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2007年9月

『中島みゆきライヴ!』

『中島みゆきライヴ!』
Photo_2  9月29日から始まった中島みゆきコンサートツアー2007。3年ぶりとなるコンサート、私も大阪公演のチケットが当たり、2001年以来6年ぶりのコンサートに行く予定です。(前回2005年のコンサートは惜しくもチケットが取れませんでした。)
 中島みゆきのコンサートは夜会を除き映像化されることがなく、コンサートに行かない限り見ることは難しかったのですが、3年前にロサンゼルスで収録されたライブ映像がDVDで販売されました。
 そこで今回は『中島みゆきライヴ!』のDVDを紹介します。
 このライブDVDは2004年9月にロサンゼルスのソニー・ピクチャーズ・スタジオ・スコアリング・ステージでのライブが収録されています。参加するミュージシャンもギター・マイケル・トンプソン、ドラム・ヴィニー・カリウタ、キーボード・ジョン・ギルディンとみゆきさんのアルバムをいつもサポートしているメンバーが集結。20人編成のストリングスも配置して厚みのある音を作り出しています。
 収録された曲は7曲と少な目ですが、『歌姫』や『この空を飛べたら』などの過去の名曲から『地上の星』や『銀の龍の背に乗って』などの最近のヒット作までセレクトされています。
 視聴した感想ですが、とにかくみゆきさんの歌う姿と歌声に引き込まれる1時間です。ライブ映像ということもあって、臨場感と緊張感が見る側にもひしひしと伝わってきますし、歌っているときのみゆきさんの表情や仕草、そして衣装が見られるのも嬉しい限りです。
 収録されている曲の中で特に鳥肌がたったのは『夜行』です。90年代以降のみゆきさんの歌い方の特長であるドスのきいた迫力ある歌声を堪能することができます。

 みゆきさんのファンなら絶対買いの1枚です!

【収録曲】
1. この空を飛べたら 
2. 地上の星 
3. 土用波 
4. 銀の龍の背に乗って 
5. この世に二人だけ 
6. 夜行 
7. 歌姫

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『ロッキーホラーショー』この映画を見て!

第179回『ロッキーホラーショー』
Photo  今回紹介する作品は全世界でカルト的人気を持つホラーコメディミュージカル『ロッキーホラーショー』です。
 本作品は1973年にイギリスでロック・ミュージカルとして公演されて人気を博し、舞台にも関わっていたジム・シャーマンの手によって映画化されました。公開当初は奇抜な内容についていけない批評家や観客が多かったようですが、一部の人たちの間では人気が広まるようになりました。そして、上映中に画面に向かって突っ込みを入れたり、スクリーン前で踊ったり、コスプレして鑑賞する熱狂的なファンが現れるようになります。現在では観客が参加できるミュージカル映画として人気が定着しています。

ストーリー:「ブラッドとジャネットは、婚約したことを恩師に報告すべく車を走らせていた。しかし、途中雷雨で道に迷った挙句タイヤがパンクする。助けを求めようとした2人は古城へとたどりつく。その城の主はフランクン・フルター。トランスセクシャル星からやってきた変態科学博士だった。博士は長年の夢だった人造人間ロッキーを開発し、お披露目のパーティを行っていた。」

 本作品のストーリーは下品かつ悪趣味な内容で、お子様や頭の固い人には全くお奨めできません。しかし、常識に縛られた世界にうんざりしている人やエログロナンセンスな世界が好きな人にはお奨めです。変な登場人物たちが織り成すエロスと狂気が渦巻くシュールな世界は一度はまると何度でも見返したくなる魅力があります。
 
 本作品の最大の見所は何といってもティム・カリー演じるフランクン・フルター博士!ゴスロリなファッションで登場する彼の姿は強烈で、一度見ると脳裏に焼きついて離れません。
 また今や演技派の女優として活躍しているスーザン・サランドンも初々しくキュートな演技と歌声は見る者を楽しませてくれます。彼女演じるジャネットが発情して歌う「タチャ・タチャ・タッチ・ミー」のシーンは個人的に大好きなシーンです。

もちろんR・オブライエンの作詞・作曲によるミュージカルナンバーも大変素晴らしく、ロックからソウルまでうまく取り入れた名曲ぞろいです。特にお勧めのナンバーは「タイムワープ」と「サイエンス・フィクション/2本立て」です。

 本作品は好き嫌いが分かれるとは思いますが、映画好きなら一度は見てみる価値があります。

製作年度 1975年
製作国・地域 イギリス
上映時間 99分
監督 ジム・シャーマン 
原作 リチャード・オブライエン 
脚本 ジム・シャーマン 、リチャード・オブライエン 
音楽 リチャード・ハートレイ 
出演 ティム・カリー 、バリー・ボストウィック 、スーザン・サランドン 、リチャード・オブライエン 、ジョナサン・アダムス 、ミート・ローフ 、チャールズ・グレイ 、パトリシア・クイン 

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中島みゆき、来年に夜会公演予定!

Miyuki  昨日から中島みゆきコンサートツアー2007が始まりました。私も来週4日の大阪公演に行く予定ですが、今から楽しみです。
 そんな中、2008年にオープンする赤坂ACTシアターで来年の11月から12月にかけて夜会VOL15が公演される予定だそうです。
 前回の夜会は東京まで見に行ったのですが、それはもう素晴らしい舞台でした。前回は再演でしたが、今回は完全新作となるそうで、一体どんなストーリーになるのか、そしてどんな歌が披露されるのか今から待ち遠しいです。

赤坂ACTシアター公式サイト:http://www.tbs.co.jp/act/

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『バタリアン』この映画を見て!

第178回『バタリアン』
Batariann  今回紹介する作品は日本でもブームを巻き起こしたコメディホラーの傑作『バタリアン』です。本作品の邦題である『バタリアン』は日本の配給会社が独自に付けたタイトルです。原題は『リターン・オブ・ザ・リビング・デッド』というタイトルで、ジョージ・A・ロメロ監督によるゾンビ映画の名作『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』のパロディ作品となっています。

ストーリー:「ケンタッキー州のとある医療倉庫で働くフランクとフレディは地下室に保管されているゾンビの話題で盛り上がる。1969年に軍人病院の薬品事故が原因で蘇生した死体を保管した容器が軍の間違いでこの倉庫に送られてきたのだった。二人はその箱を覗こうと容器を叩いてみると突然謎のガスが噴出。医療倉庫に保管されていた解剖用の死体の数々が動き出す。動き出した死体を処理しようと社長のバートは友人の葬儀屋で火葬をする。しかし、煙が混じった雨のせいで近隣の墓地の死体までどんどん蘇ってしまう。」

 本作品は私が小学生だった頃に金曜ロードショーで何回も放映されるほど人気がありました。小学校でも本作品が放映された後は男の子の間で話題になったものでした。当時の私は怖がりであったにも関わらずホラー映画が大好きで、本作品も恐る恐る見たものでした。今見ると笑える作品なのですが、当時はタールマンやオバンバなどのゾンビの造形の気持ち悪さや生きながら死んでいく登場人物たちの姿に背筋が凍る思いをしたものでした。映画のラストもあっけないというか強引というか、予想もしない展開だったので子どもながらに驚いたものでした。

 最近、本作品のDVDを購入し20年ぶりに見返したのでしたが、改めてみると非常に完成度の高いゾンビ映画だということが分りました。上映時間も90分と短い分テンポが良く見れますし、気持ち悪い描写のオンパレードの割りに笑える場面も多いので後味もよく、公開当時人気が出たのも頷ける出来でした。
 また『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』に対するオマージュのセリフやシーンも随所に見られ、ロメロゾンビファンはニヤッと笑いながら見ることができます。
ただ予算不足で主役級のゾンビを除くとメイクがしょぼいのが残念なところです。

 ちなみに本作品のゾンビは私が見たゾンビ映画の中では最強だと思います。頭部を破壊しても、身体をバラバラにしても動きますし、知能も高く、走ることもできる。こんなゾンビに襲われたらどうすこともできませんね。
 
 私が本作品の中でお気に入りのシーンはフランクが自ら焼却炉に入っていくところです。あのシーンだけは何回見て切ないです。

 本作品は現在5作目までシリーズ化されていますが、続編はどれもゾンビ映画としては普通の出来です。1作目だけ見れば十分です。

製作年度 1985年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 91分
監督 ダン・オバノン 
脚本 ダン・オバノン 
音楽 マット・クリフォード 
出演 クルー・ギャラガー 、ジェームズ・カレン 、ドン・カルファ 、トム・マシューズ 、ビヴァリー・ランドルフ 、ジョン・フィルビン 、リネア・クイグリー

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『魔羅の肖像』街を捨て書を読もう!

『魔羅の肖像』 著:松沢呉一 新潮OH!文庫
Mara  今回紹介する作品は横丁の性科学者・松沢呉一さんが性器とセックスにまつわる一般常識や俗説、珍説を丹念に調査した報告書『魔羅の肖像』です。
 松沢呉一さんというと日本の性風俗の実態を体当たりで調査して軽快な文章で報告してくれることで人気があります。(最近は性風俗ライターでなくカラオケボックス歌手として活躍されているそうですが・・・。)そんな松沢さんの性風俗に関する集大成とも言える作品が本作品です。
 文庫本にして500ページ近くある超大作の本作品。あそこが大きい方が気持ちが良いのか、形と気持ちよさに関係はあるのか、オーガズムとはどういう状態を指すのかなど、誰しもが興味ある性器とセックスにおける快楽の関係性についてひたすら書かれています。
 戦前の文献から学者の書いた研究書、そして週刊誌の記事に至るまで、膨大な数の性に関する資料の内容が正しいかどうか、風俗関係の女性へのインタビューや自身・友人の経験を重ね合わせることによって検証していきます。そして、巷に広まっている性に関する常識の間違いを明らかにしていきます。
 こういう研究だと著者の経験だけで主観的に書かれることが多いのですが、本作品はフィールドワークを丁寧に行い客観的に検証されています。その為、読んでいて参考になります。セックスを楽しむには、あそこだけ素晴らしくても勿論ダメだし、技術だけあってもダメだし(ないよりあった方がいいでしょうが・・・。)、愛だけあってもダメ。(でも思いやりがないセックスは最低。)ではセックスを楽しむために何が必要か?それが知りたい方は本作品を読んで下さい!
 性に興味のある人も、性に興味のない人も一度は読んで損しないと思いますよ!

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『ワイルドバンチ』(特別版)この映画を見て!

第177回『ワイルドバンチ』(特別版)
Wikd_bunch  今回紹介する作品は映画史においてバイオレンス・アクションの頂点として評価されている西部劇『ワイルド・バンチ』です。
 公開当時はオープニングとラストの過激な銃撃戦が大変話題を呼びました。一般市民も巻き込んだオープニングの生々しい銃撃戦、「死の舞踏」と呼ばれるほど残酷で美しいラストの銃撃戦。本作品の銃撃戦は芸術の域まで達しています。監督のスローモーションを多用した撮影方法と膨大なカットを巧みに使用した編集方法は、後のアクション映画にも多大な影響を与えました。

 ストーリー:「西部開拓史がとうに終わりを告げた20世紀初頭のアメリカ。パイクを中心とする中年強盗団ワイルドバンチは銀を奪うために鉄道事務所を襲撃する。しかし、それは一味を捕らえるための鉄道会社の罠だった。市街地での壮絶な銃撃戦の末、何とか逃げ切るワイルドバンチの生き残った5人の男たち。仮釈放されたかつての仲間ソーントンの追撃する中、メキシコにたどり着く。
 そこで野盗の大将マパッチ将軍に米軍の武器弾薬強奪の話しを持ちかけられる。米政府の輸送列車の襲撃に成功するワイルドバンチ。しかし、武器引渡しに至り、仲間の一人がリンチを受ける。復讐に燃える4人の男たちはマパッチ将軍に闘いを挑む。」

 始めて本作品を見た時は主人公たちの生き様のカッコ良さにしびれたものでした。時代の変化に取り残され男たちが最後まで自分たちの生き方にこだわりつづける姿に私は切なさと潔さを強く感じたものでした。
 
 子どもたちが蟻に襲われているサソリをいじめる強烈なシーンから本作品は始まりますが、そのシーンに本作品のテーマが見事に凝縮されていると思います。かつて力を誇った男たち(サソリ)が新たな時代(子ども)についていけず滅んでいく・・・。
 映画のラスト、捕らえられた仲間を救出するために勝ち目のない闘いを挑む男たちの姿には哀愁と意地と美学が感じられます。

 また、本作品は子どもたちが非常に存在感を持って描かれています。映画のオープニングはもちろんのこと、後半のマパッチのアグアベルデにおいても頻繁に無垢で残酷な子どもたちの姿が描かれます。本作品において子どもたちは善と悪、正義と不正義、美と醜が混沌としている世界でしぶとく生きる人間たちの象徴です。

 本作品はアクションシーンの迫力ばかりが注目されますが、静かな場面もとても印象的です。映画の中盤の村での何気ない会話、ラストのソーントンが一人佇む場面。静と動のコントラストが本作品に躍動感と叙情性を与えています。

 最近の派手なだけで中身のないアクション映画とは一味違う大人の男のための映画です。好き嫌いは分かれると思いますが、男なら一度は見て損はないと思います。 

製作年度 1969年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 145分
監督 サム・ペキンパー 
原作 ウォロン・グリーン 、ロイ・N・シックナー 
脚本 サム・ペキンパー 、ウォロン・グリーン 
音楽 ソニー・バーク 、ジェリー・フィールディング 
出演 ウィリアム・ホールデン 、アーネスト・ボーグナイン 、ロバート・ライアン 、ウォーレン・オーツ 、ベン・ジョンソン 、エドモンド・オブライエン

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』この映画を見て!

第176回『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART3』
Back_to_the_future_3  今回紹介する作品はタイムトラベル映画の傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の完結編です。
ストーリー:「前作のラストで1995年に取り残されたマーティは落雷で1885年にタイムスリップしたドクから手紙を受け取り、洞窟に隠されたデロリアンとドクの墓を発見する。ドクは手紙を書いた1週間後に何と銃殺されていた!マーティはドクを助けるために開拓時代のアメリカへと旅立つ・・・。」
 
 前作は未来や過去を行き来する目まぐるしい展開でしたが、本作品は開拓時代のアメリカを舞台に話しが展開します。
 私は小さい時にテレビでよく昔の西部劇を見て楽しんでいたので、この作品を見た時は久しぶりのハリウッド製作の本格的な西部劇を見られて嬉しかったものでした。オープニングのネイティブアメリカンと騎馬隊の攻防、酒場での乱闘、広場でのダンスパーティー、一対一の決闘、そしてクライマックスの列車強盗と西部劇の魅力が余すことなく描かれており、スタッフやキャストたちのアメリカ映画のかつてお家芸であった西部劇に対する敬意と愛情が随所に感じられました。
 
 もちろん、3部作の完結編としても上手くまとまっており、タイムトラベルを通したマーティの成長やドクの心境の変化などが巧みに描かれています。特に前作まで短気で怒りやすかったマーティが自分を抑えることができるようになり未来が良い方向へと変わるシーンは、3部作通して見ると感慨深いものがあります。映画のラストにドクがマーティに語る「未来は白い紙に自分で描いていくもの」というセリフは見ていて深く胸に刻まれたものでした。

 また本作品は1作目と相似形の作品となっています。その為、1作目と展開は非常に似ています。ただ大きく違うところが1点あって、1作目がマーティをドクを助けるのに対して3作目がマーティがドクを助けるというところです。
 さらに随所に1作目や2作目とリンクするネタも張られているので、それを探すのも本作品を見るときの楽しみの1つです。
 
 3部作の映画は数多く制作されていますが、本シリーズほど完成度が高く面白い作品はないと思います。未見の方は一度は見て損はないとおもいますよ! 

製作年度 1990年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 119分
監督 ロバート・ゼメキス 
製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ 、フランク・マーシャル 、キャスリーン・ケネディ 
脚本 ボブ・ゲイル 
音楽 アラン・シルヴェストリ 
出演 マイケル・J・フォックス 、クリストファー・ロイド 、メアリー・スティーンバージェン 、リー・トンプソン 、トーマス・F・ウィルソン 、エリザベス・シュー 、マット・クラーク 、リチャード・A・ダイサート 、パット・バトラム

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』この映画を見て!

第175回『バック・トゥ・ザ・フューチャー PART2』
Back_to_the_future_2  今回紹介する作品はタイムトラベル映画の傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の続編です。前回の作品の大ヒットを受けて、当初は製作予定でなかった続編が製作されました。当初はもう1作品だけ製作する予定でしたが、構想がふくらみ1作では話しが収まりきらず続編を2作製作することになりました。その為、2作目は話しが「次回に続く」という形で途中で終わってしまいます。

 ストーリー:「1作目のエンディングから話しはスタート。マーティは子どもたちの問題を解決するためにドクと2015年に向かう。トラブルに巻き込まれながらも。何とか子どもたちが起こす問題を未然に防ぐことに成功する。しかし、20世紀の商品を売るアンティークショップでマーティが手に入れたスポーツ年鑑が原因で1985年の歴史が大きく変わってしまう。マーティとドクは歴史を戻すために最初にタイムスリップした1955年に戻る。」

 本作品は現代→未来→現代→過去と目まぐるしく時代を行き来します。その為、1作目よりもタイムトラベルの醍醐味が味わえます。
 特に2015年の未来社会のシーンは本作品の最大の見せ場と言ってよく、空飛ぶ車や3Dの看板などSF好きにはたまらない描写の連続です。ただ、2007年の今見ると、乗り物の進歩に比べてテレビが未だブラウン管だったりするところが製作当時のスタッフたちの未来に対するイメージが伺えて面白いです。
 また1作目の舞台となった両親が結ばれるパーティーのシーンが2作目でも重要な舞台となっており、後半の展開は1作目を知ってから見ないと面白さが半減します。最初見たときは1作目の裏側でこんな話しが展開されていたとはと驚いたものでした。
 それにしても1作目の話しをこれだけリンクさせた続編のストーリーを書き上げた脚本家は素晴らしいと思います。

 役者に関しては基本1作目に出演していた人が継続して参加しているのですが、お父さん役のクリスピン・グローヴァーと恋人役のクローディア・ウェルズは降板しており、違う役者さんが演じています。
 演技での見所は何といってもマイケル・J・フォックス の一人三役!女装や老人役に挑戦しています。
 またワンシーンですが幼いときのイライジャ・ウッドもゲーセンのシーンで出演していますので、ファンの方はお見逃しなく! 

 本作品を見たら、絶対に完結編となるPART3を見たくなると思います。本当に良く出来たシリーズです。 

製作年度 1989年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 108分
監督 ロバート・ゼメキス 
製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ 、フランク・マーシャル 、キャスリーン・ケネディ 
脚本 ボブ・ゲイル 
音楽 アラン・シルヴェストリ 
出演 マイケル・J・フォックス 、クリストファー・ロイド 、リー・トンプソン 、トーマス・F・ウィルソン 、エリザベス・シュー 、ジェームズ・トルカン 、ジェフリー・ワイズマン 、ケイシー・シーマツコ 、ビリー・ゼイン

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『バック・トゥ・ザ・フューチャー』この映画を見て!

第174回『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
Back_to_the_future  今回紹介する作品はタイムトラベル映画の傑作『バック・トゥ・ザ・フューチャー』です。
 
 私がこの作品を始めてみたのは小学生のときでしたが、その時はあまりの面白さに画面に釘付けでした。デロリアンという車型のタイムマシーンのカッコよさ、主人公が両親の若い時に遭遇するという設定の面白さ、現代に無事戻れるかどうかの後半の緊迫感。こんなに面白い映画が作れるハリウッドって凄いなあと子どもながらに感心したものでした。
 
 ストーリー:「1985年10月25日、高校生マーティはブラウン博士(通称:ドク)に呼び出されて、深夜の秘密実験に参加する。その実験とは博士は自動車型タイムマシン・デロリアンを使ってタイムトラベルの行うというものだった。ドクの愛犬アインシュタインを使った実験は無事成功。続いてドクが乗り込み実験を行おうとしたが、テロリストに突然襲撃される。ドクはテロリストをだましてデロリアンの燃料であるプルトニウムの調達を行っていたが、それがばれて命を狙われていたのだった。ドクは機関銃で撃たれてしまう。マーティもテロリストに狙われるが、デロリアンに乗り込み間一髪襲撃から逃れる。しかし、逃げる際に誤って30年前にタイムスリップをしてしまう。
 燃料が切れて帰れなくなってしまったマーティは30年前のドクに助けを求めることにする。しかし、その途中で自分の両親に会ってしまい、歴史が改変され自分の存在が消えてしまうかもしれない危機に陥ってしまう・・・。」

 この作品はストーリーにとても上手に出来ています。前半に伏線を張りめぐらせ、後半にそれを一気に解決させる展開は無駄がなく、最後まで飽きることなく見ることができます。
 また、登場人物の会話も過去と現代のギャップを巧みに取り入れたユーモアに富んでおり、見ていてとても楽しいです。特に私が面白かったのは、日本製品に対する80年代と50年代の評価のズレとレーガン大統領をめぐる50年代の人の反応です。たった30年という短い間に結構いろいろなことが変わるんだなあと、この映画を見るといつも思ってしまいます。

 また、登場するキャラクターたちのコミカルな演技も大きな魅力です。マーティを演じたマイケル・J・フォックスの身のこなしの軽さと爽やかさ。ドクを演じたクリストファー・ロイドの第一印象の強烈なインパクトとユーモラスな演技。この2人の息の合った演技が映画に躍動感を与えています。

 あと、この作品はタイムトラベルに関して細部まで作りこまれており、何回見ても発見があり飽きることがありません。

 この作品は続編が2作製作されましたが、やはり1作目が一番面白いと思います。もし、この作品をまだ見たことない人がいたら絶対に見た方が良いと思います。

製作年度 1985年
製作国・地域 アメリカ
上映時間 116分
監督 ロバート・ゼメキス 
製作総指揮 スティーヴン・スピルバーグ 、キャスリーン・ケネディ 、フランク・マーシャル 
脚本 ロバート・ゼメキス 、ボブ・ゲイル 
音楽 アラン・シルヴェストリ 
出演 マイケル・J・フォックス 、クリストファー・ロイド 、リー・トンプソン 、クリスピン・グローヴァー 、ウェンディ・ジョー・スパーバー 、マーク・マクルーア 、クローディア・ウェルズ 、トーマス・F・ウィルソン 

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「愛すべきB級映画たち」私の映画遍歴13

 「映画は芸術だ」という人がいますが、私の中で「映画は芸術であり見世物でもある」と思っています。黒澤明やキューブリック、タルコフスキーのような監督が作り上げる芸術的な作品も大好きですが、低俗で下らなく安っぽいB級の映画も大好きです。
 そこで今回は「時間に暇があり、何も考えたくない時」にお薦めのB級映画をご紹介します。

 そもそもB級映画とは低予算かつ短期間で撮影された映画のことを指します。なぜそれらの作品を「B級」と言うかというと以下のような理由があります。

『アメリカでは1945年以前、映画は2本立て公開されており、その1本目に前座として低予算映画が上映されていました。その低予算映画は『B撮影所』で撮られたものだったため、「B映画(B-Pictures)」と呼ばれ、それが後に「B級映画」へ転じていった。』
(フリー百科事典『ウィキペディア』より引用)

 私の中でB級映画とは以下のような作品を指します。
・人類の危機など大げさな設定の割りに、しょぼい映像かつこじんまりとしたストーリーの作品
・無名な女優のお色気シーンや、荒地や工場・倉庫等でのアクションシーンがやたらに多い作品
・汚い描写、グロい描写にやたらこだわる
・ラストが意味不明だったり、続編がありそうな感じで終わることが多い
 
 昔の映画館では2本立てで映画が公開されることが多く、B級映画が比較的多く上映されていました。またテレビでも日曜洋画劇場や深夜にB級作品がよく放映されていました。その為、B級映画を普段から見る機会に恵まれていました。
 逆に最近は多くの映画館で上映される多くの作品はある程度有名なキャストを起用し、予算をかけて製作されたものばかりです。(内容的にはB級映画よりも面白くなく、退屈な作品も多いですが・・・。)またテレビでもヒット作ばかり放映することが多く、以前ほどB級映画が放映されることが少なくなりました。
 その為、B級映画と呼ばれる作品を見るためにはミニシアターに行くか、ビデオを借りるしかなく、B級映画が好きな人以外は気軽に見る機会が少ない状況です。(確かにわざわざ金を出してまで下らない作品を見たいという人は少ないかもしれませんが・・・)

 B級映画は確かに内容は突っ込みどころも多く、中身も薄っぺらいです。だからこそ、肩肘張らず気楽に見ることができますし、突っ込みどころが多い分、大勢でワイワイ見られます。
 ぜひ多くの人にB級映画の素晴らしさを感じて欲しいです。

・私のお薦めB級映画10本!

Squirm 『スクワーム』(1976年、アメリカ、96分)
 アメリカの田舎町で突如大量のゴカイが人間を襲うという悪趣味極まりない本作品。見所は人間の体にゴカイが食い込むシーンとシャワーを浴びていたらゴカイが落ちてくるシーンです。本作品は撮影の為に8000万匹のゴカイを集めたそうです。これだけたくさんのゴカイが登場する作品後にも先にもありません。この作品を見ると、しばらくはパスタが食べられなくなるのでご注意を!


Life_force 『スペースバンパイア』(1985年、アメリカ、116分)
 吸血エイリアンが人間を襲うという本作品。昔、日曜洋画劇場でよく放映されていました。『エイリアン』のダン・オバノンが脚本、『悪魔のいけにえ』のドビー・フーパーが監督、ヘンリー・マシニーが音楽という有名なスタッフが結集して製作された作品ですが、中身は思いっきりB級です。見所はマチルダ・メイの裸体と精気をすわれてミイラ化する人間の描写です。設定と音楽は思いっきり壮大ですが、映像とストーリーは何とも安っぽいです。

Maximumoverdrive  『地獄のデビル・トラック』(1986年、アメリカ、98分) 
 地球の側を通過した彗星の影響で、地上のあらゆる機械が人間を襲い始めるという本作品。ホラー小説の帝王スティーブン・キングが自らの原作を元に初監督した作品でもあります。この作品を見ると小説家として才能がある人が監督としての才能があるとは限らないことが良く分かります。映像・音楽・ストーリー全てにわたってB級感丸出しで、下らないの一言です。ただこの下らなさがB級好きにはたまりません。 

Attack_killer_tomatoes 『アタック・オブ・ザ・キラー・トマト』(1978年、アメリカ、98分)
 突如トマトが人間を襲うという本作品。ティム・バートン監督が98年に監督した火星人襲来映画『マーズ・アタック!』の元ネタでもあります。
 トマトがどう人間を襲うのかと期待して見てみると、小さいトマトや張りぼてのトマトがただ転がって、人間が慌てふためいているだけという下らなさ。怖くもなければ、さして面白くもない作品ですが、トマトが人間を襲うという設定だけで映画を作ろうとした人たちはある意味凄いと思います。

Shivers『シーバース』 (1975年、カナダ、95分)
 寄生虫が理性を狂わせマンションの住民を次々に支配していくという本作品。監督は『ヒストリー・オブ・バイオレンス』や『裸のランチ』の鬼才デヴィッド・クローネンバーグが担当。彼の作品らしく、内臓感覚にこだわった描写があります。寄生虫が体に入ると性衝動が高まり、エッチをすると相手にも感染するという設定なのですが、エログロ満載のストーリー展開は見る者を画面に釘付けにします。

Photo 『地獄』 (1960年、日本、100分)
 この世とあの世の地獄絵図を生々しく描いた本作品。1960年に製作された作品でありながら、今見ても強烈な印象を残す作品です。監督は『東海道四谷怪談』等で有名な中川信夫が担当。この作品はこの世の悲惨な出来事を描く前半とあの世の地獄を描く後半の2部構成となっており、映画の中盤に登場人物全員が死んで地獄に行くという凄いストーリー展開となっています。前半のこれでもかと主人公を襲う不幸な出来事も見所満載ですが、何と言っても後半の地獄絵図が最大の見所です。特撮はチープでありながら、何とも生々しいものがあり、見る者を圧倒します。

Gozu 『牛頭 極道恐怖劇場』(2003年、日本、126分)
 主人公のヤクザが兄貴分を殺してしまうことで不条理な世界に足を踏み入れるという本作品。最初見たときはあまりに意味不明な展開が続くので正直戸惑ってしまいました。ストーリーだけ追うと退屈な作品でありますが、鬼才・三池崇史が監督しているだけあって、映像と演出が強烈で不気味な雰囲気が終始漂います。見所はラストシーンの哀川翔の予想外の登場の仕方!まさかあそこからあんな形で登場するとは。一見の価値ありです。

Shiberianexpress 『シベリア超特急』
 シベリア鉄道を走る列車内で起きる連続殺人事件の謎を陸軍大将・山下泰文が推理するという本作品。映画評論家として活躍した水野晴朗が主演・脚本・監督を務めた力作であるのですが、見事なほど出来の悪い作品です。水野晴郎のセリフ棒読みの演技、セット丸出しの映像、二重三重のどんでん返しの下らなさ、全てにおいて最低です。しかし、ここまで最低だと、逆に見ていて面白いものがあります。


Sasori 『女囚さそり・けもの部屋』(1976年、日本、83分)
 篠原とおる原作の人気劇画を梶芽衣子主演で映画化した『女囚さそり』シリーズ。全部で4作品製作されましたが、その3作目に当たる作品が本作品です。刑務所を脱獄した“さそり”こと松島ナミの活躍を描くのですが、その描き方がぶっ飛んでいます。まるでサイボークのように不死身かつ超人的な活躍をするさそりの姿は見ていて圧倒されます。また脇役の個性も強烈で、特に李礼仙と成田三樹夫の演技は凄いの一言です。

Crazyrip 『発狂する唇』(1999年、日本、85分)
 女子中学生連続殺人事件の容疑者の家族を襲う不条理な悲劇を描いた本作品。『リング』の高橋洋が脚本を担当しているので、一見とてつもなくシリアスな作品かと見間違うのですが、内容はハチャメチャの一言です。ホラーあり、スプラッターあり、過激な性描写あり、カンフーあり、ミュージカルありのごった煮の状態で、意味不明なシーンのオンパレードです。登場人物も一癖も二癖もある人ばかりです。見所は主人公を演じる三輪ひとみに訪れる災難の数々とラストの大杉漣ぶっ飛んだ演技です。

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『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』この映画を見て!

第173回『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序 EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』
Evangelion_new_movie  12年前に社会現象にまでなったロボットアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』。1995年10月から1996年3月まで全26話としてテレビ東京で放映され、若者たちの間で人気が広がり、97年には劇場用アニメも製作されました。
 私も大学生の時に先輩から全話録画されたビデオを渡され、あまりの面白さに12時間かけて一気に鑑賞。それからというものエヴァの世界にどっぷりはまったものでした。謎多きストーリー展開、今までのロボットとは全く違う有機的なエヴァのデザイン、細部までこだわりぬかれた描写、心にトラウマを持つ登場人物たち・・・、全てにおいて今までのアニメにはない魅力が詰まっていました。当時はエヴァのビデオを何十回と見返したり、CDや解説本などを買いあさったりしたものでした。私の20代前半は『エヴァ』抜きに語ることはできないといっても過言ではありません。
 そんな『エヴァ』が庵野秀明の下で12年ぶりに4部作の映画として再構築されるということで、私の中でもエヴァブームが再燃。9月1日の第一部公開に向けて、テレビシリーズと旧劇場版のDVDを何回も見直したものでした。

 そして、昨日9月1日ついに『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』の第一部に当たる『序・EVANGELION:1.0 YOU ARE (NOT) ALONE』が公開。私も早速劇場に駆けつけ10年ぶりのエヴァの新作を鑑賞してきました。仕事が終わってからの鑑賞だったので、夜遅かったのですが、劇場はほぼ満席。綾波レイのコスプレをしている女性もいたりして、エヴァの人気の根強さを改めて痛感しました。
 
 『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』は序・急・破・完結編の全4部からなり、登場人物や基本設定は同じものの、エヴァのデザインや戦闘シーンはグレードアップ、ストーリー展開も旧作と違う展開になるとのことです。エンディングも旧作と違い、多くの謎がはっきりと解明され、大団円となると発表されています。
 庵野秀明総監督を始め、スタッフは今回の映画を新作であって新作でない「REBUILD」という形で製作しているそうです。旧作のファンも満足させながら、2007年の新作アニメとしても楽しめる作品を目指して、旧作の買いたいと再構築を行っているそうです。現在公開されている『序』は基本的にはテレビシリーズとほぼ同じ展開であるのですが、原画や背景は全てリニューアルされ、テレビ版に比べて格段のクオリティアップがなされています。

 映画を鑑賞しての私の感想ですが、「面白い」の一言に尽きます。
 
 ストーリー展開は旧作の第壱話「使徒、襲来」から第六話「決戦、第3新東京市」までとほぼ同じです。映画を見るまでは単なるテレビシリーズのダイジェスト版になっていないかどうか心配でした。しかし、さすが庵野監督。旧作を知っている人も十分満足できる内容となっていました。設定やストーリー展開も微妙にテレビシリーズと違っており、「ここであの人物が出てくるの」というシーンや「もうあいつが出てくるの」というシーンがあったりして、続編の展開が非常に気になりました。(テレビシリーズと新劇場版の違いに関しては後日別の記事で詳細に考察したいと思います。)
 エヴァの世界観もテレビシリーズより丁寧に説明されており、エヴァ初心者が見ても分かりやすくなっています。

 また登場人物の性格も微妙に違っており、シンジが旧作よりも少し攻撃的かつポジティブだったり、ミサトもシンジに対して少し寛容だったりします。この性格の微妙な違いが今後の展開にどう影響するのか気になるところでもあります。
 特に今回の映画はシンジの葛藤と成長に焦点がおかれており、テレビ版よりもシンジに感情移入しやすくなっています。(その分、他の人物の心理描写はかなり省略されていますが。)

 映像に関してはCGも多用し、旧作に比べて格段に緻密で迫力があります。特に第3新東京市の兵装ビルの描写や後半のヤシマ作戦の戦闘描写は映画ならではのスケールの大きさが感じられました。
 ヤシマ作戦は今回の大きな見せ場の1つですが、正八面体の使徒ラミエルの描写が格段にグレードアップしていて驚きました。まさか、あのような変形を行うとは・・・。対する人間側の描写も作戦準備の経過が詳細になっており、クライマックスに向けての見る側のテンションも上がります。
 
 今回の作品は新劇場版の導入部として見事な出来栄えだと思います。次回作「破」の予告編が最後に流れますが、それを見る限り、次回作はテレビシリーズとかなり違う展開になるような気がします。テレビシリーズには登場していない新しいエヴァとパイロットの姿がちらっと映りますが、一体どんな展開になるのか、今から楽しみです。予定では来年春の公開となっていますが、製作が順調に進むことを祈るばかりです。
 

製作年度 2007年
製作国・地域 日本
上映時間 98分
総監督 庵野秀明 
監督 摩砂雪 、鶴巻和哉 
原作 庵野秀明 
脚本 庵野秀明 
音楽 鷺巣詩郎 
出演 緒方恵美 、林原めぐみ 、三石琴乃 、山口由里子 、立木文彦 、清川元夢 

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