『レッド・オクトーバーを追え!』この映画を見て!
第208回『レッド・オクトーバーを追え!』 今回紹介する作品はトム・クランシーの人気小説ジャック・ライアンシリーズを初映画化した『レッドオクトーバーを追え!』 です。
監督を務めたのは『ダイハード』の1作目で一躍ハリウッドを代表するアクション監督となったジョン・マクティアン。本作品では潜水艦という密室空間での手に汗握るやりとりや米ソの政治的な駆け引きを終始緊張感と臨場感あふれる演出で描いています。
ストーリー:「磁気推進装置を備えソナーで捉えることのできない原子力潜水艦レッド・オクトーバーをソ連が開発。その処女航海の艦長を務めることになったマルコ・ラミウスは士官たちと共に潜水艦ごと亡命を図る計画を密かに立てていた。
そんな艦長たちの動きを知ったソ連軍は出航したレッド・オクトーバーの亡命を阻止するために追跡して撃沈しようとする。
アメリカも大西洋上でのソ連軍の大西洋上での不穏な動きを察知。対応を協議するためにCIAアナリストであるジャック・ライアンが呼ばれる。彼はラミウスを知っていたこともあって、この動きを亡命が目的だと見抜き、何とかアメリカに亡命させようと動き始める。
こうしてレッド・オクトーバーを巡って米ソの水面下での駆け引きが始まった…。」
私は公開当時に本作品を見たのですが、ショーン・コネリーの圧倒的な存在感と一隻の潜水艦をめぐる男たちの息詰まる駆け引きが大変印象的でした。
潜水艦を舞台にした映画の魅力は何といっても密室空間での男同士のドラマと見えない敵に対する頭脳を駆使した駆け引きだと思います。本作品はそんな魅力を役者たちの渋くクールな演技と監督のテンポの良く重厚感溢れる演出で余すことなく描いています。
出演者は男ばかりで華はありませんが、ショーン・コネリーを筆頭に、『羊たちの沈黙』のスコット・グレン、『ジュラシック・パーク』のサム・ニール、『スターウォーズ』でダース・ベイダーの声を演じたジェームズ・アール・ジョーンズ 、『ロッキー・ホラー・ショー』のティム・カリー、『パイレーツ・オブ・カリビアン』のジェフリー・ジョーンズと豪華メンバーが結集して、重厚な演技合戦を繰り広げています。
そんな中で、アレック・ボールドウィン演じるジャック・ライアンの存在感は少し薄い感じがしますが、若くて知的なCIAのアナリストを熱演していたと思います。
派手なアクションシーンは余りありませんが、ラストの魚雷を回避するための潜水艦同士のチキンレースの緊張感は大変手に汗握ります。特に潜水艦ダラスが水面に浮上するシーンは鳥肌が立つほど迫力がありました。
あと、本作品の魅力として音響の素晴らしさがあります。公開当時のアカデミー賞音響効果賞を受賞しただけあって、敵の接近を知らせるアクティブソナー音や水圧にきしむ船体の効果音の迫力は凄いです。ご覧になるときは出来れば5.1チャンネルのホームシアターで見てください。音の迫力に圧倒されると思います。
またベイジル・ポールドゥリス が作曲した音楽も大変印象的で、オープニングで流れるロシア正教の賛美歌のような歌を男性コーラスが重厚に歌い上げるテーマ曲は映画に重厚かつ荘厳な雰囲気を与えています。
上映時間 135分
製作国 アメリカ
製作年度1990年
監督: ジョン・マクティアナン
製作: メイス・ニューフェルド
原作: トム・クランシー
脚本: ラリー・ファーガソン 、 ドナルド・スチュワート
撮影: ヤン・デ・ボン
特撮: ILM
美術: テレンス・マーシュ
音楽: ベイジル・ポールドゥリス
出演: ショーン・コネリー、アレック・ボールドウィン、サム・ニール,ジェームズ・アール・ジョーンズ 、ピーター・ファース、ティム・カリー、コートニー・B・ヴァンス、 ステラン・スカルスガルド 、ジェフリー・ジョーンズ
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