『オリエント急行殺人事件』この映画を見て!
第229回『オリエント急行殺人事件』 今回紹介する作品は推理小説の女王であるアガサ・クリスティの同名原作を見事に映画化した『オリエント急行殺人事件』です。
ストーリー:「1935年冬。イスタンブールからカレーに向かう大陸横断国際列車オリエント急行に名探偵エルキュール・ポワロは乗っていた。様々な乗客が乗り合わせる中で、出発から2日目の夜、ポワロの隣の客室にいたアメリカ人富豪ラチェットが身体中を刃物で刺されて殺された。大雪で線路が埋まり列車が立往生している中、ポワロは鉄道会社からの依頼で事件の究明に乗り出すのだが…。」
本作品の最大の見所は何といっても豪華な出演者たちの演技合戦。ジャクリーン・ビセット、ローレン・バコール、ショーン・コネリー 、そして本作品でアカデミー助演女優賞に選ばれたイングリッド・バーグマン。これだけの役者が一堂に会する作品はなかなかありません。
なお、ポワロを演じたのはアルバート・フィニー。皮肉屋で一癖も二癖もあるポワロを大げさとも言える演技で見事に演じきっています。(ただ人によっては過剰演技が鼻に付くかもしれませんね。)
ストーリーに関しては未見の方もいらっしゃると思うので何も言いませんが、予想外の結末とラストの粋な締めくくり方が大変印象的です。
映像やセット、音楽もキャストに負けず劣らず重厚かつ華麗で、見ていて飽きることがありません。
ちなみに撮影当時に、30年代に走っていたオリエント急行の車両はすでに廃車となっていたのですが、美術スタッフは当時の車両を忠実に復元したそうです。
監督は『12人の怒れる男』や『狼たちの午後』など社会派の作品で有名なシドニー・ルメットが担当。硬派な作品が持ち味の監督ですが、ほとんど列車内が舞台という密室劇を 華やかな雰囲気のエンターテイメント作品として見事に仕上げています。
本作品はミステリー映画としては最高傑作の部類に入ると思います。豪華で、優雅で、知的なミステリーを楽しみたい方は本作品の鑑賞をお薦めします!
上映時間 128分
製作国 イギリス
製作年度 1975年
監督: シドニー・ルメット
製作: ジョン・ブラボーン
リチャード・グッドウィン
原作: アガサ・クリスティ
脚本: ポール・デーン
撮影: ジェフリー・アンスワース
音楽: リチャード・ロドニー・ベネット
出演: アルバート・フィニー
ジャクリーン・ビセット
アンソニー・パーキンス
マイケル・ヨーク
ローレン・バコール
イングリッド・バーグマン
ショーン・コネリー
リチャード・ウィドマーク
ヴァネッサ・レッドグレーヴ
ウェンディ・ヒラー
ジョン・ギールグッド
ジャン=ピエール・カッセル
レイチェル・ロバーツ
コリン・ブレイクリー
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- 『トゥルー・ロマンス』この映画を見て!(2011.01.09)
- 『アンストッパブル』この映画を見て!(2011.01.09)
- 『スカーフェイス』この映画を見て!(2011.01.09)
- 『バトル・ロワイアル』この映画を見て!(2011.01.04)
- 『大地震』映画鑑賞日記(2011.01.03)
「この映画を見て!~お奨め映画紹介~」カテゴリの記事
- 『君の名は』この映画を見て!(2017.01.22)
- 『トゥルー・ロマンス』この映画を見て!(2011.01.09)
- 『アンストッパブル』この映画を見て!(2011.01.09)
- 『スカーフェイス』この映画を見て!(2011.01.09)
「ホラー・サスペンス映画」カテゴリの記事
- 『サバイバル・オブ・ザ・デッド』映画鑑賞日記(2010.12.28)
- 『恋する幼虫』この映画を見て!(2010.09.11)
- 『丑三つの村』この映画を見て!(2010.03.13)
- 『犬神の悪霊』この映画を見て!(2010.02.25)
- 『激突』この映画を見て!(2010.01.03)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
コメントありがとうございます!
「シベリア超特急」は私も見ましたが、本作品の影響を強く受けてますよね。ただ、残念なのは水野監督はメルット監督ほど演出力がないところですね。
投稿: トロトロ | 2008年11月24日 (月) 23時18分
TBありあとうございます。
オリエント急行が舞台になっている映画は「ロシアより愛をこめて」など名作が多いですね。
あの「シベ超」も本作がベース(パクリ)だそうですし影響力も大きい映画ですね。
この時期のルメット作品は本当に冴えていたと思います。
投稿: livin_on_a_prayer | 2008年11月24日 (月) 16時29分