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2007年4月1日 - 2007年4月7日

『生きて泳げ、涙は後ろへ流せ』に行ってきました!

Img_7991_2    3月31日に大阪フェスティバルホールで行われた音楽イベント『生きて泳げ、涙は後ろへ流せ』に行ってきました。このイベントはプロデューサーに詩人・三代目魚武濱田成夫を迎え、中島みゆきの詩と詞と曲のみで構成するステージでした。
 出演アーティストは金子マリ ・ 窪塚洋介・ 小泉今日子・斉藤和義・坂本美雨・ 手嶌葵・ 浜田真理子・ 一青窈 ・ リクオ・ 三代目魚武濱田成夫の10人。それぞれのアーティストの持ち味を活かされたステージとなっていました。

 まず最初に登場したのが、詩人の三代目魚武濱田成夫。いきなり名曲『ファイト』(『予感』に収録)を朗読からスタートするという直球勝負で観客の心を一気に捉えました。朗読の仕方がとても魂がこもっていて素晴らしく、聴いていて胸が熱くなりました。
 そしてファイトが終わったと同時に今回のステージのタイトルでもある『サーモンダンス』(『転生』に収録)のワンフレーズ「生きて泳げ、涙は後ろへ流せ」を力強く朗読して、彼はステージから去っていきました。冒頭から聴く者に中島みゆきの紡ぐ言葉の力を再認識させてくれました。

 続いて登場したのが坂本美雨。『空と君とあいだに』(『LOVE OR NOTHING』に収録)と『銀の龍の背に乗って』(『恋文』に収録)を歌いました。声はきれいでしたが、もうひとつインパクトには欠けていました。中島みゆきと比べても仕方はありませんが、これらの歌が持つ力強さがもう一つ表現できてなかったような気がします。あと歌詞間違いも気になりました。

 3番目に登場したのが小泉今日子。彼女がどの曲を取り上げるのか興味津々でしたが、まさか『4.2.3』(『わたしの子供になりなさい』に収録)とは予想外でした。この歌は97年のペルー日本大使館人質事件に対するみゆきさんの思いを辛辣に描いた社会派の作品です。その作品を小泉今日子が柔らかい口調で朗読するとはインパクトがありました。なぜ彼女がこの作品を朗読しようと思ったのか気になるところです。
 朗読が終わると、浜田 真理子が登場。ピアノの弾き語りで『アザミ譲のララバイ』と『世情』をメドレーで歌いました。ピアノの物悲しい音色の美しさがとても印象的でした。
 その後、再び小泉今日子が登場して、『夢の代わりに』(夜会VOL10『海嘯』に収録)を朗読。CD化もされていない夜会の作品を選ぶとは小泉今日子なかなかマニアックでした。
 小泉今日子はこの朗読のあと去っていき、浜田 真理子が『かもめはかもめ』(『御色なおし』に収録)を弾き語りで熱唱。この作品の持つ物悲しい雰囲気を見事に表現していたと思います。

 続いて登場したのが、今『ウエディング・ソング』人気の斉藤 和義が登場。本人のギター演奏による『時代』。斉藤和義の甘い雰囲気漂う時代でした。続いて、本人が本ステージでの選曲にあたって特に印象深かった『キツネ狩りの歌』(『生きていてもいいですか』に収録)を披露。軽快な歌声で楽しそうに歌っていました。

 6番目に登場したのは『ゲド戦記』の挿入歌『テルーの歌』でデビューした手嶌 葵。大阪初上陸となる本ステージでは『心守歌』(『心守歌-こころもりうた』収録)と『ホームにて』(『あ・り・が・と・う』収録)の2曲を披露しました。『心守歌』はバンドの音に彼女の声が負けており聞き取りにくかったです。しかし、『ホームにて』は彼女の素朴で優しい歌声が曲にとてもあっており、胸にジーンときました。初々しい彼女の姿にとても好感が持てました。

 7番目の登場となったのがリクオ。軽快なピアノによる弾き語りで『彼女の生き方』(『みんな去ってしまった』収録)と『流浪の歌』(みんな去ってしまった』収録)を歌い上げました。この人は聴衆の心をつかむのがとても上手く、ステージ慣れをしているなと思いました。中島みゆきの歌をこんなにノリノリに歌えるなんて素敵です。

 8番目に登場したのが窪塚 洋介。マンション転落後、芸能界から遠ざかっていた彼が今回のステージでどのような表現をするのか、個人的にとても気になっていました。本ステージでは『線路の外の風景』と『無限軌道』(『転生』に収録)の歌詞を朗読しました。朗読自体は気合は伝わってきましたが、今ひとつでした。声は大きく迫力はあるのですが、それだけというか言葉の持つ重みが伝わってきませんでした。『無限軌道』のラストを歌うところは少し引いてしましました。

 そして9番目に登場したのが一青窈。『時代』~『しあわせ芝居』(『おかえりなさい』に収録)を熱唱。一青窈のいつもの歌い方で熱唱していました。MCで夜会を見に行き中島みゆきに握手をしてもらったエピソードを披露していました。その後『春なのに』を歌い始めたのですが、歌詞を間違え、演奏が途中で中断。再度歌いなおすと言うハプニングがありました。その後は歌詞カードを床において歌っていましたが、これには少し興ざめでした。プロの歌手なら歌詞ぐらい覚えておいてほしいものです。

 続いて登場したのが金子 マリ。『後悔』と『ヘッドライト・テールライト』(2作とも『短編集』に収録)を歌ったのですが、その独特な歌い方は味があって魅力的であるもの、個人的にはみゆきさんの素晴らしい歌詞が聞きづらくイマイチでした。

 最後は三代目魚武濱田成夫が再度登場。『狼になりたい』を迫力ある歌声で熱唱しました。

 その後、アーティスト紹介があり、出演者たちが再度登場。アンコールで三代目魚武濱田成夫が中島みゆきに対するアンサーポエムを披露。タイトルは分かりませんが、とても素敵な詩でした。(一緒に来ていたパートナーは感極まって泣いていました)

 10人のアーティストによる2時間半のステージでしたが、印象的だったのは三代目魚武濱田成夫のパフォーマンスと手島葵の『ホームにて』、リクオの『流浪の歌』でした。

 このステージをプロデュースした三代目魚武濱田成夫は以前から中島みゆきの大ファンであり、また夜会VOL13に役者として出演した経験もあります。それだけにこのステージにかける情熱も並々ならぬものがあったと思います。そんな彼の情熱が見事に伝わってくるステージとなっていました。

 今回のステージを見て、中島みゆきの歌の素晴らしさを改めて認識しました。次回はぜひ中島みゆき本人のコンサートが見たいものです。

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『獄門島』この映画を見て!

第151回『獄門島』
Gokumontou  今回紹介する映画は市川崑監督が石坂浩二を主演に据えて制作した金田一耕助シリーズ第3弾『獄門島』です。
 ストーリー:「瀬戸内海の小島「獄門島」を舞台に起こる連続殺人事件。その背景にある旧家の勢力争いと複雑な血縁関係。運命の悪戯に翻弄される人間たちの悲しみが金田一耕助の推理と共に描かれいく。」

 私がこの映画を初めて見たのは小学生の時でしたが、釣鐘のショッキングなシーンが強烈でトラウマになったものでした。
 また派手な見立て殺人のシーンも印象的でした。特に梅の木に逆さづりになった若い女の死体の妖しい美しさは目が釘付けになったものでした

 今回の映画の大きな特長として市川崑監督の希望で原作を犯人と変えています。犯人を変えたことは横溝ファンの間では賛否両論分かれるところです。
 私としては今までのシリーズにもあった男に振り回された女の人生の悲哀が前面に出て良かったかなと思います。
 しかし、否定的な人の意見もよく分かります。私自身何度か見返して気づいたのですが、あの人を犯人にした為に派手な見立て殺人を行った意味が薄くなっています。また前作『悪魔の手毬歌』に比べると犯人がそこまでして殺人を犯さざるえない理由と言うものが感じられないような気もします。
 これは制作期間が4ヶ月という短期間であった為に、脚本の練りこみがもう一つ足りなかったのかなと思います。
 
 ストーリーは今までの作品に比べるともう一つですが、それ以外は申し分ありません。4ヶ月で完成度がここまで高い作品を仕上げたスタッフとキャストの力量には驚嘆します。 
 日本の田舎の夏の緑の鮮やかさや爽やかさを見事に捉えた映像美。日本の閉鎖的な村のドロドロした人間関係を重厚な演技で表現した役者たち。田辺信一の軽快な音楽。そして市川監督独特の短いカット割りや遊び心たっぷりの演出。その完成度の高さは何度見ても飽きない映画に仕上がっています。  
 
 役者たちの演技のレベルの高さはこのシリーズの大きな見所ですが、今回は草笛光子 ・東野英治郎・佐分利信の3人の演技が特に光っていました。特に水戸黄門役で有名な東野英治郎の見事な悪人ぶりには圧倒されました。また常連メンバーである加藤武・大滝秀治・三木のり平 ・坂口良子の演技も味わい深いものがありました。

 日本の田舎の懐かしい夏の風景と日本映画史上に残る美しい殺人シーンをぜひ皆さまも見てください!  

製作年度 1977年 
製作国・地域 日本
上映時間 141分
監督 市川崑 
原作 横溝正史 
脚本 久里子亭 
音楽 田辺信一 
出演 石坂浩二 、司葉子 、大原麗子 、草笛光子 、東野英治郎 、内藤武敏 、武田洋和 、浅野ゆう子 、中村七枝子 、一ノ瀬康子 、佐分利信 、加藤武 、大滝秀治 、上條恒彦 、松村達雄 、稲葉義男 、辻萬長 、小林昭二 、ピーター 、三木のり平 、坂口良子 、池田秀一 、三谷昇 、荻野目慶子 

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