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2007年10月14日 - 2007年10月20日

『ローズ・イン・タイドランド』映画鑑賞日記

Photo  独特な映像表現とブラックユーモアで人気のあるテリー・ギリアム監督の最新作『ローズ・イン・タイドランド』を見ました。
 『未来世紀ブラジル』でギリアムの虜となった私としては近年の彼のパワーダウンがとても残念に思っていたので、「ギリアムが放つ現代版不思議の国のアリス」として宣伝されていた本作品は久々に彼の本領が発揮されているのではと見るまではかなり期待していました。

 しかし、実際見てみると本作品も彼の持ち味が発揮されておらず、非常に残念な出来でした。
 
 ストーリー:「母を亡くし、ドラッグに溺れる父とともに彼の祖母の自宅へ向かった10歳の少女・ローズ。そこには枯れた草原の中に立つ荒れ果てた一軒家がぽつんと立っていた。父はほどなく麻薬中毒で死亡し、独り残されたローズは自らが作り上げた空想の世界の中で生き延びようとする。」

 ギリアム監督らしいダークな内容のストーリーなのですが、彼の最大の魅力であるイマジネーション溢れる映像が少ないです。せっかく空想の中でしか生き延びることの出来ない少女を主人公に持ってきたのに肝心の空想シーンが今ひとつなのでパッとしませんでした。救いようのないストーリーだからこそ少女の内面世界の描写がこの映画の最大の見所でなければならないのに、そこが貧困だと面白みに欠けます。
 
 また、出てくる人物も普通でない人ばかり過ぎて、逆に冷めてしまいました。この手の作品では現実の中の非現実を描くためには現実側に立つ人間がいないと非現実的な世界に生きる人間に対する共感が湧いてきません。

 ただギリアムらしい独特の構図の美しい映像やグロテスクでキッチュな小道具は素敵でした。結構グロい映像もあるのですがあんまり不快感もありませんでした。

 本作品はギリアムの作品の中ではイマイチの完成度だと思いますが、主人公のローズを演じた子役のジョデル・フェルランドの演技は最高に素晴らしいです。最初から最後までずっと登場しっぱなしですが、子どもとしての純粋さと女としての色気の両方を感じさせる演技は大人顔負けです。本作品はこの子に救われたと思います。この子が出演しなければはっきり言って全く面白くない仕上がりになっていたと思います。
 ジョデル・フェルランドの出演する映画は今後も要注目だと思います。


製作年度 2005年
製作国・地域 イギリス/カナダ
上映時間 117分
監督 テリー・ギリアム 
原作 ミッチ・カリン 
脚本 テリー・ギリアム 、トニー・グリゾーニ 
音楽 マイケル・ダナ 、ジェフ・ダナ 
出演 ジョデル・フェルランド 、ジェフ・ブリッジス 、ジェニファー・ティリー 、ジャネット・マクティア 、ブレンダン・フレッチャー 

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『ユージュアル・サスペクツ』この映画を見て!

第181回『ユージュアル・サスペクツ』
Photo_2  今回紹介する作品はラストの驚愕の展開が話題を呼んだミステリー映画の傑作『ユージュアル・サスペクツ』です。

 本作品に関してはストーリーについて余り細かく語ることができません。なぜなら、複線が張り巡らせたストーリーを語りすぎると本作品の魅力が半減してしまうからです。未見の方は何の予備知識もなく一度見てください。ラスト10分の展開に「やられた!」と思うこと間違いないです。そして、一度見たら、もう一度最初から見たいという衝動にかられることでしょう!

ストーリー:「カルフォニアのとある港でコカインを積んだ密輸船が爆破される事件が発生。警察は唯一の生存者キントの尋問を始める。キントは爆破事件が起こるまでの経過と爆破事件の黒幕である大物ギャング「カイザー・ソゼ」について語るが・・・。」

 繰り返しになりますが、本作品の魅力は緻密に組み立てられたストーリーです。途中までは普通の犯罪映画のような展開なのですが、謎の大物ギャング「カイザー・ソゼ」が登場してからは緊張感が一気に加速。カイザー・ソゼは何者なのか?そして、冒頭に出てきた爆破事件の真相は何だったのか?見る者は画面に釘付けになると思います。そしてラスト10分の観客の予想を裏切る予想外の展開。ラストまで見た観客は事件の真実を探るために何度も見直し、その度ごとに新たな発見をすると思います。
 本作品の凄いところはオチを知ってから見ても面白いところです。監督のブライアン・シンガーは随所に伏線となるカットやシーンを散りばめており、2回目以降に見るとこの演出にはこんな意図があったのかと思わず唸ってしまいます。
 監督も脚本家も当時新人だったにも関わらず、このような作品を完成させるとは大したものです。

 もちろん役者の演技も大きな見所の一つです。ガブリエル・バーンの大人の男を感じさせる渋い演技 、ピート・ポスルスウェイトの存在感溢れる演技 、若かりし頃のベニチオ・デル・トロのチンピラ姿、そして本作品でアカデミー助演男優賞を受賞したケヴィン・スペイシーの一癖も二癖もある演技!本作品は個性派男優たちの見事なアンサンブルが楽しめます。
 
 サスペンス映画が好きな人は一度は見て損のない作品だと思いますよ!

製作年度 1995年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 105分
監督 ブライアン・シンガー 
製作総指揮 ロバート・ジョーンズ 、ハンス・ブロックマン 、フランソワ・デュプラ 
脚本 クリストファー・マッカリー 
音楽 ジョン・オットマン 
出演 ガブリエル・バーン 、チャズ・パルミンテリ 、ケヴィン・ポラック 、ピート・ポスルスウェイト 、ケヴィン・スペイシー 、スージー・エイミス 、ジャンカルロ・エスポジート 、ベニチオ・デル・トロ 

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『里見八犬伝』映画鑑賞日記

Photo  角川映画に勢いがあった80年代に製作されたファンタジー時代劇『里見八犬伝』がテレビで久しぶりに放映していたので思わず見てしまいました。
 
 私がこの映画を初めて見たのは小学生の時でしたが、大変夢中になったものでした。ロールプレイングゲームさながらの起承転結のはっきりとしたストーリー、妖怪に追われる姫を命を懸けて助ける八剣士たちの勇姿、強烈な個性を放つ悪役の面々、アクションシーンの役者たちの切れのある動き・・・。この映画は子どもの心を虜にする魅力の詰まった作品でした。

 約20年ぶりの再鑑賞でしたが、今見るとセットや特撮のしょぼさがどうしても目に付いてしまいました。まあ当時の邦画としてはがんばっている方だとは思いますが・・・。
 しかし、そこにさえ目をつぶれば、この映画は娯楽映画としては今見てもかなり面白いです。特に豪華なキャスト陣のけれん味あふれる演技はこの映画の最大の見所です。真田広之の切れのあるアクション、京本政樹と萩原流行の妖しいまでの美貌、志穂美悦子の美しく軽やかな立ち回り、千葉真一の渋い存在感、そして夏木マリの強烈なインパクト!登場する役者の一人一人が輝いており、見せ場があります。
 また深作欣二監督の演出もいつもながらに熱く、最初から最後まで画面から目が離せません。特に今回の作品では躍動感と妖しげな雰囲気作りが素晴らしいです。
 ただ唯一残念なのは薬師丸ひろ子と真田広之のラブシーンの演出。このシーンは薬師丸ひろ子の顔のアップばかりで無意味に長く、バックに流れる主題歌もあっていませんでした。
 
製作年度 1983年
製作国・地域 日本
上映時間 136分
監督 深作欣二 
製作総指揮 - 
原作 鎌田敏夫 
脚本 鎌田敏夫 、深作欣二 
音楽 NOBODY 
出演 薬師丸ひろ子 、真田広之 、千葉真一 、寺田農 、志穂美悦子 、京本政樹 、大葉健二 、福原拓也 、苅谷俊介 、目黒祐樹 、夏木マリ 、萩原流行 、

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『リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?』映画鑑賞日記

Little_red  今日は知人の人から無料鑑賞券を頂いたので、『リトル・レッド レシピ泥棒は誰だ!?』を劇場に見に行きました。

 映画を見るまでは子供向けのCGアニメかと高をくくっていたのですが、見てみてると意外に面白く、最後まで画面に釘付けでした。

 ストーリーは誰もが知っている童話「赤ずきんちゃん」の登場人物たちが森で起こったレシピ泥棒の容疑者として疑われるというミステリー仕立ての展開で、黒澤明の傑作『羅生門』のように1つの事件を4人の視点から描いていきます。赤ずきんちゃん、おばあちゃん、おおかみ、木こりの男、4人の人物の食い違う証言とそれぞれの人物の裏の顔。話しが進むにつれて浮かび上がる事件の意外な真相が明らかになっていきます。

 伏線が随所に張りめぐらせてあるストーリー展開は子どもだけでなく大人も楽しめると思います。ただ残念だったのは真犯人が勘の良い人なら中盤で分かってしまうこと。もうひとひねりが欲しかったですね。
 
 また随所に散りばめられた笑いも個人的にはツボにはまりました。特におばあちゃんのトリプルネタは爆笑でした。

 映像はピクサーなどの作品に比べると落ちるかもしれませんが、人形劇風のキャラクターや背景は本作品にはとても合っていたと思います。

 私は吹き替え版で見たのですが、この作品は声優とキャラクターがマッチしており違和感なく見ることができました。特に加藤浩次とケンドーコバヤシは良かったです。

 傑作と言えるほどの作品ではありませんが、81分と上映時間も短く、暇つぶしに見るのにはうってつけの作品です。

製作年度 2005年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 81分
監督 コリー・エドワーズ 
脚本 コリー・エドワーズ 、トッド・エドワーズ 、トニー・リーチ 
音楽 クリスティン・ウィルキンソン 、ジョン・マーク・ペインター 
出演 アン・ハサウェイ 、グレン・クローズ 、ジム・ベルーシ 、パトリック・ウォーバートン 、アンソニー・アンダーソン

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