『魔羅の肖像』街を捨て書を読もう!
『魔羅の肖像』 著:松沢呉一 新潮OH!文庫 今回紹介する作品は横丁の性科学者・松沢呉一さんが性器とセックスにまつわる一般常識や俗説、珍説を丹念に調査した報告書『魔羅の肖像』です。
松沢呉一さんというと日本の性風俗の実態を体当たりで調査して軽快な文章で報告してくれることで人気があります。(最近は性風俗ライターでなくカラオケボックス歌手として活躍されているそうですが・・・。)そんな松沢さんの性風俗に関する集大成とも言える作品が本作品です。
文庫本にして500ページ近くある超大作の本作品。あそこが大きい方が気持ちが良いのか、形と気持ちよさに関係はあるのか、オーガズムとはどういう状態を指すのかなど、誰しもが興味ある性器とセックスにおける快楽の関係性についてひたすら書かれています。
戦前の文献から学者の書いた研究書、そして週刊誌の記事に至るまで、膨大な数の性に関する資料の内容が正しいかどうか、風俗関係の女性へのインタビューや自身・友人の経験を重ね合わせることによって検証していきます。そして、巷に広まっている性に関する常識の間違いを明らかにしていきます。
こういう研究だと著者の経験だけで主観的に書かれることが多いのですが、本作品はフィールドワークを丁寧に行い客観的に検証されています。その為、読んでいて参考になります。セックスを楽しむには、あそこだけ素晴らしくても勿論ダメだし、技術だけあってもダメだし(ないよりあった方がいいでしょうが・・・。)、愛だけあってもダメ。(でも思いやりがないセックスは最低。)ではセックスを楽しむために何が必要か?それが知りたい方は本作品を読んで下さい!
性に興味のある人も、性に興味のない人も一度は読んで損しないと思いますよ!
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