『ゴッドファーザー PART III』この映画を見て!
第215回『ゴッドファーザー PART III』
今回紹介する作品は前作から15年ぶりに製作されたシリーズ最終章『ゴッドファーザー PART III』です。
ストーリー:「1979年。マイケル・コルレオーネは慈善事業の実績によってバチカンから聖セバスチャン勲章を授与される。しかし、その一方で自分がこれまでに犯してきた数々の罪と糖尿病に苦しんでいた。マイケルはバチカンの加護を得て一切の犯罪から手を引くことを宣言したが後継者に長兄ソニーの息子である気性の荒いヴィンセントを立てたことから内部抗争に火がついてしまう。
またマイケルは大司教と手を組み、バチカンの銀行を利用してヨーロッパのコングロマリットを手に入れようとする計画を立てていたが、敵が立ちふさがり、命を狙われることになる。」
本作品は1作目・2作目に比べると完成度は落ちます。その理由として、監督の配役ミスがあります。
まずロバート・デュバルがギャラの関係で降板して、1作目から重要な脇役だった弁護士トムが登場しないこと。彼が登場すれば本作品は完結編としてもっと面白くなったと思います。
また本来ウィノナ・ライダーが演じる予定だったマイケルの娘役を体調不良による降板から、監督の娘であるソフィア・コッポラが急遽代役として立てたことも大きな失敗だったと思います。頑張って演技していたとは思いますが、やはり他の役者と比較すると演技が浮いています。
あと、映像やストーリー展開もキレや重厚さがありません。ヘリコプターからの銃撃シーンはこのシリーズには相応しくないようなアクションシーンですし、バチカンの銀行をめぐる駆け引きも説明不足で緊張感に欠けていました。
最初にあれやこれやと本作品への不満を書いてしまいましたが、決して退屈な駄作というわけではありません。
私は本作品を見た時、最後のマイケルを襲う悲劇に思わず泣いてしまいましたし、ラストの切ない終わり方も本作品の締めくくりに相応しいと思いました。
本作品はファミリーを守り発展させるために数々の罪を重ねたマイケルの老いてからの後悔と苦悩を描いており、1作目・2作目の頃のクールなマイケルの姿を求める人からみると違和感があるかもしれません。私は本作品のマイケルの弱々しく痛々しい姿に老いからくる孤独と哀愁を感じました。
本作品は単体で見るとイマイチかもしれませんが、1作目から3作目まで通してみると、人生の因果応報や栄枯盛衰がドラマチックに描かれた映画史に残る傑作です。ぜひ3作通して見てください!
上映時間 162分
製作国 アメリカ
製作年度 1991年
監督: フランシス・フォード・コッポラ
脚本: フランシス・フォード・コッポラ,マリオ・プーゾ
撮影: ゴードン・ウィリス
作詞: ジョン・ベティス
音楽: カーマイン・コッポラ, ニーノ・ロータ
出演: アル・パチーノ、ダイアン・キートン、アンディ・ガルシア、タリア・シャイア
ソフィア・コッポラ 、フランク・ダンブロシオ、リチャード・ブライト ジョン・サヴェージ
ジョージ・ハミルトン 、ブリジット・フォンダ、イーライ・ウォラック
ジョー・マンテーニャ
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