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2008年7月

夜会VOL.15タイトル発表!

 中島みゆきのライフワークともいえるステージ「夜会」が今年の冬、2年半ぶりに東京と大阪で公演されます。先日にはそのタイトルとキャストがマスコミに発表されました。
 今回で15回目となる夜会のタイトルは~夜物語~「元祖・今晩屋」という摩訶不思議なもの。
 脇を固めるキャストは夜会ではお馴染みの香坂千晶さん、前回の夜会から引き続き出演のコビヤマ洋一さん、土居美佐子さん。

 みゆきさんは今回の夜会制作発表の際に「和の要素を盛り込みながらの不思議ワールド」とコメントしています。前回の夜会では輪廻転生を主題に力強いメッセージを観る者に与えてくれたみゆきさん。今回はどんな夜会を見せてくれるのか今から楽しみです。

 公式サイト:http://www.yakai15.jp/index.asp

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『崖の上のポニョ サウンドトラック』

お気に入りのCD NO.24 『崖の上のポニョ サウンドトラック』久石譲
Photo_2  今週土曜日から公開される『崖の上のポニョ』。そのサウンドトラックが公開に先駆けて今日発売されました。

 音楽を手がけるのはナウシカ以降の全ての宮崎さんの長編アニメを担当している久石譲さん。今回の作品ではフルオーケストラとコーラスをフューチャーして、宮崎さんが作り出した不思議な海の世界を音楽で壮大かつカラフルに表現しています。

 私は公開に先駆け一足先に試写会で鑑賞してきたのですが、冒頭は映像とオーケストラによる音楽のみで話しが進んでいきます。その際の映像と音楽がぴったり合っていて、さすが長年コラボレーションを続けてきた宮崎さんと久石さんだなと改めて思いました。
 
 本作品は宮崎作品としては『魔女の宅急便』以来久しぶりにオープニングタイトルの後にスタッフとキャストのクレジットがあり、『海のおかあさん』という歌がバックに流れます。
 この歌は宮崎さんは本作品のために「海そのもの」を歌った唄を作りたいという思いから制作されたものです。『千と千尋の神隠し』の主題歌「いつでも何度でも」の作詞を手がけた覚和歌子さんの詩「さかな」を元に宮崎さんが歌詞を書き上げ、久石さんが曲をつけ、ソプラノ歌手の林正子さんが歌っています。
 歌詞・メロディー・声ともに透明感に溢れた美しさに満ちており、全ての命の源である母なる海への賛歌となっています。

 映画の中で奏でられる曲の多くは『崖の上のポニョ・イメージアルバム』の音楽から発展したもので、優しく温かなメロディーとオーケストラとコーラスが奏でる重厚かつ繊細な音が、海の雄大さと繊細さ、主人公たちのストレートな思いと行動を見事に表現しています。
 特に印象的だったのが大津波のシーンで流れる金管をメインにした「ワルキューレの騎行」に似た音楽!映像の迫力を倍増させる勇ましい音楽はとても印象に残ります。

 エンディングにはテレビでもよく流れているので知っている人も多いであろう主題歌『崖の上のポニョ』が流れますが、映画の明るく楽しい雰囲気にピッタリ合う主題歌です。ちなみに映画の中でもこのメロディーがアレンジされて随所に登場します。

 サントラは映画で使用された音楽の内、36曲が収録されています。映画を見た後にサントラを聴くと名シーンが次から次へと頭の中に思い浮かんできますよ! 

  1 深海牧場 
  2 海のおかあさん 
  3 出会い 
  4 浦の町 
  5 クミコちゃん 
  6 ポニョと宗介 
  7 からっぽのバケツ 
  8 発光信号 
  9 人間になる! 
  10 フジモト 
  11 いもうと達 
  12 ポニョの飛行 
  13 嵐のひまわりの家 
  14 波の魚のポニョ 
  15 ポニョと宗介Ⅱ 
  16 リサの家 
  17 新しい家族 
  18 ポニョの子守唄 
  19 リサの決意 
  20 グランマンマーレ 
  21 流れ星の夜 
  22 ポンポン船 
  23 ディプノリンクスの海へ 
  24 船団マーチ 
  25 赤ちゃんとポニョ 
  26 船団マーチⅡ 
  27 宗介の航海 
  28 宗介のなみだ 
  29 水中の町 
  30 母の愛 
  31 トンネル 
  32 トキさん 
  33 いもうと達 
  34 母と海の讃歌 
  35 フィナーレ 
  36 崖の上のポニョ(映画バージョン) 

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『リトル・ダンサー』この映画を見て!

第211回『リトル・ダンサー』
Photo  今回紹介する作品は私が大好きな作品の一つであり、多くの人に自信を持ってお薦めできる青春ドラマ『リトル・ダンサー』です。

ストーリー:「1984年、イギリス北部の炭坑町。11歳のビリーは炭坑労働者の父と兄トニー、徘徊癖のある祖母と暮らしていた。
 父と兄は炭鉱のストライキに参加する毎日。そんなある日、ビリーが通うボクシング教室のホールにバレエ教室が移ってきた。ひょんなことからレッスンに参加したビリーは、バレエに興味を覚えるのだった。それから家族に内緒で夢中でバレー教室に参加するビリー。しかし、父親にボクシングをさぼってバレーを習っていることがばれて激しく怒られる。
 だが、バレエの憧れが捨てられないビリーはその後もこっそり習い続ける。教室の先生であるウィルキンソン夫人はビリーの才能を見抜き、ロンドンのロイヤル・バレエ・スクールの入学オーディションを薦める。
 父もあることをきっかけに息子の才能に気づくが、バレエ学校に入学させるためのお金がないことに悩む。そして父は息子の願いをかなえるために、苦渋の決断をするのだった。」

 本作品は500万ドルという低予算の作品でしたが、イギリスを始め世界中で人気を博して約1億ドルの興行収入を記録しました。また、批評家からの受けも良く、世界中の映画賞で数多くの賞を受け取りました。
 監督のスティーヴン・ダルドリーは本作品で初の映画監督を務めたのですが、元々イギリスやアメリカで舞台監督を務めてきた経験を活かして、シンプルなストーリーをドラマチックかつ心温める作品に仕上げています。
 主人公のビリーを演じたジェイミー・ベルーは本作品が初主演作ですが、厳しい生活状況の中で夢に向かって進むひたむきな姿を見事に演じています。

 私は映画館で公開されているときに本作品を鑑賞したのですが、息子の夢を何とか支えようとする父親の葛藤と深い愛情に深く感銘を受けて涙がとめどなく流れたものでした。
自分も父親になったら本作品の父のように子どもを支えられたら良いなと心から思いました。
 主人公ビリーのダンスも技術的には荒削りで決して上手くはないのですが、その代わりエネルギーと感情に溢れており見ていて惹きこまれるものがありました。特に父親の前で見せるダンスは言葉では語ることができないビリーのバレエへの情熱が見ているこちら側にもビシビシ伝わってくるほどパワフルなダンスです。
 
 本作品が素晴らしいところは、主人公が単に才能があったから成功したのでなく、それを受け入れて支えてくれる家族や教師や友がいて成功へとつながったことを丁寧に描いているところです。特にバレエへの偏見と差別意識があり最初反対していた父や兄が葛藤しながらも、主人公の思いを叶えようと奮闘する場面は見ていて熱いものがこみ上げてきます。

 また、不況にあえぐ炭鉱の町を舞台にしているところも印象的で、先行きが見えず閉塞した炭鉱労働者の厳しい生活状況をきちんと描くことで単なるサクセスストーリーにはない奥行きが映画に与えられています。
 労働者たちはストライキをして何とか将来に希望を見出そうとするが、それも権力と時代の流れによって押しつぶされる時代。そんな暗く重い状況の中で、労働者階級とは無縁の夢が溢れるバレエの世界に惹かれていく主人公。イギリスの階級社会の壁を乗り越えて成功する主人公の姿は多くの労働者階級の希望の象徴であり、イギリスの階級社会への痛烈な批判の象徴だと私は思います。

 厳しい現状の中で、夢を叶えようとする人とそれを支えようとする人の熱い思いと行動に胸熱くなる傑作です。ぜひ未見の方はご覧ください!

上映時間 111分
製作国 イギリス
製作年 2000年
監督: スティーヴン・ダルドリー 
脚本: リー・ホール 
撮影: ブライアン・テュファーノ 
音楽: スティーヴン・ウォーベック 
出演: ジェイミー・ベル ー、ジュリー・ウォルターズ、 ゲイリー・ルイス、ジェイミー・ドレイヴン 
ジーン・ヘイウッド、スチュアート・ウェルズ、アダム・クーパー、マシュー・トーマス

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『崖の上のポニョ』この映画を見て!

第210回『崖の上のポニョ』
Photo  今回紹介する作品は7月19日から公開される宮崎駿監督の最新作『崖の上のポニョ』です。
 現在テレビでは予告編がオンエアーされており、女の子がたどたどしく歌う「ポーニョ、ポーニョ~」という主題歌が印象に残っている人も多いかと思います。

 私は運良く試写会のペアチケットを手に入れることが出来て、パートナーと共に一足先に見に行くことができました。

 映画のあらすじ
「海辺の小さな町。

崖の上の一軒家に住む5歳の少年・宗介は、
ある日、クラゲに乗って家出したさかなの子・ポニョと出会う。
アタマをジャムの瓶に突っ込んで困っていたところを、
宗介に助けてもらったのだ。

宗介のことを好きになるポニョ。
宗介もポニョを好きになる。
「ぼくが守ってあげるからね」

しかし、かつて人間を辞め、
海の住人となった父・フジモトによって、
ポニョは海の中へと連れ戻されてしまう。

人間になりたい!
ポニョは、妹たちの力を借りて父の魔法を盗み出し、
再び宗介のいる人間の世界を目指す。

危険な力を持つ生命の水がまき散らされた。
海はふくれあがり、嵐が巻き起こり、
妹たちは巨大な水魚に変身して、
宗介のいる崖へ、大津波となって押し寄せる。

少年と少女、愛と責任、海と生命。
神経症と不安の時代に、
宮崎駿がためらわずに描く、母と子の物語」(映画チラシより) 
 

まだ公開前なので映画の詳細に関しては何も言いませんが、衰えを知らない宮崎監督の想像力の豊かさに圧倒されました。

 CGを使わず手描きにこだわった映像は躍動感と温かみに溢れており、見ていて楽しく飽きることがありません。
 特に海の映像はとても力が入っており、デフォルメされた波の描写や海中を泳ぎ回る色とりどりな魚たちの姿を見ていると海自体が重要な主人公であることに気づくでしょう。
主人公たちの動きや仕草も可愛くコミカルですし、中盤に『カリオストロの城』のカーチェイスを彷彿させるようなシーンもあります。
 また中盤にある大津波のシーンの音楽との相乗効果も相まって鳥肌が立つほど迫力があります。

 ストーリーは最近のジブリ作品の中ではいたってシンプルで、人間になりたい金魚姫「ポニョ」とそんなポニョを守ろうとする5歳の少年「宗介」の絆と冒険を描いています。
ただ、前回の「ハウルの動く城」と同じく映画の舞台となっている世界に関する説明は必要最小限に抑えられているため、今どういうことが起こっているのか良く分からない部分はいくつかあります。
 最近の宮崎監督は世界観の説明より、主人公たちの感情や行動に焦点を当てて話しを進めていきますが、本作品もポニョと宗介のストレートな思いや行動にのみ焦点を当てて話しを進めています。その為、世界観の説明を求める大人には不満があるかもしれませんが、そんな世界をありのまま受け止めることができる大人や子どもたちは感情移入して楽しく見ることができます。
一緒に見た私のパートナーは「ストーリーは良くわからなかったが主人公である宗介の純粋な思いに泣きそうになった」と言ってました。
 
 試写会には子どもたちもたくさん来ていましたが、見ている最中に主人公たちの何気ない仕草や行動に何度も笑っていました。宮崎監督は子どもたちが楽しんでくれるかどうかとても気になっているようですが、試写会での反応を見る限りは子どもたちの心をつかんでいると思いました。

 あと本作品を語る上で外せないのが一度聞いたら頭から離れない主題歌。映画ではエンドロールで流れるのですが、『となりのトトロ』以来のインパクトのある主題歌です。
 なおエンドロール自体も近年の映画では稀に見るコンパクトなもので、子どもを退屈させない配慮がなされており好感がもてました。

 本作品は『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』などのスケールの大きな冒険活劇を求める人が見るとイマイチかもしれませんが、『となりのトトロ』のようなこじんまりとした温かいファンタジーを求める人が見ると非常に楽しめると思います。

上映時間 101分
製作国 日本
製作年 2008年
監督: 宮崎駿 
プロデューサー: 鈴木敏夫 
原作: 宮崎駿 
脚本: 宮崎駿 
作画監督: 近藤勝也 
色彩設計: 保田道世 
美術監督: 吉田昇 
編集: 瀬山武司 
音楽: 久石譲 
主題歌: 藤岡藤巻と大橋のぞみ『崖の上のポニョ』、林正子 『海のおかあさん』
声の出演:長嶋一茂 、天海祐希、所ジョージ、土井洋輝、 奈良柚莉愛、柊瑠美、矢野顕子、吉行和子、奈良岡朋子

公式サイト:http://www.ghibli.jp/ponyo/

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