『椿三十郎』この映画を見て!
第216回『椿三十郎』 今回紹介する作品は『用心棒』の大ヒットを受けて、黒澤監督が三船敏郎を主役に据えて製作した凄腕の浪人・三十郎が活躍する時代劇『椿三十郎』です。本作品は昨年に森田芳光監督・織田裕二主演でリメイクされ大変話題になりました。
ストーリー:「真夜中の森の中の朽ちた社の中、9人の若侍たち人目を避けるように集まり次席家老の汚職の問題を話していた。家老の不正を何とか暴こうと気勢を上げる若者たち。
そんな前に奥の部屋からアクビをしながら三十郎が現れ、若者たちの脇の甘い作戦に注意をする。そして、三十郎は若者たちに手を貸すことにする。」
本作品は上映時間も98分と短く、オープニングからテンポ良く話しが進ます。前作は三十郎が知恵を絞りながら1人で悪に颯爽と立ち向かう姿をハードボイルドタッチで描いていましたが、本作は三十郎が9人の若侍と協力して悪に立ち向かっていく姿をユーモアを織り交ぜながら勧善懲悪なスタイルでスカッと描いていきます。
本作品でも三船敏郎演じる三十郎の飄々としたカッコ良さは健在です。私が本作品で特に印象的だったのが、敵に捕まった若侍を助けるために殺生をした後、若侍の身勝手な行動にビンタするシーン。生と死が隣り合わせの世界で生きてきた三十郎の姿が垣間見えるシーンでした。
また、本作品にコミカルな場面が多いのも特長です。特に脇役である入江たか子演じる奥方と団令子演じる姫君、そして小林桂樹演じる人質役の3人が笑いを誘います。
悪役に関して言うと、前作に引き続いて仲代達矢が登場。本作品では前作のニヒルな悪役とは打って変わり、三十郎と裏表の関係にある武士として迫力のある演技を見せてくれます。
もちろん、前作同様に三十郎の迫力ある殺陣シーンも健在です。特にラストの仲代達矢演じる敵との一対一の対決シーンは映画史に残る伝説的な殺陣シーンです。2人が向き合い牽制している時のただならぬ緊張感。そして次の瞬間、目にも止まらぬ速さで三十郎の刀が舞い、敵の胸から血が激しく噴出す。その迫力は見ていて度肝を抜かれます。
上映時間 98分
製作国 日本
製作年度1962年
監督: 黒澤明
原作: 山本周五郎『日々平安』
脚本: 菊島隆三 小国英雄 黒澤明
撮影: 小泉福造 斎藤孝雄
美術: 村木与四郎
音楽: 佐藤勝
出演: 三船敏郎、仲代達矢、小林桂樹、加山雄三、団令子
志村喬 、藤原釜足、入江たか子、清水将夫、伊藤雄之助
久保明 、太刀川寛、土屋嘉男、田中邦衛、、江原達怡吾
平田昭彦 、小川虎之助
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