『犬神家の一族』(2006年版)映画鑑賞日記
『犬神家の一族』(2006年版)
先日亡くなられた市川崑監督が最後に手がけた作品『犬神家の一族』。本作品は1976年に角川映画第一弾として市川崑監督によって製作され大ヒットした作品を、再び同じ監督、主演でセルフリメイクをしたものです。
1976年版を始めて見た時はあまりの面白さに何回も見返したものでした。おどろおどろしい殺人事件、その動機に秘められた人間の深い業と哀しみ、市川監督のスタイリッシュな映像と役者たちの重厚な演技。その完成度の高さは今見ても全然色褪せていません。
本作品のリメイクが決まった時は、76年版とまた違うアプローチの作品になるのかと期待していたものでした。しかし、完成した作品を見ると役者が変わっている以外、シナリオからカット割りに至るまでほとんど同じで、物足りなさを感じてしまいました。
私のパートナーは昔の作品にCGで最近の俳優が合成されていると勘違いしているほどでした。
本作品はあまりにも前作と似ているために、俳優の演技力の差が非常に気になってしまいました。前作はあまりにも芸達者な役者が出揃いすぎていたところはありますが、それにしても本作品の役者の演技は一部の役者を除いて薄っぺらいです。特に深田恭子は場違いです。
富司純子はなかなか頑張っていたとは思いますが、前作の高峰三枝子と比べると迫力に欠けます。
ただ前作から継続して出ている石坂浩二、大滝秀治、加藤武が前作とあまり雰囲気が変わっていないことには驚きました。
映像も前作に比べるとクリアーで明るくなりすぎて重厚感に欠けていたような気がします。
ただ前作と違うラストシーンは市川監督が亡くなった今思い返すと感慨深いものがあります。本作品は市川監督から映画ファンへの最後の挨拶だったのかもしれませんね。
上映時間 135分
製作国 日本
製作年度 2006年
監督:市川崑
原作:横溝正史
脚本:市川崑、日高真也、長田紀生
撮影:五十畑幸勇
視覚効果: 橋本満明
美術:櫻木晶
編集:長田千鶴子
音楽:谷川賢作
出演:石坂浩二、松嶋菜々子、尾上菊之助、富司純子、松坂慶子、萬田久子、葛山信吾、池内万作、林家木久蔵、三谷幸喜、深田恭子、奥菜恵、岸部一徳、 大滝秀治、草笛光子、中村玉緒、加藤武、中村敦夫、仲代達矢
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