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『バロン』この映画を見て!

第241回『バロン』
Photo  今回紹介する作品は独特なヴィジュアルセンスを持つ鬼才テリー・ギリアムが「ほら吹き男爵の物語」を映画化した『バロン』です。
本作品は巨額の制作費をかけた割に興行的に失敗して、ギリアム監督はしばらく不遇の時代を迎えることになります。
 しかし、本作品で見せてくれるギリアム監督の独創的イマジネーションの数々はギリアムファンにはたまりません。特に月面のシーンとヴィーナスが登場するシーンはそのヴィジュアルセンスに圧倒されます。
 また、モンティ・パイソンで活躍していただけあって子供が見る甘いファンタジー映画にはなっておらず、ブラックユーモアや下ネタも満載です。

ストーリー:「18世紀、トルコ軍占領下にあり戦火の広がる町。そこで「ほら吹き男爵の冒険」の演劇が上演されていた。そこへ突然本物のほら吹き男爵(バロン)が現れ、自分のせいでトルコ軍と戦争になったと言う。しかし、誰も真剣に相手をしなかったが、劇団の少女サリーだけは彼が本物のバロンであることを見抜く。サリーはバロンにトルコ軍を倒すために協力してほしいと依頼され、一緒に闘う仲間を連れてくるために気球で旅に出る。」

 本作品の最大の見所は何と言っても完璧な童話の世界の映像化です。セットとローテクな特撮で作り上げられたファンタジーの世界は見た目はいかにも作り物といった感じです。しかし、その作り込みが徹底されているので逆にCGでは出せないおとぎ話の世界のリアリティが表現できていたと思います。ファンタジー映画では細部への気配りがないと観客が入り込めなくなることが、本作品を見ると良く分かります。 

 出演者も大変豪華です。特に注目は、若き日のユマ・サーマンやサラ・ポーリーの出演と、ロビン・ウィリアムズがコメディアンとしてはじけた演技です。ユマ・サーマンはヴィーナスの役をしていますが、その美しさはため息が出るほどです。また、サラ・ポーリーも歯が抜けて幼いですが、しっかりした女の子役を見事に演じています。
 また、ギリアム監督の盟友であるエリック・アイドル、 ジョナサン・プライスが出演しているところも嬉しい限りです。 プライスに関しては『未来世紀ブラジル』とは打って変わって、がちがちの官僚役を演じていて面白かったです。

 ストーリーに関して印象的だったのは、理性の時代に対する批判。理性的と思われる行動が人を抑圧し、一見非理性的な行動が人を解放する。理性に埋め尽くされた時代に対する監督の批判精神を感じました。
 
 本作品の独創的な映像と物語をぜひ皆さんも体験して、理性の時代に息抜きをしてください!

上映時間 125分
製作国 アメリカ
製作年度 1989年
監督: テリー・ギリアム 
原作: ゴットフリート・ビュルガー 
脚本: チャールズ・マッケオン ,テリー・ギリアム 
撮影: ジュゼッペ・ロトゥンノ 
音楽: マイケル・ケイメン 
出演:
 ジョン・ネヴィル
 サラ・ポーリー
エリック・アイドル
オリヴァー・リード
ジョナサン・プライス 
  ロビン・ウィリアムズ
ユマ・サーマン 
ヴァレンティナ・コルテーゼ 
アリソン・ステッドマン
ウィンストン・デニス 
チャールズ・マッケオン 
ジャック・パーヴィス 
ビル・パターソン 
ピーター・ジェフリー
レイ・クーパー

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コメント

はじめまして。TBしてあったので、コメントを書きに来ました(笑)テリー・ギリアムの映画は好きなんですが、実はあんまりバロンは期待せずに観たのですが、最もテリー・ギリアムらしい作品だったので、観終わった時は嬉しかったです。僕のは殆ど競馬と映画の2本立てのブログですが、また覗きに来てください。また面白い映画でもあれば、教えてください。

投稿: ディープインパクト | 2009年1月20日 (火) 20時33分

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