『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』この映画を見て!
第173回『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』
12年前に社会現象にまでなったロボットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。1995年10月から1996年3月まで全26話としてテレビ東京で放映され、若者たちの間で人気が広がり、97年には劇場用アニメも製作されました。
私も大学生の時に先輩から全話録画されたビデオを渡され、あまりの面白さに12時間かけて一気に鑑賞。それからというものエヴァの世界にどっぷりはまったものでした。謎多きストーリー展開、今までのロボットとは全く違う有機的なエヴァのデザイン、細部までこだわりぬかれた描写、心にトラウマを持つ登場人物たち・・・、全てにおいて今までのアニメにはない魅力が詰まっていました。当時はエヴァのビデオを何十回と見返したり、CDや解説本などを買いあさったりしたものでした。私の20代前半は『エヴァ』抜きに語ることはできないといっても過言ではありません。
そんな『エヴァ』が庵野秀明の下で12年ぶりに4部作の映画として再構築されるということで、私の中でもエヴァブームが再燃。9月1日の第一部公開に向けて、テレビシリーズと旧劇場版のDVDを何回も見直したものでした。
そして、昨日9月1日ついに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の第一部に当たる『序・EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』が公開。私も早速劇場に駆けつけ10年ぶりのエヴァの新作を鑑賞してきました。仕事が終わってからの鑑賞だったので、夜遅かったのですが、劇場はほぼ満席。綾波レイのコスプレをしている女性もいたりして、エヴァの人気の根強さを改めて痛感しました。
『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は序・急・破・完結編の全4部からなり、登場人物や基本設定は同じものの、エヴァのデザインや戦闘シーンはグレードアップ、ストーリー展開も旧作と違う展開になるとのことです。エンディングも旧作と違い、多くの謎がはっきりと解明され、大団円となると発表されています。
庵野秀明総監督を始め、スタッフは今回の映画を新作であって新作でない「REBUILD」という形で製作しているそうです。旧作のファンも満足させながら、2007年の新作アニメとしても楽しめる作品を目指して、旧作の買いたいと再構築を行っているそうです。現在公開されている『序』は基本的にはテレビシリーズとほぼ同じ展開であるのですが、原画や背景は全てリニューアルされ、テレビ版に比べて格段のクオリティアップがなされています。
映画を鑑賞しての私の感想ですが、「面白い」の一言に尽きます。
ストーリー展開は旧作の第壱話「使徒、襲来」から第六話「決戦、第3新東京市」までとほぼ同じです。映画を見るまでは単なるテレビシリーズのダイジェスト版になっていないかどうか心配でした。しかし、さすが庵野監督。旧作を知っている人も十分満足できる内容となっていました。設定やストーリー展開も微妙にテレビシリーズと違っており、「ここであの人物が出てくるの」というシーンや「もうあいつが出てくるの」というシーンがあったりして、続編の展開が非常に気になりました。(テレビシリーズと新劇場版の違いに関しては後日別の記事で詳細に考察したいと思います。)
エヴァの世界観もテレビシリーズより丁寧に説明されており、エヴァ初心者が見ても分かりやすくなっています。
また登場人物の性格も微妙に違っており、シンジが旧作よりも少し攻撃的かつポジティブだったり、ミサトもシンジに対して少し寛容だったりします。この性格の微妙な違いが今後の展開にどう影響するのか気になるところでもあります。
特に今回の映画はシンジの葛藤と成長に焦点がおかれており、テレビ版よりもシンジに感情移入しやすくなっています。(その分、他の人物の心理描写はかなり省略されていますが。)
映像に関してはCGも多用し、旧作に比べて格段に緻密で迫力があります。特に第3新東京市の兵装ビルの描写や後半のヤシマ作戦の戦闘描写は映画ならではのスケールの大きさが感じられました。
ヤシマ作戦は今回の大きな見せ場の1つですが、正八面体の使徒ラミエルの描写が格段にグレードアップしていて驚きました。まさか、あのような変形を行うとは・・・。対する人間側の描写も作戦準備の経過が詳細になっており、クライマックスに向けての見る側のテンションも上がります。
今回の作品は新劇場版の導入部として見事な出来栄えだと思います。次回作「破」の予告編が最後に流れますが、それを見る限り、次回作はテレビシリーズとかなり違う展開になるような気がします。テレビシリーズには登場していない新しいエヴァとパイロットの姿がちらっと映りますが、一体どんな展開になるのか、今から楽しみです。予定では来年春の公開となっていますが、製作が順調に進むことを祈るばかりです。
製作年度 2007年
製作国・地域 日本
上映時間 98分
総監督 庵野秀明
監督 摩砂雪 、鶴巻和哉
原作 庵野秀明
脚本 庵野秀明
音楽 鷺巣詩郎
出演 緒方恵美 、林原めぐみ 、三石琴乃 、山口由里子 、立木文彦 、清川元夢
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