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2007年1月7日 - 2007年1月13日

『私の遺言』街を捨て書を読もう!

『私の遺言』 著:佐藤愛子 新潮社
Yuigon  今回紹介する本は作家の佐藤愛子さんが体験した驚くべき超常現象に関する記録と現世と霊界との関係が述べられた『私の遺言』です。
 皆さんは死後の世界があるとお思いでしょうか?私は小さいときは死後の世界をずっと信じていました。私の母が霊感があり幽霊を見たという話しを頻繁にしていた影響もありましたし、私自身も一度だけ小学校の時に兵隊の幽霊に遭遇したことがあります。小さいときは多くの人は死ぬとこの世とは違う別の世界にいくものだと思っていました。そして、この世界に未練のあるものだけが、この世とあの世の狭間で彷徨い、生きている人の前に幽霊として現れるものだと考えていました。
 しかし、高校に入り、唯物論の本を読むようになってから、死後の世界は人間が創り出したものであり、全ての人は死ねば無になり土へと還ると考えるようになりました。それからは幽霊という存在も否定する立場になっていたのですが、最近は私の周りでいろいろあり、再び死後の世界や幽霊という存在を信じる立場に戻りました。
 今回紹介する『私の遺言』は著者が56歳から26年にわたって体験された様々な霊現象について書かれています。北海道に別荘を購入されてから、物が勝手になくなったり、動いたり、誰もいないところから物音がしたりと著者の周りでおこる不思議な現象。中盤まではあまりにも壮絶な霊現象の話しばかりで、怖くて背筋が凍りました。このような状況に耐えられた著者は本当に強い人だと思います。
 霊現象の理由を探るために数多くの霊能力者とめぐりあう著者。何とその霊能力者の中にはオーラの泉で有名な江原さんや美輪さんなども登場します。この本を読んで、改めて江原さんや美輪さんの霊能力の高さや素晴らしさを思い知らされました。
 霊能力者との関わりの中で見えてくる著者の前世や因縁、そして業(カルマ)。著者は霊現象と向き合う中で死後の世界というものが如何に現世に影響を与えているか、また現世がいかに死後の世界に影響を与えているか知ることになります。著者は自分に課せられた業や因縁というものを受け入れ、自分に与えられた使命というものに気付きます。
 本の後半は著者の霊体験の話しから、現在の日本や世界をとりまく邪悪な霊の憑依の話しに広がっていきます。荒廃した現代人の精神の裏に潜む邪悪な霊の存在。今こそ現代人は自らに課せられた業を解き放つべく、精神性を高めていく必要があると著者は訴えます。欲望に身を委ねず、絶えず自分を律し生きることの大切さに気付かされます。

 この本を読んで、私は人生観が大きく変わりました。ここまで読んだ後に生き方を考えさせられる本はなかなかありません。この本に書かれていることを最初は半信半疑に思う人もいるかもしれませんが、読み進むに従って、著者の気迫が伝わり、信じざる得なくなります。ぜひ多くの人に読んで欲しい中身の濃い一冊です。
  

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『犬神家の一族』(1976年版)この映画を見て!

第137回『犬神家の一族』(1976年版)
Inukami  今回紹介する作品は今年のお正月映画として市川崑監督が石坂浩二を主演にセルフリメイクした『犬神家の一族』の1976年公開のオリジナル版です。
 この作品は角川書店が映画製作に乗り出した“角川映画”の第1回作品として公開され大ヒットを記録しました。日本を代表する推理小説家・横溝正史の同名小説を原作にしたこの作品は横溝正史のどろどろした世界観を市川崑監督が巧みに映像化して、当時低迷していた日本映画を復活させる足がかりとりました。

 私がこの作品を初めて見たのは小学生の時でした。テレビで放映されていたのを家族と一緒に見ていたのですが、見た後は怖さばかりが印象に残ったものでした。特に映像のインパクトが強烈で、ゴムマスクを付けた佐清や菊人形に置かれた生首、そして湖から突き出る足はしばらく脳裏に焼き付いて離れませんでした。
 
 この作品と出会った後、私は金田一耕助の作品が映像化される度に、欠かさず見ていたものですが、市川崑監督&石坂浩二主演の金田一シリーズが一番お気に入りでした。
 市川版金田一作品の大きな魅力は、市川崑監督独特の映像美と軽妙さと重厚さを併せ持った巧みな演出、豪華な俳優陣たちの迫力のある演技、そして石坂浩二演じる飄々とした金田一耕助の魅力にあります。
 映像の深みのある陰影や独特なカット割りなどは単なる娯楽映画にとどまらない芸術性といったものが感じられます。また横溝正史の小説の舞台となる昭和初期の雰囲気をいちばん映像として表現できているとも思います
 またこの作品の俳優に関して言うと、高峰三枝子の演技が素晴らしく、圧倒的な存在感がありました。また脇役も芸達者な人ぞろいで、特に加藤武 、大滝秀治 、岸田今日子、坂口良子はいい味を出しています。この作品を見ると昔の役者は演技がしっかりしているなと思ってしまいます。

 あと私がこの映画で好きなのはエンディングです。事件自体は後味の悪い結末にも関わらず、金田一が電車に乗って街を去っていく場面は爽やかな余韻を観客に与えてくれます。 

 この映画は犯人が誰が分かっても何度でも見たくなるだけの魅力があります。(私も10回以上見ていると思います。)映像の美しさ、重厚なドラマ、耳に残る音楽、そして見た後の爽やかな余韻。この映画は日本ミステリー映画の傑作です。

製作年度 1976年 
製作国・地域 日本
上映時間 146分
監督 市川崑 
原作 横溝正史 
脚本 日高真也 、市川崑 、長田紀生 、浅田英一 、岩下輝幸 
音楽 大野雄二 
出演 石坂浩二 、高峰三枝子 、三条美紀 、草笛光子 、あおい輝彦 、地井武男 、川口晶 、川口恒 、金田龍之介 、小林昭二 、島田陽子 、坂口良子 、小沢栄太郎 、加藤武 、大滝秀治 、寺田稔 、大関優子 、三木のり平 、横溝正史 、角川春樹 、岸田今日子 、三谷昇 、辻萬長 、三国連太郎 

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