『崖の上のポニョ』この映画を見て!
第210回『崖の上のポニョ』
今回紹介する作品は7月19日から公開される宮崎駿監督の最新作『崖の上のポニョ』です。
現在テレビでは予告編がオンエアーされており、女の子がたどたどしく歌う「ポーニョ、ポーニョ~」という主題歌が印象に残っている人も多いかと思います。
私は運良く試写会のペアチケットを手に入れることが出来て、パートナーと共に一足先に見に行くことができました。
映画のあらすじ
「海辺の小さな町。
崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、
ある日、クラゲに乗って家出したさかなの子・ポニョと出会う。
アタマをジャムの瓶に突っ込んで困っていたところを、
宗介に助けてもらったのだ。
宗介のことを好きになるポニョ。
宗介もポニョを好きになる。
「ぼくが守ってあげるからね」
しかし、かつて人間を辞め、
海の住人となった父・フジモトによって、
ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう。
人間になりたい!
ポニョは、妹たちの力を借りて父の魔法を盗み出し、
再び宗介のいる人間の世界を目指す。
危険な力を持つ生命の水がまき散らされた。
海はふくれあがり、嵐が巻き起こり、
妹たちは巨大な水魚に変身して、
宗介のいる崖へ、大津波となって押し寄せる。
少年と少女、愛と責任、海と生命。 まだ公開前なので映画の詳細に関しては何も言いませんが、衰えを知らない宮崎監督の想像力の豊かさに圧倒されました。 CGを使わず手描きにこだわった映像は躍動感と温かみに溢れており、見ていて楽しく飽きることがありません。 あと本作品を語る上で外せないのが一度聞いたら頭から離れない主題歌。映画ではエンドロールで流れるのですが、『となりのトトロ』以来のインパクトのある主題歌です。
神経症と不安の時代に、
宮崎駿がためらわずに描く、母と子の物語」(映画チラシより)
特に海の映像はとても力が入っており、デフォルメされた波の描写や海中を泳ぎ回る色とりどりな魚たちの姿を見ていると海自体が重要な主人公であることに気づくでしょう。
主人公たちの動きや仕草も可愛くコミカルですし、中盤に『カリオストロの城』のカーチェイスを彷彿させるようなシーンもあります。
また中盤にある大津波のシーンの音楽との相乗効果も相まって鳥肌が立つほど迫力があります。
ストーリーは最近のジブリ作品の中ではいたってシンプルで、人間になりたい金魚姫「ポニョ」とそんなポニョを守ろうとする5歳の少年「宗介」の絆と冒険を描いています。
ただ、前回の「ハウルの動く城」と同じく映画の舞台となっている世界に関する説明は必要最小限に抑えられているため、今どういうことが起こっているのか良く分からない部分はいくつかあります。
最近の宮崎監督は世界観の説明より、主人公たちの感情や行動に焦点を当てて話しを進めていきますが、本作品もポニョと宗介のストレートな思いや行動にのみ焦点を当てて話しを進めています。その為、世界観の説明を求める大人には不満があるかもしれませんが、そんな世界をありのまま受け止めることができる大人や子どもたちは感情移入して楽しく見ることができます。
一緒に見た私のパートナーは「ストーリーは良くわからなかったが主人公である宗介の純粋な思いに泣きそうになった」と言ってました。
試写会には子どもたちもたくさん来ていましたが、見ている最中に主人公たちの何気ない仕草や行動に何度も笑っていました。宮崎監督は子どもたちが楽しんでくれるかどうかとても気になっているようですが、試写会での反応を見る限りは子どもたちの心をつかんでいると思いました。
なおエンドロール自体も近年の映画では稀に見るコンパクトなもので、子どもを退屈させない配慮がなされており好感がもてました。
本作品は『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』などのスケールの大きな冒険活劇を求める人が見るとイマイチかもしれませんが、『となりのトトロ』のようなこじんまりとした温かいファンタジーを求める人が見ると非常に楽しめると思います。
上映時間 101分
製作国 日本
製作年 2008年
監督: 宮崎駿
プロデューサー: 鈴木敏夫
原作: 宮崎駿
脚本: 宮崎駿
作画監督: 近藤勝也
色彩設計: 保田道世
美術監督: 吉田昇
編集: 瀬山武司
音楽: 久石譲
主題歌: 藤岡藤巻と大橋のぞみ『崖の上のポニョ』、林正子 『海のおかあさん』
声の出演:長嶋一茂 、天海祐希、所ジョージ、土井洋輝、 奈良柚莉愛、柊瑠美、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子
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