『サイレントヒル』映画鑑賞日記
世界中で大ヒットした日本発の人気ホラーゲーム『サイレントヒル』を完全映画化した同名タイトルの本作品。ゲームを映画化した作品は『バイオハザード』シリーズを始め数多くありますが、本作品はその中でもかなり成功した部類に入ると思います。
ストーリー:「ローズとクリストファーの夫婦は、9歳になる養女のシャロンの奇妙な言動に悩んでいた。彼女を救う手掛かりを探しているうちに、サイレントヒルという街の存在を知るローズ。そこは、30年前に大火災に見舞われ誰も近づかないゴーストタウンだった。
ローズとシャロンはクリストファーの制止を振り切りサイレントヒルへと向う。しかし、サイレントヒルへと続く狭い道の途中で事故に遭い、ローズは気を失ってしまう。彼女が意識を取り戻したとき、シャロンの姿は見えなかった。ローズはシャロンの行方を追って、サイレントヒルの奥深くへと彷徨い込んでいくのだが…。」
本作品の素晴らしいところは何といってもゲームの世界観を忠実に映像化したところにあります。絶えず白い灰が降り続け視界の悪いゴーストタウンの何ともいえない不気味な雰囲気。そんな街がサイレンの音と共に魑魅魍魎が蠢く地獄へと変化するシーンの張り詰めた緊張感。そして、闇の中から出現するクリーチャーたちの目を背けたくなるほどおぞましい姿。特に頭が三角形のレッド・ピラミッドや顔のないナース集団はおぞましさの中に淫靡なエロティシズムが感じられ強烈なインパクトを放っていました。
またスプラッターシーンも結構過激で、体が引き裂かれたり粉砕されたりとR指定にならなかったのが不思議なくらいです。
ビジュアル面に関しては細部までこだわりぬかれており、見所満載です。
ストーリーに関して言うと家族愛やカルト集団の狂気等をテーマにしており、単なる見世物ホラー映画にはない重厚さがあります。しかし、ゲームをしていない人には説明不足なところがあったり、主人公の行動に首を傾げるところがありました。もう少しサイレントヒルの世界観の説明や主人公の恐怖への葛藤などの心理描写を丁寧に描いてもよかったような気がします。
本作品で私が好感をもてたのは、ハリウッドのホラー映画にありがちな背後からワッと脅かすようなコケオドシの演出がないところです。観客をじっくりと恐怖に満ちた世界に引きずり込む演出は覚めない悪夢を見ているかのようで緊張感を持って最後まで見ることができました。
上映時間 126分
製作国 アメリカ/日本/カナダ/フランス
製作年度 2006年
監督: クリストフ・ガンズ
脚本: ロジャー・エイヴァリー
撮影: ダン・ローストセン
編集: セバスチャン・プランジェール
音楽: ジェフ・ダナ
出演: ラダ・ミッチェル 、ショーン・ビーン、 ローリー・ホールデン、デボラ・カーラ・アンガー、キム・コーツ
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