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『遊星からの物体X 』この映画を見て!

第232回『遊星からの物体X』
X  今回紹介する作品はSFホラーの古典「遊星よりの物体X」をアメリカを代表するホラー映画監督ジョン・カーペンターが原作に忠実にリメイクした『遊星からの物体X』です。
 
 私が本作品を始めて見たのはテレビ放映だったのですが、その時はロブ・ボーディンのグロテスクなクリーチャーの造形と特殊効果に大変衝撃を受けました。今のようにCGもなかった時代、特撮でここまで生々しくおぞましいクリーチャーを作り上げるとは凄いものです。特に犬が変身するシーンと心肺蘇生シーンは強烈で、初めて見た時は思わず腰が浮いてしまいました。

ストーリー:「一匹の犬がノルウェーの南極隊員に追われてアメリカの南極観測基地に逃げ込む。アメリカの隊員はノルウェーの隊員が銃を乱射したので射殺する。
 アメリカ隊員たちは何が起こったのか探るためにノルウェー基地に行くがすでにノルウェーの部隊は全滅していた。
 やがてノルウェー隊の犬を媒介にしてアメリカ基地に未知の生命体が侵入。生命体は巧みに接触した人間を取り込み同化していく。やがて吹雪に閉ざされた基地内で隊員たちは互いに疑心暗鬼になっていく……。」

 本作品は誰がエイリアンに乗っ取られたか分からないというサスペンスタッチで話しが進んでいくのですが、疑心暗鬼かつ極限状態に置かれた人間の追い詰められた心理が見事に表現されています。
 誰が乗っ取られているのかを知るために血液検査をするシーンの緊張感は見ている側も息が詰まるほどです。
 ラストも安易なハッピーエンドではなく、生き残った人間同士がお互いに疑いあうという
非常に救いようのない終わり方です。

 ジョン・カーペンター監督の演出は終始静かで寒々しく重苦しい雰囲気を漂わせ、じわりじわりと緊張感や恐怖を高めていきます。

 エンニオ・モリコーネの音楽もジョン・カーペンター監督の演出を見事にサポートしており、現代音楽っぽい繰り返しの不気味なメロディは不安感と緊張感を映画に与えています。
 
 ジョン・カーペンター監督は作品によって仕上がりにばらつきがあり、面白いものもあれば、つまらないものもあるのですが、本作品は監督の最高傑作であり、SFホラーを代表する作品です。

上映時間 109分
製作国 アメリカ
製作年度 1982年
監督: ジョン・カーペンター 
原作: ジョン・W・キャンベル・Jr 
脚本: ビル・ランカスター 
撮影: ディーン・カンディ 
特撮: アルバート・ホイットロック 
特殊効果: ロブ・ボーディン 
音楽: エンニオ・モリコーネ 
出演: カート・ラッセル
A・ウィルフォード・ブリムリー
リチャード・ダイサート 
ドナルド・モファット 
T・K・カーター 
デヴィッド・クレノン
キース・デヴィッド 
チャールズ・ハラハン
ピーター・マローニー
リチャード・メイサー
ジョエル・ポリス 
トーマス・G・ウェイツ

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