『粘土でにゃにゅにょ―土が命のかたまりになった! 』街を捨て書を読もう!
『粘土でにゃにゅにょ―土が命のかたまりになった! 』 著:田中敬三 岩波ジュニア新書 今回紹介する本は滋賀県にある「第二びわこ学園」という施設(現在は、びわこ学園医療福祉センター野洲に改称)で生活されている心身に重い障がいのある方たちが粘土を通して自分を表現していく姿を記した『粘土でにゃにゅにょ―土が命のかたまりになった! 』です。
著者の田中敬三さんは第2びわこ学園の職員として約40年前から粘土活動に取り組み始めます。障害ゆえに粘土という素材に戸惑いのあった方たちが、如何にして粘土に親しみ、粘土に自分の思いをこめるようになってきたのか?その過程でのドラマが本書では丹念に描かれています。
上手く自分のことを周囲に表現できないが故に自らの思いやエネルギーを粘土に注ぎ込む姿は、人間という生き物が持つ自己表現力の素晴らしさや可能性を再認識させられました。
また本書を読んで、重い障がいのある方たちの支援をする際に支援者側が急いで結果を求めず、じっくりと腰を据えて工夫しながら関わることの大切さを改めて痛感しました。
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