『恋文』中島みゆきアルバム紹介
中島みゆきのアルバム紹介No.5『恋文』
今回紹介するアルバムは中島みゆきが2003年に発表した通算31作目のオリジナル・アルバム『恋文』です。
本作品はアルバムのタイトルの通り、大人の恋をテーマにした歌が数多く収録されています。
1曲目の「銀の龍の背に乗って」はフジテレビの連続ドラマ『Dr.コトー診療所』の主題歌として採用されたのでご存知の方も多いかと思います。みゆきさんらしい独特の言い回しと力強いサウンドが聞く者に勇気を与えてくれます。
2曲目の「恋とはかぎらない」とは気になる離れた相手のことを思う曲です。普段会わない、会えない関係。しかし、それでも何となく気になり、何となく相手のことを感じてしまう。そんな女性の相手への思いが聞いていて伝わってきます。
3曲目の「川風」は別れた恋人に謝罪したい女性の気持ちを歌った曲です。恋に夢中になっている時は恋している自分のことばかり気にしていた自分。別れてやっと分かった相手の気持ち。失うことでしか気づけない人間の哀しみが聞いていて伝わってきます。
5曲目の「寄り添う風」は側にいたくても側にいられない女性の気持ちを歌った曲です。「寄り添う風」でもいいから相手の側にいたい女性の思いが聞いていて胸に迫ってきます。
4曲目の「ミラージュ・ホテル」は、6曲目の「情婦の証言」、8曲目の「月夜同舟」は夜会VOL.13『24時、0時発』、VOL.14『24時、00時発』の為に作られた歌です。「ミラージュ・ホテル」は夜会では主人公がさ迷い込んだ謎のホテルを描写した歌です。「情婦の証言」はどんなに愛があっても、社会的に認められない関係だと信じてもらえない女性の寂しさや哀しみを唄っています。「月夜同舟」はとても抽象的で幻想的な歌詞です。聞く人によってイメージされる情景は違うと思いますが、私としては此岸から彼岸に渡る船をいつもイメージしてしまいます。
7曲目の「ナイトキャップ・スペシャル」は個人的には本アルバムで一番好きな曲です。人生傷ついて夜眠れないときに一番効くのは黙って受け止めてくれる女友達であるということを軽快に歌い上げます。「男は答えや解決策ばかりを言うが、そんなことは求めていない」というフレーズが男の私としてはドキッとさせられます。
9曲目の「恋文」はみゆきさんらしい失恋の曲です。好きだった男の恋文に書かれていた「ありがとう」。それが実は恋の終わりの意味だったというフレーズがとても切ないです。
10曲目の「思い出だけではつらすぎる」は柴崎コウに提供した曲です。アルバムのラストに収められるだけあって、とても印象に残る曲です。忘れられない相手にもう一度会いたい女性の思いが力強く歌い上げられます。特に後半のみゆきさんの叫ぶような歌い方は聞いている者の心を震わせます。
本作品は歌詞も曲も全体的にマイルドで、みゆきさんの歌い方もさらっと自然体です。最近のみゆきさんのアルバムの中ではおそらく一番聞きやすいので、初心者の方にもお薦めの1枚です。
1. 銀の龍の背に乗って
2. 恋とはかぎらない
3. 川風
4. ミラージュ・ホテル
5. 寄り添う風
6. 情婦の証言
7. ナイトキャップ・スペシャル
8. 月夜同舟 (げつやどうしゅう)
9. 恋文
10. 思い出だけではつらすぎる
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