« 2008年11月23日 - 2008年11月29日 | トップページ | 2008年12月7日 - 2008年12月13日 »

2008年11月30日 - 2008年12月6日

夜会 VOL.14 『24時着 00時発』

14  今年の冬は中島みゆきファンにとっては夜会の季節ですね。現在、東京では15回目の夜会となる 『~夜物語~ 元祖・今晩屋』が公演中で、多くのファンが鑑賞に行っていると思います。私は来年2月の大阪公演のチケットを手に入れたので、鑑賞までもうしばらく我慢しないといけない状態です。
 
 さて、今回の夜会の公演にあわせて、前回の夜会 『24時着 00時発』の大阪公演のDVDが11月に発売されました。
 前回の夜会は私も東京公演に行き、鑑賞しました。その時はみゆきさんのオーラと歌声に圧倒されて、細かいところまで覚えていませんでした。私はDVDを早速購入して再鑑賞しました。
 
 前回の夜会は13回目の夜会で公演された『24時着 0時発』の再演ということで、ストーリーの大筋は13回目と大きく変わりません。しかし、歌詞の追加や話の展開が微妙に変わっており、話しが分かりやすくなっています。
 KENJI役が13回目の詩人の三代目魚武濱田成夫さんから役者のコビヤマ洋一さんに交代したことにより、コミカルな描写も増えています。(ただ、個人的にはコビヤマ洋一さんは役者が本業だけあって演技は上手いですが、三代目魚武濱田成夫さんの方が迫力はあったかなと思います。)
 
 また前回、前々回の夜会のモチーフとなった宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』が13回目より、さらに前面に押し出された作りとなっています。賢治と思わしき姿で出演者たちが随所に登場しますし、ラストはジョバンニが銀河鉄道に乗って旅をするシーンで終わります。

 今の人生とは違う別の人生への憧れ、喪失した故郷に対する回帰の希望、そして果てしなく続く命の輪廻転生。夜会はみゆきさんの様々な思いが重層的に込められており、何回見ても新たな発見と感動があります。

 私は今回DVDで改めて前回の夜会を見直し、生きていくということは常に何かを失うことでしか何かを得ることはできず、故郷を見失うと進むべき道すら見失う恐れがあるということを感じました。
 
 夜会は見る人の数だけ様々な感じ方があります。ぜひ、多くの人に中島みゆきが生み出す夜会という不思議で感動に満ちた世界にぜひ足を踏み入れてほしいです。

1. サヨナラ・コンニチハ
2. 線路の外の風景
3. 分水嶺
4. フォーチュン・クッキー
5. パーティー・ライツ
6. 闇夜のテーブル
7. 情婦の証言
8. ティムを探して
9. 廃線のお知らせ
10. 遺失物預り所
11. 水を点して 火を汲んで
12. ミラージュ・ホテル
13. ミラージュ・ホテル
14. メビウスの帯はねじれる
15. DOORS TO DOORS
16. リゾート・ラッシュ
17. 水の線路
18. 我が祖国は風の彼方
19. 帰れない者たちへ
20. 月夜同舟
21. 命のリレー
22. サーモン・ダンス
23. 二雙の舟
24. 無限・軌道
25. ミラージュ・ホテル (Inst.)
26. サーモン・ダンス
27. 命のリレー

| | コメント (2) | トラックバック (1)

『ブライアン・デ・パルマ』私の愛する映画監督7

Photo  今回はサスペンスタッチの演出と独特のカメラワークで人気のあるブライアン・デ・パルマ監督を紹介します。
 
 デ・パルマ監督は昔コロンビア大学で物理を学んでいたそうですが、大学時代に『市民ケーン』『めまい』に衝撃を受け、映画の道に進むことになります。
 
 1960年代はニューヨークを拠点に短編やドキュメンタリーを製作。そして1968年にロバート・デ・ニーロ出演の群像劇『ロバート・デ・ニーロのブルーマンハッタン』を製作。
 
 そして、1970年にはハリウッドに活躍の場を移すがパッとせず、ニューヨークに戻り、『悪魔のシスター』を監督。映画ファンに高い評価を受け、続けて監督した『ファントム・オブ・パラダイス』がカルト的人気を呼びます。そして、ハリウッドに戻り監督した1976年の『キャリー』が大ヒットし一躍有名監督になります。
 
 その後、70年後半~80年前半にかけて、次々と話題のサスペンス映画を監督。デ・パルマカットと呼ばれる独自の映像表現に熱狂的なファンが現れます。
 
 しかし、1983年アル・パチーノ主演作の大作『スカーフェイス』が酷評され、一時期低迷状態に。

 そんな中、1987年に『アンタッチャブル』がヒットし奇跡の復活を遂げます。だが、90年以降は1996年の『ミッション:インポッシブル』以外にヒットにも恵まれず、作風も大味で評価も低迷状態が続きます。
 最近もコンスタントに監督作品が発表されますが、70年後半~80年前半の一番脂が乗っていた時代に比べると出来は今ひとつのものばかりです。

 私は70年後半~80年前半にかけてのヒッチコックを意識したB級テイストの作品が大好きです。(ヒッチコックのパクリと嫌う人もいますが。)
 華麗で凝ったカメラワーク、エロスと暴力に彩られた猥雑な雰囲気、ストーリーの語り方の巧みさ、往年の映画へのオマージュ。当時のデ・パルマ監督の作品には色気と勢いがありました。

 しかし、80年後半以降の作品はいまいちパッとしないものが多いです。特に監督が過去得意としていたサスペンス作品はどれも残念な出来が多く、デ・パルマ監督ファンとしては寂しい限りです。
 もちろん、『アンタッチャブル』や『ミッション:インポッシブル』等のアクション大作で、緊張感とスケールの大きさを感じさせる演出を行っていましたし、アル・パチーノを主演に93年に監督した『カリートの道』などはデ・パルマ監督でないと撮れない哀愁に満ちたギャング映画でした。

 デ・パルマ監督は大作や文芸調の作品より、エロチックなB級作品の方が才能を発揮できると思います。できれば、再度そのような作品を撮ってほしいとファンとしては願います。 

【主な監督作品】
・リダクテッド 真実の価値(2007)
・ブラック・ダリア(2006)
・ファム・ファタール(2002)
・ミッション・トゥ・マーズ(2000)
・スネーク・アイズ(1998)
・ミッション:インポッシブル(1996)
・カリートの道(1993)
・レイジング・ケイン(1992)
・虚栄のかがり火(1990)
・カジュアリティーズ(1989)
・アンタッチャブル(1987)
・ボディ・ダブル(1984)
・スカーフェイス(1983)
・ミッドナイトクロス(1981)
・殺しのドレス(1980)
・フューリー(1978)
・愛のメモリー(1976)
・キャリー(1976)
・ファントム・オブ・パラダイス(1974)
・悪魔のシスター(1973)

ブライアン・デ・パルマの作品

| | コメント (0) | トラックバック (0)

『鳥』この映画を見て!

第232回『鳥』
Photo_2  今回紹介する作品はが鳥が突然人間を襲撃をする恐怖を描いたヒッチコック監督の傑作パニック映画『鳥』です。

 本作品のストーリーは至ってシンプルで、アメリカの小さな田舎町を舞台に人間が鳥に襲撃される恐怖を描いていきます。

私は小学生の時に本作品を友達と図書館の視聴覚コーナーで鑑賞したのですが、理由なく鳥が襲う不条理な恐怖とショッキングな演出の数々に圧倒されたのを覚えています。
 また、ヒッチコック監督の演出は斬新で、BGMも全くなく、鳥がなぜ襲うのか理由も一切提示されず、何も解決されないまま結末を迎えます。分からないゆえの恐怖と緊張感が本作品は終始漲っています。
 
 鳥の襲撃のシーンも前半は前振りだけでなかなか見せてくれないのですが、中盤からこれでもかと畳み掛けるようにショッキングなシーンが次から次へと繰り広げられます。特に学校での子どもたちが襲撃されるシーンは、ヒッチコック監督の徐々に迫り来る恐怖の演出が冴え渡っています。
 CGもまだない時代に、これだけリアルで恐ろしい鳥の襲撃シーンが撮影されたのは驚く限りです。
 
 また、人間ドラマとして見ても結構面白く、ヒロインと彼氏の母との確執は別の意味で映画に緊張感を与えています。 
 
 本作品はヒッチコック監督の作品としても、また動物襲撃映画としてもかなり異色の作品ではありますが、大変見応えがあります。ぜひ、未見の方は一度ご覧ください! 

上映時間 120分
製作国 アメリカ
製作年度 1963年
監督: アルフレッド・ヒッチコック 
製作: アルフレッド・ヒッチコック 
原作: ダフネ・デュ・モーリア 
脚本: エヴァン・ハンター 
撮影: ロバート・バークス 
音楽: バーナード・ハーマン 
プロダクションエグゼクティブ: ロバート・ボイル 
出演: ティッピー・ヘドレン 
ロッド・テイラー 
スザンヌ・プレシェット 
ジェシカ・タンディ 
ヴェロニカ・カートライト 
ドリーン・ラング 
エリザベス・ウィルソン 
エセル・グリフィス 
チャールズ・マックグロー 
ロニー・チャップマン 
ジョー・マンテル 
マルコム・アターベリイ

| | コメント (0) | トラックバック (1)

『サイコ』この映画を見て!

第231回『サイコ』
Photo  今回紹介する作品はサスペンス映画の巨匠アルフレッド・ヒッチコック監督の代表作『サイコ』です。

 私が本作品を始めてみたのは、中学生のときに深夜のテレビ放送のときでした。その時は昔の映画だから今見ると退屈かなと思って最初見ていたのですが、終始漲る緊張感と予想外の展開に最後まで画面に釘付けになったものでした。
 
ストーリー:「会社の金を横領した女が逃げる途中に立ち寄ったベイツ・モーテル。そこの管理人の青年ノーマンは年老いた“母”が離れ家にいた。女は部屋でシャワーを浴びて一息つこうとするが、その時に背後から正体不明の女性にナイフで切りつけられる。」

 本作品の最大の見所は何といっても、中盤のシャワーでの惨殺シーン。モノクロ映像ながら真っ赤な血がまるで飛び散っているかのように見えるヒッチコック監督の演出は今見ても衝撃的です。バーナード・ハーマンの弦楽器を利用した観客の不安感を煽る音楽にあわせて映し出される細かなカット割りの映像。体にナイフが直接刺されるカットは一度もないにもかかわらず、見ている側は女性が刺されたシーンを見たかのような錯覚に陥ります。
ヒッチコック監督はこのシーンの撮影に一週間も費やし、70回以上カメラのアングルを変えて、ナイフを犠牲者の体に一度も触れさせずに、まるで刺されたように撮影したそうです。

 また、本作品の面白いところは前半と後半で主人公が変わってしまうところです。私は最初見た時、主人公だと思った女性が中盤に死んでしまってびっくりしました。映画の前半は後半の謎解きのための長い前フリという非常に大胆な展開です。

 映画の後半に関しては未見の方もいらっしゃると思うので詳しく書きませんが、予想外のショッキングな結末は始めて見る方は驚くと思います。
 ただ、最後に医師が真相を語るシーンは少し語りすぎのような気がします。

 映画の冒頭のソウル・バスが手がけたタイトルデザインも秀逸で、バーナード・ハーマンの緊張と不安を煽る音楽と共に、観客を映画の中に一気に引き込みます。

 アンソニー・パーキンスは一世一代のはまり役で、本作品に出演後、どの映画に出演しても本作品のイメージがダブってしまいます。
 
 なお、本作品は続編やリメイクも制作されていますが、1作目に比べると残念な出来栄えです。
 またヒッチコック監督を尊敬するブライアン・デ・パルマ監督は本作品にインスパイアされた『殺しのドレス』という作品を製作しています。本作品の出来には及びませんが、これはこれで面白い仕上がりになっています。

 本作品は予想外の展開の連続で、今見ても十分に面白い作品です。未見の方はぜひ前情報なく見てください!

上映時間 109分
製作国 アメリカ
製作年度 1960年
監督: アルフレッド・ヒッチコック 
製作: アルフレッド・ヒッチコック 
原作: ロバート・ブロック 
脚本: ジョセフ・ステファノ 
撮影: ジョン・L・ラッセル 
音楽: バーナード・ハーマン 
タイトルデザイン: ソウル・バス 
出演: アンソニー・パーキンス 
ジャネット・リー 
ジョン・ギャヴィン 
ヴェラ・マイルズ 
マーティン・バルサム 
サイモン・オークランド 
ジョン・マッキンタイア 
ジョン・アンダーソン 
パトリシア・ヒッチコック 

| | コメント (0) | トラックバック (1)

« 2008年11月23日 - 2008年11月29日 | トップページ | 2008年12月7日 - 2008年12月13日 »