを全面に押し出した作品となっています。歌詞の節々にも仏教や神道で使われる言葉が数多く散りばめれれていますし、みゆきさん自身もパンフレットのあとがきに「今生で成した事は全部、次の生へとつらなってゆくのかもしれない」と書いていますし・・・。
また、今回の夜会ではみゆきさんがカーテンコールで挨拶をしてくれるというサービスがあり、「これからもできる限り夜会を続け、大阪でも公演したい。良き夜をお持ち帰りください。」というような挨拶をされました。
夜会のチケットはS席2万円と高いですが、見終わったらそれでも安いと思えるくらい満足できる内容でしたし、チャンスがあれば再度見たいと思ったほどでした。夜会は回を重ねるごとにパワーアップしているような気がします。今回の作品は万人受けという意味では微妙かもしれませんが、みゆきさんの更なる言葉での表現追求の意欲を感じられました。次回の夜会がいつ公演されるのか分かりませんが次回もぜひ足を運んで生で見たいと思いました!
・シアターBRAVA!
・2月3日公演
・開演時間20:00
・終演時間22:20
*途中休憩20分含む
・曲目リスト
<第一幕>
第1場 縁切り寺
1 十二天
2 暦売りの歌
3 百九番目の除夜の鐘
4 夜をくだされ
5 海に絵を描く
6 旅支度なされませ
7 私の罪は水の底
8 逃げよ、少年
9 百九番目の除夜の鐘
10 愚かな禿
11 らいしょらいしょ
12 ちゃらちゃら
13 憂き世ばなれ
14 夜いらんかいね
15 百九番目の除夜の鐘
16 旅支度なされませ
17 らいしょらいしょ
18 都の灯り
<第二幕>
第1場 水族館
19 暦売りの歌
20 幽霊交差点
21 旅支度なされませ
22 百九番目の除夜の鐘
23 安らけき寿を捨て
24 夜をくだされ
25 有機体は過去を喰らう
26 私の罪は水の底
27 有機体は過去を喰らう
28 らいしょらいしょ
29 百九番目の除夜の鐘
30 十文字
31 ほうやれほ
32 十二天
33 紅蓮は目を醒ます
第2場 船
34 赦され河、渡れ
第3場 今晩屋
35 夜いらんかいね
36 天鏡
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コメント
コメントありがとうございます!2列目とは良い席ですね。夜会の内容はもちろんですが、生みゆきさんの生歌が見られるだけでも夜会に行く価値ってありますよね。
私もみゆきさんのオーラを間近で感じることが出来て感激しっぱなしでした。
投稿: とろとろ | 2009年2月 6日 (金) 01時01分
こんばんは。ITOYAと申します。TBありがとうございました。私もTBさせていただきました!
私も、学生の頃にファンになって、オールナイトニッポンも聴いておりましたファンです。が、夜会は初めてでした!(過去2回ほどチケットとれず;;)できたての赤坂ACTシアターオープニングシリーズで、私も2列目、右端のほうで、同じく手が届きそうなところで生みゆき様!の生うた!大感激でした!(そして同様に全体像が見にくかったです^^)
心の奥に響く歌声でした!!!
今から次回の夜会が楽しみなのと、今度はコンサートも行きたいっです。
ありがとうございました。
投稿: ITOYA | 2009年2月 5日 (木) 23時18分