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『アンタッチャブル』この映画を見て!

第185回『アンタッチャブル』
Photo  今回紹介する作品は30年代のシカゴを舞台に暗黒街の帝王アル・カポネと若き財務官の戦いを描く『アンッタチャブル』です。
 本作品はパラマウント映画が創立75周年記念として製作されたそうで、スタッフ・キャスト共に大変豪華です。まず監督には独特の映像スタイルで人気のあったブライアン・デ・パルマ、音楽にイタリアを代表する映画作曲家・エンニオ・モリコーネ、衣装に有名なファッションデザイナー・アルマーニと第一線で活躍するスタッフを迎えて、重厚かつスタイリッシュな雰囲気を作り出しています。また、ケヴィン・コスナーやアンディ・ガルシアなどの注目の若手俳優からショーン・コネリーやロバート・デ・ニーロといった演技派俳優を揃えて、映画の中のキャラクターを活き活きと演じています。
 
 ストーリー:「禁酒法が施行されていた1930年代のシカゴ。財務局捜査官エリオット・ネスは酒の密売で多額の利益を上げていたアル・カポネの捜査に乗り出す。しかし、警察の中にもカポネに買収されている警官がいて、捜査状況は全てカポネに筒抜けであった。
 ネスはベテラン警官マローン、新人警察官・ストーン、財務局の経理係・ウォレスと4人の少数精鋭のチームを結成して、摘発を始める。
 彼らは次々と酒の密売現場を取り押さえるが、カポネも黙っているはずもなく、ネスたちは彼らから脅迫されてしまう。
 彼らはカポネの帳簿から脱税の糸口をつかみ、カポネを告訴しようとする。しかし、カポネからの反撃により、彼らは窮地に立たされる。」

 マフィアが出てくる映画というと『ゴッドファーザー』や『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』等の作品が有名で、血なまぐさい暴力と男たちの重厚なドラマを時間をかけて描くことが多いです。
 しかし、本作品はそれらの作品と比べると勧善懲悪の単純明快なストーリーで上映時間も2時間以内と短く、誰もが手軽に楽しめます。(ただ、その分重厚なドラマを期待している人には物足りないかもしれませんが・・・)
 
 本作品を私が始めて見たのは中学生のときだったと思うのですが、その時はショーン・コネリーとロバート・デ・ニーロの演技に圧倒されてたのを今でも覚えています。
 007シリーズのジェームス・ボンド役以外知らなかったショーン・コネリーの年を積み重ねた役者だからこそ出来るいぶし銀の演技。彼の姿を見て、私は年を取ることは悪いことではないと思うようになりました。
 ロバート・デ・ニーロも私がずっと好きな俳優だったので、本作品でも憎憎しい悪役を存在感たっぷりに活き活きと演技をしていたのが印象的でした。髪の毛を抜き、体重を増やしてアル・カポネ役に挑んだというだけあって、オープニングの登場シーンから何といえない威圧感と緊張感を醸し出していたと思います。特に私が印象的だったのはバットで頭を殴るシーンとオペラで涙を流すシーン。アル・カポネの暴力性と人間性を見事に表現していたと思います。
 もちろん主演のケヴィン・コスナーの清純な演技やアンディ・ガルシアの目で訴える演技も素敵でしたし、チャールズ・マーティン・スミス演じる経理係もお気に入りのキャラクターでした。あと殺し屋を演じたビリー・ドラゴの鋭い目線と嫌みったらしい演技も大好きでした。

 本作品を語るときにブライアン・デ・パルマの華麗な映像テクニックも外すことができません。長回しやスローモーションを多用することで有名なデ・パルマですが、本作品ではそれらの映像テクニックが嫌味なく上手に使われています。
 特に私が印象的だったのがマローンが射殺されるシーン。暗殺者の視点での長回しが何ともいえない緊張感を出していました。
 またセントラル駅での階段から乳母車が落ちるシーンは「戦艦ポチョムキン」から引用ので有名ですが、スローモーションを巧みに使った緊迫感のある映像は見事で、上手い引用の仕方だと思います。(ちなみに監督の話では本来はもっと派手なシーンにする予定だそうでしたが、予算不足でああいう形になったそうです。)
 
 あとエンニオ・モリコーネの音楽が大変素晴らしいです。オープニングの不協和音で表現される何ともいえない緊張感、壮大なオーケストラで奏でられる爽やかなメインテーマ。本作品は音楽の付け方や盛り上げ方が大変上手です。

 本作品はスカッとしたいときに打ってつけの映画です。正義を信じる男たちの友情のドラマは見る者の心を熱くします。 

製作年度: 1987年 
上映時間: 120分
監督 ブライアン・デ・パルマ 
原作 オスカー・フレイリー 
脚本 デヴィッド・マメット 
音楽 エンニオ・モリコーネ 
出演 ケヴィン・コスナー、ショーン・コネリー、アンディ・ガルシア、ジョージ・ストーン、チャールズ・マーティン・スミス、ロバート・デ・ニーロ 、ビリー・ドラゴ

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» アンタッチャブル [映画の世界 ~Memories of the Movies~]
ディパーテッドをみて無性にマフィア映画を見たくなり、この映画を見直そう!と思いました。初めて見たのは中学2年の頃、禁酒法やそのころのシカゴの様子など知識がなかった頃に見たので、「面白い!」とは思いましたが、見返してみると大分印象が違いますね。アル・カポネとエリオット・ネスの対決、存分に堪能することができました。 さて、例によって基礎知識を得ておきましょう。 (以下、ウェキペディアより一部抜粋) 『アンタッチャブル』 (The Untouchables) は、1987年のアメリカ... [続きを読む]

受信: 2007年11月 4日 (日) 10時46分

» マッチの日/ アンタッチャブル(87・米) [毎日が映画記念日]
9月16日は「マッチの日」。 [続きを読む]

受信: 2007年11月 6日 (火) 20時23分

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