『フューリー』映画鑑賞日記
ブライアン・デ・パルマ監督が『キャリー』に続き、超能力をテーマにしたサスペンスホラー『フューリー』。 『キャリー』が傑作だったので、本作品にも高い期待をして鑑賞したのですが、結果は物足りない出来でした。
ストーリー:「誘拐された息子を追って奔走する元情報部員。それは、息子の持つ超能力に目をつけた組織の仕業だった。研究所に通うようになった超能力少女の助けを得て、息子の消息に迫るのだが……。」
超能力を持ったが故の悲劇を扱った映画は『デッドゾーン』や『炎の少女チャーリー』など数多くありますが、本作品もその路線の一つです。
随所にデ・パルマ監督らしい流麗なカメラワークと毒々しい演出があり、そこは見入ってしまいました。特に中盤の3分以上続くスローモーションのシーンとラストのショッキングな演出は強烈なインパクトがありました。
出演している役者も、カーク・ダグラスやジョン・カサヴェテスと大変豪華ですし、『ブレード・ランナー』で有名なダリル・ハンナがちょい役で登場しまいす。スタッフも特殊メイクに『狼男アメリカン』のリック・ベイカー、音楽に『ジョーズ』のジョン・ウィリアムズとハリウッドでも一流の人が手がけています。
しかし、ストーリー展開が大味でテンポが何とも悪いのです。大作を意識した作りをしているのだと思うのですが、無駄なシーンが多いです。特にカーク・ダグラス演じる主人公が追ってから逃げるシーンは変に笑いを入れようとして、緊張感が削がれていました。
また、登場人物たちの描き方も散漫で、感情移入できません。その為、ラストの悲劇的な展開も胸にグッと来るものがありませんでした。
本作品はストーリーがもう少し上手くまとまっていたら、完成度が上がっていたと思います。
デ・パルマ監督は大作な映画よりも、猥雑なB級路線の映画の方が完成度が高く面白いです。
上映時間 119分
製作国 アメリカ
製作年度 1978年
監督: ブライアン・デ・パルマ
製作: フランク・ヤブランス
原作: ジョン・ファリス
脚本: ジョン・ファリス
撮影: リチャード・H・クライン
特殊メイク: リック・ベイカー
メイクアップ: ウィリアム・タトル
音楽: ジョン・ウィリアムズ
出演: カーク・ダグラス、ジョン・カサヴェテス、エイミー・アーヴィング、
チャールズ・ダーニング、 キャリー・スノッドグレス、アンドリュー・スティーヴンス
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