『ゾンビ』(ダリオ・アルジェント版)この映画を見て!
第193回『ゾンビ』(ダリオ・アルジェント版) 今回紹介する作品は以前にも一度紹介した『ゾンビ』のダリオ・アルジェントが監修した119分のヴァージョンです。
ゾンビはいくつものバージョンがあることで有名です。今回紹介するバージョンの他に、アメリカで公開された127分のバージョン、アメリカ公開版をバースにカンヌ映画祭出品用に編集されたディレクターズカット版と称される139分のバージョン、テレビ東京で初放映されたサスペリアバージョン、テレビ東京で再放映されたバージョンがあります。
日本で1979年に初公開されたバージョンは今回紹介するダリオ版を5分短縮したものでした。
ダリオ版『ゾンビ』の最大の特長はロメロが監修したヴァージョンと違ってイタリアのプログレッシブバンド「ゴブリン」の激しいサウンドが全編にわたって鳴り響いているところです。ロメロ版『ゾンビ』は音楽があまり使われておらず見る者に静謐かつ空虚な印象を与えますが、ダリオ版『ゾンビ』はゴブリンサウンドの効果で見る者のテンションが上がります。音楽の使い方で同じ映画にも関わらず印象が全く違います。
編集もロメロ版は人間ドラマや空虚な終末世界の描写に重点が置かれているのに対して、ダリオ版は主人公たちのサバイバルアクションに重点が置かれています。
私は今までロメロが監修したアメリカ公開版とディレクターズカット版しか見た事がなかったのですが、長らく絶版となっていたダリオ版が12月に低価格DVDとして再販されたのを機に見ることができました。
ダリオ版はゾンビと人間との死闘に重点を置き、テンポよく話しが進んでいくので、手に汗握って最後まで飽きることなく見ることができます。またロメロ版には出てこないシーンも幾つかあり、見ていて「あっ」と思いました。
ロメロ版、ダリオ版どちらが良いかといわれると迷うところで、ロメロ版のドキュメンタリータッチの淡々かつダラダラとした雰囲気も捨てがたいです。スカッと楽しみたいならダリオ版、じっくり楽しみたいならロメロ版といったところでしょうか。
上映時間 119分
製作国 アメリカ/イタリア
監督: ジョージ・A・ロメロ
脚本: ジョージ・A・ロメロ
撮影: マイケル・ゴーニック
特殊メイク: トム・サヴィーニ
音楽: ゴブリン,ダリオ・アルジェント
出演: デヴィッド・エムゲ, ケン・フォリー, スコット・H・ライニガー, ゲイラン・ロス
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