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2007年10月21日 - 2007年10月27日

『悪魔のいけにえ』この映画を見て!

第182回『悪魔のいけにえ』
Photo  今回紹介する作品はホラー映画の歴史を語る上で外すことのできない傑作『悪魔のいけにえ』です。
 本作品はエド・ゲインの猟奇犯罪にヒントを得て1974年に日本円にして4千万円という低予算で製作されました。セミドキュメンタリータッチの生々しい残酷描写が話題を呼び、その後のホラー映画に多大な影響を与えました。
 ホラー映画の伝説となった本作品の監督を手がけたのは当時無名だったドビー・フーパー監督。本作品の成功の後、『ポルターガイスト』や『スペースバンパイア』などを手がけることになります。しかし、残念ながら本作品を超えるホラー映画を彼自身まだ撮ることは出来ていません。

 ストーリー:「1973年8月18日。真夏のテキサスをワゴン車で旅行する5人の若者たちがいた。途中で車に乗せた怪しげなヒッチハイカーを車に乗せるが、異常な言動で若者たちを気味悪がらせ、最後には若者の一人を剃刀で切り付ける。。
 やがて5人は緑に囲まれた廃墟を訪れる。仲間の内2人が泳ぎに行く途中で立ち寄った屋敷で人の顔の皮を被ったレザーフェイスに襲われ、惨殺されてしまう。
 2人の帰りが遅いのを不審に思った仲間たちも次々と襲われていく。そして一人襲撃から生き残った女性は助けを求めてガソリンスタンドに駆け込むが・・・」
 
 私は本作品を始めて見たとき、正直見てはいけないものを見てしまったような感覚に襲われました。
 映画の冒頭に現れる死体の強烈なインパクト。そして、ざらついた画面から伝わるテキサスの真夏のじりじりとした暑さ。映画は冒頭から見る者を不快と不安の感覚に陥れます。そして、映画の前半に登場する異常なヒッチハイカー。ここから本作品は異様な雰囲気に包まれていきます。
 映画は中盤から強烈なシーンのオンパレードです。レザーフェイスの最初の犠牲者となる若者が殺される描写。屋敷の奥から現れたレザーフェイスに突然ハンマーで頭部を殴られ足が痙攣するシーンは何ともいえない生々しさがあります。そして第2の犠牲者となる女性。逃げようとしたところを抱きかかえられフックにつるされるシーンは見る者の背筋を凍らせます。本作品は若者が次々と殺害されていくのですが、意外なことに血が噴き出すシーンや体が切り刻まれるなどの直接的な残酷シーンがほとんどありません。電動ノコギリの音や若者たちの悲鳴など間接的な描写で見る者を恐怖のどん底に突き落とします。
 映画の後半は一人生き残った女性が体験する狂気の世界が描かれるのですが、その世界はあまりにも異様で、見ていて怖さを通り越して笑いがこみ上げてくるほどです。悲鳴をあげる女性の目のクローズアップとレザーフェイス一家の不気味な笑顔。非日常的な狂気の世界に一人残された女性のいつ殺されるかもわからない恐怖を見る者もたっぷりと味わうことができます。
 映画のラストも強烈で、こんな形で幕が下りるのかと見る者を呆気に取られます。本作品は全編を通してご都合主義的なところが全くなく、不条理な狂気と恐怖の世界が描かれています。

本作品は続編が3本製作されましたが、残念ながら1作目の完成度には遠く及びません。ただドビー・フーパー監督が続投した2作目は1作目とはまた違う狂気の世界が描かれており、なかなか面白いです。
Photo_2  またリメイクも2003年に「テキサス・チェーンソー」という題名で発表されています。こちらもオリジナルには到底及ばないものの、なかなか見ごたえのある作品には仕上がっています。

 ホラー映画好きで、まだ本作品を見ていない人がいたとしたら一度は見て損はしないと思います。本当の狂気と恐怖の世界を味わうことができますよ! 

製作年度 1974年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 84分
監督 トビー・フーパー 
製作総指揮 ジェイ・パースレイ 
脚本 トビー・フーパー 、キム・ヘンケル 
音楽 ウェイン・ベル 、トビー・フーパー 
出演 マリリン・バーンズ 、ガンナー・ハンセン 、エド・ニール 、アレン・ダンジガー 、ポール・A・パーテイン 、ウィリアム・ヴェイル 、テリー・マクミン 、ジム・シードウ 、ジョン・デュガン 

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『サービスの天才たち』街を捨て書を読もう!

『サービスの天才たち』 著:野地 秩嘉 新潮新書
Photo  今回紹介する本はサービス業で活躍するプロフェッショナルたちのお客さまを満足させる秘訣に迫ったルポタージュ『サービスの天才たち』です。

 この本では6人プラス1頭の名もなきサービスの天才たちの仕事ぶりが描かれています。高倉健に愛された理容師、お茶の熱さにまで目配りする有料老人ホームの食事統括責任者、日本一のサービスを目指すゴルフ場経営者とキャディー、宿泊客の笑顔を撮り続けた温泉カメラマン、質の高い和牛を生み出したスーパー種牛、お客の心まで揉みほぐすマッサージ師、北海道の有名人御用達のタクシー運転手。それぞれ職種は違いますが、お客様が満足させるサービスとは何かを日々追求している人たち。そんな人たちのサービスに対する思いや日々の努力を描いていきます。

 私はこの本を読んでサービス業で一番大切なことは、相手の身になって考えることができるかどうかだと思いました。押し付けがましくなく、さりげなく相手が求めるサービスを提供できる。それが一流のサービスであることをこの本は教えてくれます。

 また、この本の素晴らしいところは著者の読者に対する押し付けがましさなく、読んだ後に清清しく爽やかな気持ちになれるところです。著者もまた一流のサービスの天才だと思いました。
 
 

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