« 2007年3月4日 - 2007年3月10日 | トップページ | 2007年3月18日 - 2007年3月24日 »

2007年3月11日 - 2007年3月17日

『ゴッドファーザーPART II』この映画を見て!

第150回『ゴッドファーザーPART II』
Godfather_2 今回紹介する映画はイタリア系マフィアの一族の栄光と悲劇の歴史を描いた傑作『ゴッドファーザー』の続編です。
 前作で亡き父ヴィト・コルレオーネのあとを継いでドンになった三男マイケル。そんなマイケルのドンとなった苦悩と葛藤を、父ビトーの少年時代からやがて一大ファミリーを築くまでのエピソードを交えながら描いていきます。

 大ヒットした映画の続編というと1作目にくらべて完成度が落ちるのですが、この映画に関しては1作目にも増して高い完成度を誇っています。
 その要因としては、マイケルとビトーという二人のドンの生き方を対比して描いたところにあります。
 イタリアから無一文でアメリカに逃げてきて、自分の力でのし上がっていくビトー。彼は義理と人情を重んじ、一族の結束を固めていきます。
 それに対してビトーから巨大な冨と権力を引き継いだマイケル。彼も父が築いた一族を守ろうと奮闘します。しかし一族の結束は徐々に崩壊し、彼は孤立していきます。父のようになりたいと願いながら、父と反対の方向に進んでいく彼の生き方は辛く哀しみに満ちています。
 私はこの映画を見て、自分で一から作りあげてきた人間の栄光と、作り上げてきたものを引き継ぎ守るべき人間の孤立に人の世の栄枯盛衰を感じたものでした。
 
 このシリーズの大きな見所として役者たちの重厚な演技があります。
 前作ではマローン・ブロンド演じるビトーの存在感が大変印象的でしたが、今作ではそんなビトーの若い時代を演じたロバート・デニーロの演技が大変印象的です。マローン・ブロンド演じたビトーの声や仕草を完璧に継承した演技は凄いとしか言いようがないです。若くしてここまで存在感のある演技ができる役者はそういないと思います。
 もちろんアル・パチーノ演じるマイケルの演技も申し分ありません。前作ではどこか甘い雰囲気が漂っていましたが、今作では冷たく哀しい雰囲気が終始漂う演技をしています。一族のドンとして冷酷非常にならざるえない人間の孤独や切なさが見る者に伝わる名演技です。彼がこの作品でアカデミー主演男優賞を獲れなかったのは残念な限りです。
 またマイケルの気弱な兄フレドを演じるジョン・カザールの演技も素晴らしいです。マフィアの家に間違って生まれてしまった人間の悲劇を感じる演技を見せてくれます。映画の後半にフレドがアンソニーを釣りに誘い魚の釣れるおまじないを優しく教えているシーンは、彼の性格や生き方が感じられて非常に印象的でした。

 映像もビトーの若き時代のセピア調のノスタルジックな画面とマイケルの時代の陰影深い画面の対比が絶妙でした。また美術に関して言えば、20世紀初頭のロウワー・イーストサイドの再現がとても見応えがありました。
 音楽も哀愁溢れるメインテーマはもちろんのこと、イタリア民謡を取り入れたノスタルジックな音楽がとても印象的でした。

 3時間20分という長い上映時間ですが、見ている間はその長さを全く感じさせません。時代の流れに伴い家族や社会が変わる中で孤立していくマイケルという男の人生の哀しみをぜひ感じてください。 

製作年度 1974年 
製作国・地域 アメリカ
上映時間 200分
監督 フランシス・フォード・コッポラ 
原作 マリオ・プーゾ 
脚本 フランシス・フォード・コッポラ 、マリオ・プーゾ 
音楽 カーマイン・コッポラ 、ニーノ・ロータ 
出演 アル・パチーノ 、ロバート・デュヴァル 、ダイアン・キートン 、ロバート・デ・ニーロ 、ジョン・カザール 、タリア・シャイア 、リー・ストラスバーグ 、マイケル・V・ガッツォ 、マリアンナ・ヒル 、ハリー・ディーン・スタントン 、ダニー・アイエロ 、ジェームズ・カーン 、

| | コメント (1) | トラックバック (0)

« 2007年3月4日 - 2007年3月10日 | トップページ | 2007年3月18日 - 2007年3月24日 »