『バタリアン』この映画を見て!
第178回『バタリアン』 今回紹介する作品は日本でもブームを巻き起こしたコメディホラーの傑作『バタリアン』です。本作品の邦題である『バタリアン』は日本の配給会社が独自に付けたタイトルです。原題は『リターン・オブ・ザ・リビング・デッド』というタイトルで、ジョージ・A・ロメロ監督によるゾンビ映画の名作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ作品となっています。
ストーリー:「ケンタッキー州のとある医療倉庫で働くフランクとフレディは地下室に保管されているゾンビの話題で盛り上がる。1969年に軍人病院の薬品事故が原因で蘇生した死体を保管した容器が軍の間違いでこの倉庫に送られてきたのだった。二人はその箱を覗こうと容器を叩いてみると突然謎のガスが噴出。医療倉庫に保管されていた解剖用の死体の数々が動き出す。動き出した死体を処理しようと社長のバートは友人の葬儀屋で火葬をする。しかし、煙が混じった雨のせいで近隣の墓地の死体までどんどん蘇ってしまう。」
本作品は私が小学生だった頃に金曜ロードショーで何回も放映されるほど人気がありました。小学校でも本作品が放映された後は男の子の間で話題になったものでした。当時の私は怖がりであったにも関わらずホラー映画が大好きで、本作品も恐る恐る見たものでした。今見ると笑える作品なのですが、当時はタールマンやオバンバなどのゾンビの造形の気持ち悪さや生きながら死んでいく登場人物たちの姿に背筋が凍る思いをしたものでした。映画のラストもあっけないというか強引というか、予想もしない展開だったので子どもながらに驚いたものでした。
最近、本作品のDVDを購入し20年ぶりに見返したのでしたが、改めてみると非常に完成度の高いゾンビ映画だということが分りました。上映時間も90分と短い分テンポが良く見れますし、気持ち悪い描写のオンパレードの割りに笑える場面も多いので後味もよく、公開当時人気が出たのも頷ける出来でした。
また『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』に対するオマージュのセリフやシーンも随所に見られ、ロメロゾンビファンはニヤッと笑いながら見ることができます。
ただ予算不足で主役級のゾンビを除くとメイクがしょぼいのが残念なところです。
ちなみに本作品のゾンビは私が見たゾンビ映画の中では最強だと思います。頭部を破壊しても、身体をバラバラにしても動きますし、知能も高く、走ることもできる。こんなゾンビに襲われたらどうすこともできませんね。
私が本作品の中でお気に入りのシーンはフランクが自ら焼却炉に入っていくところです。あのシーンだけは何回見て切ないです。
本作品は現在5作目までシリーズ化されていますが、続編はどれもゾンビ映画としては普通の出来です。1作目だけ見れば十分です。
製作年度 1985年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 91分
監督 ダン・オバノン
脚本 ダン・オバノン
音楽 マット・クリフォード
出演 クルー・ギャラガー 、ジェームズ・カレン 、ドン・カルファ 、トム・マシューズ 、ビヴァリー・ランドルフ 、ジョン・フィルビン 、リネア・クイグリー
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